TBS 1980年10月23日
あらすじ
東京・神楽坂のとんかつ店「一村」を舞台に、互いを思い合う姉弟愛がテーマ。 糸(山岡久乃)、平(宇津井健)、寛(篠田三郎)、友(長山藍子)という4人の姉弟がいた。糸と平は両親代わりとなって、年の離れた寛と友を育ててきたが、友はお客と駆け落ちし、家を飛び出していた。ある日、家業を盛り立てるために40歳まで独身を貫いてきた平が結納を迎えることに… そんな中、友が姉たちの前にひょっこり姿を現す。
2023.5.17 BS11(イレブン)録画。
夜、茶の間に集まる糸、平(まさる)、友(とも)。平は哲子(杉田かおる)に就職のことを言い出せないと言うが、友は店の主人なのだから平が言うべき。私が言ったら引き離すことがバレてしまうとか勝手なことばっかり言っている。
さらに、恵一(田原俊彦)が気持ちを開いてくれないのは哲ちゃんがいるから。恨まれてもいい、憎まれてもいいからぶつけてほしい。残酷なようだけど哲子のためでもある。お兄ちゃんやお姉ちゃんが話せないのなら私が話す…と立ち上がるので、平が止める。私には責任がある、私が不幸にした子供なんだものと泣く。
翌朝、玄関から恵一たちを送り出した友。店の入り口から出てきた哲子は恵一に手作りの人形を渡す。懐かしい感じの人形。「哲ちゃんがこしらえたの、かわいいね」とター坊。いくら昭和の子供でもね、昭和50年代に”こしらえる”を日常的に使う子供いないからね。
友は早く言えと平をせっつく。友は酷いな、ほんと。
昼休み、糸と平のいる茶の間に呼び出された哲子は口籠る平たちに「私、辞めさせられるんですか?」と察しがいい。糸はキラクというトンカツ屋が哲子を欲しいと言っていると話す。しかし、おかみさんと若旦那のそばで働かせてほしいと健気に言う。哲子が可哀想で泣けてきた。
糸たちの話を聞いて、無理だと分かった哲子は涙も見せずに「お世話になりました」と言う。明日にでもキラクに挨拶に行こうとニコニコの友。平も糸も何で友の言いなりになるの? 哲子が部屋から出ると友は私が悪いのよと泣き出す。はあ〜!? そうだよ、お前が全部悪すぎるんだよ!
部屋に戻った哲子は机に突っ伏して泣く。
「一村」厨房
男の従業員たちは「あんなにおかみさんたちに可愛がってもらったのに〜」と哲子があっさり仕事を辞めたように思ってる。平は怒ったけど、誤解されただろうな。
公園で恵一と待ち合わせた哲子は店を辞めることを報告。“あいつ”のせいだと怒る恵一に哲子はあくまで一村家の人たちをかばう。人を憎むのは、自分で自分を不幸にすることなのよ、同じ東京にいるんだし、手紙も電話も出せるんだからと明るく話す。今夜7時、公園で待ち合わせしようと恵一は言う。
荷物をまとめた恵一はター坊にこの家の人に可愛がってもらえよ、体に気をつけろよと言い、ボストンバッグに荷物を詰めて恵一はこっそり家を出る。荷物をまとめていた哲子も時間になったので家を出ていく。
とんかつ「一村」
寛(かん)が三條(山村聰)と伸子(東てる美)を連れてきた。糸は三條が仲人をするものと思っていたが、仲人は寛の上司がやると言う。そういえば、糸だって事情知ってるだろ。
公園
哲子が止めるのに恵一はあの家にはいたくないと出て行った。
ター坊の顔を見にきた寛は恵一がいないことに気づく。友は哲子もいないことに気づくが、店が忙しく、平も糸も取り合わない。
恵一が心配でほっとけないとついていく哲子。
閉店後
恵一の荷物がなくなり、哲子がいなくなったことを気にして友は探しに出た。
酔っ払いがたくさんいるスナック街を歩いていた恵一について歩いていた哲子は本当は辞めるつもりもなく、父ちゃんと母ちゃんのところに行きたいと泣き出す。恵一くんは生きてなきゃと言うが、恵一は生きていたら離れ離れだと言い、海を見に行こうと誘う。
料亭
メロンを食べ終えた寛と伸子。三條は若い頃に好きな人と一緒になれなかったと語る。そして、寛に東西工業に誘うが、とんでもありませんと断る。
関係ないけど、”とんでもありません”という言い回し、敬語としては間違ってるらしいんだけど、これまで朝ドラを見ていても、「マー姉ちゃん」「本日も晴天なり」の小山内美江子さんも多用してるし、なんなら「芋たこなんきん」にも出てくる。
三谷幸喜さんの「王様のレストラン」のDVDのコメンタリーでも「とんでもございません」というセリフに正しくは「とんでもないことでございます」だとツッコミが来たと話されていたけど、間違いとされる「とんでもありません」「とんでもございません」って40年以上前からおなじみのフレーズなのに間違いだと鬼の首取ったように言ってもな…そんな不自然な言い回しにも聞こえないしという気もするんだよね。
寛のマンション
食事の帰り、遅い時間にマンションについてきた伸子を叱る寛。伸子は東西工業に誘った三條の話を聞いて、寛の考えを知りたいと思っており、技術畑の寛は経営より今の仕事で満足だと言う。それを聞いた伸子はあっさり帰る。
一村家茶の間
糸から連絡を受けた寛も来ている。友は私が悪かったのよ、バカだったと泣き出す。あのねえ、それこそ日記読んでたら思い詰めてたことや、哲子が友をかばっていたことも分かるでしょ!?
恵一と哲子は電車に揺られて、千葉の海へ。哲子は全財産5万円を持っていた。太一にだけはお別れの手紙書かないとと恵一が言う。
夜が明けて、そのまま茶の間で眠れぬ夜を過ごした一村のきょうだいたち。(つづく)
恵一のことを真剣に考えているのは私だけと言い張る友に引っ張られたのか糸も平も友の言いなりで、哲子の本当の気持ちを聞いたら絶対守ってくれたのになあ。何だかんだ友って妹ということで甘やかされてきたのかもね。これまでで一番、友に腹立ったわ。
そして、やっぱり杉田かおるさんって天才だわ~。