徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】どろ犬

1964年 日本

 

あらすじ

悪を憎みつつ、その深みにはまっていくベテラン刑事の転落を描くノワール劇。才気を見せるも寡作に終わった新進監督・佐伯孚治の元、罪を重ねる刑事の心情を力演した大木実ら適材適所の配役も見事なサスペンス。鬼刑事と評される菅井(大木実)は、恐喝罪で逮捕した男の情婦・千代(原知佐子)との愛欲に溺れ、その弱みに付け込む赤座組代貸・山口(西村晃)の悪事を黙認していたが、同僚の徳持(井川比佐志)らが疑いの目を向ける中、良心の呵責にさいなまれていく。

2022.7.13 日本映画専門チャンネル録画。

 

主演の大木実さんはいっぱい作品に出てるけど、私は「天までとどけ」の大和田六助さんが印象的。江戸っ子のおじいちゃん。

 

夜道を歩く女性にクラクションを鳴らし、車に乗せる男。みどりという女性は淀町までと言うが、男は構わず走り出し、みどりは「降ろしてください」と叫ぶ。

 

淀町3丁目102番地、小田切正夫という電話でチョウさん(大木実)と安田が家へ向かう。そこの娘が小田切みどりで婦女暴行されてぼんやりしていたが車のナンバー(む23-60)を覚えていた。

 

車の所有者を取り調べられるが、暴行ですか?とはっきりしない。その内、みどりの父親が告訴を取り下げると言ってきた。この親父、家にいる時から「ただで傷物にされやがって」とみどりを殴ったり、加害者から金をつかまされて告訴を取り下げたことを妻が何か言いたそうにしていると「男同士で話はついてんだ」と怒鳴る。冒頭から頭にくる展開。

 

チョウさんは暴力も辞さない昭和のザ・刑事で周囲の刑事たちからもやり方が古いと言われている。

 

ある日、バーで一人で飲んでいると赤座組の山口(西村晃)というヤクザからデカチョウが囲っている愛人の話をされる。一緒にいた山口の手下の千葉は田中邦衛さん。

 

デカチョウがアパートに帰ると愛人の千代(原知佐子)が外に働きに出たいと言い出す。千代はデカチョウが以前、逮捕したヤクザの組長・宮坂の妻。

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いつも則子の話を聞いてくれた奥さんね。

 

山口はデカチョウに聞いた情報から恐喝をして20万強請ったといって笑った。

 

小松医院で働く看護婦・染谷幸江という女性がスコポラミンという鎮痛剤を飲んで自殺した。妊娠していたという。遺書から野見山というテレビスターと関係を持っていたことが分かる。デカチョウが野見山に話を聞きに行くと、処女じゃないから軽い気持ちで抱いたとか全く悪びれない。女優にしてやるという口説き文句を言っていた。

 

山口は千代の部屋を探し当て、宮坂の兄貴から預かったと10万円を無理矢理渡した。千代が和服で外に出ると千葉が後をつけた。千葉に優しく接し、千葉の服を買ってあげる千代。千代はデパートでデカチョウのために革靴を買ってきた。

 

帰ったきた千代に金の出どころを聞くが答えない。そんなんだから奥さんに逃げられると言われ思わず頬を叩くデカチョウ。すぐ暴力!

 

デカチョウは山口に後で返すと5万円だけを返そうとしたが、返すなら10万円揃えて返してくれと受け取らなかった。

 

デカチョウの働く警察署で不起訴になった犯人たちがヤクザに強請られているという情報を聞かされたデカチョウ。一人で捜査するよう上司に言われた。

 

これが最後と山口に情報を流すデカチョウ。デカチョウの部下の徳持刑事(井川比佐志)は山口と同郷の同級生。ある時、山口が野見山に接近しているのを目撃した徳持。山口は野見山を強請っていた。まあ、あいつはムカつく奴だしな〜ってダメだよ。

 

千代とデートに出かけたデカチョウは子供の頃は海が好きで漁師になりたかったが、仕事がなく網元に金を借りにいかなければならなかった経験から漁師の父からうんと勉強して勤め人になれと言われて刑事になったという。

 

デカチョウに捜査状況を聞く上司にシラを切る。

 

野見山が山口を告訴するという。50万→30万→100万と強請られて、これ以上金を出せないと警察に訴えた。山口に恐喝の逮捕状が出て、徳持も加わったが、直後、山口に逃げられて徳持は捜査班から外された。徳持を疑う上司たち。

 

一人で山口を捜査する徳持。

 

山口は警察に電話をかけ、デカチョウに大平ホテルまで来るように言う。聞き込みをしていた徳持もバーのホステスから山口を大平ホテルで見かけたという情報を得た。山口の部屋に入ってきた徳持は真実を知り、デカチョウは徳持を殺す。え!

 

山口に5万円を渡して大阪に逃がしたデカチョウ。

 

家に帰ったデカチョウは千夜に抱きつく。

 

徳持の遺体が発見された。

 

山口を探すデカチョウ。公園で子供と遊んでいた千葉に話を聞くと山口の新しい助(スケ=女)がいると聞き、ボーリング場へ。ひろ子という女性のそばにいたのは山口だった。

 

山口の取り調べは、しらを切り続ける。取り調べが終わり、デカチョウは部下に山口の手錠を外すように言い、柔道場でめちゃくちゃ投げた。部下に止められ、一旦はやめるが、部下たちに用事を言いつけ人払いをした。10日の勾留期限が切れるまでしらを切り続けろと山口に言う。

 

家に帰ったデカチョウは仕事が忙しくなると千代との熱海旅行中止を伝えた。

 

千葉がコーラとバナナを差し入れに来た。コーラを飲みながら取り調べを受ける山口。突然、暑いよと苦しみ出し死んでしまった。千葉を探す刑事たち。

 

毒入りコーラを千葉に差し入れさせたのはデカチョウ。千葉に会い、千葉を絞め殺した。えー! 千葉は特に説明もないけど知的障害のある役どころなのかな。千代はバカにしないから好きだとデカチョウに語っていた。でもトルコ風呂には行くらしい。

 

疲れたと千代の部屋を訪れたデカチョウ。浜辺で千夜と戯れる夢を見てうなされた。目を覚ますと、働いてもいいよと千代に言った。

 

熱が下がったデカチョウが警察に戻った。同僚から山口が飲んだコーラに入っていた薬がスコポラミンと分かったと知らされた。部下の阿部はスコポラミンが事件後、返されていないこと、デカチョウが電話してきた後ろで聞こえた駅のアナウンスから、デカチョウに疑いを持ち始めた。

 

千葉の遺体が発見された。首を絞めたネッカチーフには千代と名前が入っていた。

 

デカチョウを追い詰めた阿部。しかし、阿部の腹を殴って気絶させた。

 

家に帰ったデカチョウは今日の21時の汽車で博多まで旅行に行こうと提案。千代には出張だと嘘をついて汽車に乗り込んだ。

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長い旅だ。

 

しかし、デカチョウの周囲は同僚刑事たちに固められていた。手錠をかけられたデカチョウは逃げ出し、汽車から飛び降りた。同僚刑事は参考人として千代を起こしに行った。(終)

 

ナンダカナ〜。本筋に関係ないけど女性の扱いが酷すぎて…さすが東映と思いました。