1963年 フランス/西ドイツ
あらすじ
主演カトリーヌ・ドヌーヴ。ミシェル・ルグランの美しいメロディーにのせ、すべてのセリフを歌で表現する名匠ジャック・ドゥミ監督の鮮やかな色彩の傑作ミュージカル。フランスの港町シェルブールの傘屋の娘ジュヌビエーブは、自動車修理工のギイと愛し合い結婚を誓う。しかしギイは徴兵でアルジェリアへ行き、手紙も来なくなってしまう。ジュヌビエーブは妊娠していることを知るが…。カンヌ映画祭国際グランプリほか受賞。
2023.6.15 BSプレミアム録画。
真上から雨の降る街の風景。カラフルな雨傘が行き交う。
第1部 出発
1957年11月
オーバン・ポート修理工場
一人の男が修理工に話しかけ、雨の中車を走らせて行った。
セリフが全て歌! 「レ・ミゼラブル」もこんな感じだったよね。
修理工ギイが雨傘店で働くジュヌビエーブの働く店の前まで来た。店を出て来たジュヌビエーブはギイに8時に劇場で会いましょうと言うと店に戻った。
家に帰ったギイ。一旦着替えてジュヌビエーブと観劇、その後踊りに行く。ジュヌビエーブは母にはギイとの付き合いを隠しているが、母には疑いの目を向けられている。
帰り道、子供が欲しいなと話すギイ。ジュヌビエーブは女の子ならフランソワーズと名付けると話す。ギイはガソリンスタンドを持つという夢を語る。
シェルブール雨傘店
ジュヌビエーブは16歳!? 結婚は早いと母に言われる。ギイは20歳なのでそのうち兵役に行くという母・エムリ。15日までに8万フラン払わなければ破産という手紙が届き、ジュヌビエーブはギイと結婚すれば2人で働けると話す。
デュブール宝石店
エムリとジュヌビエーブは経済的に厳しいと思い出の真珠の首飾りを持って行った。しかし、思うようにいかない。偶然居合わせた宝石商ローラン・カサールが買ってくれて、現金の持ち合わせがないので小切手を送るという。
ローランが店に来る前に出かけて行ったジュヌビエーブ。入れ違いに店に来たローランにエムリはお茶を出し、夫に死なれて2人きりの生活だと身の上話をする。ローランはパリに戻ってロンドンに行く、また店に来ると帰って行った。
ギイと会ったジュヌビエーブ。ギイは召集令状を受け取り、2年は兵役に行かなければならない、だからすぐ結婚はできないと言う。待っていて欲しいと言うギイに2年も待てないと泣く。
ギイはジュヌビエーブを家に誘う。寝ているおばさんに挨拶するギイ。ジュヌビエーブとはそのまま部屋で…。
帰って来たジュヌビエーブはエムリにギイが兵役に行くことを話し、泣く。エムリは2年後にはギイのことなんか忘れてると慰め、ここぞとばかりローランを勧める。
病身のおばさんを置いてギイは出発することになり、幼なじみのマドレーヌにも別れを告げた。
駅の喫茶店?で泣きながら別れを惜しむジュヌビエーブ。ギイを駅のホームで見送った。
第2部 不在
1958年1月
シェルブール雨傘店
エムリはローランと再会し、1時間以上話し込んだ。ジュヌビエーブはギイから1度手紙が来たきりと落ち込んでいて、エムリがあなたのことなんか忘れたと言うもんだからジュヌビエーブが倒れた。ジュヌビエーブはギイの子供ができたとエムリに告白。
エムリは近所の人になんて言ったらいいの? 今夜はローランと会うのに!とパニックになるが、ローランは誰にも言わないでと口止めした。
ローランと食事。ローランはジュヌビエーブの顔色の悪さを気にする。休息が必要だが、余裕がないと話すエムリ。ジュヌビエーブは気分がすぐれないと席を立った。ローランはエムリにジュヌビエーブを幸福にしたい、結婚したいと話す。
突然のことに驚くエムリ。あなたのことを何も知らないと言うエムリにローランは昔、ローラという女性を愛していたが、向こうはそうではなかった。でも、ジュヌビエーブに出会って彼女のことばかり考えているし、生きがいができたと話す。でも無理強いはしないでくださいと言ってる。アムステルダムに3ヶ月行くので戻ったら返事が欲しいと出て行った。
街に雪がちらつくころ、ギイから休暇が保留になったこと、男の子ならフランソワという名前がいいなどの手紙が届いた。
1958年3月
店の外の通りは祭り。ジュヌビエーブの出産は間近。エムリは赤ちゃんの服を作っていた。ギイの顔も忘れそうとタバコを吸うジュヌビエーブ。え! エムリもタバコは体に悪いわよと軽く注意。ジュヌビエーブも一吸いくらいですぐ消したけどびっくり!
ジュヌビエーブはローランの求婚を受け入れようとしている。え?
1958年4月
ローランから指輪が届いた。ジュヌビエーブは大きなお腹のまま。ローランは2人の子として育てようとあっさり受け入れている。
結婚式
ジュヌビエーブはローランと指輪の交換をする。教会の外で待っていた車に乗り込むジュヌビエーブたちを見ていたギイの幼なじみのマドレーヌ。
第3部 帰還
1959年3月
ギイが無事帰って来た。おばさんに事情を聞き、最後の手紙の様子がおかしかったと話す。ギイは兵役中に襲撃されて足を引きずるようになっていた。元の職場にはこだわらずに仕事を探すつもり。
おばさんによるとジュヌビエーブは結婚式後、そのまま旅立ち、エムリも数ヶ月残って店の整理をして、店を畳んで今はパリに住んでいると言う。マドレーヌと再会するギイ。
1959年4月
オーバン・ポート修理工場
オーバンとケンカしたギイは恩給で暮らすと店を飛び出した。100%ギイが悪い。
酒場でも些細なことでケンカして追い出され、シェルブール雨傘店へ。電気屋にでもなるのかな?
別の酒場へ行くギイ。ジュヌビエーブと踊りに行ったところかな? 赤いドレスの派手な女性に声をかけられ店を出る。娼婦? ジェニーという女性はベッドでジュヌビエーブと呼んでもいいわよと言う。
帰ったギイはマドレーヌからおばさんが亡くなったことを知らされた。マドレーヌは辛いのでこのアパートを出ていくと言うが、ギイが引き留めた。仕事もせずに家をぶらぶらしてる今のあなたは嫌いと言うマドレーヌに力になってくれとお願いするギイ。
1959年6月
ギイはマドレーヌにプロポーズ。マドレーヌは感動で泣き出す。ジュヌビエーブを忘れられずに絶望の果てにプロポーズしたのでは?というマドレーヌの言葉を否定するギイ。
1963年12月
エッソの看板が立つガソリンスタンド。ギイとマドレーヌの息子はフランソワ。マドレーヌはフランソワとクリスマスプレゼントを買いに出かけた。
ガソリンスタンドに来た1台の車。フランソワーズという娘を乗せたジュヌビエーブだった。ギイはジュヌビエーブを店に呼ぶ。車に子供だけを残すな。パリに戻る途中、シェルブールに寄ったジュヌビエーブは偶然この店に来た。エムリは秋に亡くなったと言う。
フランソワーズはあなたによく似てると言うジュヌビエーブ。会うことを拒んだギイはそのまま車を見送る。ちょうどマドレーヌとフランソワが帰って来て、ギイはフランソワを抱っこする。(終)
一生のうちの2年よとジュヌビエーブは言ってたけど、ちょっとくらい待てよ。でもマドレーヌの方が好きなので、マドレーヌでよかったと思う。