徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】女は二度生まれる

1961年 日本

 

あらすじ

芸者の小えん(若尾文子)は男相手の商売をしていたが、銭湯への行き帰りに出会う大学生の牧(藤巻潤)にときめいていた。そんな中、置屋が営業停止となり銀座のバーに勤めることに。芸者時代に出会った筒井(山村聰)と再会し彼の愛人になるが……。

2023.6.17 BS松竹東急録画。ついついためちゃうんだよな~。

 

小えん:若尾文子…字幕黄色。

 

小えんと枕を並べてる筒井という中年男は佐分利信さんだろ? 声で分かったよと思ったら山村聰さんであった。全然分かってないな~。1961年って昭和36年でこの頃からもう白髪頭なんだな~。

 

靖国神社の近くで芸者をやっている小えん。芸者をやめて新宿のバーで働くという桃千代に一緒に働かないか?と誘われる。

 

歌を披露する島崎専務は菅原通済さん。この人、実業家だというけど、結構映画に出てるんだよね。この映画は特別出演だって。しかも、演技は自然でうまい。めちゃくちゃ遊んでた人なんだろうね。

peachredrum.hateblo.jp

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たまたまなんだけど出演作を何作か見ている。

 

芸者置屋

吟子が酔っ払ってグダグダ。他も芸者たちなんだろうけど、一人エプロン姿の鶴子という若い女性は小えんに言われて細々片づけたりしている。この人は、「心」のちーばあみたいに芸者たちのお手伝いしてる人かな?

 

島崎専務と一緒に来た文夫(フランキー堺)と枕を共にする小えん。文夫は専務の会社の人ではなく、烏森の大葉寿司の板前だという。宿屋には恋人という設定で泊まるので、朝には洋服で出られるように着物の下にワンピースを着ている小えん。

 

小えんには名乗らない”パパさん”と車で温泉宿へ出かけた。パパさんは宿で偶然、園子という女性に会い、小えんには会社の同僚に会ったからとウソを言い、園子のほうへ行った。園子には矢島と名乗っていて、昔からの知り合い? 矢島は小えんには一人でゆっくり過ごすように言う。

 

矢島役の山茶花究さんは「雁の寺」にも出てたのか。

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靖国神社前を歩いていると、前からよく見かける大学生を見かけて話しかけ、一緒に靖国神社へ行く。大学生は牧純一郎と名乗り、父がまつられているので九段会館遺族会の手伝いのアルバイトをしているという。小えんは磯辺友子と本名を名乗るが、牧は小えんという名前を知っていた。小えんは両親を空襲で亡くしているため、靖国神社とは縁がない。牧ももうすぐ大学を卒業するのでアルバイトも辞める。

 

矢島と出かけているとき、私に岡惚れしている板前がいると言い、烏森の大葉寿司へ行こうと誘う小えん。文夫が板前している店は混んでいて、カウンターへ案内されるまでちょっと脇のテーブル席で待った。

 

涙の補給といってワサビをつけてる文夫。そういう言い方するのね。

 

カウンターに座り、矢島が席を外した時に小えんに「あんな男と寝てるの?」とこっそりカウンター越しに聞く文夫。

 

お酉様の日。小えんは昼間に大葉寿司を訪ね、他の板前や客のいる前で文夫をお酉様へ誘う。

 

大きな熊手を持った人がたくさん歩き、にぎわっている神社を歩く小えんと文夫。3度もお尻を触られたという小えんに「変なのがいるからな、我慢しろよ。それより先に俺が触っちゃおうかな」という文夫。痴漢を許すな。

 

置屋へ帰ると戸むらが刺され、おかみさんと小えんが参考人として警察に呼ばれていると言われた。1カ月は営業停止になるだろうと噂する芸者たち。

 

ジングルベルが流れるバー。小えんは桃千代(現・春美)の働くバーで友子という本名で働き始めた。筒井はこのバーを設計した1級建築士で、店に来ていた筒井と踊る。

 

映画館前で仲間の男が来ないという泉山孝平という17歳の少年にチケットを買ってくれませんか?と言われ、チケットを買ってあげると、一緒に見ようとついてきた。この人が「雁の寺」の慈念なのか~。1年しか違わないのに子供みたい。孝平は月島で旋盤工をしている。

 

友子のアパート

ロングヘアの女子大生・里子がいろいろ話してて、見たことあるな~と思ったら江波杏子さんだった。この人どういう関係? 友子は筒井の妾をしているが、部屋にやって来た筒井は、このまま男を渡り歩くより、美容師とか手に職をつけろとアドバイス。私、なんにも才能ないしという友子にこのままババアになったらどうすんだといら立つ。へ~、筒井さん、意外とちゃんとしてる。

 

しかし、孝平とデートしている友子。なんだかね~。慈念と違って明るい孝平。大森の連れ込み宿に孝平と行った事がバレ、帰ってきた筒井にいきなり殴られる友子。恩も義理も知らないメス犬が、などと罵られ、泣きながら謝り、結局、体で許してもらう。なんだかね~。

 

長唄を習い始めた友子。アパートでも鼻歌を歌う。筒井は前掛けをあて、野菜を切っている。へえ~。昔の日本人男性は家事をしないってウソじゃないかと思ってしまう。むしろ戦後生まれの男性のほうが男子厨房に入らずで育ったような。筒井は友子の長唄の才能を褒める。

 

街でばったり矢島に会い声をかけられる。子犬を抱っこし、エプロン姿の友子に「二号さんだね?」という矢島。本妻とは思わないのか?

