TBS 1982年2月11日
あらすじ
祭日なので表参道・原宿界隈は人波でにぎわっているらしく、悠子(大空眞弓)の店はケーキもパフェも売り切れ寸前。三子(京塚昌子)が手伝い、皆見(倉石功)や順司(川崎麻世)や桃(倉田まり子)も来ていて活気がある。 華子(山岡久乃)は順司の大学でコンサートがあるというので、一正(松田洋治)たちをお供に出掛けて行った。その前に華子は、患者の権藤老人(藤原釜足)の訪問を受けて、出来の悪い息子の嘆きを聞かされた。一度その息子に会って話してみようと、華子は権藤にいたく同情した。
三子はふと、皆見を母屋の座敷に案内した。皆見の悠子に対する気持ちは知っていたが、こうして話し合ってみると、それが浮ついたものではないことが分かり心を動かされた。 一正の誕生日を覚えていてくれた十河(山本亘)が、かわいい鉢植えを持って訪ねてきた。幸代(浜美枝)はチョコレートを、孝司(山村聰)はしづ(大鹿次代)から一正にと預かった秋田の民芸品を持ってきた。みんなが集まって和やかな夕食が持たれた。つくづく一正は日本に帰ってきてよかったと思った。
そんな一正に涙を落とす悠子には、気がかりな問題があった。離婚した夫のもとにおいてある一正の戸籍のことだった…。
2024.5.23 BS11録画。
作・田井洋子
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京(かなどめ)三子:京塚昌子…京家の三女。歯科医。45歳。
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京華子:山岡久乃…京家の二女。歯科医。47歳。
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京悠子:大空眞弓…京家の四女。離婚してパリから帰国。33歳。
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津村順司:川崎麻世…津村孝司の息子。20歳。
細川桃:倉田まり子…技工士学校に通う受付。19歳。
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十河志郎:山本亘…植木リース屋。
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川北修三:小倉一郎…「ふれあい」店長。
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川北有紀:東てる美…修三の妻。
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皆見武光:倉石功…悠子の知り合い。30歳。
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権藤為吉:藤原釜足…患者。
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鈴木しづ:大鹿次代…津村家の家政婦。
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清田好子:丘祐子…歯科衛生士。22歳。
エンゼルプロ
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折原幸代:浜美枝…悠子の友人。33歳。
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津村孝司:山村聰…京家の長女(故人)の夫。53歳。
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プロデューサー:石井ふく子
楽楽はお客様がいっぱいで三子も手伝っていた。ケーキが売り切れそうだと話していると皆見が自分の店からケーキを運んできた。
皆見もこの間の三子のことを話題に出す。それにしてもあっさり解決したよな、あんなに泣きわめいていたのに。三子は皆見を家に招待した。
祝日なので京歯科医院は休み。華子は一正に肩たたきされていた。患者の権藤は京家に梅の盆栽を運んできた。賭け事に入れ込み、親をぶん殴るような息子を持っている権藤は一正のいる華子を羨ましがる。華子は権藤に一度、息子を連れてくるように言う。権藤は息子が虫歯1本ないヤツなのでどうやって連れてこようかと悩む。
皆見と話をするため、三子は華子に悠子の店に出るよう頼む。
悠子の店には順司と桃、好子が来ていた。これから順司の大学の音楽クラブのコンサートで順司のフルートを聴きに行くと言い、華子や一正も誘われる。
三子は権藤の盆栽を皆見のいる客間のテーブルに運んだ。皆見に悠子との結婚の意思を確認する。皆見は神戸の父にも話しており、本気だが、三子は皆見のほうが3歳も年下で遊びならほかの相手がいると言う。男の人は信用できないという三子の発言に怒る。皆見の父親は67歳だが、三子の考えは古いと断じる。皆見の真剣な思いに三子の考えも変わる。そっか、皆見も年下、村瀬も年下、十河も多分年下だよね!?
楽楽(ささ)
十河が訪れ、今日は一正君の誕生日ですね?と悠子に確認。悠子、忘れてるっぽいな。
皆見は帰り際、またケーキを持ってくると悠子に伝えて帰っていった。まだ店にいた十河は一正のプレゼントにセントポーリアの鉢を置いて帰っていった。悠子は誕生日は本当は昨日とか言ってた? 十河が間違えてたの?
