徒然好きなもの

ドラマの感想など

【連続テレビ小説】本日も晴天なり(4)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

正大(福田勝洋)の入営の前日。宗俊(津川雅彦)が町内に赤飯をふるまうと聞き、金太郎(木の実ナナ)が「中味は小豆」のお手玉を山ほど買い集めてきた。温かい心づかいに気丈な母のトシ江(宮本信子)もつい涙ぐむ。元子(原日出子)は正大に女子放送員の試験のことを打ち明ける。今は好きなことは何も出来ない時代だから、やりたいことは積極的にやった方がいいという正大。宗俊は自分が何とか説得すると請け負ってくれるが…。

吉 處物染御

 

店の看板。反対に読むんだよね。

 

さあ、明日が正大の入隊というその日は、ご近所の女衆が張り切って朝から集まっているというのも土地柄でしょうか。

 

小芳「やっぱり書いたのとは違うねえ」

みんな”祝す入営 桂木正大君”の旗を縫っている。

キン「何たって旦那の気合いの入れ方が違ったもんねえ」

 

金太郎「こんちは」

一同「ああ、いらっしゃい」

金太郎「いいお湿りねえ。わあ~! まるで戦争だわね」

キン「ああ、戦争だとも。若旦那にどんどん敵をやっつけてもらわなきゃならないもん」

金太郎「よっ、おキンばあさんの威勢のよさ!」

百合子「ちょっと見りゃ分かるでしょ。みんな忙しいんだから冷やかしならやめといてよ」

絹子「百合子さん」

金太郎「いいのよ、いいのよ。この人のシ(ヒ)ステリ―には慣れてんだから」

百合子「何ですって?」

金太郎「おっといけない。システリーは敵性語だっけかな」

百合子「ちょっと金太郎さん!」

 

いきなり台詞一杯で特に説明なしの百合子さん。近所の奥さんらしいから友男さんの奥さんだろうか? オープニングで名字が出てこないからねえ。

 

金太郎「ごめんねぇ。私、あんたの相手をしてる暇(しま)ないのよ。ねえ、おかみさん、お宅じゃ明日の朝、赤いごはんを町内中に配るっていうの、あれ本当?」

トシ江「うん、まあ、どのぐらい配れるか分かんないんだけど、うちの人が目ぇ三角にして言うもんだから、仕事用のもち米なんですけどね、一応そのつもりではいるんですよ」

金太郎「で、あの…小豆は?」

小芳「それで頭が痛いんだよ。ゆうべっからうちの人、駆けずり回ってんだけど、当節、小豆なんて手に入るわけがないよ」当節って寅さんがよく言ってたような。

キン「何しろね、ろくすっぽ色のついてない赤飯だなんて、あたしゃ、この年になるまで見たことないしねえ」

トシ江「大丈夫よ。こっちの区切りがついたところで、私、心当たり頭下げて回ってくるから」

 

金太郎「よかった~。そんなこっちゃないかと思って、ほら!」

絹子「あら! お手玉じゃないの。ちょっとどうしたの? こんなにどっさり」

金太郎「お手玉の中身は何だったかなあ?」

小芳「あっ! 小豆!」

金太郎「ねっ? 頭は生きてるうちに使えってさ。(講談調)はたと気付いた金太郎ねえさん。朝から子供のいるうちを駆け回り、構わないから1個5銭で買いあさってきたという次第でござそうろう」

百合子「まっ、1個5銭!?」

金太郎「まあさ、おおかたひねた小豆ばっかりだろうけど、今からひたしておけばなんとか使えんじゃないかね」

トシ江「ありがとう、金太郎ねえさん。色のついてない赤飯なんて、何だか正大の陰が薄くなるみたいでね、気にしてたのよ、私」

金太郎「バカなこと言わないで」

トシ江「本当に何てお礼言ったらいいか、私…」涙をぬぐい、頭を下げる。

金太郎「まあ、ちょいとよしてくださいな。でも、大丈夫かなあ?」

キン「大丈夫ですよ。今から浸しとけばね」

小芳「はい、はいはい」桶を持ってくる。

キン「このおキンばあや、意地でも真っ赤な赤飯炊いてみせますわ!」

絹子「恐れ入ったわ、金太郎さん。私たち子供がいないから気ばかり焦ってたんだけど、お手玉とはとんと気が付かなかった」

金太郎「ちょいとやですよ。この金太郎さんだって子持ち芸者じゃありませんってばさ」

絹子「あら、本当だ。アハハハ!」

キン「ちょっと、ちょっと、ほら、見てごらんなさいましよ。この色艶のいい小豆」

 

