徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】岸辺のアルバム 第5話

1977/07/29 TBS

 

あらすじ

東京郊外の多摩川沿いに住む中流家庭。一見すると幸せそうに見える家族4人。しかし、実はそれぞれが問題を抱えていた。母・則子(八千草薫)は良妻賢母型の専業主婦。だが、見知らぬ男から電話がかかってくるようになる。はじめは知らん顔をするも、やがてその男と会うようになり…。父・謙作(杉浦直樹)は有名大学出の商社マン。しかし、実のところ会社は倒産寸前の状態だった…。娘・律子(中田喜子)は大学生。なかなかの秀才で大学も簡単に合格したはずだったが、ここ一年は家族に対して心を閉ざしている。やがて、アメリカ人男性と交際するようになるのだが…。息子・繁(国広富之)は大学受験を控えた高校生。決して勉強のできる方ではないが、心の優しい性格の青年だ。だが、両親や姉の異変に気付き、思い悩むことに…。

 

第5話

北川(竹脇無我)から浮気の提案をされた則子(八千草薫)は、もう会わない方がいいと思っていた。そんな中、則子は健作(杉浦直樹)の同僚の妻・時枝(原知佐子)と会う。

2022.8.3 日本映画専門チャンネル録画。

Will You Dance?

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このオープニングを毎週聴いてると、他のジャニス・イアンの曲が聴きたくなり、いろいろ動画を探しました。

At Seventeen

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これもいい曲だなと思った。寂しい感じなのがいいのかな~。

peachredrum.hateblo.jp

回想

北川「浮気の提案です。お互いの家庭は決して壊さない。絶対に秘密は守る。深入りは絶対しない。一方が『やめたい』と言ったときは直ちにやめる。電話します。あっ、よかったらこれ。じゃ、お先に」雑誌を手渡し帰っていく。

 

一人残った則子は、渡された雑誌を取り落とす。

回想ここまで

 

ダイニングでぼんやりしていた則子は、風呂上がりの「ハァー」という謙作の声に驚く。ビールをすすめるが断られ、冷たい水を出す。

 

川田から電話があっただろうと聞かれるが、昼間出ていたと答える則子。見舞いによく行くことを奥さんが喜んでいたというお礼の電話だったらしい。時枝の病状はあんまりはかばかしくない。時枝は入院して1か月。

 

則子が「ビールを飲むか」と聞いたことを気にしていた謙作。私がちょっと飲みたかったの、1人でなんて飲みたかないもんという。まあ、瓶ビールだしねえ…。布団に寝っ転がっていた謙作は起き上がって、1本つきあってくれた。優しいところもあるんだね。お互いコップに注ぎ合って乾杯。謙作はかなり疲れてる感じ。

 

時枝を見舞う則子。部屋はおとといから個室になったという。則子はお見舞いじゃなくおしゃべりに来てるだけだと笑顔を見せる。

則子「いろんなこと聞いてもらいに来てるんですもの。いつ来てもいてくれる聞き手なんて、あなたしかいないもの。退院したら困っちゃうわ、ウフッ」←無邪気だなあ。

 

時枝は「少し余分なカネが入ったから個室に移してやるぞ」と主人に言われたという。しかし、病状が重くなったから移されたのだと知っていた。変わらないと励ます則子。時枝は何か話がありそうだが、則子に先に話すように言う。しかし、則子も言い淀むと、時枝は、自分がすい臓がんであることを告白する。

 

そして、都立学園の駅から環7のほうへちょっと歩いていったほうに若い男がいると話し始めた。その男に会いたいのか尋ねると、「こんなさま見せたくないわ」と返す時枝。入院が急で相手男性は知らず、「おしまい」と言ってもらいたいと則子に頼んだ。病気のことは言わない。夫によくしてもらっているから決まりをつけないと悪い。

 

出来れば早い方がいいと言われ、則子はすぐに時枝の男だという二宮という学生に連絡を取り、バスに乗って移動。「草の花」というスナックで待ち合わせた。

 

