公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意
エイスケの裏切りを許せないあぐり(田中美里)は、緑川靖子(中川安奈)に会いに行く。エイスケの会社の借金は十万円もあり、離婚届はあぐりに迷惑がかからないようにするための用意だった。燐太郎(野村宏伸)はエイスケの机から、エイスケが死の2日前に書いた小説を見つける。それはあぐりへの愛に満ちあふれ、読んだあぐりはエイスケの残した借金を払うべく行動を開始し、生まれてくる子どものために、と靖子に金を渡す。
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エイスケの子供がいるとあぐりに言った緑川靖子。健太郎や光代に話すとエイスケの財産を狙ってると怒った。あぐりはエイスケが離婚届を書いていたことを二人に知らせた。
緑川と話し合うため、アトリエに行ったあぐり。緑川は煙草をスパスパ。「でも…やっぱり私、信じられません。あんなに優しかった人が私を裏切るなんて考えられません」とあぐりは言うが、緑川はわたしたちは愛し合っていた、お腹はエイスケの子と言い張る。
緑川に電話があり、その場を離れたのでアトリエ内を見ていたあぐりは、エイスケの肖像画を見つけた。戻って来た緑川があぐりに言う。
緑川「あぐりさん。何でエイスケが私のところを居場所に選んだか分かる? 私は一緒に闘ってきたからよ」
あぐり「『闘う』?」
緑川「あの人の苦しみも悲しみも私は全部分かってあげたわ。受け入れたのよ。そして一緒に闘ってきた。エイスケが泣きたければ抱き締めてあげたし、苦しければ癒してあげたわ。あの人が『死のう』って言ったら一緒に死ねたわ! あなたはどう? エイスケの痛みが分かっていた?」
あぐり「私は…」
緑川「あなたは自分の好きな仕事に没頭してエイスケの子とは何一つ分かってあげなかったじゃない。私は分かち合ってきたの。つらいこともうれしいことも全部分かち合ってきたの。おなかの子はその結果なの。何があっても私一人で守っていくわ。お帰り下さい」
事務所で思い悩むあぐり。エイスケの「僕はず~っとあぐりのそばにいるよ」という言葉を思い出すが、二人の結婚写真を引き出しから取り出し「エイスケさん…私あなたを絶対許さない」と写真を破ろうとした。しかし、エイスケの会社の人が来てるという言葉で止めた。
夜、ダイニングで健太郎と光代にエイスケの借金が10万円あったことを報告。健太郎は廃嫡してくれと言われた事や、あぐりの離婚届も家族に迷惑が掛からないようにという配慮だったのではと気付く。実際は、あぐりが市ヶ谷にお店を建てるときが廃嫡のタイミングだったみたいです。でもどっちにしても離婚はしなかったから借金を背負う事になったんだなー。つらい。
”吉行家というのは、なかなか財産家らしいんですよ。けれど、エイスケさんがあまりにも自由にやりましたからねえ。
吉行の父は、長男のエイスケさんと嫁の私に、今、美容室のある市ヶ谷に土地をくださいまして。代わりに、エイスケさんは吉行家からはずされて、相続権を失うことになったんだそうです。”
あぐり美容院で打ち合わせをしていると、燐太郎があぐりを連れ出して、「アン・ダグリッパの結婚」という原稿を見せてくれた。原稿の最後は「昭和十伍年 七月七日 愛しのアン・ダグリッパ嬢にこれを捧げる」と書かれていた。
↑「あぐり」が放送された1997年に発売された作品集の中にあるそうです。私も当時立ち読みして難解さにそっ閉じした本です。この中の作品はほとんど青空文庫とかで読めるのに、「アン・ダグリッパの結婚」は、ないんだよなー。ホントに昭和15年に書かれたものなのかも分からないし。
ドラマでは、よりドラマチックに描くためか世津子や森との別れの時にも小説を書いていた設定のエイスケだけど、実際は昭和10年の和子が生まれた頃には筆を折っていたらしい。早熟の作家だったんだね。
燐太郎はアン・ダグリッパという言葉の中に”アグリ”という言葉が隠されていることとエイスケのあぐりへの思いが満ちあふれた作品だと言って、作品を読ませた。
