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ドラマの感想など

【ネタバレ】父の詫び状

1986年11月1日 NHK
 
以前、録画していたものをやっと見ました。
 
向田邦子さんのエッセイをドラマ化したもの。向田さんは昭和4年生まれで、「おしん」でいうと仁や希望と同じ歳。
 
このドラマの始まりは昭和15年。田向恭子は父・征一郎の転勤で引っ越してきて東京の女学校に通うことになった。
 
仁や希望が中学校に入学し、初ちゃんが高等小学校を卒業し、山形に帰る帰らないの頃ね。
 
征一郎は高等小学校出で保険会社の幹部職員まで登りつめた苦労人で、子供はたくさんいるけど、かなり裕福な家庭に見えます。
 
祖母は未婚の母で男の子を二人産んだ人で、今でも男友達の家で外泊したり、あの時代にしたらすごい人だ。今でもすごいか。
 
教育熱心で子供思いだけど、かんしゃく持ちの征一郎となんとなく反発心を持つ長女の恭子。
 
会社の人や芸者まで家に招待する征一郎…しかし、「おしん」の一家もかなり裕福だと思ってたけど、上には上がいるもんだ。
 
それにこれ見てるといかに竜三が優しいか分かるよ。ちょっとしたことですぐ怒鳴ったり殴ったりするんだもの。
 
恭子の弟の武は、父親のいない中富くんという少年と友達になった。征一郎は自身も母子家庭で育ったため、中富くんを気にかけていたが、母を腹膜炎で亡くし、宮城県のおばさんに引き取られることになってもどうしてやることも出来なかった。手紙を出しても返事は来ず、行方知れずに…。
 
昭和16年の正月、玄関先に獅子舞が来る家。
 
恭子のすぐ下の妹の順子は、「おしん」のお小夜様。ますますかわいくなってる。
 
3月。祖母が亡くなった。保険会社の社長が来たときの玄関先で土下座のようなお辞儀をする父を見た恭子は、今でも印象に残るほど強烈な思い出となった。
 
恭子以下、順子、礼子と女の子で武だけが男の子の兄弟構成だったせいか、武と中富くんがチャンバラごっこするくらいで、末っ子の礼子以外の兄弟で海水浴に行ったり、あえてなのか全く戦時色のない作品でした。
 
描き方が違うと全く違う時代にすら見えました。
 
解説で、特別裕福なわけではないけど〜と言ってたけど、いや〜あれで特別裕福でない家庭だったら、どんだけ戦前の日本は豊かな国だったんだよ。