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【連続テレビ小説】あぐり (58)「父の背中」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

あぐり田中美里)と健太郎里見浩太朗)が世津子(草笛光子)の店の二階で話し合っていると、淳之介を探して光代(星由里子)が上がって来て、鉢合わせになってしまい、エイスケ(野村萬斎)も含めて、勇造が望月組の後を継ぐのはそれでいいのか、ということについて話し合う。墓石屋の佐々木(尾藤イサオ)が、子供は親の思う通りにはならない、と口を出し、世津子たちも加勢するので、健太郎は光代たちの説得を諦めて…。

カフェ・セ・ラ・ヴィの舞台劇2日目。

 

2階

健太郎「わしがこれほど言うてもお前まだ奉公を続ける言うのか?」

あぐり「お義父様は美容師の修業を勘違いされてます!」

健太郎「勘違いとかそういう問題じゃないんじゃ」

 

1階

光代「エイスケ! こんなところあぐりが見たらどうするん?」

エイスケ「あぐりは美容院ですよ」

光代「そうとは限りませんよ」

 

エイスケが淳之介の姿がないことに気付く。淳之介は佐々木が抱いて2階へ。光代が淳之介を捜して2階へ。健太郎と光代が顔を合わせた。

 

健太郎、光代、エイスケ、あぐりは一つのテーブルにつき、あとはカウンターに座った。健太郎は勇造が東京の学校を諦めて望月組を継ぎたいと言ったことを受けて、エイスケの意志を確認した。

 

光代は健太郎が「お前が東京行くとわしは一人で寂しい」などと言い、勇造から言わせるようにねじ伏せたと指摘した。健太郎にとっては深い意味があって発した言葉ではなかった。

 

エイスケ「それは勇造の人生ですから。あいつが選んだ道ならそれでいいんじゃないでしょうか」。健太郎は勇造を気の毒に思い、エイスケに考え直すように言うが、エイスケは「悪いけど僕にも夢があります」。まー、これはなー、だったら勇造の夢を叶えるためにエイスケが夢を諦めればいいのか??

 

健太郎「謝るな! どいつもこいつも身勝手じゃ!」

佐々木「身勝手は旦那も同じだよね。子供には子供の人生があるんだから自分の思ったとおりいかねえからって怒っちゃいけねえな」

健太郎「他人のあんたは黙っててくれ」

佐々木「いやいやいやね、いや、うちのせがれたちもさ、みんな石屋継ぐの嫌だってみんな会社勤めしてるんだよ。でもしかたないよね。それも奴らの人生だからさ。子供が親の思うとおりにならねえのは世の常ですよ、旦那。そんなことより自分の人生考えた方がいいですよ」

ん~、昨日から登場の佐々木がいいこと言う!

 

世津子も佐々木の意見に同意し、健太郎と光代の間に入った。

健太郎「世津子、お前、いつからそんな世話焼きになったんじゃ?」

光代「まあ…」

健太郎「何じゃ?」

光代「『世津子』って言いなさったなあ。私初めて聞いたわ」

世津子「そりゃ芸者時代に一度は将来を誓い合った仲ですもんね」

光代「岡山に私という許婚がおったのに」

世津子「でもまあ結局許婚を選んだんですよね。でも言っときますけどね私はね御大の事も奥様の事もこれっぽっちも恨んじゃいませんよ。でなかったらここにいるできの悪いお坊ちゃまのお世話なんかしたしませんわよ」

 

双方謝ったら許してやってもいいくらいの態度。光代が家を出た理由とは。

光代「あなたはいっつも身勝手なんです。私の気持ちなんか考えた事ないんじゃから」

20年前の土建会社の旅行のお伊勢参りを楽しみにしてたのに、組合長とケンカして行くのをやめた。光代の学校の同窓会、旅行の日に限って病気やけがをして行けなくなる。チェリーまでうちの子供もそうだと参戦。エイスケが生まれたときに遊郭にいた話を聞くと、女性陣が一斉に光代の味方になった。

