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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (23)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

河原で倒れていた清原(浜村純)が、小野家に担ぎ込まれる。闇の物は食べない、という信条の清原は空腹で倒れていたのだった。純子(山口智子)は、自分のところは闇の米を食べるから、配給の米は清原のところへ持って行く、と言う。あき(伊藤榮子)は清原に、雄太(高岡俊広)の養子縁組みについて相談する。純子は速水(髙嶋政宏)と清原に魚釣りを教え、休憩中に話していると、速水が清原の遠い親戚だということがわかり…。

朝、陽一郎がしんどそうに体を起こす。

純子「お父ちゃん、ご膳」

陽一郎「純子。昨日はすまなかったな」

純子「ううん。お父ちゃんらしいと思てる。(ヒソヒソ声で)男らしい」

陽一郎「ハハハハハ(照)」

声を荒げて怒らなったばかりか、翌日には謝るお父さん、優しい。

 

食卓に昭と雄太が釣ったアマゴが並ぶ。金太郎もウナギ捕りも手伝ってくれる。恭子いわく「ごんたくれだけどお人よし」。

陽一郎「すまんなあ、みんなに迷惑かけてしもて」

 

昭も雄太もいないが食べ始める純子たち。そこに昭が「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ!」と雄太も金太郎も家に駆けこんできた。秀平が清原先生をお姫様抱っこで運んできた。空腹のあまり川の所で倒れていたという。

 

純子は陽一郎に清原を裁判所の判事をしている人だと紹介し、清原の顔色を見た陽一郎はすぐ恭子に布団を敷くように指示した。

 

そうだ、川津祐介さんは「3年B組金八先生」では上林先生で、浜村純さんは同じくパート2では荒谷二中の米倉先生だ! 「あぐり」では名取裕子さんと吉行和子さんだったり金八すごいな。他の作品で別の作品の共演者を見つけるのが嬉しい。

 

御飯をお代わりして食べている清原。

純子「先生、ご心配なく。これ全部配給のお米ですからね」

清原「すまん」

陽一郎「先生。やみのもんは食べないという先生のお気持ちは分かりますけど、ご病身の奥さんもおられることですし…」

清原「分かっとります。しかし、性分でして、こればっかりは…」

 

清原はやみのものは妻に食べさせたことはあっても自身は食べたことがないと自負する。しかし、純子はそのおかいさんはやみの米だとバラす。そして、これから先生のところへはうちの配給の米を届けるとし、そのかわり、うちがやみ米を買うという。

 

純子「先生は法を犯さずにいてください。そのかわりうちとこが法を犯します。それならええんですやろ?」

純子はニコニコしながらすごいこと言うなあ! 先生を見殺しにするようなことになったら村の私らの心がどんだけ痛むか考えてください、といい子ちゃんなだけじゃなく言うべきことは言う子なんだよね。

 

純子は昭に日曜日、みんなで魚を釣って清原先生にあげるように言う。

純子「先生は法律はお詳しいけど魚の釣り方も知ってはらへんのやから」

朝ご膳も食べずにまた釣りに出かけた昭たち。

 

そのころ、大阪へ家出した正太夫は何をするあてもなくジョージ北川に心の中を訴えていたのであります。

 

北川「そりゃいきなり出てきたってそうそううまい話は転がっちゃいないよ」

太夫「けどこのままでは格好つかんのですわ。なんぞパ~ッと花火あげんと。家出しました。何もなかったちゅうんで帰ってきたら笑いもんになりまっせ」

北川「だろうね。既にもう美山村では君は笑い者になってると思うよ」

太夫「分かってまんがな」

ジョージ北川、もっと言ってやれ! 碁石を使ってトランプゲームは北川の勝ち。はあ~それにしてもいい声だ。

 

あきは清原に養子縁組について今の法律では難しいので何か他の手立てはないかと聞くと、憲法が新しく変わったと清原は言う。家族制度も大きく変わった。これまでは民法の第4章の第2節の第839条に家督相続をなすべき男子ある者は男子を養子となすことをえずとあったが、これがなくなった。実親の承諾または親のない場合は後見人の親族会議によって承諾されれば養子は可能になる。

 

清原「しかし、養子というものはよくお考えになってお決めにならないと、あとあとまで問題が起きることもありますから」

あき「はい」

清原「ご主人のお気持ちは分かりますが、こういう時代ですから人一人増えるというのは…」

主人とも相談すると言って帰ろうとしたあきに澄が清原に親切にしてくれたことにお礼を言った。あきもまた澄の体を気遣う事を言った。

 

庭で発声練習をする恭子を見ている陽一郎と純子。恭子は戦争中は看護婦になると言っていた。陽一郎は体を治したら仕事を探さなくてはいけないけど、純子には自分の思い通りの人生を生きてほしいと思ってるという。陽一郎がいなかったせいでしたいこともできなかっただろうがこれからはそうじゃない。純子は苦労したとか大変とも思ってないし、このままでいいという。

 

陽一郎「いや。親というもんは2通りあってな。自分の思うように子供を育てたい親と子供がしたいようにするのを見て喜ぶ親と。まああると思うんや。僕は後の方やな。満州でもう何度も死ぬかもしれんという目に遭うたから、そう思うのかもしれんけど。たった一回の人生やから思う存分、したいことをして生きてほしい。それが僕にも一番うれしいことなんや」

 

純子は正直何をしたいのか分からないのだと語った。正太夫が「何したいのんか分からんのが僕の悲劇や」と言ったことを頼りないと思ったけど、自分もそうだった。そのうちはっきりする、焦ることはないと陽一郎は言い、純子は唐突に秀平の話をした。二世でアメリカにいじめられたからギラギラした目をしている。何かを追いかけてるという純子の目がキラキラ。

 

川で釣りをする純子、清原、秀平、昭、雄太。清原は餌だけとられてしまった。秀平の父が大正2年アメリカに行ったと聞いた清原は母方のいとこも明治40年アメリカに行ったと話した。詳しい住所は知らないが西海岸で父親に連れられて渡米した。清水さだ、と聞き、秀平は驚く。秀平の母は早くに亡くなっているが、元の名前は清水さだという。10歳の時に父親とロサンゼルスに移民した。

 

清原は清水さだの母親の名前を聞くと、清水あぐり! あぐり!? 清原先生の母の妹というのが清水あぐりさん? で、さださんがいとこ。

 

秀平が清原欽一郎のいとこの子供であったとは。何とも不思議な巡り合わせではありました。

 

いつもバブルの時代にこんなしんみりしたドラマが受けてたなんて!と思ってしまうけど、昭和63年といったら純子と同世代の人でもまだ60前後だし、まだまだ戦争を知ってる世代も多かったし、共感できるところも多かったんだろうね。バブリーなトレンディドラマだけじゃないよね、そりゃ。

 

そういえば、以下「おしん」のネタバレをしてしまうけど、おしんは自分の子供である仁と同じ歳の希望という男の子を引き取った。おしんは希望にもう一度家業を復活してほしくて苗字をそのままにしたけど、どっちにしても雄も仁もいるおしんの家では希望を養子にすることは旧民法上ではできなかったということになるのかな。仁や希望は純子と同年代の生まれだし。