公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意
健次郎(國村隼)が登(神保守)に手をあげたことで、町子(藤山直美)は子どもへの接し方で健次郎と言い合いをする。そんなとき、町子に親子川柳大会の審査の依頼がくる。上司とケンカして会社を辞めた矢木沢純子(いしだあゆみ)がこの川柳大会を主催する会社に就職し、町子を審査員に薦めたのだ。また、徳永家の周辺に健次郎の札つきの兄・昭一(火野正平)が出没し、徳永家にまた嵐が近づく…。
夜、徳永家茶の間
健次郎「誰も憎うてたたいてるわけ違うやろ」
町子「それ、分かってますよ。けど、たたかんかて分かるでしょ?」
健次郎「特に男の子は殴ったり殴られたりして、その痛みを覚えていくもんや」
町子「私んとこのお父ちゃんは子供に手上げたりせえへんかった」
健次郎「そらもう、その家その家でいろいろやがな。なにもよそ様にもそうせえなんて言う気ないよ。これは僕のやり方です」
町子「殴られた子供はね、心に深い傷を持つんですよ」
健次郎「何でそんなふうに物事決めてかかんねんな。もうええ。もうやめやめ。この話はこれまで」
町子「途中で話、やめんのあかんて! ねえ!」
健次郎「あのな、なにも方針の違いを無理やり合わせることはないやろ? あんたが怒る時は、もうたたかへん。それでええがな」
町子「そやけど…」
健次郎「あのな、やめる言うたらやめるもんや。なんぼ夫婦や言うたかて何でもかんでも意見が一致せないかんことはないやろ。あんたのお父ちゃん、どんなふうに怒りはった?」
町子「私のお父ちゃんは子供、怒らへんかった」
健次郎「へえ」
町子「大きい声出したり、ましてや子供たたいたりはせえへんかったね」
健次郎「ふ~ん。穏やかな人やったんやな」
町子「そや! 怒られた。私、お父ちゃんに怒られたことあるんや!」
紙芝居の拍子木の音から子供の頃の回想へ
紙芝居屋「『おのれ、悟空!』。現れいでたる牛魔王、はたと悟空をにらみつけた! ところが悟空、持ってた如意棒をヒュル、ヒュル、ヒュルヒュルヒュルヒュルヒュルヒュル、ツ~ッと伸ばすや、牛魔王、目がけてポカ! ポカ! ポカポカポカポカポカ、ポカ~ッ! 『もう、たまら~ん』。牛魔王の正体は、よわい1,000年を超えたるお山ほどの…」
空き地で麩菓子を食べながら紙芝居を見ていた孝子は、がっかりして落ち込んだ様子の町子を目撃した。「お姉ちゃん」
紙芝居屋「『取り逃すなよ』。『合点だ!』。『待て、牛魔王、観念せえ!』」
しかし、またすぐ紙芝居に夢中になる孝子。
町子の部屋
町子「違うのにしたらよかった…」
孝子が部屋に入ってきた。「お姉ちゃん、新しいの買うたん? うわ~、かわいらしいな!」
町子「あんな、孝子」
孝子「ん?」
町子「高橋文具、行ってな」
孝子「学校の隣の?」
町子「そうそう。これ返してきてほしいねん」
孝子「買うたのに返すの?」
町子「うん。何や気に入らへんから返してきて」
孝子「え~!」
町子「頼むわ!」
孝子「え~!」
町子「なっ、お願いや。お姉ちゃんのお芋さんも食べてええから」
孝子「分かった」
町子「おおきに。頼むで!」
しかし、うれしさのあまり?すぐに手に持ったお芋さんを食べ始める町子。
外にいるポパイは布切れで遊んでいる!?
