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【ネタバレ】白い巨塔(1966年の映画)

1966年 日本

 

あらすじ

山崎豊子の代表作であり、医学界の腐敗を鋭く描いたベストセラー小説を田宮二郎主演で映画化した傑作社会派ドラマ。大阪の浪速大学医学部では、東教授の定年を前に次期教授の座をめぐる権力争いが水面下で行われていた。最有力候補はエリート助教授・財前五郎だが、財前を嫌う東は別の大学から優秀な医者を招き入れようと画策、病院内はさまざまな思惑が交錯する…。豪華キャストの名演技、山本薩夫監督の骨太の演出も魅力的。

2023.9.29 BSプレミアム録画。

 

1965年に田宮二郎主演でラジオドラマ化、1966年に田宮二郎主演映画があり、1967年テレビドラマ化したけど、この時の主演は佐藤慶さん。で、1978年にフジテレビ、田宮二郎主演でテレビドラマ化。映画版とドラマ版だと年数が開いてるのが意外だった。

 

この映画には

一部配慮すべき表現・用語が

含まれていますが

作品のオリジナリティーを尊重し

そのままで放送します

 

昭和四十一年度

芸術祭参加作品

 

この映画の原作には

特定のモデルがない

従って

この映画にも一切の

モデルはない

これは

架空の物語である

 

白黒映画か〜。手術シーンがあるから白黒のほうがいいか。

 

手術室

「よし、始める」という財前五郎のセリフから始まる。

 

財前五郎:田宮二郎…第一外科助教授。字幕黄色。

 

噴門ガンの手術は1時間37分の新記録で終え、患者の妻に感謝される。

 

第一外科の東教授は渋い顔で財前の特集された雑誌を見ている。

 

東貞蔵:東野英治郎…字幕緑。

 

東教授に呼び出された財前は教授の許可を得ず雑誌の取材を受けたことを注意され、気骨が折れるわとこぼす。関西弁なんだね、みんな。平成版のも見たことなくて。

 

次期教授戦に噂し合う医師たち。

 

財前五郎は12歳で父を亡くした。母は農業をしながら、中学、高校、浪花大学医学部へ進学させた。母だけでなく奨学金と村の篤志家で開業医の村井清恵(せいけい)の援助も大きかった。大学卒業5年目の助手時代に村井の大学時代の同窓生・財前産婦人科の経営者・財前又一の一人娘・杏子(きょうこ)の婿養子になる話が持ち上がった。

 

しかし、五郎は一人きりになる母の身の上を思い、養子結婚にはためらったが、母の後押しもあり、黒川五郎は財前五郎になった。金の苦労もなく研究に励み、地方に出されることもなく助教授になり、次期教授の声が強くなってきた。

 

財前は、母が元気なうちに教授になると誓う。

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本当に優秀な人に学ばせるって大事ね〜。ただ、その後、婿養子に入るのが条件なのはキツイ。

 

財前が仕事帰りに寄ったのは、愛人でホステスのの花森ケイ子(小川真由美)の部屋。

 

東教授の娘・佐枝子(藤村志保)は東教授から結婚するなら開業医でも代々やってる家などと厳しい条件を出されている。妻の政子は財前と結婚させておけばよかったというが、東は財前の家柄を嫌う。政子は岸輝子さん!? あの「おやじ太鼓」のイネさん!?

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黒縁メガネで、「太陽の涙」の寿美子の母に似てるな〜。

 

財前の妻の杏子は無邪気な女性で浮気したら、お父さんに言いつけてやる〜と笑う。財前は杏子に義父と会いたいと話す。義父の財前又一は自ら海坊主と名乗る豪快な男。財前は50万円を無心してほしいと頼む。

 

里見脩司:田村高廣…第一内科助教授。字幕水色。

 

ほお~。ここで登場か。誠実な医師。

 

慢性胃炎と診断された患者について気になった里見は財前に透視を頼む。

 

第一内科教授・鵜飼雅行(小沢栄太郎)が画廊にいると里見から聞いた財前は画廊に出かけ、画商に3号24万の絵を20万なら今、現金で買えると言い、鵜飼教授に届けるように言う。

 

里見は病院に来ていた佐枝子と一緒に帰る。佐枝子は財前が嫌いだ、父と財前は本当の医学者とは思えないと言う。

 

里見が依頼した患者のレントゲンを見た財前は初期の噴門ガンと診断した。すぐに手術をしようと言う財前。

 

鵜飼教授に呼び出された財前は絵を贈った意味を問われた。義父・又一からの名刺代わりの挨拶だと言い、鵜飼教授は返すか預かるか考えておこうと返した。

 

東教授は、自身が退官後に財前を教授にさせたくなく、各所に根回しをする。財前もまた周りの同僚たちと話をする。第一外科医局長の佃(高原駿雄)は、何かで見たなと思ったら、「マー姉ちゃん」だった。

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里見は財前が噴門ガンと診断した佐々木庸平のガンが肺に転移しているのでは?と財前に言いに行くが、患者離れをしろと手術を急ぐ。

 

鵜飼教授は浪花大学附属病院の学長になっては?と周りに言われたり、いろんなところでいろんな人が動く。

 

手術シーンはやっぱり白黒でよかった。でも見れない。長く感じる。

 

第二外科の今津教授は下條正巳さん。若いな〜。東教授はいろんなところで根回ししてるのね。

 

今津教授は病理学教授の大河内教授に会いに行く。こんなピシッとした加藤嘉さん初めて見たかも。大河内もまた反・財前。

 

里見は財前が医学以外のことに興味を持ち過ぎていると忠告する。

 

いろんな人が出てくるのでわけわからん。佃は財前の奢りだと数人でケイ子の店に飲みに行く。

 

