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【ネタバレ】日曜劇場 #30 愛と人間 第5章「悲」(脚本/松山善三)

1978年2月5日 TBS

 

あらすじ

和子(長山藍子)は、戦時中に父を見殺しにした中隊長(西村晃)をついに札幌で発見するが、それは和子の夫(児玉清)の上司であった。さらに、夫が長年にわたり女(山本陽子)と不倫関係が続いていたことを知る。

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あらすじ以上にいろんな要素がギューギューに詰め込まれた話だった。

 

職場で部下に怒鳴り散らす小泉陽三。部下の失敗で支店長の塚本に呼び出され、幹部候補だということと「女と別れて女房呼べ!」と言われた。

 

場面は変わり、陽三は雪子という女と会っていた。雪子は陽三と別れて、お見合いで54歳の二人の子持ちの男と結婚するつもりだという。若くて綺麗な女性で陽三とは不倫している。相手は陽三が取引を失敗した小樽冷凍の専務の小関という男と知るや、陽三は不倫関係を隠して紹介してほしいと頼む。

 

養豚場に訪れた女性達。母と姉妹で姉の芳子はおしんのお師さん! 養豚場主は「おばさん」と言ってたから親戚? 妹の和子が陽三の妻で、陽三の上司の塚本が戦時中、敵に武器を渡して逃げた男で、そのせいで父は死んだということを知り、直接会って話をしたいと東京から札幌まで来たのだった。ここで陽三は札幌で単身赴任をしてると分かる。

 

それを相談するために陽三の部屋に来た。和子と息子の陽太郎(小学生の坂上忍さん!)は、その日は陽三の部屋に泊まり、翌朝、陽三を送り出すが、すぐドアが開いた。そこにいたのは不倫相手の雪子で、慌てて帰ろうとした雪子に和子が声をかけると「洗濯屋です」と言い、クリーニングされた背広を返して帰って行った。

 

小樽冷凍の小関と会えることを知らせに来たのだと雪子に言われた陽三。和子との12年の結婚生活のうち、陽三は何年札幌で単身赴任してるのかわからないけど、とにかく雪子とは6年も不倫してた。

 

陽三と塚本、小関が歩いているところに和子達が乗り込んで塚本と話を始めた。陽三は和子にこっちで話はつけたと怒鳴るが、塚本は和子達の話を聞いた。名誉の戦死と思っていた夫の最期がインドネシアで虐殺されたと知り、和子の母は納得できなかった。

 

塚本の話によれば、終戦になり、武装解除されたため、自分はインドネシア独立のため、小隊長の責任は放棄して、イギリス軍と戦ったのだという。自分が正義と思ってるのか、同じ日本軍の兵士が狭い小屋に押し込まれて虐殺されたというのも、頭は下げるけど、なんとも思ってなさそうなところが怖かった。

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実際に起こった事件だったのね。

 

不倫+和子の父のことも親身になってくれなかったことに愛想を尽かした和子は別れの手紙を残して部屋を出た。手紙に気付いた陽三は手紙を丸めて捨てた。

 

東京に帰る前、和子は雪子に会いに行った。雪子の話によると、実家は代々漁師をやっていたが、ニシンが取れなくなって父は首をくくった。その後、集団就職で東京に行ったが、不況でクビになり、水商売をするようになった。

 

陽三の会社の専務と付き合っていたが、3年で亡くなり、力になってくれた陽三を誘惑して不倫関係になった。陽三との出会いは東京だったのか? 陽三とは別れて結婚するとは言ってたけど、和子はもう他人ですからと雪子に告げた。

 

なぜか陽三の部屋で一緒に酒を飲んでる塚本。陽三は同期の誰より早く出世をして、20年ローンで家も買い、モーレツにやってきたのに悔しいと言ってたけど、イヤイヤ、あなた不倫のことは?

 

お世話になった養豚場を去るとき、母や姉の前で泣き崩れた和子だったけど、母や姉は不倫のことは知らずに父の死に親身になってくれなかった夫としか思ってなさそうな感じだった。

 

父の死の真相だけでよかったような。不倫のことまで盛り込んでるから詰め込みすぎのような気がする。養豚場主は大学を出て養豚を始めたと言ってたけど、結局何者??

 

1時間ドラマだから仕方ないにしても、投げっぱなし余韻を残す終わり方が多く感じる。いつから後日談みたいなのが当たり前になったのか。昔のドラマはえ? ここで終わり?みたいなのばっかり。

 

オープニングではこんな風に出てました。

第一章 母

第二章 父

第三章 涙

第四章 憎

第五章 悲

第六章 希

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これによれば やっぱり続き物っぽい。どうりで人物に対しての説明が全くないのはおかしいと思ってました。5話だけが北海道が舞台だったとか? 他の話を見ると、乙羽信子さん、笠智衆さん、東てる美さん等も出てる。

 

1話完結の独立した話ってことではなさそうだし、第5章で最終回前の話なら、あんなに投げっぱなしラストも納得。で、結末はどうなったんだろ?

 

和子と陽三があのまま別れて終わりってことはないと思うけどなぁ、と探したらあらすじがありました。

www.tvdrama-db.com

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最終話のあらすじを読んだ限り、やっぱり離婚はしたみたい。途中の話は、多分だけど姉の芳子がメインになったりしたのかな。

 

日曜劇場が以前は、1話完結で東京、北海道、名古屋、大阪、福岡の 持ち回りで制作していて、この「愛と人間」はその各局と共同制作で作られたらしいです。姉の芳子が名古屋に住んでいるという話が出てきたので、何となく予想ですが、5話が北海道が舞台なのは確定として、1,6話は東京、2話は大阪、3話は名古屋、4話は福岡みたいに舞台が移り変わったんでしょうね。