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【ネタバレ】岸辺のアルバム 第8話

1977/08/19 TBS

 

あらすじ

東京郊外の多摩川沿いに住む中流家庭。一見すると幸せそうに見える家族4人。しかし、実はそれぞれが問題を抱えていた。母・則子(八千草薫)は良妻賢母型の専業主婦。だが、見知らぬ男から電話がかかってくるようになる。はじめは知らん顔をするも、やがてその男と会うようになり…。父・謙作(杉浦直樹)は有名大学出の商社マン。しかし、実のところ会社は倒産寸前の状態だった…。娘・律子(中田喜子)は大学生。なかなかの秀才で大学も簡単に合格したはずだったが、ここ一年は家族に対して心を閉ざしている。やがて、アメリカ人男性と交際するようになるのだが…。息子・繁(国広富之)は大学受験を控えた高校生。決して勉強のできる方ではないが、心の優しい性格の青年だ。だが、両親や姉の異変に気付き、思い悩むことに…。

 

第8話

則子(八千草薫)は繁(国広富之)に、北川(竹脇無我)とはもう会わないと告げる。そんな中、律子(中田喜子)のアルバイト先を訪れた繁は、律子の恋人を紹介される。

2022.8.24 日本映画専門チャンネル録画。

Will You Dance?

Will You Dance?

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商店街を歩く律子。喫茶店に入ると、堀先生と繁が向かい合って座っていた。外から繁が見えたといって店に入ってきた律子は堀先生に挨拶し、近くの席に座った。律子はとても機嫌がよさそう。

 

堀先生と繁の話というのは、繁が午後になると学校から家に電話すること。母親に電話をしているという話を聞いてピンときた律子はやめさせますと宣言。訳も言わない繁に困っていたので、断言する律子に堀先生は困惑。繁はボールペンで自らの左手に落書きをしていた。堀先生の似顔絵?

 

一緒に帰る律子と繁。自分の親が浮気していれば止めようと思うのは当たり前だという繁に対して、お父さんが浮気したらせいぜいやめとけよって言うぐらいでお母さんにバレないようかばうぐらいだと指摘する律子。

 

さらにあんなにうちにいない亭主を持てば浮気ぐらいしたって当たり前だといい、邪魔しないでほっとけばいいという。

繁「気持ちはどうなるんだよ?」

律子「気持ち?」

繁「『お母さんが浮気してるのなんかやだ』っていう俺の気持ちはどうなるんだよ?」

律子「そんなの、あんたの勝手なヤキモチじゃない。自分で始末すればいいのよ」

繁「姉さんは平気かよ? 全然、お母さんが他の男とどうかしても何も感じないのかよ?」

律子「感じるけど、お母さんの自由を尊重してるの。邪魔してやめさせて、お母さんをうちへ閉じ込めておくなんて子供のエゴイズムじゃないの。あんたがお母さんならどうよ? ちょっとぐらい浮気したいと思うんじゃない?」

それにしても美男美女。繁は天パかな。セットしづらそうで共感してしまう髪型(^-^;

 

夜、田島家

ミシン掛けをしている則子。

 

則子に気付かれないように部屋を出て、律子の部屋をノックする繁。「そりゃ、お母さんの人生なんだから子供が邪魔しちゃいけないと思うけど…」

律子「まだそんなこと言ってるの? お母さんムチャしないわよ。お父さんの月給わりといいし今の生活を捨てるようなことしないわよ」

繁「お父さんを裏切ってることはどう思うんだよ?」

律子「そんな大げさなことじゃないわよ」

繁「連れ込みから出てきたんだぞ」

律子「自分はどうなのよ?」

繁「自分?」

律子「結婚して、ずっと奥さん1人を守れる? ほかの女には目もくれないって誓える?」

繁「誓えると思うけど」

律子「できやしないわよ、夫婦なんてそんなもんよ。つまらないこと考えてないで勉強しなきゃダメじゃないの」

 

律子は編み物をしているので、繁に出ていくよう言う。律子が男物のセーターを編み物していることに目ざとく気付く繁。さっき、スナックでウキウキしてたって、あそこスナックというのか。「二人の世界」でいってたスナックみたいな、酒も出すんだろうけど、女の子が接客するような店じゃなくて、喫茶店スタイルの店。

peachredrum.hateblo.jp

山田太一さん独特の世界観なのか、ほかに喫茶店みたいな店構えで酒も出すし、軽食も出すみたいな店をスナックと呼ぶ文化が見つけられない。「二人の世界」ではスナックがはやっていて学校まであると言ってたけどね。

