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ドラマの感想など

【ネタバレ】NHKスペシャル ドラマ「詐欺の子」

NHK 2019年3月23日

 

あらすじ

一人暮らしの光代(桃井かおり)は、警察のオトリ捜査に協力、14歳の「受け子」の和人(渡邉蒼)の逮捕に貢献する。和人の取調べが進み、「見張り」の遠山(長村航希)も逮捕される。様子を伺うため、裁判所に傍聴しにいく「かけ子」の大輔(中村蒼)。するとそこに証人として光代が現れる。光代は、以前振り込め詐欺にあっていた。大輔は光代の証言を聞くうちに、金銭だけでなく、家族の絆が引き裂かれる被害者の苦悩を知る。

2023.4.16にNHKで再放送されるというので、以前録画したものを見ることにしました。感想は書いてなかったけど、印象的なドラマでいつもは見て消しなのにいまだにHDDに残してありました。

 

ドキュメンタリー+ドラマで実際被害に遭った女性や少年鑑別所にいる受け子のインタビューもあり。

 

桃井かおりさん演じる光代は詐欺に騙されたふりをして公衆電話で電話を受け、指示通りに動く。光代が電話ボックスから出ると、話しかけてきた男はぶかぶかのスーツに坊主頭というとてもサラリーマンには見えない風貌。そこに警官が一斉に集まり、男は確保された。男が14歳の少年と知り、光代は驚く。

 

取り調べを受ける少年・和人は詐欺の手口を語る。かけ子のリーダー・大輔は23歳で中村蒼さん。この人、NHKでいいドラマ出てるよね~。「洞窟おじさん」も面白かったな。受け子になった和人は大輔の指示通り経理の田中と名乗って300万円を受け取る。和人の取り分は3万円。

 

和人を送り迎えしていた大輔の親友・元宏が襲撃されボコボコにされた。元宏も警察に捕まり、詐欺グループのオーナー池谷に責められる大輔。池谷役の濱津隆之さんは「カメラを止めるな!」の↓この人ね。

元宏は取り調べに応じず、国選弁護人・河北(イッセー尾形さん)を困らせる。

 

元宏の裁判。傍聴席に大輔がいて、遠山は思わず笑顔になる。

 

回想

大輔と元宏が17歳の時に大輔は先輩から池谷を紹介された。池谷は死んでる金を世の中に出せ!と集めた若者たちを鼓舞する。じじいばばあのところには金が余っている理論ひどいよな~。一生懸命働いてきたお金だろうにさ。

 

詐欺を始めた大輔と元宏。大輔は元宏に高校に行けというが、遠山は元宏と一緒にやるという。

回想終わり

 

元宏の公判。黙秘を貫く。

 

スーパーで働く大輔の母・春美(坂井真紀さん)は休憩中、テレビのニュースで元宏逮捕を知る。

 

裁判の証言に光代が出てきた。和人の仲間の玲奈が娘のふりをして電話をかけてきたが、今は亡き夫の話を持ち出してきたので嘘だと分かった。そのまま騙されたふりをして和人の逮捕に協力した。

 

光代が検察官から促され、5年前にも詐欺に遭った話を始めた。光代には大輔という息子がおり、何年も連絡が取れなかったが、大輔と名乗る男からの電話で200万を渡した。光代と夫(小倉一郎さん)はニュースになったことで近所の人から「息子の声も分からないの」「お金があるのね」と嫌味を言われ、娘からも責められ、夫はうつ状態になり、詐欺から2~3か月後に自殺した。

 

それでもあれは本当に大輔だったのかもと信じ続ける光代に裁判を傍聴していた大輔は自分のかけた電話から一つの家族を壊してしまったことを知る。裁判が終わり、大輔のそばに池谷の弁護士の板倉が来ていたのを見かけると、元宏は動揺して全てをしゃべると言い出す。元宏は大輔が裏切ったのだと思い込んだのだった。

 

実家に帰った大輔は春美から元宏が逮捕された話をされ、あんたもやってるんじゃないのと問われる。あんた誰の子になったの?と春美は泣く。

 

河北にOS(オレオレ詐欺)について語り始めた元宏。オーナーは不動産業と関わりがあり、部屋を借りる。名簿屋から高額納税者の名簿、ゴルフ場の会員名簿などを買い、片っ端から電話をかけ続ける。

 

元宏は電話をかけるのが下手でクビになるが、一人でOSを始める。大輔は組織の中で順調に出世していて、月に2,000万円稼ぐこともあった。

 

元宏の第三回公判。衝立でおおわれて元宏から姿が見えないようにしているが、証人として現れたのは和人。6回目くらいまでは楽しかったが、ある日、逃げた受け子をバットで殴りつける元宏の姿を目の当たりにして、なんか違うと感じた。その後、玲奈にもお金を持って逃げようといわれ、光代に会う時には捕まる覚悟で元宏の指示を無視した。和人に「ごめんな」と声をかける元宏。

 

大輔は光代に会いに行き、お金を返した。大輔は光代の家の玄関に200万円を置いて、自ら警察へ。

 

大輔の第一回公判。やはり傍聴に来る板倉弁護士。検察官から犯罪に走ったのは自分自身のせいだと責められる。春美のアパートのドアにはペンキで”犯罪者””金返せ”などという言葉が書かれていた。

 

少年鑑別所で体操やったり行進している和人の姿に詐欺電話の音声がかぶさる。(終)

 

字幕

大輔…黄色

元宏…水色

 

なぜか詐欺する方より詐欺される方を責める傾向にあるよね。小倉一郎さんはああいう役似合う。そして、桃井かおりさんがおばあさん役を自然に演じてるのがすごいな~って思った。別に変に若作りしてる人じゃないけど、長年化粧品のCMもしてたから、ああいう役をやることが意外だった。

 

しかし、元受け子のインタビューを聞いてると、更生…するかなあ…とちょっと不安になる感じがあった。NHKのドラマってやっぱり面白いと思った一作。