・女と刀(1967年4月18日 - 10月10日)
・もがり笛(1967年10月17日 - 1968年1月9日)
◎おやじ太鼓(1968年1月16日 - 10月8日)
◎3人家族(1968年10月15日 - 1969年4月15日)
◎おやじ太鼓2(1969年4月22日 - 10月14日)
◎兄弟(1969年10月21日 - 1970年4月14日)
◎あしたからの恋(1970年4月21日 - 11月24日)
◎二人の世界(1970年12月1日 - 1971年5月25日)
◎たんとんとん(1971年6月1日 - 11月30日)
◎太陽の涙(1971年12月7日 - 1972年5月30日)
◎幸福相談(1972年6月6日 - 9月26日)
・おやじ山脈(1972年10月3日 - 1973年3月27日)
◎思い橋(1973年4月3日 - 9月25日)
・炎の旅路(1973年10月3日 - 1974年3月27日)
◎わが子は他人(1974年4月3日 - 9月25日)
15作ある木下恵介アワーのうち、3作品は日本映画専門チャンネルで8作品はBS松竹東急で見ました。あと4作ですが、「おやじ山脈」「炎の旅路」は他の作品と違いスタジオ撮影で残ってないという話を見たことがあり、他のローカル局などでも再放送はされてないので再放送の期待薄。
この2つに挟まれた「思い橋」が残っていたのは秩父ロケが多く、従来のフィルム撮影だったからなんだろうな。最終作の「わが子は他人」もまたフィルム撮影だった理由はよく分からないけど。「女と刀」や「もがり笛」は古い作品で白黒だけど、いずれやってほしい。
これまで見た木下恵介アワーの好きな順番をつけていきたいと思います。
1位 おやじ太鼓
2位 3人家族
3位 あしたからの恋
4位 兄弟
5位 太陽の涙
6位 二人の世界
7位 たんとんとん
8位 わが子は他人
ワースト2位 幸福相談
ワースト1位 思い橋
(おやじ太鼓)やっぱりこれが最強だな。2期と合わせると65話あるけど、ずっと見ていたかったくらい好き。建設会社社長のおやじの休日が毎回描かれてる感じで面白い。亀次郎は愛妻家だし、理不尽で暴力的な昭和の男とは、ちょっと違う。愛子さんとのやりとりが最高。お金持ちで特に1期はいろんなところに気軽に出かけてるのもイイ!
DVDは1期39話まで収録らしいので、40話以降は再放送でしか見られない。それと他のローカル局だと1期だけの再放送というパターンもあるらしい。2期は子供たちがどんどん家を出ていくので寂しさもあるけど、つまらなくなるわけでもない。黒田が出てきたのなんて2期の終盤だもんね。あと、神尾と西川の並びがサイコー!
(3人家族)もう4回くらい通して見てると思うけど、毎回、耕作パパの優しさに感動する。そんな人が戦時中は鬼伍長だった。メインは雄一と敬子の出会いから結婚するまでを描いてるんだろうけど、それぞれの家族のやり取りが面白い。家に電話を引いたとか、ステレオ買ったとか、学生運動で入学式が遅れてるとか時代も反映してる。敬子たちの父が帰ってくるあたりは若干おっさんドリームだと感じるけど、まあ、それでもやっぱりこのドラマは完成度が高い。
今の世を憂いて、昭和のころは定年退職後は悠々自適だったなんてつぶやきを時々旧ツイッターで見かけるけど、それはウソ。耕作は定年退職後の再就職先を探すうち、前に同僚だった男に退職金詐欺に遭いそうになったし、昭和30年代の映画でも定年後どうする?って話題が必ず出てくる。そのまま悠々自適なんて人を見たことがない。
(あしたからの恋)私はメインの和枝と直也はどうでもよく和枝の兄の修一とお隣のトシ子のカップルが妙にツボにはまって好きだった。このドラマが一番、当時の人気者を集めたって感じがするな。それぞれ不自然にいない回がまあまあ多い。木下恵介アワーは若者の恋物語だけじゃなくそれを取り巻く大人たちのやり取りが面白い。好評で延長されたせいで修一とトシ子が余計に見られてラッキー。
順番つけるのって難しい。
(兄弟)日本映画専門チャンネルで繰り返し山田太一脚本の「3人家族」「兄弟」「二人の世界」再放送してる時期があって、タイミング的に合って、最初に完走したので思い出深い作品でもあります。BS松竹東急の再放送で当時の放送順の通り「おやじ太鼓」二期の次に見たときは、序盤はすごく暗く感じたし、父が横暴に思えたけど、だんだん味が出てくる。あと、他の作品をいろいろ見たあとの紀子は改めていいなと思う。まあ、紀子のキャラ付けも若干おやじドリーム臭を感じるけどね。
