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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(121)「子離れ、親離れ」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

眼鏡がイヤで学校を休んだ亜紀(鍋本帆乃香)を見舞いに、亜紀が恋心を寄せる同級生が訪ねてくる。また、高層団地に一人で住むことにした母・和代(香川京子)が町子(藤山直美)を訪ねる。和代の一人暮らしを心配する町子に、和代はこれからの楽しみを話す。和代が期待する自身の未来に納得した町子であったが、信夫(西興一朗)は、新婚で移り住む予定だったマンションを解約し、これまでどおり和代のそばにいるという。

peachredrum.hateblo.jp

昨日の振り返り

高橋「徳永さんのお見舞いに来ました。2年3組、高橋修です」

町子「ああ…高橋君」

振り返りここまで

 

高橋「給食のパンと休んだとこのノート持ってきました」

町子「ノートも」

高橋「はい」

 

亜紀が思いを寄せるクラスメートが訪ねてきました。

 

取り出したハンカチで額の汗を拭く高橋。この夏、ハンカチ王子が甲子園で活躍した年なんだって。懐かしい。

 

亜紀の部屋

着替えている亜紀。

町子「ねえ、ちょっとさっさとしなさい。せっかく来てくれてはるんやから。今日の勉強したとこもちゃんと説明してくれるって。ねえ、優しいね!」

亜紀「優しいねん、高橋君」

 

町子「あっ、亜紀ちゃん。はい、眼鏡」

亜紀「せえへん」

由利子「ノート見えへんやん」

亜紀「嫌や。ほんなら行けへん。帰ってもろて~」

町子「またそういうことを言う!」

 

由利子「もったいないな。わざわざ家まで来てくれるってことは向こうも亜紀のことが気になってんねんで。そうかてな、好きでもない子の家に来たりせえへんやろ。ありのままの姿で勝負し。そんなんで逃げ出すような男やったらこっちから断り!」

町子「はあ?」

部屋から出ていく由利子。

町子「はよ行きなさい。そやないと帰ってもらいますよ」町子も出ていく。

町子が作った眼鏡ケースを見つめる亜紀。

 

由利子「出てくるわ、きっと」

町子「え?」

 

応接間

顔の汗を拭く高橋。帰ってきた登や隆がにらみつける。

 

町子が台所からコップに入れた牛乳とお菓子を持ってくる。

由利子「ほら! あんたらはあっち行っとき!」

 

町子「ごめんなさいね、お待たせして。もうすぐ来ると思いますのでね」

高橋「はい」

町子「どうぞ」

 

亜紀が姿を見せる。眼鏡はかけてない。

亜紀「こんにちは」

 

茶の間

由利子「ほらね」

町子「ねえ。し~っ」由利子と一緒に部屋を出ていく。

 

応接間

男の子たちが牛乳を飲みながらテレビを見ている。

 

茶の間

町子「はいどうぞ」牛乳瓶に入った牛乳を差し出す。

健次郎「お…。その子がこれ『お見舞いに』て持ってきてくれたんかいな?」

町子「お母さんからって。おうち、牛乳屋さんやねんて」

健次郎「へえ~。どんな話しとった?」

町子「知らんよ、そんな。私、聞いてないもん」

 

健次郎「ごはんの時も何も言わへんしな」

町子「そらそうでしょ、言うわけないやない。あっ、気になってんの?」

健次郎「アホ!」

町子「フフフフ…。それにしてもやっぱり女きょうだいていうのは面白いもんやね」

健次郎「由利子があんなことな」

 

由利子「晴子叔母ちゃんに湿布替えてもろた」亜紀を連れてくる。

町子「そう」

由利子「『青ジン出るとこだいぶましになってる』て」

健次郎「どや? まだ痛いか?」

亜紀「ちょっとだけ」

 

登「亜紀、マンガ始まるで」

亜紀「うん」

清志「よし、宿題しよう」応接間から出ていく。

 

由利子「あっ、お父ちゃん。晴子叔母ちゃんが『診察室の電球切れかけてるから取り替えに来て』やて」

健次郎「ああ、そう。はいはい…よいしょ」茶の間から出ていく。

町子も台所へ。

 

由利子「休んでたとこ教えてもろたん?」

亜紀「うん」

由利子「よかったやん」

亜紀「お姉ちゃん」

由利子「ん?」

 