雑居ビルの階段を上ってスナック「草の花」へ行った則子。カウンターに座っていた女性がマスターを呼ぶ。店の女の子? 客? 大きな胸をカウンターに乗っけている。則子の冷たい目線がいいわ~。

 

奥から出てきたマスターはパーマのかかった少し長めの髪と口髭でいかにもマスターって感じがするなあ。カウンターに座りコーヒーを注文した則子。そこに二宮登場。二宮は穂積ペペさん。

 

謙作の部下役の村野武範さんと穂積ペペさんは「飛び出せ!青春」では先生と生徒だったね。ドラマ自体見たことないけど、90年代あたりにとんねるずの番組に出てたから覚えてるのかもしれない。ウッチャンナンチャンとんねるずは少し上の世代で自分たちが見ていたドラマや映画のパロディをやってて、それで知った作品も多い。

二宮はカウンターに座り、カレーを注文。タバコを吸い始めた。則子は、よく来る店でこういう話をしていいのかと切り出すが、あまり気にしてない様子。おつきあいを終わりにしたいというメッセージを伝え、手紙を渡した。二宮はあっさり受け取って読もうともしない。則子は手紙を読んだうえで伝えたいことがあれば…というが、別にないとそっけない。

 

ようやく手紙を開け始めた二宮。その時、鏡に止まった虫を殺すマスターにハッとする則子。今はこういう演出ないね~。

 

封筒の中には1万円。同封された紙は白紙だった。二宮は「次は奥さん?」と則子に絡んできた。「奥さんなら安くしとくんだけどな」。則子は二宮を時枝の恋人だと思っていたが、二宮は金で買われていたらしい。

 

二宮「考えてよ。あんな太ったおばさんとさ、俺が本気でナニするわけないでしょ。なあ、マスター」

マスター「それ言っちゃあいけないよ」

女もニヤニヤ。奥さんなら半額でもいいという二宮に「なんてこと言うんですか! 失礼な」と怒る則子に、二宮もマスターも女もニヤニヤ。嫌な空間。二宮は今の痩せた時枝は知らないんだな~。

 

病室

寝ている時枝を見ている則子に目をつぶったまま「ごめんなさい」と謝る時枝。則子は二宮がどんなだったか聞かれ、「ガッカリしてたわ『寂しい』って」と答えた。時枝はその言葉を信じてはいなかった。「やめるときは誰かを紹介する」といってたから、何か言われなかったと聞いてきた。則子が二宮に絡まれたことも想像ついてたんだろうな。

 

時枝「ごめんなさい」

則子「いいのよ、もう。気にしないで」

時枝「もうじき死ぬんだから許して」

則子「よして」

 

時枝は後悔してないという。あのことがなかったら、私の一生ってなんだったんだろうって思う。結婚は見合い、主人は野暮天、心が湧きたつようなことがなんにもなかった。よく男を買ったねって自分を褒めてやりたいくらい。あいつを買ったときだけ血が燃えるような気がした。男を買うなんて薄汚い、惨めだけど、よく勇気を出して買ったねって自分を褒めてやりたい。誰にも言わないで死ぬつもりだった。嫌な思い出だったけど、ないよりはよかった。なんにもない人生よりはよかった。時枝の告白に則子はうなずくしかなかった。

 

帰りの電車で北川の言葉を思い出す則子。

 

お互いの家庭は決して壊さない。絶対に秘密は守る。深入りはしない。一方が『やめたい』と言ったときは直ちにやめる。そういう浮気の提案です。

 

田島家

シャワーキャップをかぶった律子が風呂に入っている背中がうつる。ま、今ならいらないお色気シーンだね。台所にいる繁とシャンプーがなくなったらちゃんと言わなきゃダメじゃないとケンカしている。明日初めての人に会うのに油臭くちゃ困る。においがするほど近寄らなきゃいいという繁に自分が悪ければ謝ればいいという風呂上がりの律子。則子はアイロンがけをしながら会話を聞いている。

 

