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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(35)「思いやる心」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

町子(藤山直美)の原稿の紛失事件の真犯人が、登(神保守)のいたずらだったことを知った健次郎(國村隼)は、うそをついて家政婦のヌイ(西岡慶子)のせいにした登を責め、手をあげる。町子は、子どもに手をあげた健次郎を責める。健次郎は登を連れて、家政婦のヌイの家に謝りに出かけるが、そこに町子も同行する。町子と健次郎は、ヌイに徳永家に戻ってくれるよう懇願するが、ヌイは「次の仕事が決まっている」と断る…。

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昨日の振り返り

町子「遊びに行かへんの?」

登「お掃除のおばちゃん、もう、来えへんの?」

町子「うん…。もう来はらへんよ」

登「ふ~ん…。僕と違うで。あのおばちゃんが町子おばちゃんの封筒、新聞の間に挟んでくくってた」

町子「それはうそやね。登君が出かけてから、おばちゃんは新聞を片づけていた」

 

マチ子と登が話していた庭に白衣を着た健次郎が来て、何も言わずに登を立たせるとビンタした。

町子「いや~!」

振り返りここまで。

 

健次郎「何でそんなうそをつく? 立て」

町子「やめて~!」思い切り健次郎を突き飛ばす。

健次郎「あ~! 痛っ!」塀の軒におでこをぶつける。

町子「やめて! 何で…何で子供たたくの!?」

 

健次郎「あんたは一体何をすんねんな!? もう!」

町子「そやから何でちっちゃい子供をあなたがたたかなあかんのんですか!?」

健次郎「悪さした子供叱んのは親の務めやないか!」

町子「口で言うたらええやないの!」

 

健次郎「アホやな! 口で言うて分からんことがあるからこそや!」

町子「けがしたらどないすんの!? 分かるまで口で言うのが親の務めと違うんですか!?」

健次郎「けがしそうになったんは私や!」

町子「そういう問題と違うでしょ!」

健次郎「何が違うんや!?」

町子「なんとかしなさいよ! 子供がかわいそうやないの!」

 

茶の間

健次郎「イツ~ッ…」

町子「あ~、ごめんなさ~い」健次郎の手当てをしている。

健次郎「自分の悪さ人のせいにして恥ずかしないか。ひきょうなことや。男のすることやあらへん。お前がやったんやな」

登「ぼ…僕が貼った。のりで…新聞」

 

健次郎「おばちゃんの大事なもんやて分かっててやったんか?」

登「(黙って首を横に振る)あったから…そこにあったからひっつけただけ」

健次郎「うん…。ほな、おばちゃんにちゃんと謝れ」

登「ごめんなさい!」

 

町子「分かった。もうしたらあかんよ」

健次郎「分かったな。立て、登」

町子「ねえ、どこ行くの?」

健次郎「謝りに行く。ヌイおばちゃんとこや。ほら、一緒に来い」

町子「行きます。私も行きます」

 

ヌイの部屋

ヌイがドアを開けると、町子、健次郎、登が立っていた。

 

仏壇代わりの小さな机の上に2つの位牌。軍服姿の男性とコップに生けられた花とサクラ式ドロップスの缶と、りん。

 

ヌイ「住み込みの仕事が多ますさかいな、自分の荷物なんか何にも要らしまへんねんわ。まあ、おざぶものうてえらいすんまへんなあ。どうぞ、はい」

健次郎「あの…この度はほんとに申し訳ありませんでした」

登「すいませんでした」町子も含め、3人で頭を下げる。

ヌイ「やめとくんなはれな。ワテかてよう見つけなんだことですさかいに、お二人とも頼んますわ、もう頭上げとくなはれな…」

頭を上げる町子たち。

 

ヌイ「ぼん…怒られたんか?」

登「たたかれた」

ヌイ「ほうか…。けどな、こうやってな、お父ちゃんとお母ちゃんがよその人にな謝ってくれたこと、忘れたらあきまへんねんで。よろしいな?」

 

健次郎「あの…そしたらまた明日からお願いできますか?」

ヌイ「えらい悪おまんねんけどな、あの…次の仕事、もう、決めてしまいましてん」

町子「え…」

ヌイ「吉野の方のダムの建設現場でな、昔、世話になった人に『また来てくれ』て頼まれましてな。イラチなタチやよって…。えらいすんまへんな」

健次郎「そうですか…。それはほんまに残念ですが…」

 

ヌイ「あら? ここ…猫にでもひっかかれはりましたん?」

健次郎「アッハハ…。ええ、凶暴な猫にね」

ヌイ「そんな猫、おりましたかいな?」

 

帰り道

健次郎は登の肩に手を置いて歩いている。

町子「ねえ」

健次郎「うん?」

町子「あれ、うそと違うやろか?」

健次郎「何が?」

 

町子「『仕事決まった』っていうの。私、もいっぺん頼んでみるわ」

健次郎「やめとき。断る理由にしてはるんや。嫌なんやて、もう」

町子「けど…」

健次郎「あんたかて大概困ってた人やろが」

町子「これきっかけで辞められてしもたら、すっきりせえへんもん」

健次郎「おい」

町子は走って今来た道を戻り、健次郎は「行こ」と登の肩を抱いて家に入っていった。

 

再びヌイの部屋

町子「お願いします。何かこのままでは、あんまりにも申し訳のうて…」

ヌイ「『決まった先、断れ』言いはりまんのか?」

町子「その話は本当のことなんですか?」

ヌイ「え…?」

 