 

律子の部屋を出た繁は、恋人ができたらあんなんでも編み物なんかしちまうんだからなあと独り言。ふと階下をのぞくと相変わらずミシンをやっている則子の背中。

 

風の強い日

ビッグジョンでは商品をしまい込み、モスバーガーの店先では繁の足元に新聞紙が飛んでくる。雅江がレジにいた。チーズバーガーとモカシェークを注文する繁。380円。1人で店に来た繁に信彦はどうしたの?と聞いてくる雅江。席について食べ始めた繁の席で話を続ける。

雅江「分かるわあ。来ちゃいけないって思ってて来ちゃったんでしょう? さみしくなって来ちゃったんでしょう? 分かるわ…」

 

しかし、雅江を無視して風の強い中、外で食べ始める繁。それにしても雅江の勘違いっぷりは何なんだろう。

 

田島家

停電であと1時間ぐらい電気がつかないので、ろうそくを灯す。家には則子と繁だけ。

繁「お母さん」

則子「うん?」

繁「僕、もう電話かけないよ」

則子「いいのよ、かけたっていいんだけど訳が分からなかったから気になったのよ」

繁「かけないよ、もう自由にしてよ」

則子「自由にって?」

繁「電話、気にしないで自由にさ」

則子「ずっと自由にしてるわ。あなたの電話で不自由なんてしてないわ」

 

繁「そんならいいよ」

則子「どうしたの? 繁ちゃん」

繁「うん?」

則子「見当違いのことかもしれないけど、前にお母さん『中学のころの同級生の男性と時々しゃべる』って言ったでしょ? あれ、よしたの。その人いなくなったの」

背を向けている則子をいいことに笑顔になる繁。

 

則子「だからそういうことで出かけることもないし、大抵うちにいるから電話かけたきゃかけてちょうだい。ただ、高校生のくせにお母さんに電話かけたがるなんて、なんかちょっと男っぽくないわよね。フフフッ、繁ちゃんらしくないわよ」

繁「うん」

則子「そうだったの?」

繁「うん?」

則子「お母さんが男性としゃべるのがイヤだったの?」

繁「そんなのお母さんの自由さ。気にしてないさ」

則子「そう?」

繁「どんどんしゃべりゃいいさ」

 

則子「でも終わりなの。大体おしゃべりしてる暇ないもの。繁ちゃん追い込みだし、入学金や何やら少しピッチを上げて内職しなきゃ払えないもの」

繁「うん」

則子「2人とも私立じゃ大変よ」

繁「そうなの」

則子「うん?」

繁「終わりにしたの」

則子「うん」

繁「しゃべるくらい、いいのにな」

則子「終わり、ウフッ」

繁「そっか」

則子「ウフフ」

繁「勉強しなきゃな」

則子「今頃何言ってるの」

2人「フッ…」

ずっと2人でしゃべってるけど、ダイニングテーブルに向き合ってただけじゃなく、則子は台所に立ち、お湯を沸かし、お茶をいれたり…そんな細かな動きをしています。しかし、則子みたいな内職してる人も専業主婦っていうのかな?

 

ろうそくの火を見つめながら別れの場面を思い出す則子。

茶店

北川「さよなら」と店を出ていきかけたが戻って来て、則子の前に右手を差し出した。則子も右手を出し、握手をする。

則子「さよなら」

 

北川さん、今週はここだけだった~。悲しい。

 

電気がつき、ろうそくの明かりは消され、則子は内職を再開する。そんな則子の背中を笑顔で見る繁は、部屋ででんぐり返しをして机に向かった。

 

日曜日の早朝。謙作は一人起きて紅茶を入れていた。朝からゴルフ。則子もまだ起きていないが、繁が起きて、「僕も紅茶飲んでいいかな?」と話しかけた。そして、あさっては、なんの日だか分かってる?と聞いた。あさっての火曜日は則子の誕生日。謙作はどうせ遅いので繰り上げて誕生日やったらどうかと提案。繁が謙作の紅茶に砂糖を入れてる。

 

謙作は「お母さん嫌がる」と乗り気でない。「39だろ? 女はそういうこと強調されたくないんだ」

原作の設定は39歳で、ドラマでは42歳じゃなかったっけ? ついでに八千草薫さんは当時46歳。39か~、39で19歳の娘と18歳の息子…。ああ…。

 

