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ドラマの感想など

【ネタバレ】父子鷹

1956年 日本

 

あらすじ

分限者男谷家に生まれ、幼いころに勝家に養子に入った勝小吉(市川右太衛門)は、同家の養女、お信(長谷川裕見子)と許嫁の仲。剣をとっては師も舌を巻く腕前で、根が気風のいい江戸っ子肌、曲がった事は大嫌いという。家族の要望から、小吉も人並みの役付を目指し、支配者石川右近の屋敷へ奉仕に出かけたが、たまたま召出されると、男谷家の財産に目をつけた体のいい無心、若い小吉はあっさりはねつけ、一生を無役で通しても、曲がった事にうなずく心持がしなかった。兄・彦四郎(月形龍之介)の任地に同道し、再び江戸に戻ると、好事重来、支配者石川は卒中で倒れ、変わった支配の頭取は兄と親交ある大久保上野介となった。小吉のお番入りを誓約、お信との祝言も承諾された。しかしお番入り披露宴で、同役の執拗な嫌がらせに吾を忘れ、過ってその一人を殺してしまった。その頃、お信は小吉との子、麟太郎(北大路欣也)を生み落としたのだ。貧乏に耐えながら、麟太郎にこの子だけはと希望を託すのであった。

2022.1.1 日本映画専門チャンネル録画。

 

勝海舟の父・勝子吉が主人公。市川右太衛門さんが北大路欣也さんのお父さん…そんなに似てない!? 目が似てるかな?

 

小吉の父・男谷(おたに)平蔵が志村喬さん。ほんとによく見る人だ。寅さんの1作目の時点で前田吟さんの父親役でおじいさんっぽい印象しかなかったけど、若い頃の作品が結構残ってるね。男谷彦四郎は小吉の歳の離れた兄。月形龍之介さんは東映時代劇にはおなじみの人。

 

小吉は江戸っ子のはずが所々関西イントネーションになってる。小吉は、お信という妻とお信の祖母と暮らしている。

 

剣術の師匠である団野を訪ねた小吉。帰りが遅いと祖母に小言を言われる。

 

平蔵と飲みに行った小吉は帰りに蛍売りの屋台とすれ違う。平蔵は全部買おうと言うのだが、小吉はいらないと言い続けた。蛍売りにけちん坊と言われ逆上した小吉は蛍売りを堀に投げ込む。振り返ると平蔵が倒れていた。

 

平蔵は軽度の中風と診断された。呂律の回らなくなった平蔵。小吉は父のためにも御番勤めに励むことをお信に誓う。お信から子供ができたことを知らされ、ますますやる気になる。

 

小吉の御番入りが決まり、宴席に出る。宴席に残った同僚の相手をしていたが、しつこく絡んできた。文字が書けないことを指摘され、ハッとする小吉。その上、翁そばを今すぐ食べたいと無理を言う。

 

ついに小吉が怒ると、酒飲みの座興で新入りに無理を言うのが慣例みたいに言ってたけど、はぁ!? 悪口言っといて、冗談だったと言うのと同じだね。2人の男相手に大立ち回りし、刀を抜いた男を思い切り投げ飛ばしたが、打ちどころが悪かったのか死んだ。「あ…死んだ!」と目を見開き、手で顔を覆う小吉。

 

切腹だけは免れるよう手を尽くすという平蔵に対し、彦四郎や祖母は冷たい。お信は小吉の味方。

 

座敷牢にいる小吉。使用人が平蔵からの伝言として、お経を読むよう言われた。字が読めないというが、平蔵が不自由な手でふりがなを振ってくれたということが分かって感動する。簡単な読み書きはできるということかな? 字が書けないというのも字が下手だということかもしれない。

 

お信が男の子を出産した。小吉のいる座敷牢にも赤ちゃんの声が聞こえてる。平蔵から許しを得て、座敷牢から出て赤ん坊を抱く小吉。勝の家に平蔵もいるの? 

 

彦四郎もニコニコ顔で訪ねてきて、名前は麟太郎と勝手に名付けた。小吉のことはもう見捨てて、麟太郎に期待している。

 

墓参りをしている小吉と麟太郎。「麟太郎は13歳になりましたよ」と報告。一瞬で! 平蔵の墓参りだった。この少年が北大路欣也さんか。

 

儒学蘭学などたくさん習い事をしているが、その分、お信や使用人は粗末な食事をしていた。お信は仕立て物などの仕事もしている。そのことは小吉は知らない。

 

茶屋?で男たちから挑発を受けるが、麟太郎が乱暴はしないと墓で約束したではないですかと小吉を止めた。カッとなりやす過ぎやしないか? グッと我慢した小吉と麟太郎の前に彦四郎が現れ、麟太郎の書籍でも…と小判をあげた。

 

男谷道場の門札を先ほどの男たちが盗んで行った。道場主の男谷精一郎は新しい門札を作ればいいというのに一人で乗り込む小吉。あ〜あ、刀抜いてるよ。リーダー?の渡辺兵庫の右手首を斬りつけた。わたなべひょうごってすごい名前だね。

 

帰りにそばを食べて帰ろうとした小吉。屋台をやっていたのは長年使用人をしている利平次と知り、ショックを受けた。小吉もそば売りをするという。麟太郎も働くという。

 

利平次役の薄田研二さんはこないだ見た「女優」の福原役。ほ〜。

peachredrum.hateblo.jp

朝、彦四郎が訪ねてきた。服を改めるように言われ、紋付袴姿で彦四郎の前に出る小吉と麟太郎。麟太郎が家慶様、第5番目のお子・春の丞君のお相手役として御覧賜ることになった。お信、彦四郎、小吉、利平次みんな涙、涙。

 

夜、褌一丁で井戸の水をかぶって読経する小吉。麟太郎が世に出られますようにとお願いする。

 

麟太郎が駕籠に揺られ、小吉たちが見送る。春の丞様の前に出た麟太郎。(終)

 

北大路欣也さんデビュー作ということで明るいラストにしたんだそう。実際は遊び相手となるはずの徳川家慶の五男が早世してしまったため、家に戻ることになってしまったそう。北大路欣也さんは子供の時からそのまんま!という顔じゃなかった。