TBS 1976年1月16日
あらすじ
病院を飛び出した幸子(山口百恵)はいまだに行方不明。茂(宇津井健)たちも留守のため、森川(福田豊士)と光夫(三浦友和)は相談の末、警察に捜索願を出す。
2024.5.29 BS-TBS録画。
作:橋田壽賀子
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大島茂:宇津井健
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大島幸子:山口百恵
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相良光夫:三浦友和
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杉岡太一郎:松村達雄
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相良多加子:原知佐子
ナレーター:内藤武敏
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川村:川口厚
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岡崎ユカリ:小川美希
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相良英治:長門裕之
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大島敏江:渡辺美佐子
光夫が幸子を捜して夜道を走る。川村のアパートに行ったが、川村はユカリといて、幸子は来なかったと言う。
大島家は鍵がかけられており、自室にいた幸子が手首に刃物を当てようとしていた。庭に犬小屋とヴァンがいた。光夫がヴァンを連れてるときは、大島家に行ってるの!?
光夫は大島家の窓ガラスを割って侵入し、幸子を止めた。ほっといてと言う幸子に光夫が“君が勝手に病気をこしらえて〜”って、橋田脚本だね!
もうすぐ死ぬのに病院に戻ってどうするの?と言う幸子。光夫は君がいないのならと自ら刃物を当てたが幸子が止めた。
病院に行った光夫は森川の手伝いをさせてほしい、血液学を専攻すると言った。
茂から大阪から戻ってきた。茂の前回ラストに土産物屋で見ていた馬のぬいぐるみを幸子に渡そうとしたが、幸子はそっぽを向いて無反応。
森川と茂が屋上で話し合い。光夫も加わり、幸子の心を開かせると宣言する茂。
杉岡産婦人科医院
敏江はようやく太一郎から家に帰ってもいいと言われたが、娘なんかつまらん、と言う太一郎が寂しそうに見え、もう一泊しようと言っていたところに茂から電話があり、自宅に戻った。
大島家
茂は本当の病名を打ち明けようと敏江に言う。真実を打ち明けて悔いのないように生きさせてやりたい。敏江の賛同を得たいが、敏江は本当の母親である理恵と相談したらいいと言う。敏江は本当の子供に愛情を多く注いではならないと子供を作らなかった。茂はそんな敏江が本当の幸子の母親だと言う。さすが橋田さん! 全編橋田脚本で見たかったかも。
川村とユカリは「白い約束」をギターで弾き語り。
隣に座る光夫は何もしゃべらない…ってここは喫茶店!?
相良家
英治に仕事に行くように言う。今は助教授の茂が代わりをやってるって、茂は異動になったんじゃないの!? ユカリから光夫が幸子の付き添いをしていると聞いた多加子は英治に文句タラタラ。ついに家を飛び出す。
多加子が幸子の病室を訪ねた。ベッドサイドにいた光夫は多加子の腕をふりほどいて、部屋から出した。多加子が言う「お母さん、こんな情けない思いして〜」が橋田脚本っぽい。
入れ違いに敏江が病室に入った。布団をかぶって顔を隠す幸子。そのままで聞いてちょうだいと話し始める敏江。ああ、これなら影武者でもいいもんねと思ってたら、幸子が顔を見せ、アキラくんと同じ白血病なのね、あと何ヶ月生きられるのか聞いた。敏江は1年だって2年だって生きられると頭を撫でた。
敏江は幸子が光夫はユカリと結婚して幸せになればいいと言い出すので、あなたは再生不良性貧血だと言った。えぇ!?
病室を出て、廊下のベンチに座り込んだ敏江。光夫が母を家に帰したと戻ってくると、光夫さんお願いしますと敏江が下げた。
病室に入った光夫。幸子は私を忘れてと言うが、光夫は拒絶する。
外のベンチで本当の母親じゃないから言えないのだと茂に話し、行くところがあると言って、秩父の札所巡りを始めた。
おおっ! 秩父の札所巡り! 「思い橋」より随分地味めな所を回ってないか!? 敏江は農婦に話しかけられながらも札所巡りを続ける。
退院して部屋にこもっている幸子。茂が部屋に入り、本当のことを言うぞと白血病だと告げた。ガンの治療用の放射線を浴びて白血病になったのだと説明。告知した上で病気と闘いたい。また幸子は茂にも余命を聞きまくる。
涙ながらに幸子に病気と闘おうと語りかける茂。さすがに橋田脚本は他に比べてセリフ長めに感じるな。
敏江がお遍路姿のまま帰宅した。光夫も大島家にいたのか!
敏江が幸子の部屋に行くと、私のために!?と感激の面持ちで、茂に白血病と闘うと誓った。お母さんが巡礼までしたのに死にたいなんて思っちゃバチがあたっちゃう。
光夫は付き添いをやめる。だけど勉強を見てほしいと幸子は言う。君は強い子だねと走り去る光夫を見ている茂。(つづく)
少しずつ橋田色が漏れ出てきているのが面白い。でも、橋田脚本って全編通してこれで終わり。橋田さんの恋愛パート好きなのでもっと見たかったような。いや、橋田さんの描く多加子がもっと見たかったかも!