「アン・ダグリッパ 残忍な虚妄 僕はあなたを愛す。あなたは僕に堅固な意志を与えてくれたのです。ヴェランダでアン・ダグリッパの結婚。私たちは街に出た。女学生アン。昨日私は彼女に花環を贈った。黄色い植物の感情。翌日、私の衣服に赤い花弁が密着した。ダグリッパ僕は泣いているのです。深夜 地球が灰皿になる」。
いくつか実際に読んだ人の感想を探したら小説ではなく詩みたいですね。ドラマではエイスケの作品をあまり読んでないあぐりをツッコむ人が時々見られたけど、エイスケさんの作品は全編こんな感じだよ。吉行淳之介さんが選んだ父の詩もエログロばっかりだし、感想を求められても困るような作品ばっかり。
何度か書いたけど、そんな中でもこの作品は読みやすいと思いました。夫・英介、美容術をやっている妻・スマ子があぐりを彷彿させる。これも結局妻公認で浮気をするような男の話だけどね。
この作品を読んでいるときに、自転車に乗ってる女学生のあぐりと書生風エイスケが若いなー。田中美里さん、新人だけど、若いころから今まで違和感ないね。
あぐりはもう一度緑川のアトリエに行った。「悪いけどあなたと話すことなんかもう何もないわ」という緑川にあぐりはお金を渡した。
あぐり「お互い残された者同士なのよ。いがみ合っててもしかたがないわ。昔、知り合いに言われたことがあるの。エイスケは鳥で言えばカッコウだって。カッコウは巣を持たないのよ。そういう束縛があっては生きていけない鳥なのよ。その人言ったの。『カッコウを無理やりカゴの中に押し込めて育ててもじきに死んでしまう』って。
お互いエイスケさんをカゴの中に押し込めていなかった? そうじゃないわね。エイスケさんは死んだんじゃないわね。私たちの手のひらから飛び立ってしまったのよ。私たちを置き去りにして。あなたも私も置いてかれちゃったのよ。それなのにどうしていがみ合わなきゃならないの? 元気な赤ちゃん産んでください」
エイスケをカッコウに例えたのは森さん。
話を聞いていた緑川はエイスケがあぐりと別れるつもりはなかったことを伝え、お金は受け取ると言った。帰り際、あぐりは緑川の喫煙を注意した。
カフェ・セ・ラ・ヴィで高山と燐太郎と話すあぐり。燐太郎は緑川靖子がパリに行くらしいと言った。あぐりは「あなたはパリは駄目ですからね! 私のそばにず~っといてくれるって言ったんですからね」と語りかけた。
緑川靖子は、その後パリで暮らし、あぐりとは二度と会う事はありませんでした。
次週予告
弟子のとめです。ジュンノーちゃんもあっという間に高校生。それが幼なじみの諒子ちゃんと偶然再会してあららら…。私という者がありながら…。次週「淳之介の初恋」。えっ先生が燐太郎さんと再婚!? まあっ!
26週のうちの18週目でエイスケさんがいなくなってしまった。今思えば、結構長く出ていたんだなとも思った。そしてリアルタイムでは、あと数週だったのに挫折してたんだな(^-^; あぐりとエイスケのセットで見ていたようなものだったので(二人でいるところなんて案外少ないけど)、この辺りで視聴意欲がぐんと減ったのは確か。
生田斗真くんの淳之介も1週間、その次の淳之介も1週間、そして来週から山田純大さんのジュンノーちゃん。しかし、今週の淳之介は今見ると、生田斗真くんからイメージが変わり、山田純大さんに似た人を選んだんだなー。もっとほっそりした少年のイメージでした。淳之介が山田純大さん、南が池内万作さん、尚久が関口知宏さんといずれも二世俳優だったのが、話題になっていたのは覚えてます。
今回、改めて小さい頃からのジュンノーちゃんたちを見ていくと、関口知宏さんが一番ジュンノーちゃんの系統だと思うんだけどなあ。今も時々、朝に旅番組の再放送が流れておなじみのせいか、関口知宏さん好きなんです。メガネの尚ちゃんだったのも忘れた…というかこの頃はもう熱心に見てなかったんだろうと思います。
2010年の再放送の時もやっぱり同じあたりでもういいかといったん録画をやめたけど、最終週だけは見て、13年越しに最終話は確認しました。今度は全話視聴するぞ。