律子や繁に「アイスクリームあるわよ」と則子がいうが、それぞれ部屋に引っ込んでしまう。繁の「FMとるんだよ」って懐かしい響き。ラジオ番組を録音するんだね。ダイニングテーブルで一人アイスクリームを食べる則子。

 

雨の降っている昼間。則子はゴミ出し?で傘を持って外へ。繁は「お母さん! いないの!」と叫ぶが、しかたなく電話に出る。しかし、相手から「失礼、間違えました」と切られた。北川さんだ~。2階から降りて来たのにといら立つ繁。

 

玄関先で傘を差しながらビール瓶を片づけていた則子に間違い電話だったと報告する繁。繁の声で「もしもし」と言っただけで間違いだったと切られたため、則子と会っている男じゃないかと聞く。ナイショで会うみたいでイヤだから会ってないと答える則子。

 

則子「学校行ったら? もう」

繁「午後からって言ってるじゃない。先生、ストやってるんだもん。行ったってしょうがないよ」

へえ~、スト。

 

繁が学校へ行った午後、則子は北川の勤めるレコード会社に電話していた。土手から女の子をおんぶしているおばあさんが則子をじーっと見ている(ように則子は感じた!?)。土手から1階が丸見えの家なんだよね。

 

北川「北川ですが」

則子「わたくしです。田島です。すいません、お仕事のところへ」

北川「いえ」

則子「私、もうやっぱりお目にかからないほうがいいと思うんです」

北川「ちょっと、ちょっとお待ち願えませんか」

則子「いいんです、さよなら」

 

電話を切った則子は、ダイニングテーブルで内職。再び電話がかかってきた。

 

北川「もしもし、田島さんですね? もしもし? もしもし?」一言も発さずに電話を切る則子。

 

スーパーで買い物中。棚の向こうに北川!?と思ったら人違い。帰り道、傘をさして歩く則子の後ろをスーツ姿の男が歩いてくる。早足になるが思い切って振り返ると「こんにちは。お買い物ですか」と近所の人だった。

 

夕刊を取りに行った則子は、手紙を発見した。

北川「夕刊をとる時間には、多分奥さんは1人だろうと判断して手紙を入れました。二度とこんなご迷惑なことはしません。ただ、あの提案は忘れて今までどおり会っていただけないかと思ったのです」

 

国鉄渋谷駅

 

北川「火曜日の2時から3時までルミエールに行っております」

 

茶店で向かい合う北川と則子。

北川「で…」

則子「え?」

北川「ドビュッシーなんていう人は川の流れとかそよ風とか、そういうものはとても音楽的だと言ってるんです」

則子「そう」

北川「日没もそうです。日が落ちていく、どんどん世界が変わっていきます。そういうものに音楽で応えようとする」

則子「ええ」

北川「それは絵でいえばつまり印象派なんですね」

則子「ええ」

 

北川「ハッ…どうも調子が出ません」

則子「面白いわ」

北川「いえ、無理に話してます」

則子「そんな…」

北川「やはり忘れてケロリと今までどおりというわけにはいきません」

則子「…」

北川「そんなにいけないことでしょうか。家庭を壊す気はないんです。子供もいます。それを捨てる気はありません。だからといって家内以外の女性には一切近づくなというのは不自然ではないでしょうか」

則子「…」

 

北川「そう、確かに水商売の女性はいます。しかし、そうではない女性に魅力を感じてはいけないのですか。奥さんの家庭を壊そうというのではないんです。もし多少とも奥さんも私に好意を持ってくださるんなら1度か2度そういうことがあっても自然なんじゃないか、そう思ったんです」

則子「奥様を裏切ることになりませんか」

北川「そんな大げさなことじゃないんです。浮気です。浮気の提案をしたんです」

 

動揺する則子。真面目な2人なのでそんな軽い感じにならないね。

 

北川「ご主人以外、考えたこともありませんか?」

則子「そりゃあ、あります。でも違うんじゃないかしら。主人とは20年の生活があります。いろんなことがありました。一緒に苦労してきました。古いかもしれませんけど、そういうこれまでの生活を汚すような気がしてしまうんです」

