前回、ベルメゾンとのコラボ商品からまた「りぼん」について懐かしく思い出していました。今、全然手元にコミックスがなく、電子書籍で集めたいと思うのですが、電子書籍になってない本の方が多いのが現実です。私ももちろん数年前まで紙派でした。しかし一度電子書籍を購入したら、かさばらないこと、夜ライトがなくても読めることなど利点も多く、すっかり電子書籍派に。今はiPadで読んでるせいもあって大きさも申し分ないのです。
萩岩睦美さんのベルメゾンのグッズだと「銀曜日のおとぎばなし」「パールガーデン」「悪魔という名の天使」「アラビアン花ちゃん」などの絵が使われていると思うのですが、私の一番好きなコミックスは「魔法の砂糖菓子」です。表題作ももちろんですが、このコミックスは読み切り4本すべて好きなのです。
なーんで手放したかなぁ、なんて今更です。これも元々リアルタイムで読んだものではなく、大人になって古本屋で買ったんですけどね。このコミックスは「魔法の砂糖菓子」「不思議の国の金魚姫」「藍いろの家」「秋にたんぽぽ」という1セットで好きなんです。だから、名作と名高い「魔法の砂糖菓子」だけはその後、集英社文庫の「うさぎ月夜に星のふね」の1巻や愛蔵版にもなっているものの、私には少し物足りないのです。
愛蔵版 萩岩睦美短編集 魔法の砂糖菓子 1,296円 |
愛蔵版の収録作品は、表題作の「魔法の砂糖菓子」の他は「不思議の国の金魚姫」「くじら・舞踏会」、落ちこぼれ天使シリーズの「悪魔という名の天使」、「マッチ売りの天使」、「天使は夜うたう」の6作品となっているようです。「悪魔という名の天使」も好きだから、この本もとても興味があるんだけど、これは電子書籍化されてないっていうね。
「魔法の砂糖菓子」は「りぼん」1986年5月号に掲載された読み切りで、私も当然リアルタイムで読んでいたはずですが忘れてました。古本屋でコミックスを見かけたときはただ作者名が懐かしくて買ったのかもしれません。大人になって読んだというのに私は単純にハッピーエンドの話だと思っていました。あぁ、マリーは妖精さんのところに行けたんだ、よかったねぇくらいの。多分、リアルタイムで読んだときも同じ感想だったんじゃないかと思います。
しかし、この話の感想を読むと、深い考察もたくさんあって、なんて私は浅い人間なんだと思ってしまいます。私は小さい頃から、ここではないどこかに行ってみたいと思っていた、あまり学校の好きではない友達の少ないおとなしい女の子だったので、別の世界に行けたマリーがたとえそれが死であったとしても、単純に羨ましかったのかもしれません。
そうそう、私は幼女と青年の組み合わせがすっごく嫌いなのに、そういや萩岩さんの作品は、割とこの組み合わせが多いかも。「魔法の砂糖菓子」の妖精さんと出会ったマリーはまだ幼い少女だったし、「銀曜日のおとぎばなし」のポーとスコットも。ただ、妖精さんは年を取らず、マリーは大人の女性に成長し、スコットにはクレアさんという恋人がいた。ポーとスコットは相棒みたいなもので恋仲にはならない。だから平気なのかも。しかしながら「パールガーデン」は一連の作品の中ではちと苦手です。
「魔法の砂糖菓子」と同じくらい好きな作品がもう一つあります。
萩岩さんが長年描かれていた「りぼん」から「コーラス」に移られた直後の短編集で、表題作「鳥の家」の他「いちりんそう」「揺れる月」「極楽キリギリス」が収録されています。これもまた名作揃いです。
「りぼん」時代の後半は特に子供を主人公にした話が多くなったし、日本の話も多くなったけど、やっぱり萩岩さんというとヨーロッパを舞台にした美しい男女が登場する話が好きなんです←なのに手元にない。「水玉模様のシンデレラ」は電子書籍にもなってるけど、これもまた電子書籍化はされてないんだよねぇ。短編集は難しいのかな。
「りぼん」時代、そんなに長い連載がなかった小椋冬美さんのコミックスも電子書籍化されてないのも惜しい。
これとか好きだった―。とにかくこの方の描かれる話っておしゃれ! 私服の高校とかとにかく都会的な感じがしました。この方が「りぼん」で連載されてた頃は、自分自身が幼くて大人っぽい絵柄だなぁくらいの印象で、大人になって萩岩睦美さんの「魔法の砂糖菓子」きっかけで小椋冬美さんにハマったのです。記憶が定かではないのですが「魔法の砂糖菓子」と同じコミックスに収録されている「不思議の国の金魚姫」にほんの小さなコマですが、小椋冬美さんが描かれている部分があるのです。そこからこの方の作品も読んでみたくなりました。
それもこれも手元にコミックスが(^^;
萩岩睦美さんのコミックスは初期になるほど他の漫画家さんとの交流がうかがい知れてそこにもほのぼのします。
そして今も素敵な絵を書きつづけてます。
https://www.hagiiwamutsumi.org/