 

ある日、アパートに帰るとドア一面に二号と書かれていた。40がらみの奥さんでアバズレだのなんだのと罵っていたと管理人に聞いた。里子は同じアパートの住人なのね。

 

筒井と一緒にバーに来ていた建築業の桜田から筒井が血を吐いて倒れたという連絡を受けた。芝の東邦病院で十二指腸潰瘍だという。友子はすぐには行けなかったが、ある雨の日、花を買って持っていこうとするが、桜田が今は妻が来ていると知らせてくれた。

 

妻が帰った後、筒井を見舞った友子。筒井は今月のお手当と長唄を頑張っている褒美として時計を贈った。

 

夜、桜田が友子の部屋を訪ねて来て、(筒井)先生がいなかったら毎日バーに通ってたなどと口説く。襲われそうになりビンタで応酬する友子。友子の受け入れる、受け入れないの基準が分からんな。正直誰でもいいのかと思った。桜田はどうぞ先生にはご内密にとコソコソ帰って行った。

 

大葉寿司へ行き、折を注文する友子。文夫が店にいないので店員に聞くと、信州のワサビ屋へ婿へ行ったと聞かされた。

 

入院が長引き、生活が苦しくなってきた筒井。見舞いに行った友子はもう一度、芸者で働くことにした。

 

矢島の座敷に呼ばれた小えん。おとうさんがいるから働きに出ることになったからあまりお酒は飲めないと断るが、結局は飲まされる。

 

酔っ払って寝ていた小えんは枕が並べられた部屋で目覚めた。矢島から逃げていると、おかみさんから筒井が亡くなったことを聞かされ、号泣。

 

置屋に筒井の遺影を飾り、お線香をあげる小えん。あんただけの部屋じゃないと吟子と大ゲンカになる。あのアパートは出たということね。

 

鶴子もきれいな衣装を着せられている。やっぱり芸者だったの。小えんも着付けを手伝っていると、筒井の妻と名乗る女性が訪ねてきた。

 

喪服を着た黒縁眼鏡の女性・圭子は山岡久乃さん! ヒスイの指輪をいただいてませんか?と小えんに聞き、母の形見だから返してくださいと言う。小えんに覚えはなく言い争いになった。筒井がしょっぱい(=ケチ)から100万円どころかワンピース2~3枚しか買ってもらったことがないと言う小えん。そんな言い争いをしていると、桜田と筒井の娘の敏子が迎えに来た。

 

圭子が出ていったことに気付かず、敏子に塩をかけてしまった小えんに敏子は母は極端で病気だと思って許し下さいと頭を下げて出ていった。しっかり者の娘におかみさんや芸者たちも驚く。

 

山岡久乃さんと山村聰さんが夫婦。年齢差は16歳ほど。「心」で共演してたね。圭子は40過ぎのババアみたいな設定だったけど、どう考えても若い。当時35歳。山岡久乃さんは、この映画の設定は40過ぎ、昭和45年「あしたからの恋」は46歳、昭和55年「心」では50前と長らく40代を演じてる。

 

牧が小えんを指名した。牧は今やエリートサラリーマン。アメリカ人のビジネスマンと一緒に来ていて、牧がアメリカ人の相手をしてほしいとおかみさんに言っていて、おとうさんが死んだばかりだからと断った。

 

筒井の墓参りに行った小えん。

 

映画館で孝平と偶然再会した小えんは前から信州に行きたいといた孝平を誘って電車に乗った。山登りの人が歌を歌う電車の中、文夫が妻子を連れて乗っていた。目が合い気まずい2人。電車を降りた小えんは上高地行きの切符を買って孝平に渡し、あとは1人で行くように言い、12まで育ったおじさんの所へ行くと言って自分の時計(筒井にもらった時計?)を渡して別れた。

 

一人駅にたたずむ小えん。(終)

 

急な終わりにびっくり。「雁の寺」の里子もそうなんだけど、男に頼らざるを得ない美しい女性を描いているんだね。なんの才能もないしというけど、何もする気がなく、結局は自分の体でどうにかしてしまう愚かな女性に感じてしまった。

 

男性にとっては魅力的に映るのか分からないけど、正直、若尾文子さんがこんな役ばかり演じられてかわいそうだなと思ってしまう。


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