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【ネタバレ】間違えられた男

1956年 アメリ

 

あらすじ

巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が実際に起きた事件を映画化した異色のサスペンス。家族と共につつましく暮らしていたミュージシャンのマニーは、ある日突然、強盗犯として警察に連行されてしまう。まったく身に覚えのないマニーだったが、状況は不利になるばかり。さらに、妻のローズは、恐怖と絶望によって次第に精神を病んでしまう…。主演はヘンリー・フォンダ。犯罪者に間違えられた男の悲劇をリアルに描いた傑作。

2021.6.23 NHK BSシネマ録画。2時間以内におさまる映画で探すとヒッチコック作品が続く。

 

オープニングにヒッチコックのシルエットが語りかける始まり。実際に起きた事件だそうです。

 

1953年1月14日 早朝 この日をクリストファー・バレストレロは決して忘れることはない。

 

生演奏付きのクラブのバンドミュージシャンとして働くマニー。閉店後、店から出て帰途につき、電車内で新聞を読み、喫茶店で朝食を食べながら新聞を見て競馬の予想をしていた。

 

マニーの妻はまだベッドにいて、親知らずに苦しんでいた。痛いのは財布の方で4本300ドル。マニーは借金があり、妻子もいて少々苦しい生活を送っている。妻・ローズの歯の治療費を借りようとローズの保険証書を持って出かけた。

 

保険事務所に出かけると、受付の女性はマニーを見て表情が変わる。同僚も皆、マニーを以前来た強盗と勘違い。お金は貸せるが、ローズ本人に来て欲しいと言って、その場は帰した。

 

マニーが家に着くと、刑事が3人、家の前に待ち構えていて家に入る前に警察署に連行された。強盗事件の犯人に人相が似ているという証言で、再び車に乗せられ、酒屋に入って一回りして帰ってくるよう刑事に言われた。また別の店に入った。店の主人に話しかけられ、帽子を取って歩かされた。面通しみたいなことだろうけど、今は犯人だろうと人権的に許されないだろうな。

 

クラブの給料は週85ドル。競馬は3〜4回。借金は45ドル。

 

マニーが訪れた共同保険会社でここ一年で2度も強盗に遭い、マニーと人相が似ている。食料品店では「銃を突きつけている。騒ぐとケガするぞ。引き出しの金をよこせ」というメモを渡していて、マニーも同じ内容を書かされた。2度も同じ文章を書かされ、2度目に犯人と同じ箇所を間違えていて、ますます疑われた。

 

保険会社の面通しでもクロとされた。完全に疑われてしまい、留置されることになった。全ての指にインクをつけて1本1本指紋を取られた。マニー38歳! ポケットの私物を取られ、ネクタイも外すように言われ、鉄格子のはまった部屋に入れられた。

 

マニーが保険会社に強盗に入ったという知らせが家族に届いた。マニーの義弟・コンフォーティが対応した。

 

翌日、マニーは車に乗せられ、ある場所へ。舞台上にあげられ、罪状を話す。舞台の後ろはよく警察ドラマにある身長の高さがわかる線が書いてあった。次は裁判所で無実の訴え。保釈金7500ドルと言われ、もちろんそんなお金はない。

 

手錠をかけられ車で移動。刑務所の独房?に入れられた。しかし、突然釈放された。コンフォーティが保釈金を出してくれていた。家族は暖かく迎え入れてくれた。

 

ローズはオコーナー弁護士のいる事務所に電話をかけたが、不在だったため自宅に電話をかけた。弁護士事務所の事務員の女性が昨日観た「見知らぬ乗客」のミリアムみたい。メガネかけてるから同じ人に見える。

peachredrum.hateblo.jp

マニーとローズは当日のアリバイを証明してくれる証人探しを始めた。マニーとカードゲームに興じた男達を探すが、3人のうち2人が死んでいた。ローズは突然笑い出したり、自分を責めたり、不安定になっていった。

 

2回目の犯行は12月18日。クリスマス前で歯が痛くて歯医者に通っていて、頬が腫れていた。マニーも親知らず抜いたの? ローズの様子がおかしいことに弁護士も気付き、病院に連れて行った方がいいとマニーにささやいた。

 

ローズは自室で眠りもせず、食事も取らずにぼんやりしていた。病院に行こうと言っても、お金がかかると遠慮した。ローズはとうとうおかしくなり、マニーを置き時計で殴った。おでこから流血するマニーを見て我にかえる。

 

病院に連れて行って診察を受けると、神経が衰弱していて、療養所での治療を勧められた。マニーに起こる出来事を全て自分のせいだと思っていた。ローズとは療養所の玄関先で別れた。

 

マニーの審理の日。検事はマニーが金に困っていたことを強調して陪審員に話した。保険事務所の事務員達の証言台に立つなど審理は進んだが、陪審員の態度が良くないとしてオコーナー弁護士が無効審理を訴え、またやり直しされることになった。

 

食料品店にマニーによく似た痩せ型の男が強盗に入ったが店主が捕まえた。マニーを取り調べた刑事は逮捕された男とすれ違い、署に戻った。マニーの元に真犯人が捕まったという知らせが入り、警察署へ。真犯人の面通しに来ていた保険事務所の女性達はマニーの顔を見て、気まずそうに通り過ぎて行った。

 

マニーはローズの元を訪れ、無実だったと言ったが、ローズの表情はくもったまま。「よかったわね」と言ったものの、マニーの方を見なかった。

 

その後…

現在一家はマイアミで幸せに暮らしている。悪夢は終わった。だが事実起こったのだ。(終)

 

同じ時代の日本だと「お前がやったんだろう」的な拷問取り調べで自供してしまうパターンもあったけど、さすがアメリカはその辺スマート。犯人が見つかったからよかったものの、保険事務所の女達、謝れよなー! マニーはローズに常に優しかった。