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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (60)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

40℃の知恵熱が出ても、マリ子(熊谷真実)は挿絵を書き上げた。早速、菊池(フランキー堺)に見せる塚田(日下武史)。着物の柄を褒める菊池に戸惑う塚田だが、柄は人の階級や年齢、好みまで表す要素だと言い、マリ子の女性ならではの視点を評価する菊池。その頃、磯野家には編集者たちが続々訪ねてきていた。その中の、毎朝新聞の記者・東郷新八郎(田中健)が客間にある琵琶を弾き出すと、マリ子は亡き父の音色と重ねて…。

40度の発熱はどうやらはるの見立てどおり成長過程の知恵熱のようでした。

 

マリ子の挿絵を菊池寛に見せる塚田。

塚田「いかがでしょうか? ヒロイン田沢なおみの顔だちは?」

菊池「う~ん」

塚田「まあ映画女優になれって言われるくらいですから美貌であることには間違いないと思うんですが、あんまり派手ですとこれから彼女がたどる受難にも読者から愛される要素が減るんじゃないかと思いましてね、初めは憂いを帯びた表情をということで、まあ3回ほどやり直させてここまで持ってきたんですけれども」

菊池「うん、着物の柄が面白いね」

塚田「か…えっ? 着物の柄がですか?」

菊池「いいよ、なかなか」

塚田「はあ」

菊池「君、着物の柄というのはね、女性が見たらね、これはもうそれですぐにその着ている人間の階級、年齢、好みまでずばりと見抜けるもんなんだ」

塚田「はあ」

菊池「その点、磯野君はさすがに女性だね。現在のなおみの境遇を実に的確に絵にしてみせとる」

塚田「あ…まあ、そんなもんでしょうかね」

 

菊池「『そんなもんでしょうかね』って、じゃあ君は一体何の理由があってわしの作品に彼女を推薦したんだね?」

塚田「はあ、それはあの…まあ常々あの先生のご高説を承りまして、やはりこの話題性を重視しようと」

菊池「うむ。それは大丈夫だ。僕んとこの『オール小説』も多分、今頃、挿絵の依頼に行ってるだろう」

塚田「そうですか。それはありがとうございます」

 

菊池「何で君が礼を言うの?」

塚田「あ…ええ、いや、それはやっぱりまあこんな大舞台に引きずり出した責任みたいなことがありますから」

菊池「そうだとも。たとえね、先行き見込みがないにしてもシャボン玉で終わらせるようなことがあったら、以後、僕はそのつもりで君とつきあうことにするからね」

塚田「先生…」

菊池「いいかね? 君。大衆が飽きっぽいのは作家のたゆまざる努力を生むから許せるが、ジャーナリストの飽きっぽいのは許せんよ」

 

塚田「はあ、ええ…えっと…それと磯野君の絵は?」

菊池「くどいね、君。なかなかいいと言うとるじゃないか」

塚田「いえ、しかし、着物の柄がでしょう?」

菊池「君。君はそれほど自信のないものを僕ん所持ち込んだんかね?」

塚田「いや…いやそんな決して…」

菊池「それだったらいいんだよ。いいじゃないか、これで。磯野君にもそう言ってやりなさい」

塚田「あー…はあ、ありがとうございます」

鬼の塚田もタジタジ。

 

菊池「しかし、これからあの子もいろいろ大変だろうな。『オール小説』の部員に聞いたんだが、依頼が殺到しているそうじゃないか」

塚田「はあ、何と言っても新進女流挿絵家として天下の先生と巻頭のグラビアを飾ったもんですから」

菊池「うむ。はあ…こなし切れればいいが…。自滅した時、手を差し伸べるのは君の役目だからね」

塚田「はあ」

 

そういえば、この間まで見ていた「3人家族」でも雄一(竹脇無我さん)が「はあ」って返事をする場面が結構あったよな。今は気の抜けた返事っぽく見えてしまうけど(いきった感じの「はあ?」ではないです)、何となく今回の場面も見て、目上男性への返答が「はい」より「はあ」の方が適してる時代があったのかなあなんて思いました。

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マリ子は挿絵のモデルとしてスーツの天海朝男とウメばあさんが抱き合っている絵をデッサンしていた。女のモデルは余るほどいるが、男のモデルは朝男だけ。マリ子の絵は美男美女が並ぶ。

 

はるが文学館の方が見えたと呼びに来た。そういうさばきは私の方が大丈夫だと言って、朝男にはるを抱きつかせて、ウメはマリ子の絵を見て40年前の私にそっくりだと言って、編集者の対応に行った。

 

編集者の一人がどうも見たことあるんだよなー、今と髪型が違うけど―などと思ったけど思い出せない。オープニングのそれっぽい名前の中に、高山良一という名前があり、その名前で検索すると田山涼成さんが出てきてすっきり! そうそう、森田という編集者は田山さんだよねえ?

