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ドラマの感想など

【ネタバレ】それぞれの秋▼第8話

TBS 1973年10月18日

 

あらすじ

自殺未遂で入院している園子(水原英子)に付き添っていた茂(林隆三)が帰宅した。茂は、清一(小林桂樹)に園子との結婚話を切り出そうとするが…。

2024.12.25 BS-TBS録画

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稔のナレーション<長い間一緒にいる家族でもお互いに本当のところはあんまり知らないのではないかと僕はこのごろよく思うのだ。大体、小さいとき、僕は父と母がキスをしたことがあるなんて冗談のような気がして信じられなかったものだ。僕にだって父も母も知らない秘密がある。きっと父や母にもあるのだろうと思う。僕が驚いているのは兄貴のことだ。2つ年上の2人子供のいる人と本気で恋愛しているのが分かったのだ。父は兄貴が年上の女に翻弄されているのではないかと心配してるのだが、兄貴のほうはものすごく純情なことを言って、とっても離れそうもないのだった>

 

ナレーションに乗せて前回のシーンを映すのではなく、稔のイメージシーンみたいなのが面白い。あと、ぽや~んとした音楽も好き。

 

企画:木下恵介

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脚本:山田太一

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音楽:木下忠司

 主題歌作詞:山田太一

 歌:中新井節子

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清一:小林桂樹

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稔:小倉一郎

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茂:林隆三

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陽子:高沢順子

唐木:火野正平

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津田:桃井かおり

藤森園子:水原英子

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青野看護婦:披岸喜美子

エースプロ

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麗子:久我美子

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プロデューサー:飯島敏宏

        酒巻武彦

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演出:井上靖

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制作:木下恵介プロダクション

   TBS

 

病院に行った麗子は藤森の付き添いに来ている新島を呼び出してほしいと看護師に言ったものの、そこまでできません、すぐそこの部屋ですから自分で行ってくださいと断られた。

 

麗子が302号室をノックすると茂が出てきた。藤森に会ってほしいと茂は言うが、入院してる人と難しい話はできないと断った。

 

新島家

ソファで寝ている清一。イヤホンをしてテレビを見ている陽子。稔は清一にコップの水を渡した。清一は茂を心配して頭が痛くなり、何度も頭痛薬をのんでいた。

 

稔に唐木から電話。唐木は番長と会っていて、稔は唐木としゃべっているつもりで津田の愚痴を本人に聞かれてしまった。

 

電話を切ると、清一は茂が来たら2階へ行ってなさいと稔と陽子に言った。茂が来たらと言いつつ、すぐ行きなさいと部屋から追い出した。怒られたのに稔は清一が頼もしく見えた。

 

麗子と茂が帰ってきた。茂にも2階に行ってろと言われたのに、階段を上るふりをして聞き耳を立てる稔。清一は女はいくらだっている、大した違いはなく、条件が悪い女を引き受けることはないと言うが、茂はそうではない、子供がいるから別れようと思ったけど、彼女から離れられないと気付いたと話した。清一は似合わねえなあ、中学生みたいなこと言うなよと笑う。突然、経済の話を始める清一にもっと率直に言ってくれと茂はイライラ。

 

清一は頭痛と耳鳴りがあることをあることを話し、また経済の話を始める。

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清一が話していたのはデトロイト銀行頭取のドッジのこと。

 

茂は席を立ち、どうしたもこうしたもないもんだよと怒って部屋を出て行った。

 

麗子は茂さんの一生の問題なのにと清一を責めた。しかし、清一は吐き気を催した。明らかに体調悪そうなのに、全然心配しない麗子もどうなの~? 

 

翌朝、スーツに着替えた清一は2階へ。茂と稔の部屋へ行き、まだ寝ている茂に声をかけたが、稔のほうが先に目を覚まし、茂を起こした。時間をかけて判断してもらいたい、結論を焦るな、親としてお前の嫁さんに夢があった、退院したら4人で飯でも食おう、反対してるわけではない、意地を張らんでくれと伝えた。今日は大阪に日帰りだと出かけた。

 

子供の配偶者に夢があったと泣くのは橋田壽賀子の世界と思っていたら、日本人共通の認識だったのか。

 

稔は清一の体調を心配したが、茂はゆうべ話してくれたらいいんだと起き上がってタバコを吸い始める。布団の上でタバコは怖い。

 

家庭教師先に行こうとしていた稔だが、唐木に津田のところまで連れていかれた。

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ロケ地は木下恵介アワーにも時々出てきた駒沢オリンピック公園らしい。

 

稔は津田に会った。津田は稔の言ったうんざりしているという言葉に傷ついていた。稔は感謝してる、好きだよと言うが、津田に愛してるの?と聞かれると、一瞬言葉に詰まったが、愛してるよと答えた。昨日は真っ暗になって死のうとしていたと聞き、だいぶ引き気味の稔は、津田に誘われ喫茶店へ。

 

なぜか小刀を持っている津田は稔に小刀を預けると言う。津田は稔の肩にもたれかかって愛してる?と聞く。稔は体に刃先を突きつけられて愛してると言ったが、店に陽子がいた! カウンターに座っていた陽子と目が合い、陽子は店を出て行った。

 

家に帰った稔は陽子の部屋へ。陽子は明かりもつけずに部屋にいて、ベッドに寝転がっていた。陽子は真面目になれと言われて勉強していた、しかし、勉強なんて意味ない、大学も短大も行かない、家にいるのがつまらないと話し、自分のことに責任持つからほっといてちょうだいと目の前でタバコを取り出して吸い始めた。稔はタバコを取り上げて水につけて消した。

 

ニコニコ笑顔で帰ってきた清一。麗子は夕食の用意がないので連絡くれたらいいのにと文句を言うが、清一は機嫌がいいまま。結局、麗子はご飯を炊くことにした。1階に下りてきた稔に京都の羊羹を買ったから食べようと言うが、稔は麗子が羊羹を買ったことに文句を言うのではないかと隠すことにした。

 

♪嫌じゃありませんか軍隊は~と歌い出す清一。

軍隊小唄

軍隊小唄

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「軍隊小唄」はドリフターズが歌ってるのを聞いたことある。

 

稔は母さんに言う前に…と痴漢の告白をしようとした。話す前に大したことない、どうってことないとヘラヘラした稔に何した!と急に胸ぐらをつかむ清一。怖いっ!

 

清一は稔に口止めをし、一緒にリビングへ。麗子は料理を作っていて、魔法瓶のお湯もご飯を炊くのに使い、お茶を飲むお湯もなく、やかんに火にかけた。清一は麗子に陽子が不良グループに入ったことを話し始めると、陽子がリビングに入ってきて、兄さんは電車で女の子にタッチしたと痴漢したことを話した。陽子はお母さんを見てるとゾッとする、毎日毎日同じことして今のうちに遊んでおかなくちゃたまんないと言う。

 

茂が帰宅した。清一が藤森さんどうした?と聞いた。あさって退院で今のアパートとは別のアパートを借りるが、入院が個室で足りなくなったとお金を借りようとした。麗子は3人も子供がいるのに誰もいい子がいないと怒りを爆発させた。

 

腰が立たなくなった清一を心配することもなく部屋を出て行った麗子は一人で泣いていた。

 

茂は清一に水を飲ませるが、清一の手は震え、口から水がこぼれた。(つづく)

 

清一は病気っぽいね。麗子が全く清一の体調を気遣う様子もないのがなんだかな。多分、昨日も比較対象にあげた「兄弟」の厚子や「岸辺のアルバム」の則子はそういう感じがしない。まあ、則子も律子の体調に気付いてなかったけどさぁ!