夕方、茶の間?のテーブルで芋を食べながら何かノートに書いている町子。
孝子「ただいま!」
町子「お帰り! おおきに!」と玄関に出ていく。
孝子「あっ、お姉ちゃん、お芋さん食べてる! ずっこい! 私にくれるって言うたやん!」
町子「言うてへん。そんなこと言うてへん」
孝子「言うた!」
町子「明日、あげる! 明日、あげるから!」
廊下で町子を追いかける孝子。
町子「あっ。そんなことよりも…」
孝子「見て。かわいらしいやろ?」
町子「何? それ」
孝子「千代紙。おばちゃんがな『お金は返されへんから好きなんと替えてもええで』って言いはってん。そやからこれにしてん。おととい見つけて欲しかってん!」
町子「あんた、あの筆箱、お姉ちゃんのやで!」
孝子「そやかて『あんたの好きなんに替え』て言いはったんやもん」
町子「何で私の筆箱やのに、あんたの好きな千代紙に替えてくんの?」
孝子「『お金は返されへんから』て」
町子「おかしいやんか!」
孝子「しゃあないやん!」
町子「孝子!」孝子に向かって手を上げる。
孝子「あ~、お姉ちゃんがたたいた~!」
町子「まだたたいてへん!」
徳一「どうしたんや? 大きな声でどうしたんや?」
階段を下りてきた徳一に抱きつく孝子。
孝子「お姉ちゃんがな、お姉ちゃんがな…」
徳一「たたいたんか?」
町子「たたいてへん」
徳一「孝子、泣いてんがな」
孝子「お姉ちゃんがな『赤い筆箱返しておいで』って言うてな、替えてきたら『これはあかん』て、お姉ちゃんが言うてな。高橋のおばちゃんが『好きなんに替え』て言いはってん…」
徳一「待ち待ち。はい。うん。赤い筆箱はお姉ちゃんが買うたんやな?」
孝子「うん」
徳一「うん。で『千代紙に替えてき』て、お姉ちゃんが孝子に頼んだんやな?」
町子「違うねん。千代紙なんて言うてへん。お金、返し…」
徳一の悲しそうな顔。そして孝子は再び泣きだす。
徳一「はいはい、はいはい、はい。孝子、2階にな、お客さんからもろたお菓子があるさかい、おじいちゃんにもらい」
孝子「ほんま?」
徳一「うん。行ってき」
孝子が階段を上るのを見送った徳一は町子に向き直る。「もの返すていうような自分が行くのも嫌なとこ、人、行かしたらあかんな。うん?」
町子の頭をポンとして去っていく徳一。
町子「たたかれるよりよっぽどこたえたわ」
徳永家茶の間
町子「私、ものすごう反省したもん。自分の小ずるいとことかひきょうなとことか身に染みて…」
健次郎「うん…。そうやってちょっとずつ自分のことが分かっていくんやろな。最後は自分や。どんな怒られ方したとしても考えるのは自分や」
町子「うん」
健次郎「はい」酒を注ぐ。
町子「ありがとう」
子供部屋
眠っていた登が寝返りをして、隆に近づく。左から登、隆、清志で寝ている。
徳永醫院待合室
白衣姿の晴子が現れた。
イシ「やあ、どないしたん?」
鯛子「大学病院、お休みですか?」
晴子「午後から何も入ってへんから。あっ。あ~、きれい!」
健次郎が純子にもらった花が花瓶に飾られている。
イシ「それね、患者さんのお礼」
晴子「へえ~、わざわざ?」
イシ「うん」
鯛子「晴子先生も病院ではいろいろお礼もらいはるんでしょ?」
晴子「ないよ、そんなん。そら、上の方の人は、あるみたいやけど」
ガチャっと扉の開く音。
イシ「まだお昼休みで…」
晴子「あっ」
山内「先生! 先生、お世話になりました~!」
晴子「もうよろしいんですか?」