又一は財前を教授にさせるべく、そっちが権力ならこっちは金や!とまくしたてる。五郎を教授にさせるのが夢だと言う。

 

東教授は学部外の金沢大学医学部外科教授・菊川(船越英二)を推す。菊川は妻を亡くして子供もおらず、佐枝子の婿候補にもなる。

 

14名の候補者から7名、そこからさらに絞られて最終的に3名が選ばれた。

 

財前五郎、金沢大学の菊川昇、徳島大学の葛西博司。

 

佐々木庸平の容態が急変。しかし、財前は手術は完璧だったと他の教授候補を気にする。

 

それぞれの派閥で票読みをする。又一はその一票はなんぼや?と金の話をする。東教授は今津教授と話をし、今津教授は大河内教授に話をしに行くが、大河内教授は厳正公平だと言う。

 

教授選挙。東教授は直前で投票を棄権する。菊川を支持したいが、財前と葛西は共に教え子で見殺しにはできないと退席した。さすが東教授。立派やねと言う大河内教授。

 

開票結果は三者過半数に達しなかったため、葛西は失格。財前と菊川で後日改めて決選投票が行われることになった。

 

教授選挙も決まらず、佐々木庸平の病状は抗生物質でも改善せず、財前はイライラ。

 

東教授が退席したのは同情を集めるための大芝居だったと今津教授が見抜く。今津教授は整形外科教授の野坂(加藤武)に根回しをする。

 

ケイ子は相手を消してしまえばいいと恐ろしいことを言う。

女心の唄

女心の唄

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ケイ子の店でで男が歌っている。本人じゃないよねえ?

 

財前はケイ子の店で佃たちと話をする。佃たちは菊川に脅迫電話をかけるとか強硬手段をとるように言うが、もっと穏やかな方法で、と止める。

 

佃は金沢まで行き、教授候補から降りるように説得に行くが、菊川は断る。しかし、佃は菊川が教授になったら医局員は協力しないと捨て台詞を吐いて帰った。

 

菊川は自身を推薦した東都大学第二外科教授の船尾(滝沢修)に電話をし、その話は東教授の知ることとなる。鵜飼教授に呼び出された財前は佃の金沢行きを責められた。

 

財前は里見に大河内教授の説得をお願いに行くが、里見は教授戦に興味なし。佐々木庸平の病状を話し、話し合いは決裂。

 

佐々木庸平の病状は悪くなるばかりだが、第一外科の患者のため、里見は呼べず、財前は根回しに駆け回り不在。

 

又一はお金を持って大河内教授の元に行くが、大河内は激怒して追い返した。

 

ついに佐々木庸平は死亡。佐々木の妻から「あんたが殺したんや」と責められる財前。

 

決選投票。財前五郎16票。菊川昇14票。財前は選任教授となった。

 

財前派が集まって芸者たちを呼んで宴会。

 

東教授と今津教授の残念会。又一から金をもらっていた野坂はどっちにもいい顔してたのか〜!

 

又一は教授の看板を掲げられることを楽しみにしていた。東教授の退官は来年の3月だったが、早期退職し、近畿労災病院の院長におさまった。浪花大学附属病院は財前派で固められた。

 

しかし、財前は佐々木庸平の遺族から訴えられ、鵜飼から教授の進退伺を出すように言われた。里見が佐々木の遺族に病状を説明したので、里見を責める財前。患者にもっと謙虚であるべきと里見に言われた。

 

ケイ子に別れを切り出され、岡山の母の元に帰れと言われ、ケイ子を何度もビンタする財前。

 

鵜飼の元に行った財前は手落ちはなかったと裁判で争うことを決めた。

 

医療裁判は常に医者側が勝つと言う又一だったが、弁護士はそれは戦前の話だと言う。又一は100万、成功報酬は300万だと持ちかける。

 

裁判が始まる。病理解剖を行なった大河内教授が証言台に立つ。また手術シーン(の回想)! 大河内は肺への転移を認める。次は里見が証言台に立つ。断層写真を撮ることを何度も勧めたが断られたと話した。

 

原告側の弁護士は東のところへ行き、鑑定に適当な人物を求めた。東は財前との複雑な関わりがあったため、鑑定人にはなれない。

 

原告、被告側それぞれの立てた鑑定人は手術の正否について述べる。

 

財前の部下の柳原は自身が術後肺炎と診断したと言い張り、裁判は財前側に有利になり、佃たちと祝杯をあげ、財前もケイ子とイチャイチャ。

 

鑑定人が船尾教授に決まった。東は財前が失格するところを見たいと裁判を見に行くと妻子に語る。船尾は手術以前に断層写真を見たとしても分からなかっただろうが、術後は財前の誤診だった。しかし、結果は同じだろう。財前の手落ちがないかといえば、そんなことはなく良心が欠けていた。断層写真を撮るべきだったと言う。

 

今後は傲慢不遜な態度を改め、浪花大学の第一外科教授になるべきだと証言。船尾は大学病院の信用に関わると財前に有利な証言をした。

 

財前は裁判に勝ち、総回診として多くの医師と看護師を引き連れて廊下を歩き、里見は浪花大学附属病院を去った。(終)

 

田宮二郎さんはどことなく竹脇無我さんっぽい感じ。愛人もいるのに清廉な感じもして。

 

白い巨塔」は何度も映像化されてる割に見たことがなかったけど、なぜか財前か里見が死ぬ話と思っていた。「振り返れば奴がいる」と混同してた!?

 

調べたら、勘違いではなかった。映画版は本編までで、その後書かれた続・白い巨塔がその後のドラマ版の結末ということらしい。

 

連ドラじゃなくこのくらいのボリュームでもいいかもしれない。


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予告編見つけたー!