TBS 1971年1月2日
あらすじ
広い牧場にふらりと現れた2人の男。どちらも牧場にいる少年の父親だと名乗ってはいるが、その荒くれ男とカウボーイを夢見る少年との不思議な生活。だが、その裏には恐ろしい細菌兵器の秘密が隠されていた。テキサスからいつどんな方法で細菌が送られてくるか、やがて牧場に現れた第3の男、犬殺しのジョーの使命は何か。殺し屋と子どもの愛情が男と男の心をえぐる。
2026.4.17 J:COM BS録画
黒木 啓子 吹雪
島 ユミ 風間
小田切 村岡 壇
KEY
HUN
TER
黒木鉄也:丹波哲郎
津川啓子:野際陽子
吹雪一郎:川口浩
島竜彦:谷隼人
谷口ユミ:大川栄子
風間洋介:千葉真一
ナレーター<きょうもまた地球のあらゆるところで、陰謀、裏切り、暴動が渦巻く。その渦中に飛び込む彼ら。恋も夢も望みも捨てて非情の掟に命を懸ける。彼らの求めるものは自由、願うものは平和。彼らは、こう呼ばれた…>
国際警察特別室
仲谷昇
中丸忠雄 宮内洋
KEY
HUN
TER
制作:東映・TBS
テキサス
クラーク「化石ではない。つい1か月前まで、このテキサスの大草原を駆けていた牛の白骨だ。実験は成功したんだ。われわれが培養し、命名した細菌、テキサス1号が瞬く間に生きたままの牛を食い尽くしてしまった。これと同じ小瓶にテキサス1号を密閉し、新しいアジトへ向け発送した。そこで細菌兵器を作るんだ」
う~ん、この白人男性の俳優、今回はノンクレジットだけど、何かの回で見た気がする。回によってノンクレジットなのは何でだ!?
ジョー「その新しいアジトとは?」
初ゲストの夏八木勲さん。昔からず~っと印象が変わらない。
クラーク「君の故国、日本だ。富士山麓、アロー牧場」
ジョー「アロー牧場?」
男が部屋に入ってきた。「ボス、FBIだ」
ジョー「クソ、犬め!」
クラーク「ハハッ、君は大の犬嫌いだったな。爆破する」
男「よし」
石橋雅史さんは、めちゃくちゃ久しぶりのゲスト。
ジョーがオープンカータイプのジープで走り、FBIが追う。運転しながら後ろを向いて次々銃撃していく。「犬め、地獄へ帰(けえ)りな」
銃殺した男を吊るして放置。
富士山をバックに走るカウボーイ少年。
今回は109話のセルフリメイクみたいな話? 少年はもちろん子役時代の真田広之さんこと下沢宏之さん。
アロー牧場
ARROW RANCH
進「パパ! パパはどこ? ねえ、どこ?」
何も答えないおじいさん。
いろんな役で登場する河合絃司さん。
早苗の作ったサラダ?をひっくり返す飯塚。「まずい! おう、もうちっとマシなもん食わしたらどうなんだ、ええっ? 牛や馬じゃねえんだぜ。おお、進か。どうした? ええっ? ハハハハッ…さあ、ここへ来い。お前の親父だ。5年ぶりに帰ってきたんじゃねえか。ハハハッ」
こちらも久々ゲストの小池朝雄さん。ひどいこと言ってるのに声がいい!