この半年後には疎開児童がひもじさに持っていったお手玉の小豆を生のままかじって飢えをしのいだという切ない実話が生まれるのですが…。

 

こういうのをぶっこんで来るのが小山内脚本って感じだなあ。切ない…。

 

金太郎「で、若大将は?」

トシ江「お墓参りに」

金太郎「それじゃ、宗俊旦那もご一緒?」

トシ江「うん、ちょっとね…」

絹子「寝てるのよ」

小芳「というのは口実。例の病気なんですよね、おかみさん」

トシ江「威勢のいいのは口ばっかり。どうしようもなくなると、お布団ひっかぶっちゃうのはお得意の巻なんだから…」

 

風鈴の音

宗俊「なにがチリリンでぇ…。はあ~、人(しと)の気も知らねえでよぉ…」布団はかぶってないけど、畳に寝っ転がっている。

 

お墓

正大が手を合わせ、その後、学帽をかぶる。後ろには元子が立っている。セットのお墓じゃなくどこかの墓地。

正大「行こうか」

元子「うん」

ヒグラシの声が聞こえる。

元子「でも、お兄ちゃんにあんな人がいたなんて、私、びっくりしちゃった」

正大「おかげで思い残すこともなくなったよ」

元子「変なこと言わないで」

 

正大「ところで何だい?」

元子「え?」

正大「代わりに頼みたいことがあるとか言ってたじゃないか」

元子「うん…」

正大「言ってみろよ。俺にできることなら力になるよ」

 

元子「私、放送局受けたいの」

正大「放送局?」

元子「うん」

正大「だからって、お前はあと1年あるじゃないか」

元子「でも、卒業したところでやっぱり女子挺身隊でしょう? そりゃあ非常時だから働くのは当然だけど、でも、できることなら自分のやりたいことでお国のために役に立ちたいわ。女子放送員は私の夢なのよ」

ja.wikipedia.org

正大「で、その女子放送員ってのは何なんだ?」

元子「アナウンサー。でも、敵性語だから女子放送員」

正大「フッ、くだらないね」

元子「どうしてよ?」

正大「いや、言葉にこだわるってことがさ」

元子「じゃ、放送員そのものは賛成してくれる?」

正大「ああ、お前がやりたいのならやってみなよ」

元子「ああ…やっぱり私のお兄ちゃんだ」

正大「よ~し、できるだけ援護射撃はしてやるよ。好きなことは何もできない時代だけど、それだけにやってみるだけの価値はあるさ。自分は生きてるって証しのためにもね」

 

元子「それに私、もう願書出しちゃったんだ」

正大「え?」

元子「だからお兄ちゃんにあれほど後押ししてもらったのに中退になるっていうことだけが申し訳なくて…」

正大「俺だって中退と同じだよ」

元子「でも、お兄ちゃんのは帰ってくれば、また復学できるんでしょ?」

正大「ああ…」

元子「お兄ちゃん」

正大「大丈夫だよ。第一、女子大や専門学校から大勢受けるんだろ? 受かるかどうかだって分かりゃしないじゃないか」

元子「本当だ。どうしよう?」

正大「フッ…ハハハハッ!」

 

とはいえ、あんちゃんが援護射撃を請け合ってくれたものの、攻撃目標である、おやじの宗俊の方がなぜか正大につけいる隙を見せません。

 

ちゃぶ台2つに一つは正大、宗俊、友男、幸之助、芳信の男性陣。もう一つは金太郎、小芳などの女性陣が座っている。手伝いの女性か見慣れない女性たちが数人。

 

♪進軍ラッパを聴くたびに

瞼に浮かぶ旗の波

露営の歌

露営の歌

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友男「めでてえ、めでてえ。こんな結構な入営祝い、一体(いってえ)何年ぶりかな?」

幸之助「そのとおりだよなあ。しかし、お国のためとは言いながらよ、こう品物(しなもん)が窮屈じゃなあ、景気よく送り出すこともできねえよな。送り出しが景気悪きゃあ、ドンパチの方だって、自然、景気が悪くなるって寸法じゃねえかよなあ」

小芳「お前さん!」

幸之助「何だい!」

小芳「もうそんなことでっけえ声で言うもんじゃねえよ」

幸之助「でけえ声も小さい声もあるもんか。バカ野郎。赤紙一枚で呼び出すんだよ。え? え? 悔しかったら、お前、陸軍省だってデ~ンとこもかぶりの一つぐらい特配したらいいんだ。ハッハッハッハッハ!」

