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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (117)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

ウラマド姉妹の家に泊まったマリ子(熊谷真実)たちは、翌日田河邸に行き、田河(愛川欽也)や順子(三田和代)と再会を喜ぶ。だが、マリ子に恋文を書いたことを後悔する大宗(渡辺篤史)は、再会の場に顔を出せずにいた。その後、出版のために紙屋を訪ねるマリ子たちだが、素人丸出しである磯野姉妹の取次ぎは後回しにされてしまう。出版を渋る森田(大塚周夫)に、マリ子は持ってきた現金を見せて出版の約束を取りつけるが…。

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ウラマド姉妹の家を出るマリ子とマチ子。

ウララ「じゃあ行ってらっしゃいませ」

マリ子「はい、行ってまいります」

マドカ「なるべく早くお帰りなさいましよ。お待ち申しておりますからね」

マチ子「はい」

 

ウララ「でもうれしいわ。帰ってくる人を待つなんて私たち何年ぶりでしょう?」

マドカ「何年ぶりでしょう?」

マリ子「それじゃあ、行ってまいります」

マチ子「行ってまいります」

ウララ・マドカ「行ってらっしゃい」

マリ子はお金をおなかにくくりつけて出発。

 

田河邸では均が玄関先を掃きながら♪花を召しませ 召しませ花を~と「東京の花売娘」を歌っていたが、またくしゃみ。「おかしいな…これ、風邪かな?」

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この歌どこかで?と思ったら、昭和22年、ジャズをやってる諒子に酔っ払い客が流行歌である「東京の花売娘」をリクエストし、それを歌うシーンがあった。

 

しかし、目の前に現れたのはマチ子とマチ子の陰に隠れるように立つマリ子。

均「マリ子さん!」

マチ子「均五郎先輩!」

均は逃げるように田河邸に入っていった。「先生、奥さん、大変です! 大変です!」

 

マチ子「アハハハハッ、相変わらずの均五郎さんね。こんにちはぐらい言ってから取り次いでくれたっていいのに。ねえ?」

マリ子「そうよね…」

マチ子「私はね、本当は先輩と手を取り合って喜んでから先生にご挨拶するようになるだろうって期待してたのよ」

マリ子「それは私だって…」

マチ子「どうかしたの?」

マリ子「あ…ううん!」

 

順子が家から出てきて再会を喜んだ。あ、よく見たら玄関脇の窓から均ちゃんも見てるのね。

順子「さあ、中へ入って。先生もね、びっくりしちゃって、今、着替えの最中なの」

マチ子「まあ!」

順子「さあ、どうぞどうぞ。入って入って」

均ちゃんは慌てて逃げだす。

 

そうです。均ちゃんが出征を前にして空前のラブレターを書いたのを知るのはマリ子ただ一人だったのです。

 

マチ子「懐かしいわ…昔とちっとも変わっていませんですね」

水泡「そうかい? 僕も懐かしいよ。本当に2人ともよく来てくれたな」

マリ子「先生のおうちはご無事だと聞いておりましたけど、ご門が見えるまでもう胸がドキドキしてしまって」

水泡「いや~、本当にね東京は空襲がひどかったからな…。さあ2人とも何立ってるんだ。さあ、お掛けなさい。マリ子さんもマチ子さんも。さあ座って座って。ほら。座って僕によくちゃんと顔を見せなくちゃ」

マチ子「はい!」窓辺に飾られたのらくろのぬいぐるみを抱いたままソファーに座る。

 

水泡「ああ~、本物のマリ子さんとマチ子さんだ。尻尾が出てないところを見るとキツネのいたずらでないことだけは確かだ」

マリ子「まあ、先生ったら」笑い

水泡「しかし、本当によかったな。よかった、よかった。均ちゃん! 均五郎! 何をしとるのかね。奥さん! 早く早くお茶お茶! お茶と顔、顔!」

順子「は~い! はい、ただいま。ごめんなさい、遅くなっちゃって」

マチ子「すいません」

順子がお茶を運んできた。

 

水泡「均五郎、どうしたのかね? あれほど2人を心配しておったっていうのに…」

順子が言うにはお茶の支度を手伝ってもらおうと思ったがどこにも姿が見えないという。水泡は何かごちそうしようと思い、駅前のヤミ市に走っていったんじゃないかという。

 

水泡「まずはさ、みんなのこの無事を祝ってそれからだって遅くはないのにね」

マチ子「でも先輩らしくてここにお伺いできたんだなっていう実感があります」

水泡「それもそうだな」笑い

 