「お前、パパじゃない」という進。
進「これ、持ってるか?」コインを半分割ったようなペンダントを見せる。
飯塚「そいつはなんだ?」
進「お守りのメダルだ。パパのメダルを2つに割って片方を俺にくれたんだ。きっとまた会うことができるようにって」
飯塚「ああ、そんなものは俺はどっかに捨てちまった」
進「やっぱりパパじゃない」
飯塚「このガキは!」
内山「あんたがな、もし、この子の父親だというんなら、もっと父親らしくふるまったらどうなんだ」
飯塚「うるせえ!」
内山「5年前の冬の晩だ。この子はな、馬小屋に縛られて泣いてやがったんだ。どこの誰とも分からねえ薄情な親に捨てられてな!」
飯塚はアメリカのテキサスか荷物が着かなかったか聞くが、首を横に振る早苗。
進は壁にかかった猟銃を取ろうとして落とし、飯塚にバレ、外へ逃げた。転んだ進を起こす飯塚。「この野郎。親にたてつきやがると、ひどい目に遭わすぞ、来い!」
ハーモニカを拭くテンガロンハット、ポンチョ姿の風間。「子どもをいじめるもんじゃねえぜ」
飯塚「何を? 誰だい、貴様は」
風間「こいつの父親だ」
両手を広げる風間をスッと身をかわす進。
風間「ハハッ。しばらく見ねえうちに大きくなりやがって。会いたかったぜ、坊主」
進「ウソだ。お前もパパじゃない。においで分かるんだ」
驚く内山と早苗。
飯塚「ハハハハッ…おいおい、どこの馬の骨だ? 俺はガキの勘を信じるぜ」
肩を組んできた飯塚の手を振り払う進。「離せ!」
風間「戸惑ってやがるんだよ。親父がいきなり2人も現れたんじゃな。なあ、坊主、俺が帰ってきたからには、お前には誰にも指一本触れさせやしねえ。お前をいじめた、このブタ野郎を懲らしめてやるぜ」
飯塚「何!?」
飯塚を殴り倒した風間が飼料小屋に飯塚を連れていく。「俺の息子に二度と手を出すんじゃねえぜ」
飯塚「フッ、あのガキの親父は死んだって聞いたぜ。FBIと撃ち合ってな。二つ名をデカ殺しのジョー」
風間「そのFBIが縛り首にされて、つるされていたとは聞かなかったようだな」
飯塚「何?」
風間「俺がデカ殺しのジョーだ」
右手で葉巻を持つと、飯塚が風間の右手をつかんだ。「デカ殺しのジョーは左利きのはずだぜ」
風間は飯塚を左手で殴り、左手で銃を撃ち、葉巻を撃ってバラバラにした。「今度は、あんたの心臓をぶち抜いてやろうか」
飯塚「すまねえ、兄貴、うたぐったりして」
内山「お前たちは、いったい何者だ? この子を取り合って何を狙ってるんだ? この5年間、俺はな、天から授かった息子だと思ってかわいがってきたんだ。それをいまさら…どの面下げて父親だなんてぬかせるんだ!」
早苗「進は弟とおんなじよ。出てって! 誰にも渡さないわ」
風間「これでもな、おやじさん。心の中じゃ手を合わせてるんだぜ。進、テキサス仕込みのパパの腕を見せてやる。さあ、来い」
進を馬に乗せて走る風間。「どうだ。まだパパだとは思わないか?」
進「思えるもんか」
風間「この…においが違うか?」
進「でも、テキサス仕込みってのは、ほんとらしいな」
風間「この野郎。ハハハハッ」
進「テキサスって広いんだろう?」
風間「ああ、広いとも」
進「西部だからな」
風間「ああ。だがな、ここだって負けやしない。馬だって、あの牛だってな。いいか? しっかりつかまってるんだぞ」また馬で走り出す。
草原に寝転がってハーモニカを吹く風間。
進「ウソだ。お前はパパじゃない。パパなんかじゃない。なぜだ? なぜウソをつくんだ?」
風間「坊主、黙っておじさんを信じるわけにはいかないか」
進「いくもんか。信じるもんか」
風間「お…おい、坊主」
立ち上がる進。「言え、お前は誰だ?」
風間「言いたくてもな、言えないことがある。そいつが男ってもんだ」
進「男か…」
風間「おい、坊主。お前だって男じゃないか。ここは、ひとつ、男どうし。なっ?」
進「そうだっけな。おじいちゃんはな、あのねえちゃんよりも男の俺のほうを頼りにしてるんだ」
風間「なんだって?」
進「俺が跡取りだからさ」
風間「ほう」
進「分かったよ。黙っておじさんを信じる。パパにしてやる」
風間「本当かい」
進「男だからな」
風間「ハハハハッ、恩に着るぜ、坊主。今から俺たちは親子だ。どんなことがあっても悪いやつから、お前を守るぜ。さあ、パパって呼んでみな」