芳信「悪い酒だねえ、秀美堂さんも」

小芳「もう、そうなんですよ! これじゃ、祝いに来たのか、祝い酒目当てに来たのか!」

幸之助「何だとこの野郎! 俺はまあちゃんのためにだなぁ…」

 

宗俊「いいからいいから、お前はもうあるだけジャンジャンやってくれ」

金太郎「明日の分はいいんですか?」

宗俊「明日は明日の風が吹かぁ。底つきゃあ繰り出しゃいいんだ。繰り出しゃあ」

友男「何を言ってやがんだ。表は灯火管制なんだよ。どこへ繰り出すとこがあるんだい」

宗俊「バカ! そんなこたぁ、てめえの頭で考えろ」うちわで叩く。

友男「ハッハッハッハッハ」

 

正大「まあまあ父さん」お酒を注ごうとする。

宗俊「動くなっつったろう! お前は今夜はお飾りなんだから。うん? 明日はおめえ、皇軍ってぇもんになるんだから、え? ダ~ンとうろちょろしねえでデ~ンとそこへ座ってろ」

正大「けどさ…」

芳信「言うこと聞いてやんなよ。当分、親孝行もしてやれねえんだから。なあ? なあ、みんなそうだろ?」

 

荒谷二中の校長が伊東先生と会話してる~。

 

幸之助「おいおい。そういう湿っぽい話は言いっこなし!」

友男「そう、この際だ」

幸之助「おい! 金太郎」

金太郎「はいよ」

幸之助「おめえ、だてに三味線抱えてんじゃないでしょ?」

金太郎「いけない!」

小芳「ねえさん!」

女性陣が拍手。

金太郎「弾きますよ」

 

台所

巳代子「あんちゃんは私たちのあんちゃんなのよ。いいかげん気を利かせてくれないかしら」

元子「そうよ。母さんとだっていろいろ話したいこともあるはずなのに」

トシ江「な~に、顔さえ見えてりゃそれでいいんだよ。あとは特別に話があるわけじゃないし」

元子「それにしても無神経よね。遠慮も何にもないんだから。こういう時の下町ってたまんないわ、私」

トシ江「いいんだよ、これで」

元子「どうして?」

トシ江「うん…? だってさ、誰も来なくてさ、私たちだけでいてごらん。いざとなったら体に気ぃ付けてぐらいしか言うことなくて、あとはめそめそ湿っぽくなるのがオチだもの。ねえ、おキンさん、あんたの息子さん時もこうだったわよね」

キン「はい。おかげでせがれも笑って出ていきましたしね」ずーっとナスを切りながらの演技。

 

元子「それにしても大丈夫なのかしら? 父さん」

トシ江「ん? 何が?」

元子「まるでやけくそじゃないの。あんなに飲んで明日起きられなくなったらどうするのよ」

トシ江「いいじゃないの。これも語りぐさになるかもよ」

巳代子「母さんったらよくも平気でいられるわね」

キン「しかたないんですよ。今更ジタバタしたって」

トシ江「ねえ…」

 

元子の心配どおり、とうとうその晩は宗俊のごう沈でお開きになり、女子放送員の話は空中分解の運命となったのであります。

 

寝室

いびきをかいて寝ている宗俊。トシ江は明かりを消して、蚊帳を広げる。

 

茶の間

トシ江「あんたたちも早くおやすみなさい。明日は明日で早いんだからね」

元子「大丈夫よ、一晩ぐらい徹夜したって。ねえ?」

巳代子「うん」

正大「とにかくあとのことは頼んだよ」

元子「うん」

正大「何かあってもお前が長女なんだからね」

元子「大丈夫よ。そのかわり、きっと元気で帰ってきてよ」

正大「ああ。そのつもりでいるけどね」

巳代子「あんちゃん!」

正大「僕はどこへ持っていかれるか分からないけど、これからは内地も厳しくなるだろうって、ある人が言っていた」

巳代子「厳しいって…?」

正大「敵は機動力が違うからね。サイパンは取ったし、あとはジリッジリッと本土への距離を縮めてくるだろうって」

トシ江「まさか…!」

正大「だから、僕は母さんたちを守るために戦争に行くんだけど、母さんたちも十分、体に気を付けてください」

トシ江「正大…」

 