繁は誕生日じゃなくても早く帰ってきてほしいという。こっちが招待してゴルフをやるんだから、夕飯とバーの1軒ぐらい当たり前だと謙作は言う。所帯持ちは日曜出勤やめろよ、お母さんほっとくと何するか分かんないぞと帰ってこいよねと念を押す。車の北音に反応すると、則子が襖をあけて、「車が来たわよ」と知らせた。

 

則子が起きていたことに驚く繁。玄関に出た謙作は繁に「なるべく帰る」と言って出かけていった。繁は盛大にやろうねとニコニコ。

 

律子がまだ寝てる部屋に行った繁は律子に夕方に横浜に行くと断られた。

繁「いいかよ? お母さん、やめたんだぞ。たぶん、やめたんだ。家にいてこのごろ洋裁ガンガンやってるじゃないか」

律子、寝返りを打つ。

繁「それ見て、姉さんなんにも感じないのかよ? 俺は感じるね。なんてお母さんつまんないんだろうって感じるね。家にいてくれると俺はうれしいよ。外へ出て妙な男とつきあわれるより、ずっとうれしいよ。だけどお母さんにしてみりゃつまんないじゃないか。お父さんいつもいないし、僕も姉さんもろくにいないし、いつも1人じゃないか。レコード聴いたり、本読んだり、いろいろしてるらしいけど、その話し相手にも僕らなってやらないじゃないか」

律子、やっと起き上がる。

繁「たまにはうちじゅうでお母さんを主役にしてやらなきゃいけないと思うよ、そう思わないかよ?」

律子「あんた、そんなことしょっちゅう言ってて肝心の受験勉強はいつもサボってるんじゃない」

繁「受験なんかより大事じゃないかな」

律子「お母さんはね、あんたが夕飯の心配してくれるより、大学に受かったほうがよほど喜ぶの。余計なこと考えないで勉強すればいいの」また寝る。

繁「そうかね? 僕はちょっとみんなお母さんに冷たかないかと思うよ。子供っぽいかもしれないけど、今日、夕飯にぎやかにやりたいんだよ」

繁の説教?に負けたのか、部屋を出ていこうとした繁に「なるべく夕飯帰るわ」といった律子。笑顔になり、花を買ってこいと頼む繁。

 

昼、電車

新聞を読むサラリーマンはよく見るけど、新聞紙を器用に折って読むんじゃなく、半分に裂いて読む人を初めて見た。

 

繁はいつも2000~3000円持っている信彦にお金を借りようとするが、信彦はオープンデッキを買ったため、700円しかもっていない。

こういうの? さすがに見たことない。繁は大学に受かったら、カートリッジを買ってもらえるかどうか。カートリッジ?? 

 

信彦はオープンデッキを買ってもらった代わりに大学入るまでテレビを見ないという約束をしていた。

繁「やっぱ材木屋なんてカネあんだな」

信彦「そうでもねえよ」

繁「税金ごまかせるしな」←どういう意味!? 経費で何でも落とすみたいな?

 

結局、信彦から全額巻き上げてプレゼントを買いに走った。繁の手持ちは300円! 家に帰った繁はワインを隠し持ち、則子に夕飯は何か話しかけた。則子の誕生日だけど、則子が料理作ってるしねえ。お金出してプレゼントより今日は夕飯つくるよ!の方が本当はうれしいと思うよ。料理下手の意見かな。

 

則子は4人そろう時ごちそうじゃないと繁が機嫌が悪くなると思って、豪華な中華風料理を作っていた。大きな中華鍋で何を作ってるかはよく分からない。「(今日が何の日か)気がついてた?」といった繁の言葉にはまだ気付いてない様子の則子。

 

夕食。食卓にたくさん料理が並ぶが席は無人。則子はアイロンがけをし、繁は「もう食べようか」と話しかけた。則子もおなかがすいたといい、繁はワインを背中に隠して、謙作や律子のことを怒る。

則子「飲もうか、繁ちゃんと」

繁「何を?」

則子「買ってきたんでしょ、ワイン」

繁「あっ、どうして分かった?」

則子「さっきから後ろへ手、やってばかりいるから、何隠してるんだろうと思ったの」

繁「アハッ…いつ見えた?」

則子「繰り上げのお誕生日?」

繁「当たった、アハッ」

則子「ウフッ…他にいいこともないし、たぶんそうかなと思って」

繁「イヤ?」

則子「どうして?」

繁「39なんてイヤなのかと思って」

則子「ハッ…そりゃうれしかないけど」

繁「そうか」

則子「でも繁ちゃんがお祝いしてくれるのはうれしいわ」

繁「ゆうべ、急に思い出してさ、随分やらないけど、やりたいなって思ったんだ」

則子「へえ~」

繁「2人とも『そんなら帰る』って言ったんだけどなあ」

則子「いいわよ、3人に『年を取った』って言われるより繁ちゃんだけのほうがいいわ」

繁「そうだよね。2人で飲んだくれようか、ハッ…」

則子「何言ってるの、フッ」

その後、勉強のことを聞かれてテンションが下がる繁。

 

