徒然好きなもの

ドラマの感想など

【連続テレビ小説】芋たこなんきん(143)「お兄ちゃん」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

昭一(火野正平)は、貯金通帳を持って出かけた内縁の妻・平真佐美に、お金を全額引き出されてしまう。昭一と町子(藤山直美)と健次郎(國村隼)は真佐美の帰りを待つ。一方、町子は秘書の矢木沢純子(いしだあゆみ)がほのかに恋心を寄せる編集者の北野吾郎(RIKIYA)から結婚の話を聞く。相手は北野と同じ出版関係で彼女のことは純子も知っているという。北野から純子に伝えてほしいと頼まれる町子は…。

夕方、茶の間

電話をしている町子。「あ…ありがとうございました。すいません」

隣では黒電話で電話している昭一。「あ…。あ、そうですか」

 

昭一の妻・真佐美が昭一の貯金通帳を持って出かけ、連絡が取れなくなっていました。

 

健次郎「銀行どやった?」

昭一「『カードで全額引き出してる』て」

町子「え?」

健次郎「アホな!」

 

町子「お兄さん、失礼ですけどもおいくらぐらい?」

昭一「2億とちょっと…」

町子「ほんまのことを言いましょう」この間が最高!

昭一「500ちょっとや」

町子「500ちょっとて、えらいお金やないの!」

 

健次郎「で、ホテルにもいてへんて?」

町子「『平ってお名前の人は泊まってません』て。年格好言いましたらね、『朝早うチェックアウトしましたよ』て」

昭一「やられたな」

 

町子「健次郎さん、警察に…」

健次郎「あかん。自分で渡したんや。盗まれたわけやないねやから」

町子「そやけど…」

健次郎「何か事情があんのかも分からんがな。ひょっとしたら帰ってくるかもしれんし…。なっ」

町子に向かって何度もうなずく昭一。頭ちっちゃいな~。

 

夜、茶の間

和代「うん! おいしい! このアラ炊き!」

昭一「あっ、あのね、目がきれいやったから、これは新鮮かなと思てね」

和代「お料理もお上手なんやねえ」

昭一「ええ、まあ」

 

和代「洋風なもんも作らはりますの?」

昭一「たまには」

和代「まあ! 奥さん、ええわねえ。あ…そういうたら真佐美さん、遅いんやね」

町子「あ、あの…久しぶりにお兄さんと一緒にごはんでも食べてはんのと違うやろかね」

和代、大きくうなずいて納得。

 

プッシュ式電話が鳴る。

町子「はい、もしもし? ええ。花岡です。ああ、北野さん、いつもすんません。ええ。いえ、そ…。そうや! 今日やったんや!」

 

たこ芳

北野「申し訳ありません、お忙しい時に」

町子「いえいえ、私こそお約束忘れましてね、お待たせしてしもて…。まあ、バタバタ、バタバタしてるもんですからね。それで、北野さん、お話て何です?」

北野「はい…。実は僕、今度結婚することになったんです」

町子「え…? ああ…そやったんですか。それはまあ、おめでとうございます」

北野「ありがとうございます」

町子「ねえ、よかったですね」

 

北野「はい。仕事関係で出会った相手も出版のプロダクションの女性なんです。2年ほど前からおつきあいしてました」

町子「そう」

北野「はい」

一杯酒を飲む。

 

北野「実は、僕、この間から迷ってたんです」

町子「え?」

北野「矢木沢さんにお話しようと思ったんですが、先に花岡先生にご報告しなければいけないと思ったり、いや、先に矢木沢さんに話すべきかと思ったり…。仕事の関係性で言うと先生からお伝えしていただくのが筋かとは思うんですが…」

町子「純子さんはね、北野さんがその女性とおつきあいしてるっていうの知ってはったんですか?」

北野「はい、ご存じです」

 

町子「そしたら、純子さんには、ちゃんとお話してあげてください。お友達として」

北野「友達…」

町子「純子さんね、北野さんのこと、お仕事だけじゃなくて気の合う大切なお友達やなあと思てはるいうのは、私、よう分かるんですよ」

 

北野「はあ…確かにそうです。先生もご存じだと思いますが、2人で映画を見たり、食事をしたり、お酒を飲んだりということもありました。それに、僕はある時、一度、矢木沢さんに『おつきあいをしたい』と申し出たことがあります。断られました。『仕事の仲間として、いい関係をずっと続けたいから』って。ですから、どちらかというとずっと僕の片思いだったんです。まあ、そんなこともあるからいろいろ考えてしまって…。なかなか言いだしにくかったことも事実です」

