徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】浮雲

1955年 日本

 

あらすじ

高峰秀子森雅之共演。巨匠・成瀬巳喜男監督が男と女の宿命的な愛と悲劇を描いた代表作。戦争中、ゆき子は赴任先のインドシナで既婚者の富岡と出会う。終戦を迎え、富岡は妻と別れると約束して日本へ戻るが、帰国したゆき子は富岡が妻と別れていないことを知る…。落ちぶれてゆく男を愛し、寄り添い続けようとするゆき子に高峰秀子、富岡を演じる森雅之、名優2人の演技と成瀬監督の演出に圧倒される映画史上にさん然と輝く傑作。

2024.9.19 NHK BS録画。

 

製作:藤本真澄

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原作:林芙美子(新潮社版)

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脚色:水木洋子

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音楽:齋藤一郎

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監督助手:岡本喜八

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幸田ゆき子:高峰秀子…字幕黄色

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富岡兼吾:森雅之大映)…字幕水色

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おせい:岡田茉莉子

伊庭杉夫:山形勲

富岡の妻・邦子:中北千枝子

向井清吉:加東大介

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飲み屋の娘:木匠マユリ

屋久島のおばさん:千石規子東映

牧田:村上冬樹

比嘉:大川平八郎

加野:金子信雄

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ジョオ:ロイ・H・ジェームス 

大日向教教主:林幹

信者:谷晃

丸高モートル支配人:恩田清二郎

仏印の女中:森啓子

荒物屋のおかみ:馬野都留子

新聞を読む女:音羽久米子

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三田照子

中野俊子

持田和代

下宿の主婦:出雲八重子

太田金作:瀬良明

田村事務官:堤康久

鉄一郎

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大城政子

富岡の母:木村貞子

江幡秀子

河美智子

上遠野澄代

運送屋:桜井巨郎

日吉としやす

鏑木ハルナ

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監督:成瀬巳喜男

 

昭和二十一年 初冬

 

渋谷区代々木上原一ノ五十六番地

富岡兼吾

 

ゆき子が兼吾を訪ねた。仏印(フランス領インドシナ)から引き揚げてきて、農林省の使いの者だと言って、兼吾を呼んでもらった。

 

仏印から引き揚げてきて、兼吾は役所を辞めており、ゆき子は親戚の鷺宮にいるが、親戚は荷物だけ置いていてまだ疎開先から帰っていない。

 

仏印での富岡との出会い。ゆき子は綺麗なドレスを着ていてタイピストとして赴任してきた。兼吾は22歳のゆき子を24~5歳と言い、東京出身にしては訛りがあるなどと言い、ゆき子を怒らせた。こういうの女性は本気で怒っているのに、素敵な出会いみたいに描くのはやめてほしい。←昭和30年の表現だっての! 女性を怒らせて喜ぶ男性が時々出てくるけど、さっぱり意味が分からない。

 

そこからなぜか一緒に観光地を歩いたり、キスしたり…はあ〜、こいつ妻にしょっちゅう手紙を書く愛妻家じゃないのぉ!? 

 

今のゆき子の家でもキス。しかし、兼吾は、ゆき子に仕事を探すように言い、別れるつもりだと言う。仏印では、奥さんとは別れて、ゆき子を迎えると不倫男らしいことを言っていた。

 

富岡家

兼吾を見て泣き出す妻の邦子。仏印から帰って変わってしまったと言うが、兼吾は逆ギレ。

 

ゆき子は戦後は英文ができないとね〜と面接で断られ、復興マーケットを歩いていると義兄の伊庭と再会。ゆき子の実家は静岡だが、東京で結婚するつもりで東京に来ていたと不倫のことも話した。ゆき子も兼吾も農林省の職員だったのね。

 

伊庭は銀行員→百姓→暮れに上京して鷺宮で商売を始めようと計画中。ゆき子は親戚の家に手伝いに行って一生を台無しにすることがあるわね、と暗に性的暴行されたことを匂わす。これが仏印に行くきっかけかな? 伊庭は、ゆき子の姉の夫。

