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【連続テレビ小説】あぐり (131)「夢ふたたび」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

燐太郎(野村宏伸)は世津子(草笛光子)にまた若い文士を育ててほしいと頼むが、世津子はその気になれない。燐太郎も、戦争中に戦争を鼓舞するような小説を書いた自分を責め続け、書けなくなっていた。チェリー(名取裕子)はあぐり田中美里)に、専門学校の件は決心したか、と聞くが、あぐりはまだ迷っている、と答える。淳之介(山田純大)の処分を決める職員会議の欠席をあぐりが学校に伝えに行くと、そこの校長は…。

あぐりの家にお線香をあげに来た世津子。「私が上海に逃げた夜ね…あれがエイスケと会った最後だったわ。エイスケ、私に言ったの。『死ぬなよ。死んじゃ駄目だよ』。それなのに自分が先に死んじゃった…。バカよね」。今日もエイスケさんの遺影の笑顔だけで回想シーンはなかった。

peachredrum.hateblo.jp

昭和10年、和子が生まれた頃の出来事。

 

あぐりは世津子に会わせるため、燐太郎を呼んでいた。燐太郎は妻のつた子と息子を連れてきた。あぐりの家に行くと聞いて、つた子はついてきたのかな? 燐太郎を頼ってくる若い作家の卵が何人かいるけど、人の世話までできないから「こんな時、世津ちゃんがいてくれたら」とつた子と話していたと世津子に言うが、世津子はもう文士を育てる気はないと秋田の親戚の家でのんびり暮らそうと思っていると話した。

 

カフェ・セ・ラ・ヴィは高山に譲る。世津子は戦争のせいで心の中に大きな穴がぽっかり開いてしまった。目の前で人が次々に殺されていくのを見て、人間の愚かさにほとほと嫌気がさしたと語る。

 

それに、エイスケが死んだこと。世津子は書くことに追われて疲れていたエイスケを連れ戻して書かせていたことを、私が殺したようなものだと気にしていた。あぐりは「そんなことありません。エイスケさん、満足してました。世津子さんが殺したなんてそんなことないです」とかばい、燐太郎もまた「考え過ぎだよ、世津ちゃん。エイスケは苦しんでいなかった。少なくとも死ぬ前、あいつは鳩のように屈託のない目をしてたんだ。それは本当だよ…」と言った。…鳩? 

 

燐太郎に「昔みたいに…また一緒にやろうよ」と誘われても「ああ…私…疲れたから帰るわ」と席を立ってしまった。「澪つくし」のとねさんは戦後も頼もしく元気だったな。しかしまあ、最初はとねさんと比べると、煽ってばっかりだなと世津子さんの印象が変わりかけたけど、やっぱり世津子さんは好きです。

 

つた子によれば、燐太郎もまた戦争を鼓舞するような小説を書いてた自分を責めていて書けなくなっていた。「世津子さん帰ってきて…燐太郎さん、もう一度気持ちを奮い立たせてきたんです。あのころに戻ればまだ書けるって」とつた子はあぐりに言った。

 

まるで何かに背中を押されるように過ごしてきた日々の中でエイスケの死や戦争があぐりにとっていつの間にか遠い昔のことのように思えていました。

しかし、世津子や燐太郎にとってはそれが今も心に大きな傷となって重くのしかかっていたのでした。

 

あぐりはエイスケの死後は借金を返すために懸命に働いてたし、戦争中だって家長としていろいろ大変だったし…。世津子はカフェ・セ・ラ・ヴィで酒を飲んでいた。煙草を持ちながらコップを持つ。

 

沢田から誘われていた美容学校の件で銀座山岡美容院に行っていたあぐりはまだ迷っていると返事をした。美容学校の先生が自分のやりたいことなのか、それが分からないと正直に話した。チェリーは「あぐり美容院を再開したいのね? 一度は自分のお店を持っていたんですもの。もう一度自分のお店を持ちたいと思うのは当たり前のことだわ」ともう少し待ってくれるという。

 

あぐりは世津子に相談したくてカフェ・セ・ラ・ヴィに行くが、世津子は不在。しかし、カウンターに座っていた燐太郎が声をかけてくれた。「ここで世津子さんと話したら答えが見つかるんじゃないかと思って…」とあぐりは言うが、「だけど、肝心の世津ちゃんが変わってしまったしな…」と燐太郎。そこに「何も変わっちゃおらんよ」と声をかけたのが金田一耕助スタイルの森。

 

森「世津ちゃんは今、一生懸命、自分を傷つける事で必死に…壁、乗り越えようとしてんだな…」。世津子はエイスケが死んだという知らせが届いた時も泣いて泣いて自分を苦しめ、痛め続けていた。「待つことだよ…。世津ちゃんね…今『時間』というお医者さんの腕の中で一生懸命自分の傷口を治療しようとしとるんだよ…」。森さん、いいこと言う。

 

あぐり「私たち…あのころに戻れますか?」

森「当たり前じゃないか! 誰も何も変わっちゃおらんよ」

あぐり「『変わってない』…?」

森「そうだ。人間というのはね…そう簡単に変わることなんか…できない!」

 

あぐりが家に帰ると、和子からハガキを手渡された。

「前略 母上様

近々、學校を辞めて東京へ帰る予定です。

荷物を別便で送りますので宜しく

お願ひ致します。 淳之介」

 

淳之介の下宿先へ行ったあぐり。淳之介は「教師にあるまじき行為をした」とつるし上げられたという。「ごく普通の男女交際」だと言うが、淳之介の言う同僚の先生だけではなく、教頭先生によれば(この俳優さん、よく見る人だ)、鎌倉の宝石屋の未亡人、逗子の酒屋の女店員、葉山の旅館の仲居さん、生徒の姉…と磯辺たちが心配してた通りの結果になっていた。

 

今日の放課後に淳之介の処分を決める職員会議を開く、出席がなければ弁明の意志なしとするという教頭からの伝言だったが、淳之介は職員会議に出ず、あぐりが出席した。しかし、きょうのあぐりの弁明?はちょっと無理筋じゃあございませんか? 

 

あぐり「息子がいろんな女性とつきあっている事に関してはいちいち弁明いたしません。多分そうなのかもしれません。でもそれって悪いことですか? 教師だって人間です。人を好きになったり、嫌いになったりするのは当然じゃないですか。人が人を好きになる。人間同士が愛し合う。そういうのを品位がどうって古すぎます! もっと新しい考えを持ってほしいと思います。以上!」。独身同士なら別にいいけど、複数なのはどうなのか?と思うのは現代感覚!?

 

しかし、あぐりの演説に拍手を送る校長。

山神「あぐりさん! 相変わらずですねえ…」

あぐり「ああ…! 山ん婆!」

 

リアルタイムだとエイスケさんの死後は挫折してたので、森と世津子、燐太郎の戦後も知ることができたし、山田邦子さんも再登場してたんだ。岡山の教師が神奈川に? ま、明日見ればわかるでしょう。