なかなか言い出せない進。「男には言えないこともある」
風間「いいから言え。親の言うことは聞くもんだぜ」
進「おじさんがパパじゃイメージが壊れる」
風間「なんだって?」
進「本当のパパは、もっといい男だ」
風間「えっ?」走っていく進を追いかける。
また馬に乗っている風間と進。今度はゆっくり。
風間「パパの顔、覚えてるかい?」
進「うん。いつも考えてるからな」
風間「ふ~ん」
進「でも、だんだん顔が分からなくなってきたんだ。いつも俺を置いて旅に出ていく後ろ姿だ」
馬で走り去る父に「パパ!」と呼びかける進。地面に落ちていたメダルのお守り。
進「でもパパはきっと帰ってくる。いくら離れててもメダルとメダルでつながってるんだ」
風間「チェッ、しんみりさせやがるぜ。おい、坊主。土産代わりに笛を作ってやろうか」
進「うん」
風間「よし」木の枝を切る。「いいか? よく見てるんだぜ。テキサス仕込みってやつをな」木の枝を空に向かって投げて、銃で短くし、ナイフで削る。
進「かっこいい! おじさん…いけねえ、パパだっけな」
風間「んっ? ああ」笑いながら進を抱き上げる。
そんな2人を見ている…吹雪。同じくテンガロンハットをかぶっている。
歓 迎
HOTEL
マウント富士
WELCOME HOTEL
Mt.Fuji
吹雪が運転するオープンカータイプのジープが入っていったのは、おなじみホテルマウント富士。
吹雪「FBIの情報を基にテキサスのボスにつながる男をキャッチ。尾行した先はアロー牧場。風間は潜入に成功しました。子どもの父親に化けてね」
黒木の部屋
コーヒータイムの黒木たちが吹雪からの報告を聞いている。
ユミ「フフッ、『浪曲子守唄』ね」
1966年 東映制作の映画に「浪曲子守唄」って映画があったのね。主演・千葉真一!
脚本・池田雄一、監督・鷹森立一の任侠もの。来月、東映チャンネルで放送あるらしい。この作品では千葉真一さんと真田広之さんが親子役。
無線:吹雪「二つ名をデカ殺しのジョー」
島「えっ? デカ殺しのジョーだって?」
啓子「FBIとか国際警察とか秘密捜査官ばっかりを狙っているプロの殺し屋よ」
ユミ「ふ~ん」
黒木「やつが今まで手にかけた警官の数だけで10人は超えてるな」
啓子「問題はデカ殺しのジョーを雇っている組織ね。やつらが人工培養に成功したといわれる細菌のテキサス1号。その牧場に送られてくるに違いないわ」
黒木「吹雪、FBIも血眼になって追ってるぞ。捜査官もどうやら日本に渡ってきてるらしいな」
吹雪「こっちも負けずに探ってみます。僕は、このホテルマウント富士で待機します。じゃあ」
ホテルマウント富士に入っていくロングコートの男。
土産物屋でおもちゃのピストルを買い求め、ポケットから出した小銭の中にお守りのメダルが紛れていた。息子を想うジョーだが、鏡越しに尾行してきたと思われる外国人男性の姿を見つける。
トランプをしている飯塚と風間。
飯塚「兄貴、こんな手ぬるいことでいいのか?」
風間「ええっ? テキサスから荷物が届くまではな騒ぎを起こしたくねえんだ。それともお前、何かい? 俺のやり方が不服だとでもいうのかい」
飯塚「いや、そういうわけじゃ…ただ、ボスからの命令なんだよ」
風間「何?」
飯塚「いやな、ここの牧場主のじいさんを徹底的に痛めつけろってさ。ええっ? フフッ、そこへボスが現れて、ここを買い取るんだよ」
立ち聞きしている内山。
飯塚「ハハハハッ…誰にも疑われずにこの牧場を細菌兵器の秘密工場に衣がえするためよ。ハハハハッ…」
馬の前にいる内山。
早苗「さあ、早く」
進「どこ行くんだ?」
内山「静かにしろ。山を越して町へ出てからな、警察に助けてもらうんだ」
進「でも、パパが…」
内山「進、あいつはパパじゃない。お前は、だまされてるんだ。早くしろ」
進「違う。俺は黙って、あの人を…パパを信じるんだ!」
内山「ハァ、いいから来い! 早苗、早くしろ」
馬の駆ける音で目覚めた飯塚と風間。
飯塚「あっ、野郎、逃げやがった」
内山と進、早苗が乗った馬を飯塚、風間も馬で追う。どこからか銃声が聞こえ、馬に乗ったジョーが現れた。
風間「何者だ?」
ジョー「テキサスから来たって言えば分かるはずだ」
馬も風間たちのほうを向いている。おぉ~!
