1962年 アメリカ
あらすじ
グレゴリー・ペックがアカデミー賞に輝いたヒューマンドラマ。1930年代、南部アラバマ州の小さな町で弁護士のアティカスは、幼い息子ジェムと娘スカウトと3人で暮らしていた。ある日、アティカスは、暴行の罪で訴えられた黒人トムの弁護を引き受け、町民の反感を買うが…。女性作家ハーパー・リーがピュリツァー賞を受賞した小説を映画化。誠実で頼もしい父親であり、人種差別に立ち向かう弁護士を子どもの視点で描く名作。
2023.6.21 BSプレミアム録画。
メイコムは1932年当時も古ぼけた町だった。その夏はひどく暑く朝9時には男のシャツはよれよれで女は昼前にシャワー、3時には昼寝夕方には、まるでパウダーと汗をまぶしたケーキ。1日を24時間より長く感じた。何事も急がず、行く所も買う物もお金もない。怖いほど何もない町だった。その夏、私は6歳だった。
1930年代を舞台にしてるから、あえての白黒なのかな?
6歳の少女・スカウトは父で弁護士のアティカス、兄のジェムと暮らしている。夏の間、ミシシッピから叔母のところへ遊びに来たというディルも加わり、一緒に遊ぶ。
スカウトは原作のハーパー・リーがモデルで、ディルは「ティファニーで朝食を」などを書いたトルーマン・カポーティがモデル…って、すごいな!
ジェムはディルに近所に住むブーの話をする。ベッドに鎖で繋がれているなど恐ろしい噂があるが、姿を見た者はいない。
母が亡くなったとき、スカウトは2歳、ジェムは6歳。アティカスが子供たちを寝かしつけて外のベンチに座っていると、判事が来た。この人もご近所さんなのね。
昼は子供たちだけで遊ぶ。スカウトが大きなタイヤの中に入り、転がる。怖いな〜。ブーの家まで転がってしまい、慌ててジェムが助け出す。子供たちはその足で裁判所へ。
アティカスは女性に性的暴行をしたとされる黒人男性の弁護を引き受けることになった。
子供たちは夜こっそりブーの家に行く。ブーの手の影が迫り、ディルは慌てて帰って行く。
新学期。スカウトは今までオーバーオールの男の子っぽい格好だったのにワンピースを着せられて不機嫌なまま学校へ。父が以前、相続の依頼を受けたカニンガムの息子・ウォルターとケンカになった。ジェムが仲直りに夕食へ招待する。
カニンガムの家は貧しく、ウォルターは牛肉になんて久しぶりだと言う。いつもはリスかウサギを父と獲りに行くと話す。食事のマナーについてスカウトが指摘すると、ウォルターは泣き出し、黒人家政婦のキャルに叱られる。部屋を飛び出したスカウトを優しく諭すアティカスは、ある日は狂犬病になり、フラフラ歩いている犬を保安官に代わって銃殺した。
アティカスと子供たちが車に乗って容疑者・トムの家へ。アティカスが家に入り、車に乗っている子供たちを睨みつける酔っ払い白人男性は“黒人びいき”と敵意を見せた。
家に帰り、アティカスは通いの家政婦のキャルを送りに行ったため、子供たちだけが家に残された。
スカウトは学校でセシルと取っ組み合いのケンカになった。アティカスが黒人の弁護をすることを非難されたせいだった。
ブーの家の前の木の穴からスカウトとジェムにそっくりな人形を見つけたジェム。ほかにもメダルなどが入っていたが、ある日、男が家から出て来て木の穴を埋めていた。この人はブーじゃないのね?
夏休み、再びディルが遊びに来た。父親が鉄道で成功したと自慢するディルにうんざりするスカウト。
夜、裁判所前にいるアティカスの様子を見に行く子供たち。留置所から裁判所に移送されるトムを夜襲しようと白人男性たちが集まり、アティカスの前に立ち塞がった。子供たちはアティカスの前に行く。スカウトはカニンガムに相続は大変でしたね、カニンガムの息子のウォルターとは同級生で~などと話したため、カニンガムは他の男たちに引き揚げるよう促し、帰っていった。
大陪審
子供たちも見守る。証人は白人男性ばかり。被害者の女性メイエラも公衆の面前に晒されて証言させられるの〜!? トムに5セントやるからタンスを壊せと命じると垣根の中へ入ってきた。お金を取りに行くと、すぐ後ろに立っていて首を絞められ、何発も殴られたと話すメイエラ。
しかし、トムは12歳の時に綿繰り機に左手を挟んで左手が使えず、証言と矛盾する。メイエラは取り乱して叫び出した。その前にメイエラの父に名前を書かせて左利きだと周知させるアティカス。
トムの証言。メイエラとトムは顔を見れば挨拶する間柄で1年以上前にタンスを壊して欲しいと頼まれたこともあり、壊したこともあった。その後も何度か用事を頼まれた。事件のあった8月21日も家に招かれて入ると、メイエラにドアを閉められた。家には誰もおらず、突然、メイエラがしがみついてきたのでトムはイスを倒した。
メイエラは今までキスしたことがないと突然トムにキスしてきた。外で見ていたメイエラの父が娘を殺す!と怒り、トムは帰った。あー、メイエラは今でいう非モテ女性という感じの人を選んでるんだな。
メイエラを可哀想だと言うトム。アティカスは精一杯トムの弁護をする。
2時間近い協議の末、一審は有罪になったトム。陪審員は白人男性ばっかりだもんねえ。解散になるが、傍聴席の人たちは帰ることなく、アティカスを見守った。
子供たちも落ち込み、家の前でうなだれる。近所の女性がジェムを慰めていると、保安官が来て、アティカスにトムの死を知らせた。移送中に逃げ出したトムを警告のつもりで保安官代理が発砲し、運悪く当たってしまったと言う。
トムの家族に知らせに行くというアティカスについて行ったジェム。トムの家の前には多くの黒人が集まっていた。トムの死を知らせるとトムの妻は泣き崩れ、家に入って行った。以前の酔っ払い白人男性がアティカスを呼び出し、アティカスの顔に唾を吐きかけたが、アティカスは無視して車に乗り込んだ。
ハロウィンの日、仮装したスカウトを連れて出かけたジェム。ハムのハリボテ? 森の中を歩いていると、突然、男に襲われた。男はジェムを連れて行ってしまい、スカウトはハリボテを脱いで家に帰った。
ベッドに寝かされたジェムは顔にあざ、骨折もしていた。犯人はメイエラの父で発見された時には死んでいた。家まで運んだのがブーことアーサー・ラドリーだった。眠っているジェムの頭を撫でさせたスカウト。ブーはおとなしくて無口な若い男性。
アティカスはメイエラの父を殺したのはジェムの正当防衛と思ったが、保安官はメイエラの父が自らナイフの上に倒れ込んだのだ(ということにしよう)という。あ、あの酔っ払いの白人男性とメイエラの父って同じ人?←今更?
アティカスはブーにお礼を言い、握手した。ブーの手をつないで家まで送り届けるスカウト。何らかの病気というか障害ではあるのかな?
家に帰ったスカウトはアティカスに抱きつく。(終)
トムが可哀想すぎて。メイエラも白人男性から散々な扱いを受けてきたんだろうと想像してしまう。だからといって自分より弱い立場の者にやっていいことではないが。近所の変わり者の大人を見に行く話って古今東西あるあるなのかねえ。ひっそり生きてるだけなのに。