亜紀「あんな、高橋君な、私がテストの点が落ちたん心配やってんて。テストで私に勝つの人生の目標としてんねんて」

由利子「人生の?」

町子、台所から何となく様子をうかがう。

亜紀「『何で急に悪なったんか』て、しつこいから眼鏡のこと言うてん。そしたら…『え~っ、徳永、眼鏡かけてたか?』て。は~あ、私のこと何も見えてへんかってん」

 

町子、牛乳瓶を持って茶の間へ。「それは違うよ。ちゃ~んと見てやったやないの。亜紀ちゃん何が好きで何に一生懸命になってるか、ちゃ~んと見てやったやないの。そやから心配してわざわざおうちまで来てくれはったんでしょ」

亜紀の目が潤む。

由利子「そうやで」

町子「見た目でしかね、気ぃ付けへん子もいてるのに、あの子、亜紀ちゃんの中身までちゃんと見てたんよ。大したもんなんよ、高橋君て。はい。これ、亜紀ちゃんの分」

 

牛乳瓶を手渡された亜紀は牛乳瓶をまじまじ見つめる。「あかん。字、ぼやけてる」町子の作ってくれた眼鏡ケースから眼鏡を取り出し、牛乳瓶を見る。「あかん。まだぼやけてる。何でやろ?」泣き出す。「何でやろ? 悲しないのに涙、出てくんね…」

由利子も町子も見守る。健次郎も戻って来て見ている。亜紀は牛乳を飲み始めた。

 

徳永家玄関前

亜紀「行ってきま~す!」

 

翌日から亜紀は眼鏡をかけて登校していきました。

 

亜紀「よし!」

 

そして…

 

茶の間

和代「そやからもう契約もしてしもたし…」

町子「何で先に言うてくれへんかったん?」

和代「言うたら反対するでしょ?」

町子「そりゃするよ。信夫がね『結婚して一緒に住みたい』て言うてくれてんねんよ」

 

和代「一緒になあ…」

町子「嫌やの? あっ、信夫の結婚相手の女の子とそり合わへんのでしょ」

和代「ううん、そんなことあれへん。ええお嬢さんやで。気性の優しい気の付くええ子。そやけど…」

町子「そやけど?」

 

和代「やっぱり若い夫婦は2人だけにしてあげたいやないの。そら、お母ちゃんの頃は、みんな一緒に住むのが普通やったけど今は時代が違う」

町子「それやったらここで一緒に住まへん?」

和代「何でそう年寄り扱いしますね」

町子「いや、何でって独りで寂しいのと違うかなと思うから」

 

和代「何が? 毎日お稽古でお友達とも会えるし行きたいとこもいっぱいある。新しいとこ引っ越したら『お部屋どないしよう? どんなカーテンにしよう? 何飾ろう?』て、もう楽しみで。寂しいなんかしてる暇あれへん。これからの楽しみ取り上げんといてちょうだい。お母ちゃんにもね、明日への期待いうもんがあるの。未来があるの」

町子「未来…」

和代「うん」

 

町子「ほなやっぱり高層団地に住むんやね」

和代「何か不都合が出てきたら、またその時考えます。臨機応変にね。『年取った親は子供と住まねばならぬ』は、やぼやで」

町子「もう…」

 

茶の間

きつねうどんを食べてる町子たち。

純子「『私にも未来はある』。もう、お母様すてきですねえ!」

健次郎「そやから今までより多めに会うて、たまに家のぞきに行くいうことでええがな」

町子「そやね」

純子「あっ」急須を持つ。

 

電話が鳴りだす。

町子「あら…。あっ、いいです、いいです」

純子「あっ、すいません」

 

町子「はい、もしもし徳永でございます。あっ、信夫? うん、今朝、お母ちゃんとちゃんと話、したよ。うん。えっ、神戸行くのやめる? えっ、ちょっと待ってよ。ねえ。いや、心配なん、よう分かるけど…。いや、そういうことと違うやないの。ちょっと、信夫!」

 

たこ芳

りん「お母さんね、粋な人や。しゃんとしてはるし。私、ああいう人、大好き! しょぼくれた年寄りには絶対なりとないもんね」

町子と健次郎が笑う。

町子「神戸行きなさい。これから一緒に生きていく自分たち夫婦のことをちゃんと考えなさい」

信夫「いや、そやから彼女は納得してくれてんねんから。姉ちゃん、お母ちゃんのこと心配やないの?」

町子「心配よ。お姉ちゃん、そういうこと言うてんのと違うのよ」

 