北川「何もしなければいいんですか? 何もしないで、ご主人の帰りを待って年を取っていけばキレイに生きたということになるんですか? 確かにキレイかもしれない。しかし、本当に満足ですか?」

則子「本当にって…どんな生活にだって…」

 

北川「よしましょう。議論をしてもしかたがありません。つまりは私が相手ではその気になれないと…」

則子「いいえ。ごめんなさい」

北川「ハッ…諦めたくありませんが、これ以上しつこくするのはいけないでしょう」

則子、うなずく。

北川「楽しい思いをさせてもらいました」

則子「わたくしのほうこそ」

北川「また私が先に出ます。さよなら」

則子「あっ…」伝票を押さえる。「これ、私が」

北川「いえ、せめて払わせてください」

振り向き、北川の後ろ姿を見送る則子。

 

田島家

謙作「♪なぜか忘れぬ 人ゆえに

涙かくして 踊る夜は」

緑の地平線

緑の地平線

  • 楠木繁夫
  • 謡曲
  • ¥255
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ソファで向かい合って、中田に「緑の地平線」を歌って聞かせる謙作。手拍子するでもなく真面目に聞いてる中田。謙作は酔っぱらっているのに、さらにビールを出す則子。

 

中田が大口の仕事を取ってきたことのお祝いだったらしい。「中田が繊維機械部のピカイチ!」と則子に紹介しても、さえない表情の中田。そりゃそうか。早く帰りたいよね。しかし、中田は則子には全部部長におんぶですよという。

 

お前は優秀、会社の方針にもあって上り坂だと絡む謙作。商売ってのはそんなもんじゃないぞ。素直に「はい」と返事する中田に、「『はい』って言うんだ、お前、すぐ『はい』って言うんだ。ところが全然聞く気がないんだよ」とさらに絡む。俺はお前を認めている。ほとんど好きだと言っていいんだと隣に座ってくる。

 

中田「僕も部長が好きです」

謙作「好きか?」

中田「はい」

何の会話だよ。則子も止める。

 

「部下にこんなこと言っちゃおしまいだ」と言いつつ、「泊まってけ」。まあ、「おっさんずラブ」的展開じゃないけどね~。「今日の俺は最低だな」と眠り込んでしまった謙作。寝室に運ぼうとした則子に「運びましょう」という中田だったが、「いいんです、大きいから」と言われると、あっさり「そうですか」と。手伝ってよ~。中田の荷物は茶封筒だけ!?

 

「3人家族」の時の雄一もかばんじゃなく出勤の時も茶封筒1つ持ってたような気がする。則子とすれ違った近所の人はスーツにかばんだったけどね。

 

そのままソファに寝ていた謙作を則子が起こした。夜中の2時に時枝が亡くなったという知らせが入った。今は病院の霊安室にいて、10時に団地のお葬式する所へ運ぶ。今は6時20分。夫婦で病院の霊安室に向かった。

 

川田、親友の堀越、時枝の弟がいた。川田は園田裕久さん。「マー姉ちゃん」で、「お金は使えばなくなるもんや」と言っていた村田さん。「マー姉ちゃん」がこのドラマの約2年後だけど、割とぽっちゃりしてるな。髪も黒々サラサラ。

 

川田は何度もお見舞いに訪れた則子にお礼を言った。川田夫婦はどちらも山口出身で今向かっている。

川田「あいつはその、私のせいで子供を持てず、私の母の看病で一生の大半を潰してしまいました。楽しい思いをろくにさせませんでした」

堀越「そんなお前…」

川田「旅行もろくにしなかった。母が寝ていたので2人で出かけることもほとんどなかった。母を亡くして、ほんの1年。1年足らずで入院してしまい、いい思いをさせてやることができませんでした」