元子「そうだ! 千葉へ行ったらいいのよ。大原さんの所へ」

正大「大原? 大原って大原先輩のことかい?」

元子「やだ、騒ぎで言うの忘れてたわ、私たち」

トシ江「そうだったね。大原さんね、千葉の機甲部隊にいるんだってさ。この前、ひょっこり見えられてね、明日はきっと見送りに来てくださるって」

正大「本当! ああ、懐かしいなあ!」

元子「ねえ、本当に大原さんの部隊に入れるといいわね、ねっ」

巳代子「うん、そしたらちょいちょい面会にも行けるしさ、ねっ」

トシ江「そうだね。そうしておもらいよ」

正大「はいはい。できるだけそうお願いしてみましょ」

笑い声

 

とは言うもののそんなことはとてもできないというのは百も承知のみんなです。

 

正大「ところで母さん。元子のことだけど…」

トシ江「ああ」

正大「僕から父さんには言いだす機会がなかったんだけど、こいつの女子放送員のこと、なんとか父さんに承知してもらうように頼んでやっていただけませんか?」

トシ江「ああ、分かってるよ」

正大「明日の朝、折があったら僕からちゃんと話しておくつもりだけど、また後でゴタゴタ言いだした時には元子も母さんが頼りだから」

トシ江「ああ」

巳代子「それに私もついてます!」

元子「はいはい、よろしくお願いいたします」

正大「とは言っても、まだ受かるかどうか分からないぞ。これは万が一、受かった時の話だぜ」

元子「ひどいわ、万が一だなんて…」

正大「いや~、だからさ、それまでは隠密作戦でいけばいい。なっ? 受ける前から騒がれては事だろう」

元子「では、そういうことでまいりますので受かった時はどうぞよろしくお願いいたします」

巳代子「はい」

頭を下げてちゃぶ台に額をぶつける元子。みんなで笑う。

 

ザ・朝ドラという感じがして私は好きだな。「マー姉ちゃん」の三吉君はフラグ立てまくってたけど帰ってきた。しかし、あんちゃんは何だかざわざわするな~。もう本人は戦局がかなり悪いことなど分かってる感じがするのも何とも切ない。

 

書き起こして分かるけど、金太郎、幸之助、小芳などKのつく名前の人、元子、正大、巳代子とMのつく名前の人…小山内先生のこだわりなのかな。「マー姉ちゃん」のマリ子、マチ子は本当の名前だけど、ウラマド姉妹のマドカとか三郷さんとか道子とか、やっぱりMの名前の人(三郷さんは名字だけど)が多かった。だから、何?だけど。

【ネタバレ】ムーンライト

2016年 アメリ

 

あらすじ

学校でいじめられていた少年シャロンは、ある日、麻薬ディーラーのフアンに助けられる。“自分の道は自分で決めろ”と生き方を教えてくれたフアン、そして同級生のケヴィンだけが彼にとって心を許せる友人だった。高校生になったシャロンとケヴィンは、月明かりの下で初めてお互いの心に触れる。

2022.1.6 ムービープラス録画。アカデミー賞作品賞にひかれて録画したんだと思う。

 

1.リトル

冒頭からカメラがグルングルン回る演出で見づらい。

 

回想? いじめられている少年が家に逃げ込むが、しつこくドアを叩かれる。ベニヤ板?を貼り付けた窓を剥がされ、家に入ってきたのは最初に出てきた青年だった。あれ? 回想じゃないのか。青年はフアンというヤクの売人で少年を恋人のテレサと暮らす家に連れて行く。

 

少年はシャロン。あだ名はリトル。テレサが食事を提供してくれた。翌日、フアンが車で家まで送った。シャロンが逃げ込んだのは麻薬地区の廃墟。あれ、自宅じゃないのか。

 

母・ポーラは帰らないシャロンを心配していたが、家に入ったシャロンがテレビを見るのは禁止した。

 

紙で作ったボールで遊ぶ子供たち。その輪から抜けたシャロンについてきたケヴィン。ケヴィンはいじめられているシャロンを気にかけていた。

 

フアンの家に行き、海に連れて行ってもらい泳ぎ方や黒人の歴史を教えてもらった。フアン役のマハーシャラ・アリの顔、見覚えあるなと思ったら、「グリーンブック」のドン・シャーリーか。全然違う役柄。

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フアンはシャロンに人生は自分で切り開かねばならないと教える。

 