健次郎「ちょっといいかな…。なあ、信夫君。お母さんのこと心配してると言うけど、かえってそれはお母さんを窮屈にしてないかな?」

信夫「え?」

健次郎「お母さんかてやりたいこといっぱいあるかもしれんで」

 

町子「そやで、信夫。昨日、お母ちゃんの話、聞いてね、お姉ちゃん考えさせられた。孝子が結婚する時もお姉ちゃん結婚する時も、あんた就職する時も、お母ちゃん余計なこと言わんと私たちの話をちゃんと聞いてちゃんと尊重してくれた。『ああ、この人きっちりと子離れしてんねやな』て、昨日改めてお姉ちゃんそう思た。そやからお母ちゃんのことね『親やから』とか『お年寄りやから』て枠に閉じ込めたら、かわいそうな気がするの。お母ちゃんにかて未来はあるんやから。『ねばならぬ』は、やぼなんやて」

健次郎「なあ、そやからあれこれ心配せんと自分らの将来にちゃんと目向けて2人でこれからの人生つくってったらええねん」

信夫「『お母ちゃんにかて未来はある』か…」

健次郎「ほれ」熱かんをすすめる。

 

そして数日後

 

茶の間

ベージュの紙に包まれた大きな包み。純子、指でツンツンしてみる。「あ…」

町子「純子さん、何それ?」

純子「白垣村の中川さんからです。先生、まさか…」

町子「これ? ツチノコや!」

純子「わ~! もう…」

 

健次郎「アホな。開けてみたらええがな」

町子「うん」

純子、包みを健次郎の方へ

健次郎「え?」

町子「フフフフ。ほな開けてよ。開けて」

 

紙の中には竹籠?

町子「何、何、何? 何?」

健次郎が開けると肉!「おっ!」

町子「うわっ! イノシシのお肉や!」

純子「へえ~!」

健次郎「こら、ぼたん鍋やね」

 

夜、茶の間

ぼたん鍋のアップ

隆「うまそう!」

登「もういける?」

健次郎「うん…もうそろそろやな。さあ、ほな…いただきます」

一同「いただきま~す」

 

町子「みんな、好みで粉山椒入れてちょうだいね。おいしいからね、これね」

純子「おいしそうですね~」

健次郎「うん、これはうまい!」

町子「だって新鮮なお肉やもん!」

 

純子「あっ、あの由利子ちゃんは?」

町子「『お友達とごはん食べるから』て」

清志「またやの?」

町子「うん」

純子「最近、多いですね」

 

健次郎「どこで何を食べてるのか知らんけどね」

純子「そろそろ親離れが始まりましたね」

町子「けど、親と子供の距離て、ほんまに不思議なもんやね。何か『遠くなったかな?』思たらシュ~ッと近づいたりしてね」

健次郎「まあ、けど、いつも根っこでつながっとったら、それでええねん」

 

亜紀「ああ、もう!」眼鏡が曇っている。

町子「ああ…。はい、亜紀ちゃん」ハンカチを差し出す。

亜紀「ありがとう。やっぱり眼鏡嫌や」

一同笑い

町子「ヤイヤイ言うてんと亜紀ちゃん拭いてはよ食べなさい。あ~、ほれほれお兄ちゃんお肉取られてるよ。『仲よう食べなさい』言うてんのにもう…」

 

来週は「春のあらし」

・純子「泥棒! 原稿…」

 

・町子「純子さん、ちょっとおかしい」

 

・純子「お暇を頂きたいんです」

 

・純子「花岡先生に何か恨みでもあるんですか?」

「花岡先生には何の恨みもありません」

 

・「矢木沢さんと先生は離れてはいけません」

 

・町子「お父さん、どないかしはったんですか?」

純子さんの父は米倉斉加年さん。雰囲気似てるかも。

 

・町子「辞めるなんて言わんといてください」

 

ミニ予告

「雨と名無しの子猫といえば…」

 

ツチノコから始まってギャグっぽい話かと思ったら、田村駒蔵親子、花岡親子、由利子、亜紀…いろんな組み合わせの子離れ、親離れを見ることができました。もちろんツチノコパートは最高だったけどね。

 

高橋君…小学生の時にこんな子に出会えていたら世界は変わっていただろうな~。

 

帰省する側じゃなくされる側というのもまた、日常が崩れる。明日から通常通りに戻れたらいいんだけどなあ。