マリ子「あの、何もないんですけれど母が気持ちだけでも持って伺うようにと申しまして」風呂敷包みを渡す。

順子「あなた、汽車だってただの混雑じゃなかったでしょうに。そんなお気遣いよろしかったのよ」

マチ子「はい。でも田舎のものですからどうせ大したものではありませんから」

順子「うれしいわ。遠慮なく頂きます。均ちゃん! 均ちゃん!」

水泡はどこかに行っちゃったんじゃないかと不思議がるが、マリ子はどこかホッとしていた。

 

庭の片隅でうずくまっている均。「マリ子さん、許してください…」と手を合わせる。「僕は本当に戦死すると思ってたんだ。だからあんな破廉恥極まる手紙をあなたに…。ああ…あなたがあの手紙どんな気持ちで読んだかと思うと僕はもう…」

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手紙のシーンは↑の回はマリ子が読んでるだけだったけど、今日は軍服姿の均がカメラ目線で語りかける新撮シーン。

均「今、思い切って打ち明けます。マリ子さん、あなたは小生の生涯において終生思い続けるであろう、たった一人の女性でした」

手紙の内容を思い出し、目をつぶり耳をふさぐ均。

均「マリ子さん、あなたは初めて会ったその時から僕にとって夜も日も忘れえぬ人となってしまったのです」

ついに「うわ~っ!」と叫んで走り出してしまった。

 

順子「何でしょう? あの声」

水泡「うん? 野良犬だろう、多分」

マリ子「やっぱりこちらは『のらくろ』の発祥地ですものね」

順子「でもね、その『のらくろ』も近頃さっぱりでね…」

 

水泡「出版か。うん? あんたたちのお母さんもあっというようなことを思いつく方だね」

マリ子「はい。皆目見当のつかない世界なものですから…」

水泡「いや、お母さんが考えたことはね、なかなかいいことだと思うよ」

マリ子「はい?」

水泡「まあ、戦争中はろくに本も読めなかった反動かね、近頃はどんな本でも飛ぶように売れてね東京の出版界も、やっと息を吹き返した時機だからね」

マリ子「そうなんですか」

 

水泡「いや、まあ心配なのは紙だな。それと印刷と製本か。まあ腕のいい職人が復員していてくれるといいけどね」

マリ子「紹介状を頂いた紙屋さんが製本も印刷も一緒にやってるらしいんです」

水泡「はあ~、それはよかった。初めてのことだからね、何かと助かると思うよ。うん。これですか? 新聞に連載してたのは」冊子を見る。

順子「まあ面白そう」

 

水泡「『サザエさん』か」

マチ子「はい。毎日のものというのは昔、国民新聞に描いた『ヒィフゥみよチャン』の経験しかありませんでしたから」

水泡「いや、なかなか面白いよ。ねっ、僕はね、初めてマチ子さんに会った時からね、きっとものになると思っていた」

マチ子「はい、ありがとうございます」

 

水泡「それに引き換え、うちの均五郎めは…」

順子「あの人、人がよすぎるんですよ。でもあなたうちで重宝にばかりしないで、そろそろお嫁さん探してあげないと」

マリ子「そうです! そうですとも!」

水泡「えっ?」

マリ子「本当にいい人なんです。ですから、お嫁さん探してあげてください。お願いします」

マチ子「本当だわ! 私からもお願いします!」

 

水泡「いや、心掛けてはいるんだがね。あっ、それよりね、例の塚田君ね、編集長になった」

マリ子「まあ! いよいよ鬼の塚田さんですね」

順子「そうなのよ。あっ、一度、顔出ししといた方がいいわ。2人のこととっても心配していらしたから」

マチ子・マリ子「はい!」

 

塚田の新聞広告を見て→東京に仕事がある!→はる「本を出しなさい」→東京に仕事があるのは確定してるから製本事情を調べて、本を出す方が先決と思ったのかな。

 

上京第1目的である本作りのために2人はその足で昭栄洋紙店という店を訪ねていきました。

 

あ、ナレーションでも本作りが第一目的と言ってるじゃないか。街の風景。パンパンらしき女性が米兵と一緒に商品を見ているシーンも盛り込んでる。

 

マチ子「ねえ、もう一度言ってみたら」

マリ子「だってここで待ってなさいって言われたんですもの」

マチ子「だからって相手の方が忘れてるのかもよ」

マリ子「そんなこと…。ちゃんと紹介状も渡したわ」

 

マチ子「その紹介状って本当に効き目があるのかな?」

マリ子「今更何を言いだすのよ、マチ子ったら」

マチ子「だってご覧なさいよ。全くの売り手市場じゃないの。あの店員さんの鼻息の荒いこと」

マリ子「だってただで紙をくださいっていうわけじゃないわ」

マチ子「だからって2時間近くも待たされてるのよ」

 