風間「仲間か」
飯塚「兄貴、気をつけたほうがいい。犬かもしれねえ」
ジョー「犬ならつり下がってるぜ」
外国人男性の額に赤い字で”J”と書かれ、木に吊るされていた。
風間<同じ手口、こいつはひょっとすると…>
風間「お前の言うとおりだぜ。犬が潜り込むときの手かもしれねえ」
うなずく飯塚。
ジョー「ケッ、どいつが犬かは今に分かることさ」
馬から降りたジョーが進に近づく。
内山「お前もか。お前も進の父親だなんてぬかす気か。出ていけ。みんな出てってくれ! この子には親はないんだ。そんなものは、いらねえ。俺が育てたかわいい坊主なんだ。俺が死んだら、こいつが牧場を継ぐんだ。お前たちの自由にされてたまるか。俺とこの坊主の牧場なんだ。みんな、出てけ!」
内山につかみかかるジョー。「他人のガキがそんなにかわいいかい?」
内山「かわいいとも。お前たちに分かってたまるか!」
ジョーは、そのまま内山を突き飛ばした。
進が駆け寄る。「よせ、おじいちゃんをいじめたら承知しないぞ! いいか?」
ショックを受けるジョー。
風間が内山を助け起こす。「坊主、おじいちゃん連れて早く行きな。早く!」
飯塚「ほら、早くついてこい!」馬に乗り、内山たちともと来た道へ。
ずっとぶら下がってる縛り首!…と思ったら、風間が銃でロープを撃って落とした。「ハイエナの餌は早いとこ片づけたほうがいいぜ」馬で走り去る。
アロー牧場
進「あいつらをいつやっつけるんだい?」
風間「進、また頼みだ。せっかく結んだ親子の縁だが切らなきゃならないんだ」
進「俺たちが逃げようとしたことを怒ってるのか?」
風間「違うよ」
進「あの男が来たからか? あいつは誰だ? 俺の顔をじっと見てやがるんだ。悪いやつだな? 俺たちの敵だろう? 今度は許さないぞ。さっきはパパの顔を立てたけど」
風間「パパじゃないって言ってるだろう」
進「一度決めた約束は、そう簡単に破るもんじゃないぞ」
飯塚は止まっているオープンカータイプのジープのグローブボックスの中から無線機?を見つけ、そこをジョーが見ていた。
風間と話している吹雪。「やつはデカ殺しのジョーだ。5年前、国際警察がこの牧場の近くまで追い詰めながら取り逃した。危険だ。君が潜入したことをやつらに感づかれた節もある。こうなったら先手を打って、やつを倒すしかない」
飯塚が見てたのは吹雪の乗ってきた車ってこと!?