 

そこにまたしても佐々木。

「そうやっていがみあってばかりいた夫婦がね、死んでね、同じ墓に入るんだわ。骨壺が2つ並んでさ、墓の下に入るとね、どんな夫婦でもこれが仲よさそうに見えるんだわ。でもね、墓石の下で仲よくなっても駄目なのよ。やっぱり生きてるうちに仲よくしねえとさ」

 

健太郎「お前たちの考えはよう分かった。ああ。みんな勝手にすりゃあええ。わしは知らん。あぐりは髪結いになりゃあええ。エイスケは三文文士で野たれ死にすりゃあええ。光代…お前は勝手に暮らしゃあええ。だがのうこれだけは言うとくぞ。お前たちのそういう夢や身勝手がな勇造の夢を潰したんじゃ」

まーた、勇造の話はいいだろー!

 

健太郎は一人店を出ていった。健太郎の帽子を持って店を出る光代。「光代…。このところ何だか涙もろくなってのう…。年じゃのう。俺も古ぼけてきたなあ。お前も同じじゃ…。あんまり無理するな」光代に語り掛けて一人去って行った。

 

燐太郎は健太郎の背中が小さく見えたことで関東大震災のあと、エイスケを捜しまわっていたころを思い出したとエイスケに語った。あぐりは「お義父様かわいそう…」とエイスケの方にすがって泣き出した。

 

幼くして父を失ったあぐり健太郎を実の父のように慕っていました。それだけにその「父」が肩を落として寂しく帰っていった事がどうしようもなく悲しかったのです。

 

身勝手な人に振り回されてるのは勇造だけで、健太郎は身勝手側の人間だからなー。そんなにかわいそうに思わないよ。だったら望月組はおしまいじゃ!って言ってしまえばいいんだからさ。それか若い衆から抜擢するとかね。それはしたくないんだから仕方ない。

 

読み終わりました。今後のネタバレもあるので、最終回後にまとめて感想を書こうかな。

 

詩の世界は難しいね(^-^; 好きな詩は読みやすい詩です。淳之介もエイスケの詩も分かりづらっ! 淳之介自身も詩の才能はないと言ってました。エイスケの詩は若い頃のなんだろうけど、下ネタにしか思えなかった。

 

今後の出てきそうな話は置いといて、勇造や森のモデルになった辻潤の話も出てきました。

 

 現在、郷里の岡山に私の叔父(亡父の弟)がいて、祖父の職業である土木建築業を営んでいる。この人物は黒眼鏡を常用し、若いころは硬軟両派、中学を四校退学になり、岡山ではもうほかに学校がなかったので、名古屋の中学へ行った。この叔父がしばしば私に述懐して、

「わしも相当なもんじゃったが、どう頑張っても兄貴にはかなわなかった」と、言う。

 亡父のほうが見かけにソフトなところがあったので、その言葉はやや意外なのだが、本人が言うのだから間違いあるまい。

 

勇造は朝ドラ仕様だったんだねー。それでも家を継いだのはすごい。他のページにも叔父が他の親戚とも付き合いを断っているけど、エイスケ一家とだけつきあいがあるという話もありました。確かに、あぐりさんの本にもエイスケさんの弟の奥さんと話をしているエピソードがありました。

 

そして、森潤のモデルと思われる辻潤の話。

 

 氏がはじめて僕の家へ現れたのは、その年のはじめの寒い日だった。夕方、玄関で母の名前を連呼する大声が聞こえたかとおもうと、次の瞬間には見知らぬ老人が茶の間の入り口に立っていた。掘炬燵に入って本を読んでいた僕と視線が合うと、氏は、するすると炬燵へ入りこんでしまったのである。

 

父と息子の微妙な関係を感じられました。他にも興味深いところもあったけど、あぐりさんの本がサラサラ読めたのに比べると全体にはちょっと難しくも感じた。