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ドラマの感想など

【ネタバレ】どてらい男(映画)

1975年 日本

 

あらすじ

昭和十年、大阪の鉄と機械工具の問屋町にある前戸商店に、福井の在から二人の少年、山下猛造(西郷輝彦)と尾坂幸夫(田村亮)が丁稚として入って来た。翌朝から一番番頭の竹田(津川雅彦)や古参丁稚にいじめられる猛造と尾坂。さらに商品は全て英語で書かれてあるために中学を出ていない二人は何かと馬鹿にされるのだった。その中で、店の一人娘弥生(小柳ルミ子)だけがやさしく、猛造は秘かに想いを寄せていた。やがて猛造と尾坂は弥生に英語を教えてもらい、彼女の助言で夜学にも通えるようになった。ある日、猛造は夜学の同級生芋井(田中邦衛)に連れられて待合いに行った。芸者糸路(浜木綿子)は猛造の顔を見て、死んだ弟を思いだすのだった。弥生の父・文治(曽我廼家明蝶)が死に、文治の弟・文夫(高橋昌也)が店を継ぐことになった。ところが文夫は、竹田が他の店から引き抜かれそうになったので、弥生との結婚を約束してしまった。悩む弥生のために猛造は、むこう三ヵ月の間、竹田とセールス合戦して、自分が勝ったら破談にしてくれ、と文夫に申し出た。弥生が肺浸潤で入院した。セールスの経験の全くない猛造は、約束の日が近づくにつれ、あせりだした。そんな時、立売堀界隈で将軍の異名を持つ老人、大石善兵衛(伴淳三郎)と知り合い、セールスの教えを請うた。そして、約束の期限には見事、竹田を追い抜くことができた。だが、病床で喜んでくれた弥生は、喀血して帰らぬ人となってしまった。

2022.12.18 時代劇専門チャンネル録画。面白そうなドラマだなと思ったら48分×全181話! でも劇場版があったので、見てみることにしました。

 

wikiで見比べると、主演の2人が同じであとのキャストは違うみたい。テレビドラマの総集編ともまた違うということか。

 

昭和十年

 

大阪・立売堀(いたちぼり)の前戸文治商店に一台の自動車が止まる。山下猛造が降りてきて、客と勘違いした竹田や岡田が今日入社する男と分かって怒る。番頭の竹田が七三メガネの津川雅彦さんで岡田支配人は内藤武敏さん。うわ〜、「澪つくし」の久兵衛と村長。

 

前戸文治の故郷である福井の村からやってきた尾坂幸夫も同郷の同期。下丁稚の2人は丁稚ネーム?として幸夫は幸吉(こうきち)、猛造は猛吉(もうきち)という名前をもらうが、猛造は反発。文治に「お前は猛(もう)だ」と言われる。

 

猛は、朝早く起きて自動車を磨くが、食事では、おかわりを要求したり態度が大きく竹田や岡田に怒られてばかり。(旧制)中学出の者も多く、英語が分からない猛と尾坂は文治の娘・弥生に勉強を教えてもらうことになった。弥生は父に頼んで夜学に通わせてくれると言う。

 

しかし、文治が突然死去。文治の弟の文夫が跡を継ぐことになった。文夫は元銀行員で前戸商店を会社化するという。猛と尾坂は下丁稚から見習社員へ。

 

夜学の同級生・芋井に誘われ、猛は新橋の待合へ。芸者の糸路と寝ていた。何もしてなかったらしい。同じ待合で竹田は文夫から弥生との結婚を勧められていた。津川雅彦さんは「岸辺のアルバム」でも30過ぎの独身キャラだったな〜。この役は+イヤミな感じ。

 

猛は夜中に抜け出したことで竹田に責められそうになるが、秋という女中?と揉めていた竹田のことをほのめかすと猛を責めるのをやめた。秋は結局、店も辞めた。「澪つくし」の梅木と同じことしてるな、竹田!?

 

岡田の娘・清子が店に来た。両親が離婚し、清子は東京で母と再婚した男性と暮らしている。無理矢理、見合いさせられそうになり家出したのだという。清子と再会した弥生は猛と尾坂を誘って浜寺に海水浴に行く。そこで弥生も竹田と結婚させられそうになっていることを知る。

 

猛は文夫に直談判して竹田と外交(セールス)対決することになった。猛と尾坂が舟に乗っていたところ、大石という男と出会った。伴淳三郎さんが関西弁の役なんて珍しい。

 

猛の外交はなかなかうまくいかない。竹田は一日で200円、猛は一銭も売り上げを上げることができなかった。その後も空売りするなどうまくいかない。岡田から励まされ、大石のことを聞く。大石は大石将軍という外交の神様だという。

 

猛は大石に弟子入り志願する。無視する大石にあとへついていく猛。大石に連れられて待合?へ。受付にいたのは塩沢ときさんかな? 若くてきれいな芸者を指名した猛だが、大石も同じ芸者を指名し、猛は年老いた芸者の部屋に通された。歳をとり、太ってしまったが、爪を切ったり、マッサージしたりとにかく気がきく。猛は商売の心を学んだ。

 

尾坂は猛のフォローのため、空売りにならないよう商品を探しまくった。猛には言わないでほしいという尾坂に岡田は「わしの跡継ぎや」。そして見合いを嫌がる清子と結婚してほしいともいう。絶対、猛より尾坂がいいわ。

 

荷車にのぼりを立てて外交を続ける猛。しかし、あと10日ほどで約束の期限が来るのに竹田の売り上げの3/4程度。品不足で尾坂の在庫集めも苦戦していた。

 

猛は廃品業者に部品を作らせた。しかし、勝負は竹田の勝ち。尾坂が店に戻ってきて、猛の勝ちだという。竹田の部下たちが自分の売り上げも竹田のものにしていた。竹田は負けを認めた。

 

尾坂がとにかく猛に献身的すぎる。

 

竹田と破談した弥生は入院していた。竹田は店を辞めた。弥生は軽い肺浸潤と自分では言っていたが、猛のことを(亡くなった)お父さんに言っておくなどと不穏なことを言う。

 

芋井と待合で酒を飲む猛。芋井は株で失敗。猛は株をしないと芋井から学んだと豪快に笑う。糸路は猛が調子に乗ってヤクザに殺された弟に似てると話す。

 

尾坂から弥生が死んだと聞かされた猛は病院に走る。病室のベッドには白い布をかけられた弥生の姿があった。

 

落ち込んでいる猛。清子は猛を励まそうとするが、猛は清子の言葉を聞きたくなくて突き飛ばす。それを見た尾坂は怒り、一人で天下取った気になるなと言う。猛と尾坂は大げんかになる。カメラの前でビンタ合戦なんてイヤ〜!

 

見つめ合った2人は笑い合う。こういう世界観、理解できねえ。猛はどてらい男になってやると決意を新たにする。尻拭いは任せろと尾坂。(終)

 

山下猛造は、とにかくテンションが高くて、態度も大きく、最初は嫌われるけど大物に好かれるタイプ。猛のキャラは見ていて疲れる。

 

この映画は連ドラの丁稚編までで、そこから戦争、戦後と続く男版朝ドラみたいな感じ。津川雅彦さん、内藤武敏さんの「澪つくし」コンビが観れてよかった〜。ドラマ版はこのキャストじゃないなら、まあいいか。