 

物置小屋で暮らし始めたゆき子は、夜、米兵にしつこくナンパされた。

 

信州から帰った兼吾がゆき子を訪ねると、ゆき子は派手な格好をしていた。兼吾は「幸福そうだなあ。羨ましいなあ」と言う。こいつ、バカ!? ゆき子はパンパンになったんじゃないの? 今とは感覚が違うのか兼吾がおかしいのか分からない。

 

ゆき子の部屋を訪ねたジョオを帰し、兼吾と夕食を共にする。ジョオは「わすれな草」を教えてくれた人だが、2か月後には帰国する。じゃあ、次を探すんだねと言う兼吾は泊まるつもりで来ていた。あなたって、そういう人よと言うが、時々泊まりに来てもいいかねと言いつつ帰って行った。すげー嫌な人だね。

 

クリスマスソングが流れるころ、伊庭が上京して、ゆき子の部屋を訪ねてきた。パンパンしてるそうじゃないかと言い、ゆき子は3年もおもちゃにしてたくせに…ってこいつか? 暴行犯は。

 

千駄ヶ谷駅

待ち合わせていたゆき子と兼吾。駅前には「インターナショナル」というソ連の労働歌を歌う一団が行進していた。ゆき子を楽々として楽しそうだと言う兼吾。

 

ブラブラ歩き、どこか遠くへ行こうかと温泉宿へ。君は死ぬとしたらどういう方法を選ぶ?と宿のコタツにあたりながら兼吾が言う。私は青酸カリ…って普通に答えるゆき子。正月になっても宿に泊まっている2人。

 

宿賃が足りなくなり、兼吾が南方で買ったオメガの時計を売ることにしたが、海軍で南ボルネオにいたという清吉と知り合い、1万円で買いたいと言われ、2〜3日ゆっくりしていくよう引き止められた。清吉は東京で魚屋をしていたが、今度の妻が魚屋はイヤだっつうもんで…と飲み屋をしている。いずれ東京に帰りたい。

 

兼吾とゆき子のいる部屋に清吉が妻のおせいを連れてきた。親子ほど歳の離れた若い妻。清吉はドリアンは食べましたか? マンゴスチンはおいしかったなあとゆき子と話す。

 

お風呂どうですか?と清吉が言い、兼吾とおせいが外へ出た。すぐ肩を抱く兼吾。こいつ、何なの? 混浴しながら、おせいは伊香保はつまらない、上京してダンサーになりたいと言う。翌朝、また温泉に行こうとしていた兼吾とおせい。私も行こうかな?とゆき子が言うと、おせいはじゃあ、お二人でどうぞとツンケンして出て行った。

 

風呂上がり、兼吾の服だけ風呂敷に包まれていた。ゆき子は、泣き出し、帰ることにした。

 

ゆき子の部屋にいる兼吾。見え坊、移り気だとゆき子はいう。バス停でおせいが涙を流しているのを見たゆき子が指摘すると、ああ、好きだよと開き直る兼吾。

 

清吉がおせいを捜して上京した。

 

富岡家は引っ越しており、ゆき子は太田金作を訪ねた。元・富岡家か。

 

ゆき子は、おせいの部屋を探し当てた。兼吾は東京の家を引き払ったために、東京に用事のある時におせいの部屋に来ると言う。ゆき子と話してる子供って、日吉としやすさん?

peachredrum.hateblo.jp

岸壁の母」の小宮くん!?

 

おせいの部屋に戻ってきた兼吾は伊香保から帰った時点でゆき子と別れたつもりでいた。体の調子の悪いゆき子は妊娠してたのね。始末する踏ん切りがついたと言うゆき子だったが、兼吾は自分の子供がいないので産んでほしいと言う。

 

兼吾の妻は胸が悪くて入院中。兼吾は、せっけん会社に就職が決まる。

 

大日向教会

怪しげな宗教? 太鼓の音に合わせて人々が変な踊りをしている。伊庭は大日向教の教祖になった? ゆき子が案内された部屋で男性の体に手を当て、大日向のエーテルが出てきましたぞ〜とやっていた。お清め料をもらい、だいぶ儲けている。陸軍参謀と始めた商売とはっきり言うねえ〜。1万円を借りにきたゆき子はタバコを吸う。