山内「はい! 出たんです、石! ゆうべ、もう、オシッコしてたらコロンと。もう痛みもうそみたいに!」
鯛子「よかった!」
山内「はい!」
晴子「結石は石さえ出たら楽になりますからね」
山内「はい。ほんでひと言、先生にお礼言うとかな、気ぃ済まんもんやさかいに。先生、ほんまにありがとうございました」
晴子「いや、そんな…」
山内「で…ちょっとお礼に」
晴子「いや、そんな気ぃ遣いはらへんかて」
山内「これ…出てきた石」胸ポケットから小さな小瓶を取り出す。
晴子「はっ?」
山内「記念に先生に。どうぞ!」
晴子「いや、これはご本人が記念に」
山内「いや、どうぞどうぞ! 先生」
晴子「いやいや」
山内「ほれほれ、先生、ほら、こない大きなやつやったんですよ」
この間も書いたけど、このご陽気な山内さんが「純ちゃんの応援歌」では昭の大学の監督ぅ~? 1回しか出てないし、めちゃくちゃシリアスな役だったし。
夕方、仕事部屋
目覚まし時計のベルが鳴る。
町子「ああ…。はあ…。よいしょ!」書きかけたペンを置き、立ち上がる。
登のいたずらの件はなんとか決着しましたが、家政婦がいなくなり、町子は再び家事に追われる日々です。
チラシ
サニー電器主催
第27回 親子川柳大会
日時 11月12日(日)午後1時~4時
賞品
1等 当社製 最新型カラーテレビ
2等 新潟産 新米3俵
3等 当社マスコット
「サニーちゃん」特大人形
あとはよく見えなかった。この間の運動会が昭和42年10月22日(日)だから、意外とそこから日にちは経ってないんだね。ヌイさんがお手伝いに来てたのは、11月の初めくらいか。
一真「『親子川柳大会』?」
工藤酒店
貞男「ああ。大阪地区大会が梅田の百貨店であってな。予選に通った5組が招待やねん」
俊平「へえ~。それがどないしたんや?」
貞男「ジャ~ン! 工藤親子、当日、大会出場!」ハガキを見せる。
一真「へえ~、そら大したもんやな!」
俊平「ほんまかいな! お前とあのアホの息子が?」
貞男「だからアホ言うな!」
俊平「あのな、それ、大勢の前で恥かくだけや。なっ、やめとけ。棄権せえ」
貞男「やかましいわ! 優勝したらなんと商品はカラーテレビ!」
一真「え~!?」
貞男「それだけやないで。そこで勝ったら全国大会で東京や。…んで優勝したら、ハワイ旅行!」
俊平「ハワイ?」
貞男「うん」
一真「優勝する気や」
貞男「うん。ゆうべから息子と特訓してんねん。アロハ!」
あきれる一真と俊平。
徳永家
電話をしている町子。「川柳大会の審査員ですか? え? 親子川柳大会? いや、面白そうですね。うん。私ね、川柳、大好きなんですよ。ええ。いえいえ、初めてです。はい。あっ、ちょ…ちょっと待ってください」受話器の口を押えて「清志君、見て。火、火、鍋の火。コンロ。コンロ行って。あかん。はよ行って。はよはよ行って。コンロ行って、コンロ行って」再び電話口「もしもし、あのコンロ大会…。いえいえ…川柳大会です、はい」
会議室
社員「未定でした親子川柳大会の審査員ですが、これは広報部、矢木沢さんの提案により篤田川賞作家の花岡町子先生にお願いし、快諾を頂きました。矢木沢さん」
純子「はい。え~、大阪市内にお住まいの花岡先生は古典文学や俳句、川柳にも造詣が深く、まさに適任だと思われます」
社員「部長から何か?」
篠崎「いや、今回は矢木沢君に任せてありますから」
この部長さん、なんか見たことある顔だなと篠崎役の鍋島浩さんで調べると、「カーネーション」の奈津の父とあって、納得。そうか~!
