「読書のお時間です」で無料で読める漫画を読んで、続きが気になる漫画はネタバレ感想を書いてるブログを見つけて読んでもう完結していたり、終わり方が好きだったりすると、電子書籍を一気買いしてます。
3巻で完結してるというのもよかった。5巻以上になると終わってみると余計なキャラ、エピソードがあったりして読み飛ばす部分がどうしても出てしまう。
この漫画は一読したときは地味に思えたけど、何日経ってもじわじわとよかったなと思える。
主人公のみことは救命士。父一人子一人の生活だったが、小学生の頃に再婚で、母親と兄、姉、弟を得る。しかし、父親は再婚後すぐに死亡。目の前で亡くなった父を救えなかった思いから救命士になった。みことはすごーくまじめで誠実。みことが密かに思ってるのが姉・沙羅で、画家をしているので家にいることが多い。母はカメラマンで海外を飛び回っているため不在がち、兄は元ヤンで貫禄があり(警備員)、弟も兄と違うタイプのヤンキーに見える現役高校生だけど、料理を一手に引き受けている。
試し読みの1巻を読んだときに、でもなぁこれ男性向けの漫画だからなぁと思って何となく先のあらすじを知るのを躊躇しました。いつも男性向けの漫画は避けるんだけど、これは何となく目に入って読み始めたらツボだったんです。私は漫画は好きだけどほとんど少女漫画専門(それでもストライクゾーンはすごく狭い)で男性向け漫画は苦手。その原因は男性向け漫画に出てくる女性の描写に違和感があるから。別に本編に関係のないことなのにそこが気になって読み進められなくなってしまう。
以前、女性の友達に勧められて読んだのが「バクマン。」でした。絵もきれいだし、しばらくは面白く読んでたけど、私が割と好感を持っていた勉強のできるクラスメイトの女の子を主人公の男の子たちがバカにしてるところや他にもいろいろあって(今wikiで調べたけど、見吉？岩瀬？どの人か分からない)コミックスも買ってたけど読むのをやめました。女性だって違和感なく読む人は読むんだけどね～。「デスノート」も全巻読んだけど単純にこの作者のストーリーが合わないのかも。唯一、少年漫画でも「スラムダンク」は大好きでした。
少女漫画だって男性から見たらありえないことのオンパレードだろうとは思いますが、ファンタジーでしょ。だから私も男性向けの漫画は読まないという自衛手段をとってるわけで。
この漫画は一見、絵はものすごく男性っぽいと思ったんだけど(特に背景)、作者が女性っぽい名前だしと調べたら、姉妹で漫画を描かれてるみたいなので安心して全巻購入しました。女性だから安心して買うってそれこそ差別主義者だよねぇ(-_-;)
1巻で既にみことと沙羅は両想いであることが分かりました。みことも沙羅もすごーくさりげなくてかわいい。みことは自分が欲しいものを言い出せない性格だったけど、救命士を始めてから患者さんと手を合わせると最期がみえてしまい、沙羅が1年後に亡くなることを知っている。だからこそ沙羅の気持ちに応えることができた。
二人でこっそり灯台で会っているところを兄のレンに見られてしまうが、二人は交際を続ける。いつも未来を変えられなかったみことだったが、沙羅の誕生日直前に二人で車に乗っているところで事故に遭い、みことが適切な処置をしたことにより未来は変わった。
とにかくみことが真面目、仕事熱心、優しい…沙羅もまたあまり心情が出てこない人物だったけど(今まで読んできたのは女性が主人公の話ばっかりだったし、少女漫画って心の中ではおしゃべりな人が多いよね)、素直なところがとってもいい！ 兄も弟もさっぱりしてるところがリアル。27歳の沙羅と25歳のみことだけど(同じ高校に通っていたそうだけど一学年違うのか二学年差なのかイマイチ不明)、いちいちかわいらしくて！ 高校生くらいの二人を見た～い(少女漫画脳)。
短い連載なのがまたよかった。みことや沙羅の元恋人とか想いを寄せてた人がでてくるとかなくて読みやすかった～。とにかくシンプルに一組の男女の話でいいのよ。それと、老犬のシロが最後まで元気でよかった。架空の物語でも動物の死を見るのは嫌。
とにかくこの漫画を読めてよかった。
そういえば、この家の家事(料理のみ？)を末っ子で高校生男子の藍が担当してるというのが珍しいと思いました。少女漫画で両親がいない、あるいは母親がいないヒロインは、家事を一手に引き受けて学校でも世話焼きでおかん呼ばわりされるというのをよく見かけます。少女漫画でも他に男兄弟がいるのに一切家事を手伝わずに女の子ひとりに家事を任せてる描写とか苦手なんだよなぁ。家事がパパっとできる女子はかっこいいとは思うんだけどね。藍は料理が好きみたいだし、他の家事は他の家族が手伝ってると思うことにしよう。あ、沙羅がみことの部屋に洗濯物を持ってきた場面があった。
ついでに「バクマン。」のこともいろいろ調べたら、最初の方に出てくる主人公たちの女性観はあくまで中学生男子の言ってること、というのに納得。私が好きだったのは岩瀬という女の子かなぁ？ ビジュアルも思い出せないので、絵で見ても分からない。少女漫画ならヒロインになっててもおかしくない知的な少女だと思ってました。映画版は女性キャラクターをあまり登場させないという演出がなされてたのねぇとかいろいろ勉強になりました。
