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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(114)「ここに花咲く」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

「たこ芳」で酔って手を切ったエディ・スペンサー(チャド・マレーン)が、徳永医院で治療を受ける。そのときエディが落とした若い女性の写真に、健次郎(國村隼)の目がとまる。エディは、自分がりん(イーデス・ハンソン)の息子であることを健次郎に打ち明けるのだが…。一方、着物デザイナーの吉永東子(高田聖子)に「洋服を作る仕事がしたい」と打ち明けた由利子(邑野みあ)は、東子から仕事場に遊びに来るよう誘われる。

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回想

セピア色の若かりし頃のりんさんの写真を見つける健次郎。

晴子「どないしたん?」

健次郎「いや…。(エディーに)落としてたよ」

写真を見られたことに気付かれ、ハッとするエディー。

回想ここまで

 

明かりのついていない台所

晴子「りんさん? たこ芳のりんさん?」

健次郎「うん。あれは若い時のりんさんやと思う」

晴子「何であの人がそんな写真を?」

健次郎「さあ…。何か事情があんのやろ」

 

晴子「もしかして…知り合い?」

健次郎「え…?」

晴子「息子さんとか…」

健次郎「ほんなら何で会うた時に名乗れへんねん?」

晴子「さあ、それは分からへんけど…」

 

町子があくびしながら台所へ

町子「え? どうかしたの?」

 

診察室

健次郎が入っていくと起き上がるエディー。

健次郎「あ~、起きんのやない。気分どないや? 大丈夫か?」

エディー「大丈夫です。シー イズ マイ マザー」

健次郎「うん?」

 

エディー「お母さんです」

健次郎「え?」

エディー「写真の…」

健次郎「ああ…」

エディー、うなずく。

健次郎「そう…」

 

茶の間

町子「おりんさんの息子さんやの?」

健次郎「お父さんオーストラリア人でな、貿易会社してはって、で、イギリスでおりんさんと出会うて結婚してエディー君が生まれて、しばらくは関西におったらしい」

町子「はあ…」

 

健次郎「ところがエディー君、4歳の時に2人は離婚して、で、お父さんが引き取らはって、オーストラリア帰ってしもたんやて」

町子「そやったん…。それ以来、会うてはらへんの?」

健次郎「うん…。ずっとな『お母さんは死んだ』て聞かされとったんやて」

町子「え!?」

 

健次郎「ところが去年、お父さんが亡くなった時に実は生きとったいうのが分かって、で、いろいろ調べたらここにおるいうことで…」

町子「ねえ、健次郎さん、そのエディー君は何で、お母さんの前で『僕は息子です』て言わないの?」

健次郎「それがな…2人が別れる時に、彼が『僕はお父さんと一緒にいたい』て言うたんやて。その時のおりんさんの悲しそうな顔見て、子供ながらに自分はお母さん傷つけてしもたて、いまだにそれ悔やんどんねん。お母さんは自分のこと許してくれへんの違うか思て不安なんやろな」

町子「そんなん…そんなことあらへんわ!」

 

健次郎「けど『顔見た時によう言わんかった』て。『それに今の自分の立場では、いらん迷惑かけるかもしれんし、顔が見れただけで十分です』て、そない言うとった」

町子「おりんさん、絶対喜ばはんのに…」

健次郎「僕もそう言うたんやけどなあ…」

 

たこ芳

カウンターを拭いているりん。

 

徳永医院

受付の藪下が電話を取る。「はい、徳永医院です。はい? 何のことですか? ここは病院ですよ」

鯛子「どないしたん?」

藪下「いたずら電話です。俳優がどうとかこうとか…」

鯛子「貸して。はいはい、何ですか? え!? スターの朝帰り? お忍びデート? はい、そうです。私が隠し妻ですわ。ハハハハハ…! カ~ッ!」

面白い!

