1956年 アメリカ
あらすじ
伝説のスター、ジェームズ・ディーン最後の作品。テキサスを舞台に、東部の令嬢レズリーが大牧場主ビックと恋に落ち結婚、価値観や習慣の違いを乗り越えていく姿を重厚に描く大河ドラマ。ディーンが演じるのは石油採掘に夢を抱く牧童ジェット・リンク。レズリーを演じるエリザベス・テイラー、ビックを演じるロック・ハドソンなど豪華スターが共演。アカデミー賞9部門にノミネート、ジョージ・スティーブンスが監督賞に輝いた。
2023.2.15 BSプレミアム録画。3時間21分という録画時間に今までなかなか再生ボタンを押せず。
蒸気機関車の脇の草原を数頭の馬と牧羊犬が走る。蒸気機関車から降りた若い男は迎えの中年男性の車に乗る。“戦いの風”という名馬を買い付けに来て、“戦いの風”を乗りこなす美しい女性・レズリーにひかれる。おお、エリザベス・テイラー。
若い男はテキサスに59.5万エーカーという広大な土地を持つジョーダン・ベネディクト2世という牧場主。立ち上がったらでっかいな、この人と思ったらロック・ハドソンはこの間、「武器よさらば」で見たばかり。やっぱり人の顔を覚えるのは苦手だ。
ひかれあうジョーダンとレズリー。“戦いの風”とともにレズリーも列車で連れ帰った。
何もない荒野の中にあるベネディクト駅に到着。そこから車に乗り換えて80km! 周りに何もない所に建つ大きな一軒家が新居。ジョーダンはレズリーをお姫様抱っこして家に入る。ジョーダンの母は亡く、姉のラズが家を取り仕切っており、レズリーに冷たい。
使用人でカウボーイスタイルのジェット・リンクはジョーダンとは犬猿の仲。ジェームス・ディーンの主演映画と思っていたから、開始20分過ぎでようやくでてきた。
結婚祝いのパーティー。ジョーダンは姉や近所の人からビックと呼ばれている。80km離れた隣人とも挨拶。
パーティーでは子牛の頭がごちそうとして出され、初めて見たレズリーは気絶してしまう。あきれるラズ。翌朝、レズリーはあなたの領域を侵さないから、私の邪魔をしないでとラズに言う。
ビックとそれぞれ馬に乗って出かけたレズリー。使用人の男たちは子牛を捕まえては烙印を押す。おお〜、痛そう。
帰りはジャックの車に乗るレズリー。ジェットはベネディクト家の土地は、他人から奪った土地だと雇い主に批判的。
牧場に残ったラズはビックに女主人は私だと言い、ろくにスペイン語も話せないだの、メキシコ人の使用人は見ていないすぐ怠けるなどと不満を言う。こういうのって今の時代無理なんだろうねえ。
ジェットはレズリーを今まで見た中で一番の美人だと言い、レズリーはお世辞でも嬉しい。夫に伝えておくわと言い、ジェットを困惑させる。帰りに近所(といっても遠い)のメキシコ人の住む村の家に寄って帰ると、ラズが“戦いの風”から振り落とされたとビックに聞かされた。重度の脳震盪になり、あの馬を買わなければと頭を抱えるビック。
レズリーは家に来た医師に帰りに寄った家の赤ん坊が病気だと伝え、診てほしいと頼む。ビックは村の連中とは関わるなと注意。
ジェットの案内で医師を連れて行ったレズリー。帰ると“戦いの風”は骨折していてビックが射殺したと聞かされた。
ラズは亡くなり、ジェットを気に入っていたラズはジェットにも小さな土地を残していた。土地を分割したくないビックは弁護士のアドバイスもあり、土地代の倍である1200ドルを現金で渡すと言う。
ラズが唯一の味方で牧場を辞めようと思っていたジェットだったが、マダムの遺志に賭けるのも悪くないと土地をもらうことにした。
ビックは家に呼んだ友達と政治の話をしていた。レズリーが加わろうとすると、男の話だと拒絶した。私はワシントンの生まれで政治の話は慣れてると言うが、ビックは立ち上がる。レズリーは10万年遅れてるなどとまくし立てたが、結局は謝罪して部屋へ。
怒ったビックは部屋に戻り運動家にでもなればいい! 普通の女でいてほしいと言うが、レズリーが私は間違ってない。前からこうだったと粘り強く話し、出て行こうとしたビックを止めた。
ある朝、レズリーはビックに妊娠を告げた。次の場面でもう男の子と女の子の赤ん坊を抱いている。双子?
ジェットの家を訪れたレズリー。壁にはレズリーの新聞の切り抜きが貼られていた。
それから少ししてジェットの土地から油が出た。
双子の4歳の誕生パーティー。ビックは息子の4歳の誕生日だと言い、娘もよとレズリーに突っ込まれる。双子の下には女の子が生まれ、ビックは姉に似ているとラズと名付けた。ビックは長男のジョーディにカウボーイの格好をさせ、ポニーに乗せた。怖がって泣くジョージィ。同年代のメキシコ人使用人のアンヘル2世は一人で乗りこなしていた。
ビックと気持ちのすれ違いを感じたらレズリーは子供たちを連れて実家へ。感謝祭の日。子供たちがエサをあげた七面鳥の“ペドロ”が丸焼きにされて食卓に出てくると子供たちは泣き出した。
レズリーの妹・レイシーとレズリーの元婚約者・デビッドとの結婚式にビックも顔を見せた。やっぱりビック、でけぇ〜!