夕方、仕事部屋
町子「『悪いことと 知ったか猫も 振り返り』やて。ハハハハハ! ハハハハハハ…!」川柳の本を見ている。
健次郎「何や、仕事してるのか思たら笑てるのかいな」
町子「違うの…。川柳!」
健次郎「川柳?」
町子「今度ね、親子川柳大会があんの」
健次郎「親子川柳?」
町子「これ、ちょっ、見て、これ。これ、これ。『俺に似よ 俺に似るなと 子を思い』やて。麻生治郎さん…上手に書いてはんねん!」
「俺に似よ俺に似るなと子をおもい」が特に有名とwikiにもあったー! この人がモデルなんだな。字は変えてるけど読みは同じ”あそう・じろう”。
町子「ハハハハハ!」
健次郎「父親なんかに似んでもよろしい」健次郎、出ていく。
町子「うん? フフフ…」また本に目を移す。
清志「ひきょう者!」
町子「うん?」
登「ハハハ! ワシは無敵じゃ!」
チャンバラしている清志と登。
隆「赤影、参上! シュッシュッシュッ!」
登「うわ~、やられた!」
3人「やあやあ! やあやあ! やあ!」
3人が遊んでいるのをほほえましく見ている町子。
トランクを持ち、サングラス姿の男が徳永醫院の前に立った。
健次郎「ほな、あと頼むわな」
中から健次郎の声が聞こえて、慌てて隠れる昭一。
健次郎「あ、あの時間かかるかもしれんから患者さん来たら、ちょっと待ってもろといて」
外を走っていった健次郎を見送り、路地に出てきた昭一はサングラスを取ってまじまじと徳永醫院を見ている。それを小学生男女に見られていることに気付くと、「シュッシュッシュッシュッ」と赤影のまね?をする。子供たちは笑いながら逃げていった。
昭一「ええな、子供は素直で」
しかし、家に入らずそのまま飲み屋街へ。
すっかり辺りは暗くなっている。
昭一「アムール。あ~、こんなんなかったな。2年半…3年ぐらいになるもんな」
アムールのドアが開き、ママが出てきた。
和田「あら…あっ、いらっしゃいませ! さあ、どうぞどうぞ!」
昭一「いや…高いの?」
和田「まさか! うちは良心的。優良サービス店でございます」
昭一「ママ一人でやってはんの?」
和田「女の子、何人かいてますけど」
昭一「かわいい子、いてる?」
和田「そらもう! まっ、私には負けますけど」
昭一「あ、そう」帰りかける。
和田「ちょ…ちょ…ちょっと!」
晴美「いらっしゃいませ!」
昭一「寄ってこうかしら」
和田「さあさあ、さあさあ」
晴美「うれしい! 行こ行こ!」
昭一「お名前は?」
晴美「晴美」
昭一「レッツゴー! 晴美!」
晴美「よろしくね!」
昭一「盛り上がるぞ!」
晴美「はい!」
アムールの奥に見えるのが、たこ芳
徳永家茶の間
ゾクゾクッとする健次郎。「ああ…」
町子「どうしたん?」
健次郎「何かゾクッと来た、今」
町子「嫌やわ~。ねえ、風邪かな?」
健次郎「いや、そんなはずないけどな」
町子「熱いのつけましょか?」
健次郎「そやな」
町子「待っててね」
一難去った徳永家にまた嵐が近づいていました。
来週は「おくりもの!?」
・親子川柳大会
町子「純粋にものを作る、ものを書くことに対しての冒とくです」
観客席の一真と俊平
・町子「私は審査なんかできません!」
・昭一「運命の出会いやね」
・笑顔のイシ
・町子と話す昭一
・健次郎「親がいてくれてるうちに安心さしたろいう気がないのがな…」
・たこ芳
純子「また失業しました~!」
町子「はあ?」
・純子「先生のお宅に必要なのは秘書です」
・登?「授業参観、絶対、来てや!」
・登の教室の後ろにいる町子。
・外で他の父兄たちと拍手している町子。
ミニ予告
川柳大会で司会者や着ぐるみにお辞儀する町子。
今日みたいにスパッと昨日の振り返りをやらないで始めたっていいと思うのに、ほぼ毎日最初の数分が昨日の振り返りなのはちょっとくどい。「澪つくし」や「マー姉ちゃん」みたいに歌じゃないから尺稼ぎとは言われないんだろうけどさ。唯一の不満点。
今週、町子とは関係のない流れで何度か出てきた川柳がここにつながるか~。そして、純子は花岡町子のファン!? ヌイさんが去り、純子さんが来る流れになるのかな。