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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(99)「いつか光が...」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

過労で倒れた町子(藤山直美)の初めての入院生活。夜中に目覚めた町子はスタンドライトがまぶしく顔に白い手ぬぐいをかけていると、駆けつけた純子(いしだあゆみ)が勘違いして泣き崩れる。仕事は忘れてゆっくり眠る町子の夢に、またもや亡き父・徳一(城島茂)と祖父・常太郎(岸部一徳)が現れ、そこに健次郎(國村隼)も加わって町子の話題で盛り上がり飲みに行ってしまう。引き止める町子だが、その声は3人には届かない…。

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昨日の振り返り

町子「お父ちゃんは? おじいちゃんは?」

健次郎「何を寝ぼけてんの。えらい熱や」

町子「健次郎さん…」

振り返りここまで

 

町子「しんどい…」

健次郎「もうしゃべらんでええ」

 

仕事をしていた町子が倒れました。

 

診察室

診察台に寝かされる町子。健次郎が脈をとり、晴子が額に氷を当てる。

健次郎「熱も高いし、脈も速いな」

晴子「肺炎、起こしてるかも分かれへんね」

健次郎「大きな病院行こ。検査せなあかんわ」

晴子「近いから私とこに」

健次郎「そやな」

 

浪花大学附属病院

病院のベッドに寝かされる町子。「う~ん…」

晴子はタオルで町子の顔の汗を拭く。

病室に入ってくる健次郎。「過労や」

晴子「肺炎やなかってんね」

 

健次郎「『だいぶ肝臓が弱ってる』って。とにかく疲労やな」

晴子「仕事しすぎやもん。20代30代やあれへんねんから体力も考えな」

健次郎「そんなこと言うたら怒りよるぞ」

晴子「私、内科の医局に挨拶してから、家帰って着替え持ってくるわ」

健次郎「うん」

 

病室を出る直前ふりかえる晴子。「大ごとにならんと済んでよかったね、お兄ちゃん。ほんまに気を付けてあげんと…」病室を出ていく。

 

町子「う~ん…」

健次郎「気分、どないや?」

町子「え…ここ、どこ?」

健次郎「病院。晴子の勤務先や」

 

町子「病院…?」

健次郎「うん」

町子「ああ、そうか…」

健次郎「過労や。仕事のしすぎ」

 

町子「ねえ、健次郎さん…」

健次郎「何や?」

町子「喉渇いた…」

健次郎「あ…しもたな。水も何も持ってきてないな…。ちょっと待っとき」出ていく。

 

町子「う~ん…まぶしい…」ライトを消そうと手を伸ばすが届かない。「ああ…う~ん…」枕元にあった白いタオルを顔にかける。

 

ノックの音

純子が入ってきて、白い布がかぶせられた町子を見た。「先生…えっ!?」泣き出し「先生~!」と町子の体にしがみつく。

町子はタオルを自ら外す。「電気消して…」

純子「うお~!」ここの野太い声面白い! 事前番組で見たな。

 

健次郎「はい。純子さん慌てもんやねえ」

純子「もう『倒れられた』って伺って慌てて来たらいきなりでしょ。私、心臓が止まるかと思いました」

町子「ごめんなさいねえ…」

純子「でもほんとによかったです。命があって!」

健次郎「なっ、おとなしいに寝とったら治るから」

 

町子「明日の朝、早うに帰ったら、お仕事間に合うよね…」

健次郎「アホ。入院や」

町子「入院?」

健次郎「当たり前やないか。帰るかいな、こんな状態で」

 

町子「仕事は?」

健次郎「今、そんなこと考えんでもええ」

町子「ねえ、新聞の連載が…」

純子「先生。ちゃんと最終回書き上げられたんですよ」

 

町子「それ、本当?」

健次郎「何や覚えてないんかいな?」

町子「うん…あんまり覚えてないわ…」

純子「安心してください」

 

町子「ねえ、健次郎さん」

健次郎「うん?」

町子「そのあとのお仕事の約束してはるでしょ」

健次郎「いや、もうええ、もうええ。今日はもうそんなこと何も考えんと、ゆっくり寝なさい」

町子「うん」

 