 

徳永医院前

記者1「あの~!」

記者2「徳永さ~ん!」

記者3「いらっしゃるんですよね? ちょっとお話聞かせてください!」

 

診察室

鯛子「すいません! まさかほんまにそんな人が来てはったやなんて…。てっきりいたずら電話やと思て」

健次郎「う~ん、しょうがないな…。説明してくるわ」

鯛子「すいません。いや~…」

 

徳永医院前

健次郎「いたずら電話と思て、ちょっとした軽口を…。ほんまにすいません。どうぞお引き取りください」

「何やガセネタかいな!」

「人騒がせな!」

おめーらが勝手に来たんだろうが! 様子を見ていたタエ。

 

待合室

町子「早いね、こういううわさって…」

健次郎「そら、こんなことがあるんやから、おりんさんが母親やて知れたら、どんな迷惑かかるか心配やいうの分かるわ」

町子「うん…」

タエ「え~っ!? 母親てどういうことですの!?」

あちゃ~って感じの健次郎と町子。

 

茶の間

タエ「お母さんか…。そやから泣いてたんやわ。きっと緊張してお酒もあない回ってしもたんやろね…。かわいそうに…」

健次郎「『みんなには言わんといてな』て言われてるんで、これはタエさんの胸だけにしもといてな」

タエ「はい。そやけど、おりんさんも喜ぶと思うけどなあ…」

町子「私もそう思うのよ。けど、本人が『絶対に言わへん』て決めてるんやからねえ。どうしたらええねやろ…」

 

健次郎「まっ、一目会えてエディー君も喜んどったから」

町子「私、そろそろ行かなあかんわ」

健次郎「あっ、東子さんとの対談?」

町子「頑張ってきます」

タエ「テレビ?」

健次郎「行っといで」

タエ「行ってらっしゃい!」一旦落ち着きかけたが「あっ、あ~、すんません。私も帰りますわね。失礼します!」

 

夜、徳永家の門

由利子と清志が外を覗いている。記者の1人が徳永医院前をうろうろ。

清志「なっ、いてるやろ?」

由利子「どないしょ…。お父ちゃん、まだ往診から帰ってきてへん」

清志「うん…」

 

オートバイが家の前に止まった。

東子「はあ!」

町子「あっ、ただいま」

由利子「びっくりした!」

東子「こんばんは」

由利子「こんばんは。一緒に帰ってきたん?」

 

町子「送ってもらったん。気持ちよかったわ~。あんたたち、何してんの?」

由利子「向こうにな、週刊誌の記者が立ってんの」

町子「え?」

腕組みして立っている記者。

町子「あ~、そやった…」

東子「あ~、あの話。しょうもないことに時間使って。もっと大事なこと取材しろっていうのよねえ!」バイクを降りて記者に近づく。

 

町子「ねえ、ちょっと待って。ちょっと…ちょっと待って!」

東子「早く帰んなさい」

記者「何や? あんた」

東子「何でもいいから。邪魔なのよ」

記者「あんたに指図される覚えないわ!」

 

東子「帰れっつったら帰れ! しつこいと口ん中に手突っ込んで奥歯ガタガタ言わせるよ!」さすがに関西イントネーションになったね。

逃げ帰る記者。

東子「ねえ!」

町子「ええ…」

 

茶の間

町子「けどまあびっくりしましたわ。あんなたんかどこで覚えはったんですか?」

東子「商売やってるとね、いろんな人が来んのよ」

 

電話が鳴る。

町子「あ、ちょっとすいません。はい、もしもし、徳永でござ…あ、どうも。いえいえ。あ、そしたらすいません。かけ直しますので、ちょっとそのまま待っといていただけますか? はい、すいません。はい、すいません、どうも。ごめんなさい。ちょっと仕事の電話が入ったんでね、あっちでかけてきますわ」

東子「はい」

町子「ちょっとすんません」部屋を出る。

 

東子「仕事好きだねえ。いつもあんなの?」

由利子「はい」

東子「ふ~ん」

由利子「大変な仕事やと思います。小説書くて」

 

東子「由利子ちゃんは何が好き?」

由利子「私?」

東子「うん」

由利子「あ、私は…」

東子がさりげなく由利子の肩についたゴミをとってあげてる。

 

由利子「洋裁…かな」

東子「ふ~ん。じゃあ、洋服作る仕事がしたいんだ。デザイナーとか?」

由利子「デザイナーなんて、そんな大それたこと…」

東子「え? でも好きなんでしょ?」

由利子「そら仕事にできたらうれしいですけど」

 

東子「じゃあ、やればいいのよ」

由利子「できませんよ…」

東子「え? 何でよ? やる前から決めてどうすんのよ」

 