ある夜、フアンは車中でシャロンの母親がヤクをやっているところを見てしまう。フアンの手下からヤクを買っていたことにショックを受けるフアン。

 

翌日、フアンを訪ねたシャロンシャロンは“オカマ”とは何かと聞く。フアンはゲイを不愉快にさせる言葉だと教えた。シャロンはさらにフアンがヤクを売っていることに気付き、フアンの家から出て行った。

 

2.シャロン

成長し、高校生になったシャロン。今もオカマといじめられていたが、ケヴィンとは変わらず友達。

 

家に帰ると、今夜は客が来るからとポーラに追い出されたシャロンはフアンの家へ。テレサが食事を出してくれ、いつでも家に来てと言った。

 

翌朝、ポーラは昨日のことはなかったみたいにシャロンになぜ帰って来なかったか問う。シャロンにお金をせびるポーラはニセモノの母親のテレサがお金をくれただろうとシャロンのポケットをあさる。

 

フアンは死に、ポーラはヤク中の売春婦。それをいじめっ子たちも知っている。

 

電車に乗ったシャロンは夜の街を歩いて、浜辺へ。ケヴィンが声をかけてきて、一緒に麻薬を吸う。そしてキス。お! ケヴィンが車で家まで送ってくれた。家に帰ると、ポーラがソファで寝ていて、シャロンが毛布をかけた。

 

いつもシャロンをいじめているテレルが、ケヴィンが以前やっていた倒れるまで殴るゲームを最近やってないんじゃないかと話しかけた。自分がターゲットを選ぶと言ったテレル。

 

選んだのはシャロン。ケヴィンに何度殴られても立ち上がるシャロン。倒れたシャロンをテレルたちがさらに踏みつけた。ソーシャル・ワーカーとの面談で何も話さないシャロン

 

翌日、教室に入ったシャロンはテレルの背中を椅子で殴りつけた。倒れるテレル。シャロンは逮捕され、ケヴィンがパトカーに乗ったシャロンを見送った。

 

3.ブラック

さらに成長したシャロンは筋骨隆々、口から見える歯が全部金歯のヤクの売人になっていた。アトランタに住んでいるシャロンにポーラから顔を見せてほしいと電話があった。また電話が来たので出ると、テレサから連絡先を聞いたというケヴィンからだった。謝りたいというケヴィン。今は料理人で料理を食べさせるという。

 

ポーラに会いに行ったシャロン。ポーラは薬物治療施設で仕事しながら暮らしている。私みたいなクズにならないでと涙ながらに話し、謝る。

 

車を走らせ、暗くなる頃、レストランに入る。カウンターに座るシャロン。ケヴィンは正面から顔を見て、ようやくシャロンと気付く。ケヴィンから“シェフのおすすめ”を勧められた。

 

ボックス席に移動してケヴィンも向かいに座り、一緒に飲む。食事の前に歯を外してた。マウスピースってやつか。

 

1杯飲んだケヴィンは仕事に戻り、シャロンは食事をする。また席に戻ってきたケヴィンはサマンサという女性との間に息子がいるが、サマンサとは別れたと話した。ケヴィンも刑務所に入ったことはあるが、ストリートに戻りたくなくて料理人になった。

 

今は売人であることを正直に話したシャロン。信じられない!というリアクションのケヴィンは席を立ち、他の客の会計や片付けをした。また席に戻ったケヴィン。ジュークボックスでバーバラ・ルイスの「ハロー・ストレンジャー」をかけた。

 

シャロンの車にケヴィンが乗る。酒飲めないって言ってたし、シャロンは飲んでないっけ? ケヴィンの家に着いたシャロンは飲み過ぎで頭痛いって言ってるよ。

 

お前は何者だ?と尋ねるケヴィン。俺は俺だというシャロンアトランタで生まれ変わり、鍛え直したと語る。ケヴィンは周りに流されて生きてきたが、今は息子がいて、仕事があると語る。

 

シャロンは俺に触れたのはお前だけだと話す。ケヴィンは笑顔を見せる。

 

夜の海に佇むシャロンの子供の頃。(終)

 

わかりやすいストーリーじゃないと理解できない頭なんだな〜。アカデミー賞作品賞には今後騙されないようにしよう。

 


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【連続テレビ小説】本日も晴天なり(3)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

