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ドラマの感想など

【ネタバレ】それぞれの秋▼第9話

TBS 1973年10月25日

 

あらすじ

仕事や家庭での心労が重なり、清一(小林桂樹)は原因不明の病に侵され始めていた。麗子(久我美子)は、夫が会社でも不可解な言動をしていることを知る。 ※脳腫瘍による様々な症状が表現されていますが作品上の演出です。ご了承ください。

2024.12.26 BS-TBS録画

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稔が駒沢オリンピック公園でウロウロ。アドリブっぽい動き。

 

<誰だって自分の子供がスケバンみたいなグループに入っていたり、電車の中で女の子のお尻を触ったりする人間だったら、がっかりするだろうと思う。だから、やっぱり親には言わないほうがよかったのだと後悔してももう遅かった。父も母も困っちゃうくらいがっくりしてしまった。

 

そこへもってきて、兄貴はまた年上の女に夢中で金を貸せなんて本当に無神経な要求を父と母に切り出したのだ。

 

3人の子供が3人ともいいとこないと分かれば、僕が親でもがっくりするだろうと思う。

 

僕はせめて自分だけはしっかりして、お父さんやお母さんを元気づけようと思うのだが、急にしっかりすると言っても何をしていいのかなかなか難しいのであった>

 

企画:木下恵介

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脚本:山田太一

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音楽:木下忠司

 主題歌作詞:山田太一

 歌:中新井節子

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清一:小林桂樹

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稔:小倉一郎

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茂:林隆三

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陽子:高沢順子

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生沢夏子:夏桂子

津田:桃井かおり

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大木:梅野泰靖

看護婦吉村:土井かつえ

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生沢篤子:伊東ひでみ

若い男:篠田敏夫

若い女伊佐美津江

エースプロ

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麗子:久我美子

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プロデューサー:飯島敏宏

        酒巻武彦

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演出:井下靖央

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制作:木下恵介プロダクション

   TBS

 

新島家

会話のない清一、麗子、陽子。稔も着替えながら1階へ降りてきて、茂は他の家族と顔を合わせることなく、そのまま出勤していった。

 

稔はダイニングに入り、それぞれと会話をする。

 

洗面所で髭剃りをしていた稔だったが、清一がまた吐きに来た。

 

この日の午後、麗子は清一の会社から呼び出された。和服で出かけるんだな。部下の大木は清一の様子がおかしいと話しだす。会議のときに戦争直後の経済政策を語り出したり、頭を痛がり、昼食を全部吐いたり、急に怒り出したり、社内でもおかしいという人が増えた。清一は部長補佐。

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梅野さんはいろんなところでよく見るなあ。私は三谷映画の印象が強い。

 

医務室で寝ていた清一のもとへ麗子を連れていき、同僚は車を呼びに出た。清一は同僚からノイローゼだと言われていたが、麗子は食べたものを吐くのはノイローゼではない、病院へ行きましょうと言う。

 

清一は胸ポケットから受領書を取り出して見せた。ハンコがちゃんと押せない、字が思ったように書けないと麗子に訴え、麗子も早く病院へ行きましょうと明るく言う。周りの人は、たいてい40代で入院してるんだからめっけもんと麗子は言うけど、昔の日本人は働き過ぎと言うか無茶しすぎというか…。

 

同僚が車が来たと呼びに来て、清一が立ち上がるとまたクラッと来た。怖いなあ。

 

途中でまたテロップが出た。

 

脳腫瘍による様々な症状が表現されていますが

作品上の演出です。ご了承ください。

 

父を診た近所の内科のお医者さんが国立病院の耳鼻科を紹介した。待合室は人でいっぱい。稔は体育をサボって病院に来た。耳の病気であることが判明。メニエル氏病、吐き気、耳鳴り、めまい、頭痛…入院はせず、半月ほどで会社に行ける。稔は大学を辞めて地下鉄工事でもなんでもやる気だったと話す。稔が清一たちを帰らせて薬を受け取ることにした。

 

生沢家に行き、清一の話をする稔。家庭教師先でタバコを吸うなよ。十分、私立に合格できますと教え子を褒めた稔。タバコでむせて背中をさすってもらった稔は夏子の手に触れドキッ! 夏子にタバコを吸いなれてないと見抜かれた。稔は父が大したことないと分かり、妄想でニヤニヤ。

 

今日は子役の子も名前が出てたね。

 

新島家

茂と麗子が清一の病気の話をしていた。外来が混んでいて聞きたいことが聞けなかった。麗子は声を潜めて、一度脳の病院へ行ったほうが言われたことを付け加えた。イヤホンでテレビを見ていた陽子はダイニングを出て、清一の顔を見に行った。

 

清一が茂を呼んだ。今日は藤森の退院の日。清一は気にせず相談しろと声をかけ、稔も部屋に入ってきて、僕も相談するからねとニコニコ。茂と稔がじゃれ合っているのを見て清一はニコニコ見守っていた。

 

夜中、窓ガラスが割れた。麗子が叫び、清一は怒り狂って麗子に襲いかかろうとしていた。茂や稔が止めようとしたが、おさまらず、陽子は病院へ走った。

 

朝、破れた障子と窓ガラスを見ている清一。「ゆうべ何した?」と何も覚えてない様子。麗子は「誰がやったんだ?」と聞かれて「病気よ」と答えた。紹介された先生のところへ行くつもりでカバンに荷造りを始めた麗子。

 

軍隊で脳腫瘍にかかった人を見たことがある衛生兵の清一。何となく脳ではないかと勘づく。

 

足を引きずって歩く稔と津田。父親に土間へ吹き飛ばされて足をひねったと話した。津田はお見舞いに行こうか?と言うが、断り、これから忙しくなるから、しばらく会えないと言う。津田はスケバンモードに戻り、ウソつけ、親父のことを言いことにしてとキレる。傍目に見ればお似合いなんだけどな。

 

病室に見舞った稔。清一は足をひねった稔を見て申し訳なさそうにした。茂も見舞いに来たが、左頬にあざを作っていた。麗子は買い物に出ている。茂のアザは駅で転んだとごまかしたが、父さんがやったんだなと落ち込む。茂も稔もきれいな看護婦さんがいるねと笑い合う。

 

麗子が紙袋を持って病室に入ってきた。夕方家に寄ると陽子が張り切っていたと言う。

 

家に電話すると廊下に出た稔は美人看護婦に遭遇。この人か!

 

稔が電話をかけたとき、料理中だった陽子。揚げ物とはハードルが高い。

 

病室

眠れない清一。ベッドサイドで服の整理をする麗子。清一は「俺は脳腫瘍というものをある程度知ってる」と麗子に話しかけた。もし、脳腫瘍なら人間が変わったようになるかもしれん。何を言いだすか分からん。怖い。麗子はめったにある病気じゃないから大丈夫と励ます。清一は「俺がどんなこと言っても病気で本心じゃない、俺を信じるな」と寝るのを恐れた。あなたを信じてますと清一の手をさする麗子。(つづく)

 

なかなか重い展開だね。山田太一さんの描きたかった辛口ホームドラマってやつか。

 

朝の「赤い絆」は来週の年末年始も構わずやるけど(いくら早朝でもそれはすごい)、「それぞれの秋」は明日で年内は終わり。どうなっちゃうんだ!?