玄関のチャイムが鳴り、謙作が大きな箱を持って帰宅。小学生じゃないんだからこんなに食べるわけないじゃないと言いながら嬉しそうに箱を開ける繁。コントみたいに大きなケーキ。直径30cmの10号ケーキかな? とにかくでかい。謙作も何だか機嫌がいい。

 

繁のナレーション「姉は10時すぎまで帰らなかった。でも、父は帰ったし、なんとなく昔のわが家が戻ってきたような感じでいい日曜日だった。こんなことで母の問題が解決したと思うのは子供じみているのだろうか? しかし、『終わった』という母の言葉を信じられるような気がしたし、それから冬にかけては少なくとも僕には平穏な日々だった。平穏で拘束されたしょっちゅう勉強しなければならないという思いに追われている日々でもあった」

 

ナレーションの間に夏から秋。そして冬へ。季節飛んだな~。電熱器のある部屋でウトウトしている繁。則子が部屋に入ってきて空気の入れ替えをしないから眠くなるのだと窓を開けた。慌てて勉強したふりをしたけど見抜かれてたね。

 

則子は繁に律子が本当に夜までアルバイトをしているのか聞いてきた。繁はアルバイトをしてることさえ知らない。則子が律子から聞いたバイトの内容は日本へ来てる外国人で事務所や秘書みたいなものを持ってない人に電話番号を貸して、電話の用事を受けておいてあげる。英語の勉強にもなるし、お金も悪くないというものらしい。

 

アルバイトは5時には終わるため、5時以降にかけても誰もいない。しかし、律子の帰宅は9時過ぎ。則子は恋人がいるならデートと言えばいいという。則子は律子を”あいつ”呼ばわりする繁を「姉さんでしょ」と注意する。そういうのって大事。

 

繁は律子のバイト先へ向かう。雑居ビルのようなところで外国人2人とすれ違う。ドアには、原設計事務所、FAR EAST SECRETARY SERVICE、大久保商事と複数の会社名が並ぶ。英語の意味は”極東秘書サービス”だって。事務所にはいくつか机といす、黒電話が並ぶが律子1人が仕事していた。

 

午後5時。他の人は休んだらしい。時給800円。繁によれば普通のアルバイトは400円から500円だという。繁は則子が律子を心配してるので塾をサボって様子を見に来た。事務所に入ってきたチャールズ・スタイナー。律子は弟だと繁を紹介した。

 

チャールズの部屋に行った律子は繁にステーキを焼いてくれた。1枚ずつしか焼けないからと繁に先に出してくれた。繁と向き合って座るチャールズは、律子が料理上手でセーターも上手で家庭的だと褒めた。家庭的だと言われて驚く繁。チャールズは律子に自分のステーキを切るようお願いし、律子もかいがいしく世話を焼く。

 

地下鉄のホーム

律子はチャーリーと夕飯を食べることの何が悪いのか?と繁を責める。夕飯だけじゃないだろ?と繁は言うが、だからこそ余計な騒ぎになりたくないから、チャールズを紹介したし、黙っていてほしいという。

 

家で則子は内職している。

 

部屋で勉強が手につかない繁。

 

繁のナレーション「本当に黙ってていいものだろうか? 確かに姉の言うとおり、結婚しなければセックスをしてはいけないというのは古くさい考えに思えた。しかし、夜、帰ってきて姉と階段ですれ違ったりしたとき…」

 

律子「何よ?」

繁「別に」

律子「黙っててよ」

 

繁のナレーション「『ああ、セックスをして帰ってきたのか』といやおうなしに考えてしまうのだ。するとなんともいえない嫌悪感が湧いてしまうのだ。母の浮気でもものすごくショックを受けた。しかし、姉に言わせれば、それは母の自由で子供がとやかく言うべきではないと言うし、そう言われればそうかなとも思うのだ。でも、感覚というか気持ちがついていけないのだ。頭では自分の責任でやる以上、姉さんもお母さんも何をしようと自由だと思うのだけれど、気持ちとしてはとってもイヤだと思ってしまうのだ。たぶん、感覚が古くさいのだろう。昔のモラルとかそういうものの影響から抜け出せずにいるのだろう」