 

手術室から出てきたゆき子は寒気がし、病室のベッドで休ませてもらった。

 

隣のベッドの女性が見ていた新聞で「女給殺しの夫自首」という新聞記事を見た。清吉とおせいの顔写真にサブタイトルは情夫富岡は元農林省…、復縁を迫って絞殺とか書いてた。

 

おせいの部屋で農業雑誌の原稿を書いている兼吾を訪ねたゆき子。そんなに忘れられないの?と聞くゆき子だけど、ゆき子のほうだよ。おせいの幽霊が出ても、一生、富岡さんとは別れてやらないと泣く。

 

ゆき子が出ていくと、また若い女性が入ってきた。飲み屋のツケを受け取りに来たのか。

 

伊庭家を訪ねた兼吾。女中から「おゆき様」と呼ばれている。伊庭は祈祷に出かけ、家には誰もいない。さっきの女性は信者の人なのね。昼間、家にいる人。兼吾は、ものもらいで右目に眼帯をあてていた。妻の邦子が瘰癧(るいれき)性腺炎で亡くなった。切開手術をすれば助かったかもしれない。ゆき子に2万円を借り、葬式代にあてるつもりらしい。

 

兼吾と一緒に家を出たゆき子は途中まで兼吾を見送った。

 

兼吾が部屋に戻ると、飲み屋の若い女性がまだいた。訪ねてきたゆき子(と思しき女性)を追い出したと楽しそうに語る。なぜあん時、キスしたのよって、ほんとにこいつ(怒)。

 

一人で旅館に行ったゆき子は電報を打ってほしいと仲居に頼み、来なければ死ぬという電報を受け取った兼吾が来た。ゆき子は教会の金30万を盗んで伊庭の家を出ていた。伊庭は不浄の商売してるから警察に届けないだろうと言う。

 

伊香保から今まで蛇足だったと語り合うゆき子と兼吾。死ぬだの死ぬのやめただの言うゆき子にお互いの生き方を変えようと偉そうな言い方をする兼吾は、営林署の勤めで屋久島へ赴任すると言う。ゆき子は連れてってと泣き、兼吾は伊庭の家に戻るように言う。

 

伊庭が名刺を置いて訪ねてきたと近所の主婦から聞いた兼吾は、すぐに屋久島に発つことにした。雑誌社から住所を聞き出したとは昭和だね〜。私も一緒に連れてってとゆき子もついてきた。

 

天候が荒れ、屋久島行きの船に乗れずに足止めを食っている兼吾とゆき子。結局2日は出られないらしく、伊庭が追いかけてくるか?とふざける兼吾。ゆき子は突然、寒気と震えに襲われ、寝ついてしまい、日程は4日伸ばすことにした。

 

一人で港に行った兼吾だったが、結局、戻ってきた。ゆき子にりんごをむいて食べさせる。

 

医師の往診で湿気の多いところはどうでしょうなあと言われつつ、屋久島行きを決行。蛍の光が流れ、船が出航した。途中から小さい舟で屋久島に到着。ゆき子は出迎えの人にタンカで運ばれながら家に入り、すぐ布団に横になった。

 

兼吾は仕事に入ると1週間は不在になるため、よくなったら東京に戻るように言う。元気になって、男と闘争しろと励ます兼吾に婦人代議士が怒りに来るわよと返したゆき子。婦人代議士? ああ、女だったかととぼけて出かけて行った。

 

屋久島は雨が続き、激しく咳き込んだゆき子は亡くなった。兼吾は、ゆき子の唇に口紅を引き、仏印にいたときのことを思い出し、泣いた。

 

花のいのちは

 みじかくて

苦しきことのみ

 多かりき (終)

 

ベチャベチャグチャグチャした話だなあ。兼吾がモテ男という設定もよく分かんないし! これ、女性が原作と思えないくらい共感できない。