宗俊(津川雅彦)は正大(福田勝洋)の入営を祝うのぼり旗作りに打ち込んでいる。訪ねて来ていた大原正道(鹿賀丈史)に上機嫌でうんちくを並べている。入営まであと2日、ようやく正大が北海道の大学から帰ってきた。元子(原日出子)は、池内千鶴子(石井めぐみ)から預かった手紙を正大に渡す。しかし、渡された手紙をみて正大は一瞬表情を曇らせる。お節介やきの元子は、兄の入営前に二人を会わせるためひと肌脱ぐのだが…

作業場

宗俊「今ぁ、やつの旗ぁ染めてるとこなんだがね、これが本染めの藍だ。正大のやつもね、ガキの時分には、ここで遊んでて一度や二度は、こん中へ転げ込んだこともあったっけが、ハハ。染めってえのはね、大原さん」

正道「はい」

宗俊「いきなり生地こん中へたたき込んだって、これは本物に染まりゃしねえ。生地を煮たまま2日ばっか置いといて水でゆすぐんだ。今度はね、時間がねえんで2日も置いとけなかったんだ。この彦造じいさんがやってるのがゆすぎだ。それを畳み上げて水を切って乾かし伸子(しんし)を張ってからごいれだ。ごはね、大原さん」

正道「はい」

宗俊「豆の汁だ。こいつを生地にしいてやらねえと染めにムラが出るんだ。彦さん、ごはどうした?」

彦造「知れたことよ。念には及びませんぜ」

宗俊「ハハハ、そう来なくてよ。ごはね、大原さん」

正道「はい」

宗俊「加減が物を言うんだ。そりゃもう、うるせえ橘家でも6代目でも所作もんに使う手拭いはだな、これは色がさえてるからって吉宗意外にあつらえたことがねえんだ。いや、歌舞伎だけじゃねえよ。粋筋のねえさん方にしたって、これは目が高えやな。浴衣に手拭いは店のもんでなきゃ、夜が明けねえって騒ぎだ、ハハハハ…」

 

トシ江「ねえねえ、それくらいにしないと大原さんだって、お忙しいお体なんだしね」

宗俊「おう、そうだった。あっしはてっきり南方の方にでも飛ばされちまってんのかと思ったら、千葉の部隊だって?」

正道「はい」

宗俊「あ~、そりゃよかった。正大は佐倉へ入(へえ)るんだが、またあんたの部隊でも行ったら、ひとつ中学ん時と同様、よろしくお願いしますですよ」

正道「はい」

トシ江「ねえ、大原さんにお茶が入ってるんだって」

 

宗俊「よし、次はな茶ぁ飲みながら教えることにして、型ぁ置いてのり置きだ。こののりはね、もち米でなきゃいけねえ。もち米ね…おい!」

トシ江「え?」

宗俊「取っときのもち米あったよな」

トシ江「ええ」

宗俊「よし、構わねえから、それで赤の飯炊いて送りに来た連中に振る舞うんだ」

トシ江「何言ってんですよ。あれは業務用に配給になったのを少しずつ取っておいて、よんどころない染めの時に使うんだって、お前さんが防空ごうの中に入れた…」

宗俊「うるせえ! 俺の正大が兵隊に行くんだ。これほどよんどころねえ出来事が二つとあってたまるか! いいから出征の朝には町内に赤飯(あかめし)配って歩くんだ!」

 

正道「あの、まことに申し訳なくありますが…」

宗俊「へ?」

正道「約束した時間がありますので自分はこれより帰ります」

宗俊「へいへい」

正道「4日の日には見送りに是非伺うつもりですが、武運長久を祈ります」

宗俊「へい」

 

怒涛のお仕事紹介! 「澪つくし」でも醤油づくりのほかに、大漁旗づくりの見学に行ったり、ヌタを作ったり…社会科見学みたいなこういうシーン、結構好きだ。昔の朝ドラは地元の産業を紹介してたよねえ。

 

とはいうものの、宗俊が首を長くして待っていた正大は、その日もその次の日も帰らず。

 

作業場

元子「お母さんが一息入れませんかって」

作業に夢中になっている宗俊。元子は再び声をかけるのをためらう。手元だけが映った時は職人さんの手かな?と思ったけど、そのままカメラは全体を写すと津川雅彦さんがやっていた。旗がぐらぐら揺れる中、色塗りするのが大変そう。

元子「弱っちゃったな…」

 

そうです。こんな時に元子の相談などとても無理。この男、あだ名が河内山。先代が宗俊(むねとし)と付けた名前を宗俊(そうしゅん)と読んで、お数寄屋坊主の河内山宗俊を気取る辺り、名付けた親にも負けない遊び人だったのですが、今は久しぶりで仕事場へ入る喜びに子供の無事生還を祈る親心を込めて、大真面目な父親なのでした。