 

長いな~。窓の外を見ていた繁は雪が降っていることに気付き、則子に知らせた。暮れに初雪。則子は1年が早いと言う。

 

除夜の鐘が鳴る。早いね~。則子はおせちづくり、謙作は和服を着て、寿と書かれた箸袋に一人一人の名前を筆で書いていた。

hakata-hisamatsu.net

祝い箸という習慣、知らなかった~。

 

繁のナレーション「『年が明けたら2月なんてすぐよ』『あっという間に受験だから』母に言われなくたって時の早いのは身にしみていた。正月はあっという間に来て、1月4日の夜であった。受験生は正月どころではないという周りの目に義理を立て4日まで信彦と会わなかった、しかし、そうまで友情を犠牲にすることはないのではないかと思ったのだ」

 

例のスナックに集う繁と信彦。若い女性店員はカツラのような日本髪と着物。信彦はやっとのことで家を抜け出し、3時間ぐらいは繁としゃべる気で来た。信彦は飲もうか?と誘う。ここ、文句言わないだろ?と信彦は言うが、繁がやばいよと尻込み。

 

そこに来店した律子は店に入ってすぐカウンターに座るが顔色が悪い。律子は繁が声をかけると驚き、コーヒーを注文したもののすぐ店を飛び出した。追いかける繁。3人前のコーヒーを飲む羽目になった信彦。

 

雨の中、繁は律子を追いかける。顔色が変で則子に気付かれるんじゃないかと焦る律子。殺してやりたい、復讐など恐ろしいワードが次々飛び出す。夕飯を作りに今年初めてチャーリーのところへ行った律子は、部屋にいたチャーリーの友達だというデェイヴ・アベルソンという男に会った。デェイヴは長身の白人男性。

 

ニヤついているデェイヴ。

律子「チャーリーが私のことで何かおかしいこと言ったかしら?」

デェイヴ「チャーリーはあなたのことを褒めている」

律子「アハッ、どうかしら?」

デェイヴ「ただ、彼は恐れている」

律子「恐れて…Scared?」

デェイヴ「Yes. He's scared.結婚を恐れている」

律子「結婚を?」

デェイヴ「『別れたい』と言っている」

律子「What?」

デェイヴ「私は引き継ぎ」

律子「引き継ぎ?」

デェイヴはいきなり律子の腕を強く引っ張る。

律子「チャーリーがそんなこと言うはずないわ!」

律子は必死に抵抗するが、デェイヴは律子を押し倒し、律子の絶叫でつづく。

 

おーい! こんな怖いところで終わるのか! 今週はというか元々原作は繁が主人公だと言うし、どんどん中心が繁になってる。しかし、北川さんが見たいなー! あのまま終わっちゃうんだろうかね。ご近所さんらしいのに。

 

岸辺のアルバム」の記事をいろいろ探して読んでいたら、山田太一さんが12年ぶりに連続ドラマの脚本を書いたという2009年のフジドラマ「ありふれた奇跡」というドラマに出演していた八千草薫さんの役(ヒロインの祖母)が則子のその後のようだと解釈している人を見かけて、俄然興味が湧きました。

90年代にウッチャンナンチャンのコント番組で元ネタを知らずにいろいろなパロディを見ている中、「ふぞろいの林檎たち」のパロディを見て以来、山田太一脚本って独特なんだなとあえて避けるようになっていたのが、今となったらもったいない。ウッチャンナンチャンも揶揄するというより好きでやってたんだろうにね。あらすじを読んでも面白そうだし、いつか見たいな。

 

そして思い出したのが、「高原へいらっしゃい」。同じく山田太一脚本で2003年に佐藤浩市さん主演でリメイクされて(脚本は違う人)、その時に、オリジナルの1976年版を再放送していてそっちの方が面白く感じた気がする。どっちのドラマもちゃんと最初から最後まで見た記憶はないけど。

 

2003年版は八千草薫さん、竹脇無我さん、杉浦直樹さんが出てたとは…! 接点のない役だったらしいけど、こっちも見たくなったよ。杉浦直樹さんは1976年版が雑誌記者で2003年版はホテル評論家らしい。けど、リメイク版の感想はあまり芳しくない。せっかくの共演なのにもったいない。キャストは2003年版の方が興味あるんだよな。