ジェットは油の採掘を始めるが、借金がかさんでいてビックは買収しろと友人と話していた。しかし、とうとう油田を掘り当て、油まみれでベネディクト家を訪れたジェットはとうとう金持ちになったと宣言。レズリーに近付き、口説いたため、ビックに殴られたが、ジェットは反撃して帰って行った。ここでインターミッション。やっと半分?
ジェットはジェッテキサス石油会社を設立。
ビックとレズリーの子供たちもティーンエイジャーに成長。長男のジョーディはレズリーにハーバード大からコロンビア大学に行き、医者になりたいと言う。ビックが自分の跡を継がせたがっていることを知るジョーディはレズリーに説得を頼む。一方、長女のジュディはテキサス大の畜産科に行き、牧場主を目指していることをビックに話していた。ジョーディの進路に反対のビック、ジュディの進路に反対のレズリー。
油田採掘を続けるジェットは金持ちになり、病院を寄贈した。ビックの牧場も油田を掘りたいとジェットから連絡があるが、ビックは牧場を続けたく断った。
ある年のクリスマス。ベネディクト家には大きなツリーが飾られ、ジュディは、かねてより交際していたボブと結婚していた。メキシコ人のアンヘル2世は兵士として出征、ジョーディも医者の卵になっていた。
村で医師として働くというジョーディ。ビックはジュディの夫であるボブに牧場の仕事をさせようとするが、ボブもまた徴兵されており、ジュディは自分たちの小さな牧場を持つのが夢だと語った。
ジェットがビックの元を訪れた。ついにベネディクト家の土地でも石油を掘り、石油には27.5%の所得控除があり、ベネディクト家はプールを所有するほど、さらに金持ちになった。
ジョーディはホアナという女性と結婚。メキシコ人? レズリーに報告すると、レズリーは喜んだ。
出征したアンヘル2世が帰ってくるという新聞記事。しかし、アメリカ国旗のかけられた棺に入って帰ってきた。ビックはアンヘルにメキシコ国旗を手渡す。
ジュディとボブ、ジョーディとホアナの間にそれぞれ赤ん坊が生まれた。白人ではないジョーディの子供にビックの表情が曇っているように見える。
ベネディクト家にジェット・リンク空港、ホテルの落成式の招待状が届いた。ラズはジェットに夢中!? ビックは同じ石油成金でも違いを見せてやろうとジェット機をチャーターすると息巻く。
華やかなパレード。オープンカーに乗ったジェットが手を振り、ラズも女王のように手を振る。レズリーもボブもラズのことは知らされておらず唖然とする。
ジェットは酒をガンガン飲みながらラズにプロポーズ。
ジェットのパーティー。ホアナは警備員に止められるが、ジョーディがベネディクト家の人間だと抗議した。美容院にセットに出かけたホアナ。白人の美容師たちは今は忙しいと言い、セットしてくれなかった。
後から来た白人女性をセットしたことに気づいたホアナはジョーディに連絡。怒ったジョーディは抗議するがリンク社長の指示でメキシコ人は専用の美容院に行くように言う。瓶を鏡に投げつけたジョーディ。
嵐の中、パーティーは始まる。ジェットが入場。ずぶ濡れのジョーディはジェットに抗議。「先住民と結婚したのか」と言うジェットにジョーディは殴りかかるが、ジェットが何発も殴り返した。ビックが怒り、ワイン蔵に呼び出した。お前は終わりだとワイン棚を倒したビック。
会場に戻ったビックはレズリー、ラズを退席させた。
ジェットも酒を飲んでぐったり。
スイートルームに戻っていたジョーディたちはジェットのホテルに泊まりたくないと言うが、嵐のため、帰ることができない。ジョーディは偏見を持っているのはパパで、ジェットに対決したのもベネディクト家の跡取りが公衆の面前で殴られたからだと言った。
ラズはジェットの元へ。
ジェットはパーティー会場でそのまま突っ伏して寝ていた。ホームパーティでもあるまいし、机の上が片付いてないなんて映画的演出かもしれないけど信じられない。ひとり演説を始めたジェット。美しいレズリー。金持ちのベネディクト夫人という言葉を聞いて、ラズは落胆した。
ビック、レズリー、ホアナ、ラズが車で帰途に着く。ジェット機に乗っていたのはジョージィ? ジェット機は売って質素に暮らそうと話し合い、ハンバーガーショップに入った。ホアナを差別的な目で見る店主。
後から入ってきたメキシコ人家族を追い出そうとし、店主とビックは殴り合いを始める。店の外でやれや。倒れたビックの胸に「当店にはお客を選ぶ権利があります」という注意書きが落ちてきた。
レズリーは電話で今回の騒動で出て行った者もいる。ラズはローナという女優とハリウッドに行った。ジョーディとホアナは村へ引っ越すなどと話していた。
ビックはどう見ても孫が似てないと言うもののベネディクト4世と認めていた。レズリーはビックのケンカを素晴らしいと褒め、百年経ったらベネディクト家は真の成功を手に入れたと言われる日が来ると熱弁した。ジュディの子供、ベネディクト4世の眼差しで終わり。
アフリカ系住民の差別はあるあるだけど、メキシコ系は初めて見た。
ジェームス・ディーンが主演の扱いみたいだけど、ベネディクト夫妻が主役でジェットのアメリカンドリームがサブ主役という感じだな。最後のジェットが落ちぶれた感じなのは未来を予見した描写?
後半、差別と偏見が話の主になって意外な感じ。