(太陽の涙)表向きは正司と寿美子の恋愛ものっぽく見えて小川さんメインなのがよかった。その分、正司の父がかわいそうだったかも。木下恵介監督「新・喜びも悲しみも幾年月」には新作と同じように婿養子で晩年離婚した男性や木下恵介脚本映画「父子草」では小川さんのように生きていた英霊が主人公だったりで、木下恵介さんが生涯かけて描きたかったテーマなのかもしれない。
「新・喜びも悲しみも~」で婿養子だったのは植木等さん、息子が加藤剛さんで「父子草」で生きていた英霊の父親役が浜村純さんだった。
(二人の世界)これはこれでいいドラマというのもあるんだけど、単純にせっかく竹脇無我さんと栗原小巻さんを集めたのなら「3人家族」の続編が見たかったとも思う。2年経って海外から戻ってきたところから始まって…せっかく三島雅夫さんが出てるというのに出番の少ないコックさんじゃあねえ。沢田雅美さんも菅井きんさんもいないのは寂しい。基本的にリアルタイムと同じように時間が流れるアワーで珍しく3年の月日を描いている。
(たんとんとん)ドラマが始まる前に見た写真で近藤正臣さんがめちゃくちゃカッコいいなと思ったけど、森田健作さんは写真で見るより動いてる姿を見たら、カッコよかった。山田太一脚本は好きだけど、描く若い女性はあまり好きじゃない。ミヤコ蝶々さんはじめ大人キャストがしっかりしてたから面白かった。杉浦直樹さんがめちゃくちゃ長身なことにやっと気づいた。
(わが子は他人)子役がメインになる話は木下恵介アワーでは珍しい。嫁姑同居している家を描くのも珍しい。富士登山の話が半ドキュメンタリーみたいで印象に残ってる。一郎ちゃんは「砂の器」だけじゃなく、こっちでも過酷なロケしてたんだな~。木下恵介さんの思う結末とやらも見てみたかった。なにげに主題歌が好きです。
無理やり順番つけるなら、って感じで、4~8位はそこまで差がないです。
(幸福相談)豪華キャストを集めたわりに…とはいえ、17話で終わったのは打ち切りだとは思ってません。「あしたからの恋」延長でちょっとずつずれた放送時期を9月末に調整するためとか、逆に17話と通常より短いので忙しい倍賞千恵子さんを呼べたのかもと思ったりして。山口崇さんはメチャクチャカッコいいのにもったいない。なんで「太陽の涙」の正司さんみたいな役じゃないの!?
夏目がしょっちゅう職場から抜け出すのも気になった。他のドラマはもっと仕事とうまく折り合いつけてたし、休日のエピソードが多かったように思う。大人キャストが圧倒的に足りない。どの作品も若者より大人キャストが重要だよ~。
(思い橋)完全に好みの問題だろうけど、謎演出に引いたり、あとはやっぱり結末のつけ方が全く好みじゃなかった。思い橋から飛び降りた者が次の女将説を見かけたときはちょっとゾッとした。これもまた大人キャストの活躍が足りない。
BS松竹東急では時々、「砂の器」を再放送しているので、キャストクレジットをチェックしたくて、録画して見ることにしました。
前に見たのは日本映画専門チャンネルでもちろん字幕付き。改めて見たら、主人公の字幕黄色は丹波哲郎さんが演じた今西警部だった。まあ、最初はチラ見程度の和賀英良が色付き字幕だったら怪しい人だとすぐ分かってしまう。
「わが子は他人」の一郎、大吉、看護婦や、アワー出演者が多かった。森田健作さん、加藤剛さんも「たんとんとん」「太陽の涙」の主演だし、菅井きんさん、花沢徳衛さん、浜村純さん…あとアワーじゃないけど「赤い衝撃」のマロン製菓の社長もいたな~。山谷初男さんは最近見ている松竹映画全部で見かけてるような…。
改めて見てもいい映画だな。野村芳太郎作品はその後も何本か見たけど、やっぱり「砂の器」が一番いいような気がする。エロ要素が少ないせいかもしれない。映画の撮影時期は1973年冬から1974年初秋までの10カ月。公開は1974年10月19日。「わが子は他人」は1974年4~9月の放送。じゃあ、映画の撮影とかぶってたってことね。一郎はドラマの撮影が終わってから丸刈りになったのかな? 久々に見て、劇中で丸刈りになったシーンに驚いた。
またアワーの話に戻ると、あと4作品見られたら、この順番はどう変わるだろうか。ワースト2作は変わらなそうな気はする(^-^;