そして、町子の人生初めての入院生活が始まりました。

1972年、朝日新聞で連載していたのが「すべってころんで」だそうです。学生運動のまね事をする息子、アラフォーで独身の夫の妹が転がり込んでくるなどの日常話。1973年、NHK銀河テレビ小説で三ツ矢歌子さん主演でドラマ化もされてるそうです。それにしても、朝ドラだけじゃなく銀河テレビ小説も再放送してほしい作品がいっぱいあるな~。

 

徳永家応接間

純子「申し訳ございません。まだ病室での面会が許されてなくて。でも、お花持ってって飾らせていただきます。先生、お喜びになりますわ。本当にありがとうございます」

松岡「でも、驚きましたよ」

亀山「どうですか? お体の方は」

純子「はい。まだ、とろとろ眠ってらっしゃいます。きっとお疲れがいっぺんに出たんですわ…」

病室で寝込んでいる町子の映像。

 

亀山「それにしても書き上げてから倒れるなんて…。無理なさってたんですね、先生…」芝居がかった感じでハンカチで涙を拭く。

松岡「ほんまに…」

 

ほぼ同時に

松岡「で、うちの原稿の方は…」

亀山「今週のエッセーの方は…」

 

純子「今はそれどころじゃございません!」

 

自分が持ってきた花籠で顔を隠す松岡と亀山。

 

暗い病室

常太郎「いやいや、そんなことあらへんて。お前も相当頑固や。ワシのせいにすんな」

徳一「お父ちゃんの半分も頑固やあらへんわ」

 

少し明るくなったので寝ていた町子が目を覚まし、ベッドから起き上がる。「お父ちゃん…! おじいちゃん…!」

 

おじいちゃんとカメラはセットなんだな~。面白い。

徳一「『仕事、仕事』いうのは、お父ちゃんの遺伝やな」

常太郎「ワシは仕事だけやあらへんで。ちゃんと息抜きや遊びかて大事なことやて、お前も町子も寄席に芝居に人形浄瑠璃、よう見に連れてったってたやろ。忘れたんかいな?」

徳一「忘れてへんて。けどな…」

 

町子「そんなことで2人、言い合いせんといてよ…」

 

徳一「そやけど、お医者さんと一緒になって、これやったら安心やて思てたのになあ」

常太郎「カモカな。あれは、いまひとつ、おなごの操縦法を心得てへんよってな」

 

町子「操縦て…健次郎さん、そんな人と違うもん」

 

徳一「あれもなかなかの頑固者みたいで」

常太郎「その上、5人の子持ちや。ワシが生きてたら、もうちょっと苦労せえへんとこへ嫁に行かしたのになあ!」

 

町子「私、苦労なんかしてないよ」

 

常太郎「賢い子やと思てたけど、ひょっとしたらアホなんとちゃうか?」

 

町子「おじいちゃん!」

 

健次郎が病室に入ってくる。

町子「あっ、健次郎さん」

 

常太郎「おお『噂をすれば』やな」

健次郎「お父さん、おじい様、初めまして、徳永です」

常太郎「孫が何やご縁があって…」

徳一「お世話になってます。けど、何やねん『お父さん』は、てれくさいなあ。おたくの方が年上やからね」

健次郎「あ…そうですね」

 

常太郎「けど、あんたがついてて、これ、どないなってますね?」

健次郎「申し訳ありません。けどね、この人、人の言うこと聞かないんです。頑固者です」

 

町子「ちょっと…!」

 

徳一「ああ、やっぱりなあ…」

常太郎「けどやで、男たるもの嫁はんにはガ~ンと言うてやらなあかん」

健次郎「あ…それは、そうなんですが…あの…聞くところによると、バアバアばあちゃんには、おじい様も頭あがらんかったとか…」

常太郎「ムムムム、それ言われると弱いなあ」

健次郎「お父様も和代お母さんには、なかなか、ねえ…」

徳一「はあ、おっしゃるとおり」

 

健次郎「町子…いや、あの、町子さんも1つガンと言うと、10倍になってガガガガガンと返ってきます」

徳一「昔からそうでした」

 

町子「お父ちゃん…?」

 

徳一「はあ…ほんに女性は難しい」

健次郎「これは男にとって永遠のテーマですな」

常太郎「そや。時代を問わんテーマちゅうこっちゃな」

 

町子「妙なとこで意気投合せんといてよ…」

 

