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【連続テレビ小説】澪つくし(157)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

防空壕を飛び出した久兵衛津川雅彦)と、それを止めようとしたるい(加賀まりこ)は爆撃に遭い、かをる(沢口靖子)たちはなんとか仮手当所に運び込む。ひん死の久兵衛は、かをるの手を握り、肩身の狭い思いをさせて悪かったと謝り、かをるはお父さんのことが大好きと返す。久兵衛が欲しがるタバコを手に入れてかをるが戻ると、久兵衛はこと切れていた。翌朝がれきの山と化した入兆へ戻り、久兵衛とるいをだびに付すのであった。

最終週の月曜日回。

 

爆撃を受け、るいは即死。久兵衛は「工場…工場…あの火を…」とまだ息がある。

 

昭和20年7月20日未明、銚子を襲ったB29は90機以上。まず照明弾を落として街を明るくし、次に焼夷弾を投下した。たちまち火の海とかした市街地を逃げ惑う人々には容赦なく機銃掃射を加えたのである。

 

倒れ込んでいる今西にアミが水筒の水を与えたが、運ぼうとしてもぐったり。

 

手術室にいた久兵衛は「わしな、いっぺんお前にちゃんと謝らないかん思とったんや。親の勝手で外に作った子やとか妾の子やとか…嫌な思いさせてかわいそうやったな。堪忍してや」とかをるに謝った。

 

「私はお父さんが大好きです」と返すと、「おおきに」とお礼を言い、「入兆」300年の記念式典の挨拶を始めたり、律子を探したり…かをるが手を取って律子のふりをした。

 

一服吸いたいという久兵衛の言葉にタバコを持って戻ると、既に久兵衛は亡くなっていた。医師によれば内臓破裂で手の施しようがなかった。

 

かをるは両親の遺体を引き取り、「入兆」の焼け跡で荼毘に付した。広敷の今西も女中のみねもあえなく命を奪われていた。

 

清次やハマも「入兆」を訪ねてきて久兵衛やるいの死を悼んだ。ハマさんが現れる度にやっぱり私は梅木とのことがいつまでもちらつく。なんであんな回作ったんだよ。かをるは全く気にしてないし、ハマは知られてないと思ってるし、それでいいんだけど、こっちが勝手にモヤモヤしてしまう。しつこいのは分かってるけど。

 

吉武とねも握り飯を持って見舞いに来てくれた。

 

一緒に来ていた善吉は「かをるさんの一家をうちで預かろう」と言ってくれ、とねも賛成したが、かをるは「父の志を継ぎたいのです」と、ここに残って醤油造りをすると返し、とねは子供たちだけでも預かると言ってくれた。

 

夜になってようやくかをるは両親を失ったという実感におののいた。あの愛すべき父の姿はもうこの世のどこにもいないのだ。明るく優しかった母は一塊の骨となってしまったのだ。そして頼みの綱である夫の生存もほとんど絶望的である。かをるは櫂をなくした櫓舟のように不安と悲しみの海を漂っていた。

 

両親がいなくなって子供たちまで手元からいなくなるのって悲しくない? 醤油作りをしたい気持ちは分かるけど、あっさり子供預けるんかい!という驚きもあった。吉武家はここでもまたかをるを助けてくれた。おしんにとっての浩太がかをるには吉武家みんなかもしれない。

 

はー、それにしても80年代の戦争描写は真に迫っててすごい。