公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意
年老いた徳右衛門(山内明)を連れ、東京を離れ故郷の福島・二本松へひきあげるという弘次郎(小林稔侍)とやえ(樹木希林)の突然の宣言に、りん(斉藤由貴)と源造(渡辺謙)は驚く。「若い者に余生をじゃまされないために離れるのだ」と弘次郎はいう。2人の決意は固かった。両親の気持ちが全く理解できないりん。源造は「本当は僕たち夫婦のためなのだ」とりんに語る…。
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最終週になって毎日泣かせに来るけど、今日が結構一番ぐっと来たところかも。
あらすじには”宣言”とあるけど、ナレーションでは”宣告”。りんと源造は激しく動揺し、弘次郎とやえと話をした。弘次郎は「若い者の邪魔をしないために離れるのではない。若い者に我々の余生を邪魔されないために離れるんです」
両親の真意が分からないりんだったが、源造は「本当は俺たち夫婦を思ってのことなんだ。自分たちが居るために俺たちがそれに甘えて本来この家の家長として妻として親としてなすべきことを忘れてはいけないと…」
「ともすれば家や仕事を任せっぱなしで仕事にのめり込んでしまう俺たちに結婚とは何か家庭とは何かもう一度二人でしっかり考え直してみろということなんだ」そうだねー、仕事にのめり込むのはりんだけじゃなく源造もだもんね。
こういうとこがまた当時の80年代の夫婦って感じがするんだよな。ただ80年代の夫婦なら子供を作らないという選択もしそうだけどね。子供が次々できるのは明治時代って感じ。
「親ってそこまで子供のことを思うものなの? 私たちは親からもらいっぱなしでいいの?」というりんの問いには「我々の子供をそういう風に愛してやろう」という結論に達した源造だった。
徳右衛門もまた弘次郎とやえが決めた二本松行きに戸惑っていた。「お前に親不孝などされた覚えはない」「そっちがわびを言うならこっちは礼を言うぞ」と二人の前で頭を下げた。大じいさま~~!(泣)
徳右衛門は仏壇のことや弦一郎に話しかける。「弦一郎、まもなく大勢で押しかけるけれどお前のそばをあけといてくれ。母上は場所を取るから少し広めにな」いつもことに対して言ってたような軽口をたたいていた。徳右衛門とことの軽口を言い合う会話が好きだったから徳右衛門のそういうところが私の泣けるツボに入ることに気付いた。
やえは台所でコーヒーを作る道具を揃えて出していた。「二本松の人はコーシー知ってっぺかなぃ?」弘次郎が二本松でコーヒーの店をやりたいと思っていることを見抜いていた。やえもずーっと手伝いたい気持ちがあったのかな。
りんは編集部で荷物をまとめていた。編集部のみんなはりんを惜しんでくれた。内田の「こうと分かればあんまりいじめるんじゃなかったな!」は聞き捨てならんが、内田より石丸謙二郎さんが演じた北村とイケボ波多野さんが酷かったように思う(^-^;
最後にりんが美味しいお茶いれます、が昭和っぽいな。今なら今までおりんさんに任せていたけど…と誰かがお茶いれてくれたりとか…ない? 三島くんみたいにフランクに接してくれるだけでもありがたい存在だったんだね。
編集長と弘次郎の店でコーヒーを飲む。編集長は弘次郎の二本松行きを知っているんだろうか? 編集長は、おいしいお茶をいれてくれたりんがどんなことにも心を込められる人間だと思っていたらしい。
女も場所を与えられれば男並みにやれる、とか編集長は昭和末期では進歩的に描かれるけど、今は”男並み”という言葉もダメな感じかな。「男の能力も女の能力も仕事の場でお互いに育て合うものだ」という言葉は今でも素敵だと思います。
コーヒーで乾杯したものの(妊婦さんはコーヒーは控えめにした方がいいらしいけど)、西園寺さんの緊急会見のため、編集長は慌ただしく店を後にした。
最後は夫婦のイチャイチャ。編集長の「男の能力も女の能力もお互いに育て合うものだ」について。「夫婦だってそうだろう?」という源造。「私はあなたを育てましたがね」という源造だけど、そういう会話の中でりんに着物着るの手伝ってもらったり、足袋用意してもらったりしてるじゃーんと思うのは現代感覚だね。
最後源造は口パクで何か言った。多分「好きだよ」だと思うんですけどどうですかー? りんとおでこをくっつけ合ってるしぃぃぃ。
そういや、あとは出番もないだろうけど、おようさんって結局源造のベタベタくっつき要員だけだったか…りんは全く気付く様子もなかったし、あれは何だったんだ…とふと。そういうちらっと出た人の人生まで気になってしまう良作ということで。