徳一「けど、ほんま…体だけは大事にせなあかんわ。大事な家族、置いてくようなことしたらあかん」

健次郎「無念やったでしょうね。町子はお父さんのこと大好きでしたから。いえ、今も好きです。こんな年になっても…」

 

町子「お父ちゃん…」

 

常太郎「大丈夫や。この子はお前より心も体も丈夫にできてる。それに、今、こっちに来られたら困るがな。ワシ、あのバアバアばあちゃんと嫁のイトだけでも怖いのに何やこの子に怒られそうで…」

 

町子「もう! おじいちゃんは、もう…」

ほんっとに藤山直美さんは涙が自由自在なんだよね~。わざとらしさが全くない。

 

常太郎「健次郎君、ほなちょっと河岸を変えて、おなごについて語りまひょか? 一杯やりながら」

健次郎「いいですね!」

 

町子「河岸変えてって?」

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徳一「久しぶりにたこでもつまんで」

健次郎「よろしいねえ! 行きましょ!」

常太郎「うん」

 

町子「ねえ、どこ行くの? ちょっと『うん』て…。おじいちゃん! お父ちゃん! 健次郎さん! どこ飲みに行くの? 3人でちょっと!」

 

暗転して、病室のベッドで寝ながらうわごとを言う町子。「お父ちゃん…。おじいちゃん…。お父ちゃん、おじいちゃん、健次郎さん…」

病室に健次郎が入ってくる。

町子「あっ、健次郎さん。ねえ、お父ちゃん、おじいちゃん、どこ飲みに行くの? ねえ、健次郎さん、どこ飲みに行くの? どこ飲みに行くの? お父ちゃんとおじいちゃんと…」

健次郎「ほら、何を寝ぼけてんね」

町子「え?」

 

健次郎「飲みになんか行けるわけないやろ」

町子「私、夢、見てたんや…」

健次郎「お父さんの夢、見た?」

町子「お父さんとおじいちゃんとね、健次郎さんとね、3人仲よう話、してんねん」

健次郎「フフッ…そらありうるな」

町子「うん」

 

健次郎「あ、そう。あんたの夢の中でお父さんらと話ができたん、僕は」

町子「会いたい?」

健次郎「うん…そら会いたいな。一緒にお酒飲んだら楽しそや」

町子「私の悪口をお酒のあてにして3人で楽しくお酒を飲むんでしょ?」

健次郎の笑い声

 

町子「健次郎さん」

健次郎「うん?」

町子「私、どこが悪いの?」

健次郎「うん。肝臓の数値が特に高い。肝機能障害や」

町子「えっ!?」

 

健次郎「いやいや、そんなびっくりすることやない。とにかくゆっくり休養するこっちゃ」

町子「また2人でお酒飲めるようになる?」

健次郎「何や一番の心配事はそれか?」

町子「おいしいお酒を飲んで、いっぱいしゃべられへんかったら面白くないもん」

 

健次郎「そのためにちゃんと治すんやがな」

町子「うん…。あっ、晴子さんもね、何べんも見に来てくれてはる」

健次郎「ようさん主治医がおって安心や」

町子「フフフ…。晴子さんのことなんやけどねえ」

健次郎「うん?」

 

町子「何か様子変わったとこない?」

健次郎「『何か』て?」

町子「私が倒れる前にね…」

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回想

すすり泣く晴子の背中。

町子「何かあったんですか? お仕事?」

晴子「ううん。何もあれへんよ」

回想ここまで

 

町子「泣いてはったみたいやから…」

健次郎「仕事で何かあったんやろ。何もない仕事はないからな」

 

茶の間

ひとり座る晴子は落ち込んでいる様子。

 

病室

健次郎「今日は子供ら連れてお好み焼きでも食べに行ってくるわ」

町子「あ、そうかあ…。ほんまにごめんなさいね」

健次郎「ちゃんと寝ときや」

町子「はい」

健次郎「ほなな」

町子「うん」

 

家族のこと、仕事のこと…いろいろと気になる町子でしたが今は何も考えるなと体に言われているような気がしていました。

 

ミニ予告

福子「忍法ごちそうさま!」

 

ほとんどおじいちゃん、お父ちゃんが出ていた。幽霊だろうと知った人ならうれしいね。