徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】あ・うん

1989年 日本

 

あらすじ

昭和12年の東京・山の手。軍需景気で羽振りがいい鋳物工場の経営者・門倉は妻との間に子どもがいないが、地方勤務から帰ってきた軍隊時代の友人・水田やその一家と再会する。門倉は君子という妻がいながら、ひそかに水田の妻・たみに好意を寄せていた。門倉はそんなたみへの思いを振り切ろうと、わざと水田に嫌われるような行動を取り出すが、人々の想いはそれぞれ異なる方向に向かっていき、新たな人間模様を生んでいき……。

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2019年12月に日本映画専門チャンネルを録画。高倉健さんの作品はなんだか見てしまう。そして録画リストの中にまだいくつか残っています。

 

板東英二さんは一時期ドラマでよく見たな。ガッツ石松さん的に味がある演技って感じかな。

 

門倉(高倉健さん)は友人の水田家が東京に転勤してくるので、あれこれ世話を焼いていて、妻・君子(宮本信子さん)から嫌味を言われている。

 

水田仙吉(板東英二さん)、妻のたみ(富司純子さん)、娘のさと子(富田靖子さん)に囲まれて楽しそうにする門倉。門倉と水田は戦友で門倉は鋳物工場を営んでいて景気がよい。門倉は酔っ払いながら、水田の妻・たみを褒め、君子のことはお飾りの妻だと言った。

 

君子は、たみの元にさと子のお見合い話を持ってきた。君子は門倉がたみに好意を持っているのを知っていて「私だけ除け者はイヤ」と呟き、さと子は君子が持ってきた見合いをすることになった。

 

仙吉はたたき上げで製薬会社の支店長になった苦労人。高松支店で次長が5000円の使い込みをしたため、金に困っていた。「お前が弁償することないだろ」という門倉の言い分はもっとも。なんで?? 失敗の尻拭いでジャワに飛ばされそうってことか。

 

夜学卒業の仙吉は、さと子の見合い相手が帝大出身なのは気が重いとして見合いを断るよう門倉に頼んだ。5000円を用立ててくれた門倉だが、会社はうまく行っていなかった。仙吉までたみに向かってお前のために用立ててくれたんだぞとか、半ば公認の関係なのが気持ち悪い!!

 

さと子の見合い相手の石川義彦は真木蔵人さん。浅黒く髪も当時の現代的な感じだし、喋り方も…なんかもっとこう昭和っぽい人いただろ! 石川は肺炎になりかけたさと子のためにビワを持ってきた。

 

激しい雷雨の日、水田家に門倉がふらりと遊びにきた。仙吉がいないとわかると帰ろうとするが、たみが止めた。5000円の金を用立てたことを付き合いにくくなるとたみは言うが、門倉は会社が潰れそうでスカンピンになっても付き合っていただけますか?と言う。

 

さと子は二人の会話を聞いていて、二人の関係を石川に話す。石川は北村透谷のいうプラトニックラブだと話す。「はね駒」思い出すなあ。ドラマ内で北村透谷なんて一言も出てないけど、それっぽい人は出てきた。

 

仙吉は門倉に連れられて行った料亭の芸者・まり奴に入れ上げていた。まり奴は山口美江さん。たみは門倉に最近、仙吉の帰りが遅いと話した。酔っ払った仙吉が帰って来た。うーん、昔は気にならなかったけど、こんなに板東さんって棒だった? 酔っ払い演技が気になる。

 

ある時、会社を早引きしてまり奴に会いに行ったが、身請されていなくなっていた。さと子も書き置きを残していなくなっていた。見合い相手だった石川義彦と心中か!?と書き置きに残されていた修善寺の旅館に泊まる水田夫婦。旅館の番頭は大滝秀治さん。

 

門倉が水田夫婦を訪ねると、番頭が駆け落ち男女の元に亭主が訪ねて来たと勘違いして騒ぎ、3人は笑い合った。門倉は、さと子が石川と活動写真に行っていただけだと知らせてくれ、帰ろうとしたが、仙吉が止めた。

 

後日、水田夫婦の元に君子が乗り込んできた。門倉に2号がいると調査書を出してきた。仙吉に一緒に2号の家に行って欲しいとお願いした。

 

仙吉と君子が調査書に書かれた住所に行くと、門倉が「遅かったな」と出てきた。そこにまり奴が帰ってきて…えええー! 門倉は仙吉のため、ひいてはたみのためにまり奴を身請した。それがわかって仙吉は怒り、「当分顔を出さないでくれ」と帰って行った。

 

石川義彦の部屋にいたさと子だったが、部屋に特高が訪ねてきて義彦は捕まった。さと子が石川と別れるよう説得してくれと仙吉に頼まれるが、「みすみす実らないと分かっていても人は惚れるんだよ」と答えた。

 

門倉と仙吉は芸者遊びをしていて、この日の門倉は仙吉を怒らせるようなことばかり言う。「お前この頃顔つきが卑しくなったな」と言い、ついに仙吉から絶交を言い渡された。

 

門倉とさと子が会っていた。さと子はみんな本当のことを言わないで生きてる、石川からもうこれっきりにしようと言われたことを話すと、会いたいときに会うのを我慢するのも愛情だと門倉は言い、人生には諦めなくちゃいけないこともあるんだよとも言った。もう家には来ないの?というさと子の問いにうなずいて、門倉は喫茶店を出た。

 

戦争の影が濃くなり、門倉は道端で知り合った男(三木のり平さん)と屋台で飲む。仙吉とは会っていないが、取引先からジャワに転勤されることを知ったことや仙吉の妻が好きなことなどを話した。しかし親身に話を聞いてくれ、先に帰った男はスリだった。

 

水田家を門倉が訪ねた。開けたら離縁と仙吉は言うが、たみは家を飛び出していた。結局、仙吉は門倉を家にあげて、今後のことを話し合った。東京に残って下宿するというさと子に当然両親は反対。

 

そこに石川が訪ねてきて、召集令状がきて、1週間後に入隊すると告げた。門倉はさと子に今晩帰ってこなくていいと石川を追いかけるよう送り出した。

 

石川みたいに特高に目をつけられた奴は帰ってこれないらしいと言う噂を知っていて、門倉はさと子を送り出した。(終)

 

ん〜、向田邦子さんの作品はいくつか見たけど、向田邦子さんは美人で男性からあの時代にしてはチヤホヤされたタイプなのかな。大体不倫ばっかりで共感度が低いんだよねえ。修善寺の旅館で酔い潰れた仙吉と門倉を見て、ニヤリとするたみが嫌だった。門倉とたみの関係って一番ずるいと言うか、周りから半ば公認なのが腹立つんだよなー!

 

板東英二さんの演技も一度気になると、もっと他にいただろうと思えてくるぐらい気になってしまった。NHKのドラマ(1980年)だと仙吉がフランキー堺さん、門倉が杉浦直樹さん。たみが吉村実子さん。

 

門倉は石川が帰って来れないとわかっていてさと子を送り出すのも親じゃないから無責任だなー。向田邦子作品が合わないなと痛感した作品でした。