マリ子「ねえ、おなかすいたわね」

マチ子「マー姉ちゃん…」

マリ子「『腹が減っては戦ができぬ』っていうし、お握り食べようか」

待たされたその場で食べようとするマリ子。マチ子は後でいいと言うが、マリ子はそのまま食べ始める。

 

店員「あれ? あんたたちまだいたの?」

マリ子「はい」

店員「え~っと…確か森田さんを訪ねてきたんだっけね」

マチ子「私たち待っていろとおっしゃったから待っていたんです。『まだいたの』って言うことはないと思いますわ」

マリ子「いえ、いいんです。待たせてくれとお願いしたのは私なんですから。あの、それで森田さん、お手すきになりましたでしょうか?」

この辺、2人の性格の違いが出てるなー。

 

店員「ちょっと待ってね」

マリ子「はい」

店員「部長さん! この人がさっきから待っていますが…」

森田「じゃあ、ちみ、ちょっとこっち…。まあ、ご覧のとおりの客でね、一服する暇もなくてもう嫌になっちゃいましたよ、全く…」

マリ子「こっちだって嫌になっちゃいます。『ここで待ってろ』のひと言でもう2時間もこの椅子にくぎづけなんですもの」

マチ子「マー姉ちゃん

 

森田「ああ、その節はいとこの森田がいろいろお世話になったそうでありがとう」

マリ子「いえ、戦争中だったもんですから、お世話といっても何もしてさしあげられませんでしたけれど」

森田「いや、当人たちは結構感謝していましたよ」

マリ子「おかげさまでご招待状もお書きくださいまして」

 

森田「しかし、商売は商売ですからね」

マリ子「はあ?」

森田「いや、私もね、彼には若い頃だいぶ世話になったもんですから、彼の紹介状をそのままほっとくわけにはいかないんですけども、ご覧のとおり、もう紙が引っ張りだこでしてね」

マリ子「はあ。それはもうここで拝見しているだけで大変よく分かりました」

 

森田「ですから『おんぶに抱っこ』で来られてもね、私の方としてもちょっと困るんですよ」

マリ子「あの…何のことでしょうか?」

森田「いや~、見てたからお分かりになると思いますけども紙は今、全部、現金取引なんですよ」

マリ子「それはそうだと思います」

 

森田「ですからつまり…」

マリ子「はあ?」

森田「恩義は恩義としてですね後払いでもって、こちらで本を出すというわけにはいかないんですよ」

お金のことを心配されていたと知ったマリ子は「お金でしたらあります」と着物から5万円をポンと出した。

 

マリ子「はい。ここにとりあえず5万円用意してまいりました」

マリ子は挿絵、マチ子は漫画で雑誌などに関係してきたけど、それを本にするとなると全く様子が分からないので、その辺のところを相談いただければと思い訪ねてきたと話す。現金を前にした森田は態度が変わった。

 

森田「そうですか。これは失礼いたしました。いや、どう見ても素人さんですからね。まあ素人さんはとんでもないことを言ってくるもんなんですよ」

マチ子「だから2時間近くもほったらかしにしておいたんですか?」

森田「そこが素人さんなんですよ。いやね、いくら待たされても割り込んで入ってくるようじゃなきゃね、この海千山千の相手には太刀打ちできませんよ」

マチ子「はあ、そういうもんなんですか」

 

マリ子「あ、いえ…それで本は作っていただけるんでしょうか? これで足りなければまたこの次に持ってまいりますけれど」

森田「作りましょう。で、これは一応予算を出しまして、これは半額として確かに受け取りましょう」

マリ子「はい! どうぞよろしくお願いします!」

森田「はい」

 

ウラマド姉妹宅

ウララ「さあ、どうぞ、お召し上がりあそばせな」

マドカ「あのこのオサツはですね、私どもの作品なんでございますけれども、昨日、マリ子さんからバターをお土産に頂戴いたしましたのよ。このバターをちょっとおつけになって召し上がれば、また格段と風味がございますでしょうし、はい」

ウラマド姉妹の正面にはロマンスグレーの男性の後ろ姿。

 

塚田「はあ…」ウンザリ顔

ウララ「本当にどうしたんでしょうね」

マドカ「あら、もうすぐお帰りになりますわよ、お姉様」

ウララ「そうね。じゃあオルガンでも聴いていただこうかしら、マドカさん」

マドカ「それがいいわ」

塚田「あ~、いやいやいや…結構でございます」

 

そこにマリ子とマチ子が帰ってきて、つづく。まだ28分ということは「小さなシャベル」の時間でした。

多分11、15、54、58、59、106回で、今回で7回目かな。「澪つくし」の「恋のあらすじ」に比べたらだいぶ頻度は低い。

 

塚田さんはマリ子たちが東京に来ていることを知っていたからこそ、ウラマド姉妹の家に来たってことだよね。細谷さんの近況が知りたい…。