町子「そやったんですか…。そう。そしたら余計にね、うん…北野さん、純子さんに会うて、直接、ちゃ~んとお話をしてあげてください」

北野「はい」

 

町子「おめでとうございます」

北野「ありがとうございます」

町子「うん…。どうぞ。どうぞ、どうぞ」

北野「あ~、じゃあ、いただきます」

 

茶の間

本を読んでいる健次郎。

町子「ただいま」

健次郎「あ~、お帰り」

町子「お兄さんは?」

健次郎「部屋や」

町子「真佐美さんは?」

健次郎、首を横に振る。

 

町子「連絡も?」

健次郎「うん…」

町子「そう…」

健次郎「なあ…」

町子「うん?」

健次郎「僕にはどうしてもそんな子やと思われへんねやけどな」

町子「私かてそう思いますよ。けど、人てね、ほんまに分からへん部分があるからねえ…」

健次郎「うん…」

 

翌朝になっても真佐美からの連絡はありませんでした。

 

応接間の椅子に座り、空の鳥かごを見つめる昭一。「どこ行ってしもたかなあ…」

 

茶の間

片づけをしている町子と新聞を読んでいた健次郎が昭一に注目。

町子「ねえ、お兄さん、どっか心当たりは?」

昭一「それがな、長居のマンションの前に大正区にいてたていうのは聞いたんやけども、どこに住んどったいうまで詳しいこと分からへん」

 

仕事部屋

純子「じゃあ、戻ってこられないままなんですか?」

町子「連絡もあらへんの」

純子「ひどい! えっ、じゃあ、お兄さんだってこともうそだったんですか?」

町子「私ね、前の恋人やないかなあっていうような気がするんやけれどもね」

純子「ひどい…」

町子、ため息。

 

廊下に出て外を見ている昭一。

 

茶の間

町子「あれ? お兄さんは?」

健次郎「え? 何やさっきフラッと出てったで」

純子「捜しに行かれたんでしょうか?」

健次郎「さあねえ」

 

町子「やっぱり警察に届けた方がええのと違うやろか?」

健次郎「届けんねやったら身内やから捜索願いやな」

純子「本当に逃げられたんだとしたらお兄様、あまりにもお気の毒ですよね」

健次郎「ねえ。人がよすぎるのもね」

 

そして、夜になり…

 

台所で夕飯の支度をする町子。

 

茶の間で新聞を読んでいる健次郎はせきこんでいる。

町子「ねえ、お兄さん、まだ?」

健次郎「うん? うん」眼鏡を外し、目を押さえている。

町子「ねえ、しんどそうやね?」

健次郎「うん。ちょっと同窓会で飲み過ぎたかな」

町子「気ぃ付けてくださいよ。お兄さんのことも心配やろけども、カッカ、カッカしたら体に悪いですからね」

健次郎「そやな…」またせきこんでる。心配。

 

たこ芳

壁にはまだ「『迷い鳥』保護しています」のチラシが貼られている。

 

北野「そうですか…。死んじゃったんですか…」

純子「ええ…」

北野「かわいそうに。じゃあ、あの貼り紙はもう…」

純子「『飼い主が捜してるかもしれないから、しばらくは貼っておこう』って大先生、おっしゃってる」

北野「徳永先生は、お優しい」

 

純子「小鳥が死んだ夜ね、泣いてらしたみたい」

北野「え~!?」

純子「お優しいんですよ、あんな怖い顔して」

二人、笑う。

 

純子「北野さん、お話って…?」

北野「はい。実は僕…結婚します」

純子「えっ!? ああ…おめでとう!」

北野「ありがとうございます」

 

純子「そうか…。あの彼女と?」

北野「はい」

純子「よかったじゃない!」

北野「ええ」

純子「そうか…そうか。北野さん、ついに結婚か…」

 

北野「矢木沢さん、あの…僕」

純子「乾杯しましょう! ねっ! おりんさん! お祝いだからシャンパン…は、ないですよね? さすがに」

りん「は?」

北野「さすがにそれはね…」

 

板前「どうぞ」

純子「うわっ!」

りん「それね、あの、私のフランスの友達のワイナリーから直輸入。とっておきのビンテージでっせ」

純子「すご~い!」

りん「たこ芳、なめたらあかんわ」

純子「すごい、すごい」

 

