1944年 アメリカ
あらすじ
保険会社の営業マン、ネフは、ある日、自動車保険の更新に訪れた先で、夫に不満を持つ美しい夫人フィリスと出会う。ネフはフィリスと不倫の関係に陥り、生命保険金を手に入れようと殺人計画を企てる…。名匠ビリー・ワイルダー監督が、ジェームズ・M・ケインの小説を映画化。ハードボイルド作家レイモンド・チャンドラーと共同で脚色、バーバラ・スタンウィックの官能的な演技が絶賛され、フィルム・ノワールの古典となった傑作。
2021.2.16 BSP録画
最近、映画に飢えてました。この時代のアメリカ映画を見ると、日本と戦争してたんだよなあといつも思ってしまう。だけど、全く戦争の影がない。
夜、ネフという保険営業マンがオフィスに戻ってきた。エレベーターに案内してくれた男は管理人? ネフはデスクでキーズにメッセージを送る。
ロサンゼルス 1938年7月16日 ディートリクソンの倍額傷害保険の件は殺人だったと告白した。犯人を間違えていた。犯人はウォルター・ネフ。保険営業、35歳。独身。傷跡なし。金と女のために僕が殺したが、どちらも手に入らなかった。電話のようなものだけど、一方的に話してるから留守電!?
5月の終わりに自動車保険の更新にある屋敷に強引に入った。この家の主人のディートリクソンはおらず、妻は日光浴をしていたとバスタオルを体に巻いたまま出てきた。ワンピースに着替えた妻に保険の説明をする。主人そっちのけで美しい妻・フィリスにひかれるネフ。
オフィスに戻るとディートリクソン夫人から、夜の8時半ではなく、木曜午後3時半にして欲しいと伝言があった。忙しい時間だったが、フィリスのアンクレットにひかれて、家に行った。夫との不仲を匂わせ、夫に内緒で傷害保険に入れないか相談する。夫を殺したくて、そんな相談を持ちかけられたと思ったネフは怒って家を出た。
ムシャクシャして会社に戻らず、ボーリングして帰ったもののフィリスのことで頭がいっぱい。雨の降る夜、フィリスがネフの家を訪ねてきた。いつも夫に監視されてるみたいというフィリスに帰るべきだというネフだが、帰ろうとしたフィリスにキス。
フィリスの夫は油田業の重役で前妻との間にローラという娘がいる。ディートリクソンはローラを保険の受取人にしていて、フィリスとはろくに会話もないが離婚に応じてもらえない。
ネフはフィリスに出会う前から保険会社の社員として不正に目を光らせているうち、不正行為を思いつき試したくなっていた。
ディートリクソンに傷害保険に加入させた。フィリスの他にも保証人が必要でそれは娘のローラ。ローラは気の強い美人。
傷害保険には倍額特約が付いていて列車事故なら10万ドルが入るから、旅行には電車で行かせろとネフはフィリスにアドバイスした。
ネフはこれから出かけるというローラを車に乗せた。父親にはアンと会うと言っていたが、ニーノという医学部を単位不足で退学した男と付き合っていて、その男と会うところだった。
フィリスは毎朝11時にマーケットに買い物に行くので、ネフはそこで話をした。
6月15日の午後3時。ネフが2期連続営業成績トップだとキーズが知らせに来た。キーズは営業ではなく保険調査員か。
キーズがネフと話しているときに、フィリスから電話が来て足を骨折して松葉杖をついている夫が今夜電車に乗って出発するという知らせを受けた。
家に帰り、濃紺のスーツに着替えて歩いて出かけた。無人のディートリクソンの車の後部座席に乗り込み、二人を待つ。フィリスが運転し、ディートリクソンを乗せて出発。道を逸れ、フィリスがクラクションを鳴らすと、後部座席にいたネフがフィリスを殺した。この場面、フィリスの顔のアップとディートリクソンの苦しそうな声のみ。