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宗俊という名に何か覚えがあると思ったら、戦前の映画を以前、観てました。

 

さて、待ちに待った正大が帰ってきたのは、そのまた翌日の夕方近くのことでした。

 

路地を歩く大きなリュックを背負った学帽白シャツの青年。

幸之助「よう、まあちゃん」

正大「ああ、おじさん」

幸之助「まあちゃんじゃねえかよ」

正大「今、帰ってきました」

幸之助「今、帰(けえ)ったじゃねえよ。待って待って待ち抜いて、おめえんとこのおやじなんかまるで鶴の首みてえだ」

正大、笑顔。

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正大は「3年B組金八先生」の初期シリーズで体育の伊東先生または「マー姉ちゃん」の三吉君。三吉君の出征エピソードは泣けたな~。

 

幸之助「ほら、さあさあさあ、重かったろ」両手に持った荷物を運んでくれる。

正大「どうもすいません」

幸之助「お~い! 帰ってきたぞ! まあちゃんが帰ってきたぞ! おい!」店に入って声をかける。

 

順平「あんちゃん! お帰りなさい!」抱きつく。

正大「順平」

トシ江「正大! 正大…」

正大「ただいま」

キン「若旦那! まあ…」

トシ江「正大…」

 

幸之助「何でぇ、何でぇ、おキンばばあまでがよ。さっさと大将に知らせてこねえか。大将! 河内山ぁ!」

おキンばあさんは泣いてる。

正大「ほらよ」リュックを順平に預けて、家の中へ。

順平「うわ~、重たい」

キン「私が持ちますよ」

トシ江「そうだね、さあ…」

キン「あ~、本当に重い。よっこいしょ…」

トシ江「大丈夫かい?」

キン「大丈夫でござんすよ」

 

裏庭

幸之助「おい、何やってんだよ。あんなに待ち焦がれていた、まあちゃんが帰ってきたって言ってんだろうがよ」

宗俊「うるせえ。耳があるから聞こえてるよ」

幸之助「気取りやがって素直じゃないよ、お前さん」

 

正大「ただいま、お父さん」

彦造「若旦那! お帰りなさいまし」

正大「相変わらず元気じゃないか彦さん」

彦造「へえ。彦造、最後の大仕事、今、若旦那の旗ぁ染めさせていただいてます」

正大「へえ、僕の旗を?」

幸之助「おう、4日の朝は見ものだぜ。御大自らの肝煎りでよ『祝す桂木正大君』って大物が久々に人形町の風にはためこうって寸法だ」

正大「そいつはすげえや。何よりもうれしいよ、お父さん」

宗俊「おめえの学校だけは夏休みじゃなかったのか」

正大「ああ、助手の人たちが減っちまったから研究室の手伝いやったりしていたもんで」

宗俊「ふ~ん」

幸之助「ふ~ん。素直じゃないねぇ」

 

玄関…というか店の出入り口

元子「ただいま。あ~、今日も暑かった」

順平「あんちゃんが帰ってるよ!」

元子「え! 本当!?」

順平「うん」

 

元子、2階へ。「早く。あんちゃん、早く」

正大「何だよ」

元子「いいから早く」

襖を閉める。

元子「ねえ、約束してもらいたいことがあるの」

正大「約束?」

元子「うん。元気で帰ってくる、俺は絶対死なないって約束してほしいの」

正大「元子…」

元子「そしたらいいものあげる」

正大「いいもの?」

元子「うん。でも約束してくれなきゃ嫌」

正大「分かった。約束する」

 

元子は机の引き出しにしまっていた手紙を渡す。「はい」

正大「ガンコ…」

元子「後は万事、私に任して。何しろお父さんったら、あんちゃんが帰ってくるのを手ぐすね引いて待ってたって感じなんだから」

正大「分かった」

元子「そんじゃあね」部屋を出ていく。

 

正大は窓辺に座って封筒を開ける。封筒の折り鶴のイラストで千鶴子だと分かってたのかな? 手紙を取り出すと、髪の毛が一房落ちる。

 

千鶴子の手紙「電報届きました。一度お別れしてしまった私ですが、あなた様のこと、一日たりと忘れることのない日々でした。どんなにうれしかったことでございましょう。この上はどこまでもお供したいと思い、髪を一房切りました。いつも一緒です。どうぞ私を北の果て、南の海までお連れくださいませ…」