たこ芳を出た北野と純子。

北野「じゃあ、お気を付けて。おやすみなさい」

純子「おやすみなさい」

何か言いたそうにしていたが、そのまま去って行く北野。

 

純子も歩きだし、北野と出会った場所で笑顔になる。

peachredrum.hateblo.jp

回想

北野「あっ、雨と名無しの子猫といえば…」

純子・北野「『ティファニーで朝食を』!」

純子「ラストシーンですよね」

北野「ヘップバーンが猫を雨の路地に一旦捨てるんですよね」

純子「そう。それで『あなたはタフなんだからネズミだらけの町でも一人で生きていきなさい』って言うんですけど…」

北野「引き返してくる」

純子「子猫を抱き上げて、ジョージ・ペパードと寄り添った時の美しい笑顔…」

回想ここまで

 

純子さん、あの時と同じ水色のカーディガンを着ている!?

 

物音

純子「あ~っ! あ~っ!」

 

アムールのママが店から出てくる。

和田「どないしはったん?」

純子「大きいネズミ!」

和田「何を言うてんの? もう! 一人で生きてる女がネズミごとき怖がってたら世の中、生きていかれまへん!」豪快に笑って、店の中へ。

純子も笑顔になって帰っていった。

 

そして、一方…

 

仕事部屋

原稿を書いている町子。部屋のデジタル時計は10:44。

 

帰ってこない真佐美と昭一のことが気になっている町子でした。

 

ミニ予告

町子「ロマンチック用」

 

ん~、どうしても北野と純子の組み合わせが好きになれなくて…。「阿修羅のごとく」でいしだあゆみさんが演じた滝子の相手は宇崎竜童さんだったんだもん。もうちょっと年齢的に釣り合う人だったらな~。再登場するんだったら、やっぱり北野はあの下衆い雑誌記者の方がよかったよ。あのくらいの年下ならまだよかった。

 

連日、このような貴重なインタビューを読めるのはありがたや~。ホント、2006年の秋は何してたんだ?と思うけど、それまで使っていたVHSビデオデッキをDVDレコーダーを買い換えた頃で「のだめカンタービレ」にハマってた。

 

2002年以降見なくなってしまった朝ドラは全く興味がなく、今どんな作品が放送されているのかも知らなかった。当時見ても面白く感じただろうけど、ジェンダー的な部分は理解できたかな? でも朝ドラを見切るきっかけとなった「さくら」は覚えてないけど、ジェンダー的なところが気に入らなくて見なくなった気がする。

 

NHK総合で再放送を!の声も多いけど、その場合、今、再放送枠のある夕方は休止が多すぎてやめてほしいな。私のおすすめは早朝だけど、多くの人々が見やすいのは深夜か。とにかくなるべく休止のない枠でやってもらいたい。2023年は「おしん」40周年なのでどこかで再放送するんじゃないかとにらんでるんだけど、NHK総合に朝ドラ再放送の専用枠が欲しいねえ。絶対に需要はある。

 

昨晩録画していた次の再放送朝ドラ「本日も晴天なり」の5分予告を見ました。来週になると15分予告もあるみたいなので、そちらも見るけど…いきなり戦争真っただ中から始まり、ヒロインが東京人形町出身。父は津川雅彦さん。地方出身者が上京する話ではないのは新鮮。あ、1、2話しか見てないけど、「ひまわり」もヒロインの実家は下町だっけ。

 

今、1977年の「岸辺のアルバム」の再放送を見ていて、30過ぎの冴えない?独身の高校教師を演じている津川さんが、1981年には父親役なんだな~と驚き。なんとなく今日見た予告番組だと少女時代もなくいきなりヒロインの原日出子さんから始まってるっぽい感じなので、津川さんは1940年生まれだから40ちょいで大きな娘のいる父親役やってたんだな~。原日出子さんは1959年生まれ。

 

下町のべらんめえな口調も好きだから、聞けるかな。ヒロインがカンカン(森田順平さん)に怒鳴られてるシーンもあった。金八前の「マー姉ちゃん」の結城信彦はニコニコ笑顔の人だったけど、今度はカンカンそのものみたいな役に見える。「芋たこなんきん」ももちろん好きですが、次の「本日も晴天なり」楽しみにしてます。きっと「芋たこ」ロスの人がめちゃくちゃ文句言うんだろうなとは思ってるけど。