由利子「あの…東子さんは証券会社辞めて着物作る仕事しようと思った時、迷いはりませんでした?」

東子「迷いがなかったと言えばうそになる。でもね、私は迷った時は面白い方を選ぶことにしてんの」

由利子「面白い方?」

東子「うん。単純でしょ?」

由利子「でも…大変なことも多かったんでしょ?」

東子「大変なのは当たり前だよ。だって簡単に手に入るもので面白いものがあるはずないもん!」

 

町子「あ、すいません」

東子「お疲れさま」

町子「え~、何の話、聞かせてもろてたの?」

東子「迷った時は面白い方を選ぶって話」

 

町子「あ、それは当たり前よね」

東子「あ、町子さんも?」

町子「もちろん!」

 

東子「あ、ねえ、明日、うちの仕事場に由利子ちゃん遊びに来てもらってもいいかな?」

町子「えっ?」

由利子「えっ!?」

町子「けど、ご迷惑やないですか?」

 

東子「ううん。ねえ、遊びに来てよ。面白いよ!」

由利子「いいんですか?」

東子「うん」

由利子「行ってもええ?」

町子「ほな、せっかくやから行かせてもらいなさい」

由利子「うん!」

 

翌日、由利子は東子の仕事場に出かけていきました。そして、一方…

 

工藤酒店

貞男「あ、あ…健さん健さん! ちょ、ちょ…ちょっと来て。ちょ…ちょっとええから。ちょ…ちょ…ちょっと」

健次郎「どないしたんや?」

貞男「聞きましたで。あのエディーとおりんさんのこと」

健次郎「あ…え…タエさんから?」

 

貞男「うん。いや、どないしよう…。うちのやつ、さっき飛び出していきましてん」

健次郎「え?」

 

少し前の出来事

タエ「ちょっと来て!」

俊平「え?」

タエ「佐和子さん借りるから映画館帰って仕事して!」

俊平「何でえな!?」

タエ「何でもええから!」

貞男「ええことあるかい! どっか行くんやったら、お前、ちゃんと説明してから行け!」

タエ「このままやったらエディーが…」

ここまで

 

健次郎「う~ん、そうか…。エディー君の泊まってるホテル行ったん?」

貞男「うん。いや『ちゃんともう一回おりんさんに会うてほしい』て言いに…」

健次郎「う~ん…。『ないしょにしといてほしい』て言われてたんやけどな…」

貞男「すんません。いや、止めたんやけど、どうしてもて飛び出してしもて…」

健次郎「まっ、そら、タエさんの気持ちも分からんではないけどな…」

 

貞男「あ…」

タエ「すんません。私、もういてもたってもおられんようになってしもて…」

健次郎「いやいやいや。で、どやった?」

タエ「会われへんかったんです。そやからホテルの人に手紙渡してもらうようにお願いしてきたんですわ。日本語よまれへんやろから佐和子さんに英語で書いてもろてね。ほんまはもっともっとお母さんといろいろ話したかったと思うで…。明日にはもう東京へ戻らはんねやて…」

 

夕方、応接間でテレビを見ている清志、登、隆。

 

茶の間

町子と亜紀が夕食の配膳をしている。

健次郎「由利子、まだか?」

町子「『晩ごはんまでには帰る』言うてたんやけどもね」

健次郎「ああ…迷惑かけてないやろな、吉永さんに」

 

テレビを見て笑っている子供たち。

健次郎「おい、ごはんやで、こっちおいで!」

子供たち「は~い!」

 

由利子「ただいま」

町子「あ、ほら、帰ってきた!」

由利子「ただいま」

町子「ねえ、どやった? 面白かった?」

由利子「うん」

 

町子「あ、そう! 晩ごはんよ。着替えてこっち座りなさい」

由利子「ごめん」

町子「あ…」

由利子「私…後でええわ」

 

健次郎「おい! 何や? あいつ」

町子「どないしたんやろ?」

 

由利子の部屋

思い悩む由利子。

 

ミニ予告

健次郎「分かってんのか? 由利子」

 

りんさんとエディーの再会はあるのか? 「芋たこなんきん」の世界だと会わないことの方が多い気もするなあ…。会ってほしいけど。

 

池内幸三が絡んでるとは面白い。

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