松葉杖をついたネフがフィリスに伴われて列車に乗った。列車の最後尾の展望車に行くと、腕を折ったという男が話しかけてきて、ネフが追い払うために葉巻が欲しいというと取りに行った。ネフはその間に列車から飛び降り、付近まで来ていたフィリスの車に乗った。松葉杖を拾い、エンジンがかからないハラハラもありつつ、帰り道は保険会社との受け答えの練習をした。
裏階段から誰にも会わずに部屋に入り、アリバイ作りのためか駐車場で洗車をしている黒人男性と会話して、近くで買い物すると外に出た。完璧にこなしたと思ったが、ふと不安になり、自分の足音が聞こえなくなった。
事件が発覚し、早速保険会社の調査が行われた。フィリスが来社。社長とキーズとネフ同席の元、社長はフィリスにディートリクソンは自殺だと言い、フィリスは怒って帰ってしまった。
キーズは保険金を払うしかないと社長に進言。ネフも味方を得た気分になっていた。
しかし、夜にネフの部屋にキーズが訪れ、ディートリクソンが傷害保険に入ったにも関わらず足の骨折を申請しなかったことを不審に思い、殺人だと見抜いていたことを知った。廊下に出て斜め前の部屋に入って行ったキーズ。社宅?
保険会社を訪ねてきたローラ。ローラがネフを訪ね、父の死が何かおかしいと感じていた。6年前、母が亡くなった時も不自然に感じていたのと同じ。その時の看護師がフィリスで半年後再婚した。ネフはローラを励ますために食事に誘い、翌日の日曜日には海に行った。
月曜日、キーズに呼び出された。キーズはディートリクソンが列車に乗っておらず、遺体が線路に投げ込まれたことなど事件の全貌が分かったようだった。展望車にいたジャクソンを探し出し、話をした。ネフは背を向けていたため、ジャクソンにバレていなかったが、オレゴンに来たことあるか?と聞かれた。
ネフはマーケットにフィリスを呼び出し、キーズが見破ったから訴えるのはやめようと言うが、フィリスは最初から最後まで二人でやり遂げようと言った。
ローラと密会を重ねていたネフ。ローラはフィリスとニーノが手を組んでいると思っていた。ニーノが毎晩フィリスを訪ねていることをネフは知った。
翌日、キーズがフィリスが男と二人で訴えてきたと知らせた。全てバレたのだと思い、キーズの部屋を漁る。そこでキーズがネフを全く疑わず、フィリスには別の男がいたことを突き止めていた。
フィリスに電話をし、今夜会いたいと連絡をつけたネフ。全て片をつけようと思っていた。フィリスを訪ねたネフ。フィリスとニーノで仕組んだことで、ネフは保険に詳しいので利用されただけ。ニーノのせいになるようフィリスを殺そうとしたが、フィリスはニーノを利用したと言い出した。
窓を閉めた途端、フィリスに撃たれたネフ! 狙いを外していて、即死とはならなかった。フィリスに近付いたネフはフィリスの腹部に銃を2発撃ち込み、部屋を出た。ニーノに会ったネフは5セントを渡し、ローラに電話をかけるように言った。ここで最初のシーンにつながるのね。
留守電のようなディクタフォン(事務用録音機)で話しているうち、キーズがオフィスに入ってきた。俺に4時間くれと部屋を出たネフだったが倒れ、キーズが救急車を呼んだ。
フラフラのネフが僕も君が好きだとタバコを吸おうとしたが火がつけられない。キーズが火をつけた。(終)
フィリスは冷酷な美女。関係ないけど、日本でこの時代に運転免許証を持ってた人がどれだけいたんだろう? あまりに普通にフィリスが運転してたもんで。
どんどん破滅に向かっていくネフがちょっと気の毒になった。
Double Indemnity Official Trailer #1 - Fred MacMurray, Barbara Stanwyck Movie (1944) HD