堀越「奥さんはそんなこと不満に思っちゃいないって言ってるんだ」

謙作「ああ」

堀越「太ってたじゃないか。太ってニコニコ笑ってたじゃないか」

堀越ぃ~、太ってるとか言うな! 不満に思ってたんだよ! 謙作、堀越、則子も川田を慰めた。憔悴しきった川田。「しかし、寂しい一生だった」

 

荷物の中に病室で時枝が着ていた寝巻きを見つけ、ドキッとする則子。川田は泣きだし、則子は焼香をしながら時枝の言葉を思い出していた。

 

時枝「今、こうやってると、よく男を買ったねって自分を褒めてやりたいくらいなの。あのことがなかったら、私の一生ってなんだったんだろ。心が湧き立つようなことなんにもなかったんだもん。あいつを買ったときだけ。私、血が燃えるような気がしたわ」 

 

家に帰った則子と謙作は激しく愛し合う。事が終わって仕事の電話をしている謙作。「月産だろ? 月産小銃500丁、そのぐらい繊維機械部の総力を結集すれば他に負けないさ」

 

布団に仰向けになった則子は、時枝の「あのことがなかったら、私の一生ってなんだったんだろ。あいつを買ったときだけ。私、血が燃えるような気がしたわ。よく勇気を出して買ったねって自分を褒めてやりたいの」という言葉を思い出していた。

 

内職のミシン掛けをしていた則子。ちょっとしたことで指を切ってしまった。出来上がった商品を紙袋に入れて踏切の前に立つと、目の前には茶封筒を持ったスーツ姿の北川。電車が通りすぎると、北川の姿はなかった。また見間違い!?

 

則子は踏切を小走りで渡った。「北川さん」

振り向いた北川は小さく頭を下げ、則子のもとに歩いてきた。

則子「ごめんなさい」

北川「ご迷惑かと思って、回り道をしたんです。いけません。こんな所で会ってはいけない。この街では知らない人間にならなければいけません。土曜日の2時から3時までルミエールにおります」

すかさず約束を取り付ける北川さん。さっすが~!

 

台所で皿を拭いている則子に何を怒っているのか聞いてくる謙作。謙作はひとりで飲みたい気分なのに、いつまでも片付けしてウロウロされるのがムカつくらしい。勝手だね。

 

山一証券の看板が大写しになる空撮。

 

茶店

北川「ある国の散文が他の国では詩に変化するといったのはボーヴォワールですが、日本人の何気ない日常的なしぐさや会話が外国人にとってはエキゾチックだったり詩として受け取られることがあると思うんです」

則子「あるんでしょうね」何度もコクコクうなずいてるけど、気もそぞろな感じ。

北川「え?」

則子「いえ。あるんでしょう? その」

北川「ええ」

則子「フッ…そう思うわ」

 

北川「ハッ…で、あるヨーロッパの曲を僕たちが聴くのとヨーロッパの人が聴くのとどのくらい違うのかということをとても知りたくなるときがあると思うんです」

則子「あら」

北川「は?」

則子「止まってるわ」腕時計を気にしている。

北川「ああ、2時40分だけど」

則子「分解掃除したばかりなのに」

北川「全然?」

則子「ええ、全然」

 

北川、則子が腕時計している左腕をぐいとつかむ。「ああ、止まってるな」

則子「ええ」

則子の腕を揺さぶる北川。「秒針ゆすっても動かないな」

則子「ええ」

北川「掃除をしたばかりなのに止まるなんてひどいな」

則子「ええ」

触っていた手を離す。

 

北川「出ましょうか?」

則子「…」

北川「出ましょう」

則子「ええ」

ホテル街を歩いている二人。ええ~っ!?と思ったらつづく。

 

則子の理解者!?時枝さんが亡くなってしまった。子供いなくても旦那さん優しいんだしいいじゃないのとそういう単純な問題ではないのだろう。北川は別の人がやってたらなんだよ、こいつと思ってしまうけど、竹脇無我さんなんだもんなあ~。家庭を壊す気はないというものの、そんなに割り切れる2人という感じもしないね。