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ドラマの感想など

【ネタバレ】田舎刑事 第1話

CSで放送された渥美清さん主演の「田舎刑事」を見ました。2話分録画したけど、最初の1作目をまず見ました。1977年土ワイ枠で放送された2時間ドラマの始まりだそうです(当時は90分だったそうですが)。

 

渥美清さんが寅さん以外を演じるのを見るのは初めてでした。寅さんが東京の人で、この役は九州(大分だったかな?)出身の刑事役でずっと方言しゃべってるのが変な感じ。

 

ある時テレビでボクシングを見ていたら、ずっと追いかけていた時効直前の殺人犯に似た人間を観客席で発見し、上司に掛け合って上京して東京の刑事と協力して捜査していく。

 

上京して、その警察で相棒として紹介されたのがお茶くみだと思っていた若い女性だったので、バカにしきった態度で、女なんかに何ができるって感じだったのが時代だねぇ。今でもそういう人いるけどさ。その女性刑事は大卒で、仕事もできるからだんだん認め合って仕事をしてたけど。

 

その男が映ってる映像を確認しにボクシングジムに行ったときにガッツ石松さんはっけーん! 「おしん」が俳優デビューって言ってなかったっけ?と思ってけど、そういうわけではないみたい。二言三言セリフのあるボクサー役?でした。「おしん」の健さんのときよりシャープだった。

 

今では有力者になっていたその男を追い詰めるために、男と付き合いのあった市原悦子さん演じる女に近づく。その女性は元娼婦で今はストリッパーをしている。当時40前くらいだと思うけど、ストリップの場面で「おばあちゃんもういいよ」とヤジられてるのは普通に悲しかった。踊っていると気がまぎれるという理由で子宮がんなのに大きな傷ができてストリップができなくなるという理由で手術をしない。

 

殺人犯は、今は別の人間として生きているので、元の名前を言われても反応しなかったが、ストリッパーに会いに来て、刑事に捕まる。

 

小林桂樹さん演じる犯人は、木材会社の男と孫娘を殺した罪で追われていた。戦争孤児だった男は、辛い境遇で育ってきたけど、優しくしてくれた木材会社の男を慕っていたし、戦争中満州に置いてきた妹を思い出すような孫娘もかわいがってきた。しかし手作りした木工細工をその女の子に渡したら、木材会社の男は女中に汚いからよく洗うように言った。その言動にかっとなり男を殺し、一人残されたらかわいそうだと孫娘も殺した。

 

70年代後半でもまだそんな戦争色が濃いんだねぇ。主役の刑事も満州からの引揚者の戦争孤児だった。

 

でも、脚本が早坂暁さんと知って、ちょっと納得しました。早坂暁さんが亡くなったときに、NHKで「夢千代日記」が再放送されて初めて見ました。このドラマも80年初頭だけど、吉永小百合さん演じる主人公は体内被曝をした温泉芸者で、全体に物悲しい話なんです。

 

日本初の2時間ドラマは殺人の場面はありませんでした。刑事や犯人の口頭で言われるだけ。お色気シーンもなし。犯人の家に行って追い詰めるシーンや取調室など、渥美清さんと小林桂樹さんのシーンがよかったです。小林さんは寅さんにも出てたね。

 

 

そういえば昔の松本清張のドラマもチェックしよーって思って、いっぱい録画したんだけど、こっちはお色気全開というか不快だった。温泉旅館に向かう途中、妙に色っぽい女性がいて、温泉旅館に着くとその女性はそこで働く仲居だという。もう一人有名な代議士だという男も渓流釣りに来ていたけど、その仲居に目をつけて一人で歩いているところを見つけ、暴行する。

 

お金を渡そうとしたら拒否られた男は女に往復びんたする。高い場所でもみ合ううち男は落ち、死亡。仲居は疑われるが、何もしてないと言い張り、有能な弁護士がついてくれたこともあり無罪となる。女性は暴行されたことを言いたくなかったのか、とにかく何もしてないと言い張る。

 

弁護士が無罪にしてくれたばかりか、仲居を辞めさせ、自分の事務所で働かせたことに感謝し、お礼は体で…と女から言い出したところで消した。落とされた男、ざまーみろ、と思ったけど女もおんなじくらいバカで嫌になった。昔のドラマ観るの好きだし、昔の価値観もまぁ仕方ないかと思う部分もあるけど、動物の扱いとか女性への言葉とかもやっとするのもあるねー。

 

 

渥美清さんの他のドラマも見たくなりました。あ、そうそうこれも渥美清さんも小林桂樹さんも出てたけど、「南の島に雪が降る」という映画も見たことありました。渥美清さんがまた若手という感じの役で。

加東大介さんの戦争体験を本人役でやってる昭和36年の映画が面白かったなー。これも前にCSで見ました。

 

地上波でももっと昔の映画とかドラマの再放送すればいいのに。