孝司の部屋にお茶を運んできたしづ。この間の占いは当たっていなかったと言う孝司だったが、しづは有紀の実家は、ここから歩いて2時間の多摩川沿いだという。こじつけっぽくなーい? よく当たる占いだからまた行くというしづ。
今日は京家で一正の誕生祝いがあるので、孝司も夕食に招待されていた。しづは一正のために秋田の角館名物の桜皮細工のはがき箱をプレゼントとして渡すように頼んだ。箱の中には
花は桜木
人は武士
というカードが入っていた。
楽楽
幸代が一正にプレゼントのチョコレートを持ってきた。誕生日が昨日だとまた言ってるから、2月10日が一正の誕生日らしい。
悠子はすぐ旧姓の京に戻ったが、一正は舟山のまま。どっちにしたらいいか幸代に聞くが、本人に聞いたら?という答え。
京家
三子が誕生日パーティーの準備をしているが、十河が訪れた。三子は子供のパーティーに何を作っていいか困惑。三子はワカサギの天ぷらを作るところで十河も手伝う。
今度は部屋で相談している悠子と幸代。悠子に再婚の意思がないなら舟山姓のままでいいのではと幸代が言い、一正を父親のもとに返して好きな人生を歩めばいいとも言う。
三子も会話に加わり、幸代に皆見の話をする。玄関に悠子が持ってきたセントポーリアのかごを見つけた十河は2階へ上がって聞き耳を立てる。三子が「からあげどうしたかしら?」と言うので慌てて帰ろうとしたが、玄関先で一正たちと鉢合わせ。
一正は学校を出たところでファミリーバイクに跳ね飛ばされてしまい、ケガをしていた。十河はすぐおんぶして病院へ連れていこうとしたが、華子たちがもう病院へ連れていっていて、なんでもなかった。十河はそこまでと一正を背負って家の中へ。
ふれあい
皆見が顔を出した。川北夫婦にも子供がいたらいいなあという話から、修三は紙おむつやよだれかけ、ベビー服を置こうと思いつく。
京家の一正の誕生パーティー
三子はそれほど人が来ると思わず、ワカサギが1人あたり3匹くらいになってしまったと謝る。一正はお礼のあいさつを言い、悠子もうれしくて泣きだす。パーティーはお開きで十河、桃、好子、皆見は帰っていき、孝司も順司も身内でゆっくりしようと言うので、幸代も帰ることにした。
悠子は幸代を送りに外へ出て、ずっと一正を手元に置くという。幸代は順司の目が大人の目で厳しく、これから出会いがあったらどうするのかと聞く。10年たったら34…いつの間にか年取ってた。年明けたら年取るってやつか!?
三子は華子と皆見の話をしながら言い争いになる。悠子が離婚して4か月しかたってないのにと怒っている華子。一正の挨拶を聞いて、華子も悠子も一正を京の姓に入れたらいいと考えていた。
しかし、孝司はもう少しよく考えた方がいいという。悠子が再婚するのならひとりの方がいいという。そういうもん??
悠子は孝司に幸代への気持ちを聞くが、華子や三子みたいな子供のいない人には分からないだろうねえという孝司。炎上発言だな~。幸代のことは好きだが、順司のことを気にしている孝司。そこは亡き妻じゃないんだな。
孝司と順司は帰っていった。
華子は権藤からもらった梅の盆栽を眺める。息子はいつ来るんだろうと話しながら、孝司の先ほどの「子供のいない人には分からない」発言を蒸し返す。子のいない人はいるけど、親のない人はいない、権藤の息子さんにこの盆栽を見せてやろうと自分たちの母の思い出話をする。
悠子は寝ている一正に「カズ、どこにも行かないで」と語りかけた。(つづく)
今は配慮のある人が増えたけど、それこそ昔はことあるごとに「子供のいない人には分からないだろうけど」と言われまくったんだろうな。いつの時代だってしっかり傷つくよ。