 

1階

こういう感じのしかなかったけど、宗俊の前にあるのは長火鉢という、長方形のテーブル状のものだった。「おしん」でもお師さんがこういう長火鉢の前によくいた気がする。あとは時代劇でしか見たことないかな。

 

トシ江「正大! お湯が沸いたから早いとこサッと浴びたらどうかしら。ねえ!」

元子「駄目よ! あんちゃんお湯屋へ行きたいって言ってたもん」

トシ江「お湯屋? あら、だってせっかく焚きもん工面して、うちでたてたのに」

元子「だっていつも言ってたじゃないの。中の湯の富士山と松の木見ながら熱い湯たっぷり浴びないと東京へ帰ってきた気がしないって」

 

宗俊「よし、それじゃあ連中が来る前に俺もひとっ風呂浴びてくるとするか」

トシ江「それがいいですよ。ついでに背中の流しっこしたらいいしね」

順平「俺も一緒に行く」

宗俊「お前は母ちゃんと後で行け」

順平「嫌だよ、母ちゃんとじゃ女湯だろ」

宗俊「当たり前じゃねえか」

 

元子「バカだね。本当に気が利かないんだから、この子は。いい? お父さんはね、あんちゃんと二人っきりで行きたがってんの。だけど、江戸っ子なんてのは、やせ我慢の見本だから、そこは子供がうまいこと運んでやらないと」

宗俊「冗談言っちゃ困るぜ」

元子「あら、そんなにてれることないじゃない」

宗俊「てやんでぇ、何が背中の流しっこだ。きれいどころのねえさんとじゃあるめえし、野郎の、それもてめえのせがれの裸なんぞ誰がぞっとするもんか。娘のくせに親ぁからかうと承知しねえぞ」

元子「申し訳ありません。余計なことを申しまして」

トシ江「そうだよ。女の子のくせに弁が立つのも考えもんなんだから」

宗俊「クソ面白くもねえ。俺ぁ、うちの湯に入る」

トシ江「おや、そうですか。はい」

 

薄氷を踏む思いの賭けは元子の勝ち。

 

笑いをこらえる元子。

 

風呂の支度をした正大を連れて外に出た元子。「あの人、叔父さんの店で待ってるわ」

正大「ありがとう。恩に着るよ」

元子「ううん。そのかわり、私も後で聞いてほしいことがあるの」

正大「分かった。じゃあ」風呂桶を元子に渡して、出かけていった。

一部始終見ていた宗俊。知らんぷりして部屋へ。元子は風呂桶を台所の台に隠し、2階へ。

 

茶店で待つ千鶴子。叔父さんの店って絹子と洋三は「あぐり」で世津子さんがやってたような感じのおしゃれなカフェをやってたんだね。店の名前はmonparis(モンパリ=私のパリ)。昨日、「モンパリの叔父さん」って言ってたもんね。しかし、「あぐり」でも”カフェ・セ・ラ・ヴィ”は”珈琲 世良美”と一時改名してたけど、モンパリは大丈夫なのか?

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モンパリに入ってきた正大。千鶴子が立ち上がる。

絹子「あっ、あのね、うちももっちゃんから連絡があって…」

正大「どうもすみません」

絹子「だから、その…」

洋三「取って置きのブルーマウンテンだよ。(千鶴子に)よろしく」絹子と奥に引っ込む。おお! 桜中学の職員室!

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見つめ合う正大と千鶴子。

正大「手紙、ありがとう。君だと思って…しっかり肌につけて行くよ」

千鶴子「死なないで…。死なないでください。ああっ…」泣き出す。

抱き合う2人。なんかなまめかしい感じがする…。

正大「ああ、死んでたまるか」

 

台所

洗い物をしていた元子。奥から出てきた宗俊と鉢合わせ。

宗俊「コソコソとさっきから何ないしょ事やってんだ?」

元子「何にもやっちゃいないわよ」

宗俊「そうか」

ドキドキしながらも洗い物を続ける。

 

一通り登場人物の紹介という感じでなかなか元子の相談事の中身が出てこない。

 

さっき、モデルとなった近藤富枝さんのwikiをもう一度確認したら、東京の日本橋生まれではあるけど、結構設定はいじってるんだなあ~。原作本みたいなものもないし、その後の進路を参考にしたという程度なのかもしれない。昔のドラマの空気感がたまらなく好きだな。