 

ウメは待っている編集者2人のために朝男に上等の刺身と焼き物2人前を頼んだ。そこに訪れたのは「毎朝グラフ」の東郷新八郎。編集者たちは「毎朝グラフ」もなんてすごいと噂し合う。

 

東郷新八郎は入ってきただけでイケメン! 田中健さん。しかし戦前なのにやや長髪、茶髪なのが気になる。1979年の青年そのものみたいな感じに見える。戦前の男性の髪型なんて知らないけど。田中健さんも結城信彦役の森田順平さんも福岡出身。森田さんも新八郎役のオーディション受けたのかなあなんてちょっと思った。

 

新八郎は部屋に入った途端、薩摩琵琶の存在に気付く。

新八郎「そりゃ懐かしかな~」

見てもいいかとウメに聞き、袋から取り出した。

 

ウナギ屋が到着し、大至急2つ追加。ついでに酒も5本届けるように言ってくれというウメ。金ないことウメだって知ってるはず…って酒田の家の人は知らないのか(^-^; 勝手口に出てきたマリ子にお酒も出すんですか?と聞かれたウメはお得意様だからという。

 

そこに聞こえた薩摩琵琶の音色。はるとマリ子は顔を見合わせ、お父様だと言い合う。応接間に「お父様」と駆け込んだマリ子だったが、そこにいたのは新八郎だった。両親とも鹿児島、新八郎自身は久留米で生まれたという。はるも顔を出して挨拶し、はると夫が鹿児島生まれで娘たちは福岡で生まれたと話した。

はる「これもきっと神のお導きでございますわ」

新八郎「はあ、そうですか。いや、どうも」

 

あとで考えれば、この青年との巡り会いは確かに神のお導きだったのかもしれません。

 

新八郎と鍋を囲む磯野家とウメ。

ウメ「へえ~、東郷新八郎って名前なんですか」

新八郎「はあ、東郷新八郎です。よか名前でしょう?」

マチ子「何だかよすぎるみたい」

はる「マチ子」

マチ子「東郷平八郎元帥のご親戚?」

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新八郎「いえ」

ウメ「じゃ、お孫さん?」

新八郎「いや、全く関係ないようですね」

マリ子「がっかりした? おばあちゃま」

ウメ「そりゃそうですよ。だってあなた東郷元帥っていえばね、日本海海戦で『皇国の興廃この一戦にあり』って言った人なんだしね」

マチ子「まさに我が家の現状と同じだったのよ」

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新八郎「はあ?」

はる「いえいえ、さあ、どうぞどうぞ。お召し上がりになれますんでしょう?」

新八郎「ええ、もう飲むことでしたら。何せ焼酎で鍛えてありますからね。あっ、今日は…でも仕事で来ましたからこの辺で」

はる「そうおっしゃらずにさあどうぞ」

ウメ「いいじゃありませんか」

新八郎「そうですか? じゃあ頂きます」

ウメ「どんどん、おやんなさいましょ」

 

台所は火の車だというのにこれだけ飲んでおいて「もうこの辺」とは何たる言いぐさ。

 

新八郎は寮生活だから、家庭的で鶏の水炊きでお袋を思い出すと感激していた。はるはいつでもおいでなさいましと気に入ってる? マチ子はマリ子の仕事の邪魔は困るという。

 

しかし、うまいなあという新八郎にそりゃ菊池先生のお眼鏡にかなったんだからというウメ。新八郎が言っていたのは鍋のことだった。マリ子はたまらず笑い出した。

 

ともあれ慣れない記者たちの応対をなんとかくぐり抜け「女性倶楽部」の新年号が師走の町に売り出されました。

 

女性の戦ひ 菊池寛 磯野マリ子書

 

マチ子とヨウ子はマリ子のためにお赤飯を炊いていた。

マチ子「私の時に田河先生がおっしゃったじゃないの。最初に本に載った時にはお赤飯炊いてお祝いするもんだよって」

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マリ子「バカね~。お赤飯は炊くと言ってもふかすもんなの」

マチ子「ええ~本当!?」

ヨウ子「だから言ったじゃありませんか。確かせいろでやるんだって」

 

はるは教会に出かけて不在。

 

菊池寛にも激励されたマリ子。3人で泣きながら抱き合う。

マチ子「やめてよ、そんな。マー姉ちゃんが乗り切ってくんなかったら私達今頃ルンペンよ」

しかし、ご飯が焦げてドタバタ。

 

まずはおめでとう。これで月末のツケもみんな払えそうな気配になりました。

 

再放送が始まる前の15分番組で田中健さんのことはなんとなく分かってるけど…。しかし編集者への接待はやり過ぎだと思う(^-^;