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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (32)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

小学校の遠足の日、突然の大雨で子供たちが山登りから帰らず、保護者が学校に集まっていた。陽一郎(川津祐介)は捜しに行くと言う雜賀(桂枝雀)を学校に残し、捜しに出る。純子(山口智子)たちが夜遅くまで学校で待っていると、全員無事で帰ってくる。雜賀が各家庭に謝罪に出向くと、もも(藤山直美)は何かあったらどうするつもりだ、と怒りが収まらない。雜賀は責任を取って学校を辞めると言いだし、陽一郎とけんかに…。

雨。純子が帰ってきた。昼過ぎまではあんなにええ天気だったのにと陽一郎が言う。3時半には帰る予定の昭と雄太が5時過ぎになっても帰ってこない。

 

久助も学校で心配。引率の竹中先生が山小屋で避難してるはずとあきに言う。

 

この日、6年生は臼ヶ岳まで遠足に行ったのであります。ところが突然の風雨に見舞われて…。

 

午後8時。純子が父兄たちが待っている教室に入ると一斉に視線を浴びた。久助が教室に入り、まず父兄たちに謝り、これから消防団員が捜してくれると言った。

 

また時間が経過し、机を端に寄せて床に座っている人々。陽一郎と恭子も教室に入ってきて、陽一郎は久助を励ます。いらだちを見せるもも。久助は頭を下げることしかできなかった。しかし戻ってきた消防団員は臼ヶ岳まで行ったものの子供たちには出会えなかったと報告した。本隊は二手に分かれて尾根の両側の谷を下りて捜索中。

 

教室にいた男たちも探しに行こうと教室を飛び出し、久助も行こうとした。それを止めたのは陽一郎。

陽一郎「校長は行ったらいかん」

久助「何やて? 校長はわしや。君の指図は受けん」

陽一郎「指図やない。道理を言うとるのや。校長いうたら司令官やないか。司令官は待ってなあかんのや!」

久助「待ってられへんやないか! 子供たちが遭難しとるか分からんのやぞ!」

陽一郎「そやからここにおらないかんのや! 僕は満州から逃げてくる時、団長やった。それやから言うわけやないけど団長は中心におらないかんのや。いざという時に全員に命令が出せる場所におらないかんのや。雑賀、つらいやろうけどここにおってくれ」

女「そうです。校長先生はここにおってもらわんと。なあ?」

陽一郎「僕らが行くさかい」

あき「あなた…」

陽一郎「大丈夫や。無理はせんさかい」

 

男たちは出かけていこうとし、純子も行こうとしたが止められた。

久助「十分、気ぃ付けて行ってくれ」

陽一郎は大きくうなずき出て行った。

 

午前4時。教室に残っていた人々のもとに子供たちが帰ってきたと知らせが届いた。道に迷って一の沢の方を下りていたという報告を聞く久助。引率の竹中先生は「校長先生、ご父兄の皆さん申し訳ありません。僕の責任です」と手をついて謝ったが、久助は「よう帰ってきてくれました! さあ」と立たせ「捜索隊の皆さん! ご苦労様でした!」と全力で頭を下げる。

 

昭と雄太も家族と再会。

雄太「面白かったよな」

昭「みんなで飴玉分けてしゃぶったったんや」と案外楽しそう。

 

「校長先生、うちの子、連れて帰らいてもらいます」といったももに「ちょっと待ってください。教室で点呼を取ります!」となあなあにしない久助がいい。

 

純子が出勤してくるとつやがいた。久助は一軒一軒子供たちの家を回っておわびをして、それが終わったら学校を辞めるつもりではないかとつやが言った。

 

牛山家でももの怒りをぶつけられる久助。臼ヶ岳の頂上まで行かなかったら雨に遭うこともなかった、11月で夕方になったらとても寒くなる、何でそんな時期に遠足を…うめやきんが止めるがももの怒りはおさまらない。

 

もも「もし何かあったらどうすんの。金太郎はうちの一人息子やで。亭主戦争で殺されて、この上、金太郎にもし何かあったら…。うちは未亡人やで。もう子供つくりとうてもつくれん!」

頭を下げるしかない久助

田丸「再婚したら子供ぐらいできららよ」

かき「田丸!(あまたを小突く)」

カッチーン!とキレたももは田丸を本気ビンタ! 田丸が悪い!!

 

夜。小野家にやって来た久助

久助「今度の遠足では僕が山を甘う見たことによって親御さんにえらい心配かけてしもてまことにすまんこっちゃった」

陽一郎「そらしゃあないやないか。誰にも予測でけんことや」

あき「そうです。結果は無事やったんですから」

純子「昭や雄太は疲れたけど面白かった言うてます」

久助「ま、とにかくこのとおりや」

陽一郎「それより雑賀。お前、責任取って学校やめるいうのはほんまか?」

久助「それ、誰に聞いたんや?」

純子「うちが興園寺の奥さんから聞きました」

久助「あ、そう…。いや、まあやめようと思てることはほんまや」

陽一郎「何でお前が責任取らなあかんのや。そんなこと言うたらほかのもんが迷惑するやないか。竹中先生かてやめなかっこがつかんようになるやろ」

久助「いや、責任は僕が取る。まあまあ前からやめようとは思てたんや。こんな時にこんなこと言うたらえらい不謹慎なようなけど、ええ機会っちゃええ機会や。いや、実はな僕はあの…。純子ちゃんは知ってくれてるけどずっと童話を書いてんねん」

陽一郎「それは純子から聞いて知ってはおるけど」

久助「うん、それでもうこれからひとつ童話一本でいこうと思て。まあせやな60ぐらいまではぼちぼちか。ハハハハハ」

陽一郎「うそや」

久助「うそ?」

陽一郎「童話やったら校長を務めながらでも書けるはずや。現にお前書いてるやないか。第一ものになるかならんか分からんような童話みたいなもんにこれからの人生を懸けるやなんて」

久助「童話みたいなもんとは何や?」

陽一郎「そやないか! お前には校長が一番似合うとるのや。定年まで立派に校長を務め上げるんがほんまの責任の取り方や!」

久助「いや! それなら言わしてもらうけどな、今度のことでは僕はやっぱり捜索隊に加わるべきやったんや」

陽一郎「お前…あの時、学校に残れ言うたんが気に入らんかったんか」

久助「気に入るとか入らんとかそんなこっちゃないねん。後悔してんねや」

陽一郎「お前、ほんまにアホやなあ」

久助「誰がアホや」

純子「お父ちゃん」

陽一郎「黙っとれ。ええか雑賀よう聞けよ」

あきはそっと純子を促してその場を離れた。

 

陽一郎「お前には何の落ち度もないんや。昨日のことは不幸な偶然やったんや」

久助「いや、やめる!」

陽一郎「分からんやっちゃなあ、お前は~」

久助「校長はわしや! わしの進退にお前の指図はいらんわい!」

陽一郎「指図やない! 忠告や!」

 

裏手にいたあきと純子だったが2人の言い争う声に再び戻る。

陽一郎「勝手にやめたらええのや。おう、やめろ! やめろ!」

久助「せやさかいやめる言うてるやないか!」

陽一郎「おう、分かった! 絶交や」

「こっちこそ絶交や!」と久助も返して家を出て行った。

 

風呂あがり、裸で見守る昭と雄太。

 

さあ、おかしなことになりました。純ちゃん、困りましたね。どうします?

 

声を荒げない穏やかな陽一郎さんが…。でも同等の友達の言い争いだからいいか。女性に怒鳴りつけるのとかキツイのよ~。早く仲直りしますように。