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【連続テレビ小説】澪つくし(110)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

律子(桜田淳子)と神山(牟田悌三)が肩を落として歩いていると、陸軍将校になった小浜(村田雄浩)と鉢合わせる。律子が藁にもすがる思いで小浜に相談すると、小浜の尽力で権威ある検査所から、混入は認められないとお墨付きをもらう。英一郎(鷲生功)たちは行政訴訟を起こそうと盛り上がるが、かをる(沢口靖子)は警視庁の顔をつぶすことになるから、と止める。警視庁は非を認め、新聞が大々的に報じた結果、入兆は持ち直す。

 

 

「入兆」の醤油に防腐剤ナフトールが混入されているという報道が流れ、久兵衛は憤激のあまり心臓発作を起こして倒れた。

 

久兵衛はハマに新聞を持ってくるように言うが、奥様に叱られるという話をしているとき、かをるがやってきた。

 

山川の研究所でもカギタの試験場でもナフトールは出ず、「入兆」の醤油は混じり物なしと証明してくれた。それだけでなく貴族院議員の山川の会長が警視総監に電話をかけてくれる。じっと寝てられるかと立ち上がる久兵衛を寝かすかをるとハマだった。

 

山川=ヤマサ醤油

ja.wikipedia.org

濱口 儀兵衛(はまぐち ぎへえ)はヤマサ醤油当主代々に受け継がれる名前で、10代目浜口儀兵衛は大正14年から昭和14年まで貴族院議員を務めたとあります。

 

同業者による検査結果をもって警視庁衛生部の判断を左右するなどとんでもない。「入兆」の製品のナフトール混入は動かせない事実だと言うのである。

 

東京の街を歩く神山と律子は偶然小浜とすれ違う。律子は笑顔で話しかけ、喫茶店で相談。製造停止、販売禁止、在庫品は差し押さえの行政処分を受けている。警視庁は再検査を拒むので、もっと権威のある所で検査をやり直してもらいたいと言うが、小浜はそっけない。律子にフラれてるもんね。

 

律子「私たちは藁にもすがる思いで…」

小浜「自分は藁じゃありません。律子さんの嫌いな帝国軍人です」

小浜は軍人であることを誇りに持ち、律子たちが泊まっている旅館を聞き、隊へ帰って誰かに聞いてくれると言ってくれた。神山は脈なしと思ったけど、律子はきっと旅館に来ると確信。

 

律子の勘は当たっており、翌日小浜は旅館を訪ねてきた。小浜の助言で律子と神山は東京帝国大学医学部、内務省衛生検査所、東京工業試験所などへ問題の醤油を持ち込み分析検査を依頼した。ナフトールの含有は認められなかったのである。また、千葉県衛生試験場での検査結果も「入兆」の無実を証明した。

 

英一郎は行政訴訟を起こすと息巻くが、かをるは問屋ではよく樽の詰め替えをするから、防腐剤を入れることもあるのではと推測。製造元にとって一番大事なのは問屋で、取引先を失う恐れもあるから、訴訟はやめとこうという話になった。あらすじの警視庁の顔をつぶすことになると言うのともまた違うような?

 

しかし、問屋で勝手に防腐剤入れられたら味変わっちゃうんじゃ…? それはいいの?

 

律子と神山は「ナフトールの混入なし」とされた証明書を何通か持参して警視庁を訪れた。

 

あ、今日も塚田課長が出て来るならちゃんとオープニングで役者名を確認したらよかった。そして、今日登場した衛生部長の谷川は「はね駒」で浜田くにさんのお父さん役だった塚本信夫さん(こちらはちゃんとwikiに記載あり)。

 

分析に当たった2人の技師が「大光」と「徳善」の醤油からナフトールを検出したので、入兆の醤油も同様であろうと先入観を持ったのが誤認の原因。上司の指示に従わず、アルファ検査のみ行ってベータ検査を省いた。この話だとやっぱりナフトール混入はそもそもなかったという話になるんだよね?

 

行政処分は取り消し、文書をもって陳謝、入兆の醤油が上質であることを公表すると言ってくれた。ごめんなさいですむからお役人は気楽だと神山は言うが、衛生部始まって以来の大失態で、技師は処分を受けるし、衛生部長も進退伺を出した。

 

新聞記事

醤油屋の主人に

 謝った警視庁

    有毒品と誤認して

    差し押さへた約千個を釈放

 

検査の粗漏から

 毒入り醤油の誤認 

    「入兆」印千樽は無混入と判り

     警視庁衛生部に責任問題~

 

入兆印醤油押収に

 警視庁空前の失態

  粗漏の試験から有毒と誤認して

   製造元から突込まれ衛生部長~

 

販売までも禁じた

 不正醤油は優良品

   押収品は返還してヒラ謝り

    出鱈目報告の二技師は処分

     警視庁近来の大失態

  

見切れてるところもありましたが、大体こんな感じ。

 

醤油はどんどん出荷され、久兵衛も元気になった。英一郎はかをるを誉め、かをるは律子を誉めた。英一郎は特にかをるの全体を見る力、決断力を誉めた。

 

久兵衛は外川での3年間が無駄じゃなかった。網主のおかみとして修羅場をくぐりぬけてきたからだと言った。

久兵衛「英一郎にも他人の飯食わした方がいいかもしれんな」

英一郎「そう言うだろうと思った」と朗らかに笑ってたけど、ホント、別のところで働くというのはまじめにそうしたほうがいいのかもしれない。

 

おしん」では自殺、倒産するほどの騒ぎになった商品相場での失敗が、「澪つくし」界ではなんだかんだどうにかなってるというのがすごい。

 

新聞が警視庁を攻撃し、「入兆」の品質が上等だと書いてくれているのが宣伝になり、注文も殺到している。警視庁も潔く非を認めて謝ったのだから警視庁の態度も立派だというかをる。全方向に配慮してるな~。

 

さらに久兵衛の名前で新聞広告を出したらどうかと提案した。醤油がだんだん好きになってきた、天然醸造にこだわる理由も分かりかけてきたというお父さん世代には嬉しいことを言いまくるかをる。こりゃ親世代の人にはかわいくてたまらないヒロインだろうと思う。

 

律子は小浜と再会していた。小浜は現在、歩兵第一連隊の隊付将校。

律子「あなたも変わったけど、私も変わりました」

小浜「どう変わったんです?」

律子「フッ…さあ…」と意味深な笑顔を浮かべる。律子は顔は関係なく自信がある人が好きなんじゃないか? 

 

www2.nhk.or.jp

朝ドラのプロデューサーの座談会(2009年)。「おしん」「はね駒」を担当された小林さんがいるので、その作品の話も出てくるけど、たまにネットで文章が引用されてた元ネタがこれだったのかと初めて分かりました。なかなか読みごたえがあるし、「澪つくし」の話もちょっとだけ出てきます。