1986年9月14日 TBS
あらすじ
二日後に東京に嫁ぐ予定の娘(三田寛子)は、5歳の時に分かれた実の父親(川谷拓三)に会うため、稚内行きの電車に乗っていた。彼女の胸には、母親(日色ともゑ)に連れられて、父親のもとを去る前に持ち出した1枚の古いレコード「A列車で行こう」が抱えられていた。場末のピアノバーで父親を見つけた彼女は、そのレコードを父親に渡すため歩み寄っていくのだが…
「A列車でいこう」の古いレコードを見つけた佐伯みどり(三田寛子さん) は、持ち主に返しに行くと両親に置き手紙を書いて電車に乗っていた。父は名古屋章さんで母は日色ともゑさん。
みどりと同じ電車に乗り合わせた米山という帰省中の学生(杉本哲太さん)が話しかけてきた。みどりは17年前に盗んだレコードを返しに行くという。
母あてに来た暑中見舞いのハガキから実の父親の田所に会いに来たみどりだが、稚内は初めてで米山に案内を頼んだ。米山の先輩の中古BMWに乗って稚内中を捜索。
絵ハガキには、みどりの母が再婚したことを風の便りで知ったことや新しい住所を聞き、みどりと会う段取りをつけてくれないかと書かれてあった。
田所がハガキに書いていた住所にはあばらやしかなく、田所はジャズピアニストなので、生のピアノが聴けるバーまで送ってもらい、先輩とは別れた。
稚内から樺太が見えるだろうと米山から言われ、稚内はかつて米軍基地があってジャズも盛んだったとも言われた。みどりは田所が樺太出身だということや犬に指がちぎれそうなほど噛まれたことがあり、中指の感覚は戻らず、荒れて、両親が離婚したということを米山に話した。
父親に会いにきたのは明後日結婚して東京に引っ越すからだと言われ、あからさまにガッカリする米山。東京に転勤が決まった7歳上の会社の人と交際2ヶ月で結婚するという。
夜になってBarカサブランカへ。店に入ってピアニストが来ているか聞くとピアノはただのインテリアと言われた。そこに出てきたマスター(川谷拓三さん)は笑顔で迎えてくれたが、みどりを見て、娘と分かった。
みどりの方はわからずにいる!?と思ったけど、「田所さんは娘のことを何か言ってませんでした?」と尋ねても名乗ろうとしない父親に「もう結構です」と店を飛び出した。最終電車に乗らず、何かを待っているみどり。電車は行ってしまい、一緒にいた米山にレコードを盗んだのは父親に嫌われているから困らせてやろうと思ったからだとみどりは言った。
バーには母が来ていた。母は田所がみどりを呼び寄せたと思い、結婚前にかき乱さないで!と怒っていた。田所は父と名乗らなかったし、結婚することも知らなかったと言った。
一人前のジャズマンになれなかったのは早く出来すぎた娘のせいだと思っていた。オメーが作ったくせによ! みどりの結婚相手は趣味でピアノを弾く人だと教えてもらい、嬉しそうな父。
田所が店を出るとみどりが待っていて、レコードを差し出した。レコードを受け取り、背中を向けたみどりに「幸せにね」と声をかけ、お母さんはグランドホテルにいるよと教えてくれた。
みどりはホテルのロビーの公衆電話から自宅に電話をかけ、育ての父に心配かけてごめんなさいと謝り、父もまたウェディングドレスにシミをつけてしまい、どうにか取れそうだと話した。
翌朝、電車に乗ったみどりと母の元に昆布を抱えた米山が来て渡し、電車が走り出した。(終)
三田寛子さんも杉本哲太さんもあんまり印象が変わらないな。しかし、当時二十歳そこそこの三田寛子さんがもうすぐ結婚する女性としては若過ぎるように見えた。
三田寛子さんは沢口靖子さんと同学年か〜と思ったら、「澪つくし」と「はね駒」の間の「いちばん太鼓」という朝ドラに出てたんだね。男主人公の妻役だったみたい。