町子「飯場きついから辞めはったんでしょ? それやのに、また戻るやなんて…」

ヌイ「お…おぶでもいれまひょか。いっつも一人で暮らしてますよってな…、お子たちがいてはるとこなんて初めてだんね…。それに、大勢のご家族やて聞いて、あ~、こら楽しいやろなあ思て」

町子「違うかったんですか?」

ヌイ「楽しおましたで…。けどな…毎日、子供さんの声聞いてたら、もう…切のうて…」

 

仏壇に目をやった町子。「ご主人と…?」

ヌイ「息子だんね…。ちいちゃい時な、空襲で家も写真も全部、灰になってしまいましてん。あら? このお茶、やっぱりえらいちょっと薄おましたな。飯場の話な、あれ、まんざらデタラメでもおまへんね。決めたちゅうのは…なんでっけどな…。あっちゃの方がワテの性分に合うてまんね。合うてる思いますわ…」

 

町子「私の父もね、終戦の年に亡くなりましてん。母が一人で会社の食堂やら下宿やら掛け持ちして、私たちを育ててくれたんです。女手一つで…。暑い日も雨の日も風の日も愚痴一つ言わんとね、仕事に出かけていくんですよ。水仕事が多かったんでね、そらもう手なんか荒れてしもてねえ…」

ヌイ「今もお達者で?」

町子「はい」

ヌイ「よろしゅうおましたなあ! よかったでんなあ!」

 

町子「ヌイさん」

ヌイ「へえ…」

町子「気が変わったら、またその時は…」

ヌイ「おおきに! お気持ち頂戴します。おおきに…」

町子「はい。いただきます」

ヌイ「どうぞ」

昨日のミニ予告の町子の泣き笑いはここかあ。

 

徳永家茶の間

大皿にコロッケが大量に乗る。

登「お代わり!」

町子「えっ!? 3杯目よ!」

清志「僕も!」

町子「はい!」

 

由利子がコロッケを取ろうとする。

登「それ、僕の!」

由利子「別の取り」

登「それ、大きいもん!」

健次郎「やかましい。どれでも一緒や。黙って食べ」

すっかり元気を取り戻した登を見て笑顔になる町子。

 

台所

町子が皿を洗い、由利子が拭いている。こうやって少しずつ手伝いもさせたらいいんだよね。

町子「ねえ、由利子ちゃんはお父ちゃんにたたかれたことある?」

由利子「う~んと…ない」

町子「ふ~ん」

 

由利子「あっ、いっぺんだけある」

町子「何した時?」

由利子「え~っとね…1年生の時、同じ組やった足の悪い久美子ちゃんのことからこうて泣かしてしもてん」

町子「ふ~ん…」

 

由利子「『自分より弱いもんいじめんのはひきょうなことや』て」

町子「そうか…」

由利子「そん時だけ」

 

工藤酒店

貞男「『父ちゃんの 肩をたたけば カネになる』。どや? 3年生の川柳とは思えんやろ?」

俊平「『親バカが チャンリンチャリンと 金払う』」

一真「ほう、ほほほ~! こっちの勝ち~! ハハハハハ!」

貞男「ほんならこれや。『降る雨が…』」

 

一真「出だしはオツやな」

貞男「そやろ?」

俊平「おう」

貞男「『降る雨が』」

俊平「はい!」

貞男「『お酒だったら 丸もうけ』」

 

俊平「お前んとこ、どんな教育しとんねん!」

貞男「ええやないか。『お酒だったら 丸もうけ』ってな。あれ?」

俊平「え?」

 

花束を持った純子が会釈をして通り過ぎていった。

 

俊平「あ…シャンパン」

貞男「笑てたで」

俊平「おう…」

 

徳永醫院

純子「フフフフ」健次郎に花束を渡す。

健次郎「こら、どうもわざわざご丁寧に…」

純子「本当にありがとう存じました。おかげさまであの…面接時間にも間に合いました。無事採用も決まりましたので、ひと言、お礼をと…」

健次郎「あ~、そうですか。そしたら今日は、お祝いのシャンペンですね」

純子「は?」

 

健次郎「え? あの…こないだ、あそこの酒屋で。ねっ」

純子「あらま…嫌だ。あの時?」

健次郎「はい」

純子「あら、まあ、恥ずかしい! 私、どうしましょ。あら、アハハハハ! 恥ずかしい!」

健次郎「恥ずかしい?」

純子「嫌だ!」2人で笑い合う。

 

茶の間

町子「お花、明日、受付に飾りますね」

健次郎「うん。そやな。そや、家政婦さん、また探さないかんな」

町子「そやね」

健次郎「はあ…。あっ、痛…」おでこの傷を触る。「ほんまにもういきなり突き飛ばして、ほんまにもう…」

 

町子「え~、手出したん、そっちが先やないの」

健次郎「別にあんたをどついたわけやないがな」

町子「私、子供たたくの反対ですからね!」

健次郎「あのな、そんな、なまっちょろいこと言うといて、子供5人も大きいできますか? アホ! ボケ!」

町子「アホ、ボケ?」

健次郎「何や?」

怒りを持って健次郎をにらみつける町子。

 

ミニ予告

ちび町子がふかし芋片手に執筆中。

 

ヌイさ~ん(涙)。「純ちゃんの応援歌」のももさんみたいな人生だったんだね。いや、ももさんは夫は亡くしたけど、息子は元気なガキ大将だけどね。ヌイさんはここで退場かな? 

 

小さな寝るだけの部屋、不揃いの湯飲み…うう…泣けた。「純ちゃん~」の世界ならおせっかいな純子が一緒に暮らしましょうといって、いつからか子供たちからも「おばあちゃん」と呼ばれるんだ…な~んて、大家族の徳永家には、おじいちゃんおばあちゃんいるからなあ(^-^;