風間「待ってくれ。まだテキサスから荷物が届いてないんだ。もうしばらく俺1人で…」
銃声が聞こえる。ジョーが飯塚を撃った。
影から見ている風間と吹雪。「やつを国際警察の犬と勘違いして」
風間「消えたほうがいいぜ」
吹雪「気をつけろよ」
風間「オーケー」
飯塚「犬は、やつだ! デカ殺しのジョーになりすまして…俺じゃねえ」そのまま崩れ落ちた。
小池朝雄さん、ここで退場か~。
風間を呼び止めるジョー。「待ちな。おめえ、あのガキの親父だそうだな」
ジョーと向き合った風間は銃を捨てた。近づいて風間の銃を蹴るジョー。
風間「ところがな、ジョー。子供は親父だと思っちゃくれねえんだ。自分の親父は、この俺なんかより、よっぽどいい男だと思ってやがるんだ。ハハハッ、夢の中でそう想像してるんだ。親父のにおいは覚えてるとぬかしやがる。親に似ず、いい子だぜ。ジョー、お前、子どもがかわいくねえのかい? 子どもが…」
風間を殴るジョー。「ご大層な口を利きやがって、てめえたち国際警察の犬が、どんなことをしたか教えてやろうか」さらに蹴りをくわえる。「俺がまだチンピラだったころ、組織の摘発を狙った、てめえたち国際警察の犬が俺の女房に近づき、女房は俺を売って、その犬と手に手を取って逃げていきやがった。俺の手に残されたのは、生まれたばかりのいたいけな乳飲み子」
赤ん坊を抱いて逃げるジョー。「キイハンター」に赤ちゃんが出てくるのが珍しい。
ジョー「俺は逃げて逃げて、逃げ続けた。それから裏切り者の汚名と地獄のようなリンチに耐えて立ち上がったんだ。その日からデカ殺しのジョーとして。犬を1匹ずつ殺して高くつるす。それが俺の復讐よ」風間の胸辺りを踏みつける。「死ね、犬め。苦しんで死ぬんだ」
ジョーが銃を向けたが、風間が帽子を投げて立ち上がり、ジョーを蹴り、殴り合い。銃を持って向き合う。
風間「最近のおもちゃは、よくできてるぜ。ジョー、これがお前の気持ちだ。坊主はな、半欠けのメダルを後生大事に抱いて、お前の帰りを待ってるんだ」
ジョー「うるせえ!」
進「キッド!」風間のところに駆け寄ってきた。「キッド、捜したぜ」
風間「おっ、そうか。ハハハッ」
進が風間の鼻血のあとに気付く。「お前がやったんだな? この野郎! ええい」ジョーの腹にパンチを入れる。
ジョー「あっちへ行きな」
進「うるせえ! ええい、ええい、この野郎。ちきしょう、ええい!」
風間「進! 後ろのおじさんのお土産だぜ」おもちゃのピストルを渡す。
驚いて、ジョーの顔を見る進。
風間「フフッ、取っときなよ」
ジョー「よけいなまねはするな」
風間「フフフフッ、気にするな、気にするな。口は汚いがな、心は優しいんだ。さあ、男は遠慮しないもんだぜ、さあ。どうした? 礼を言わねえのかい」
進「ありがとう」
ジョー「いいから行きな」←心なしか目が潤んでる!?
進「殴ってごめんな」走り去ろうとしたが、立ち止まって振り向く。「キッド、俺、牛を見せに来たんだ」
風間「牛?」
進「テキサスから今着いたんだ」
ジョー「テキサスから?」風間の後頭部を殴って気絶させ、進に近づく。「坊主、牛にその…餌をやろう。餌の在りか知ってるか?」
進「知ってるさ、俺の牧場だからな」
ジョー「ああ、持ってきな」
進「オッケー」
進がいなくなると、牛の角を外し、テキサス1号の入った小瓶を取り出した。
電話するジョー。「ああ、テキサス1号は無事届いた。ああ…で、ボスはいつこちらへ? んっ? 1時間後?」
進が乗った荷馬車が突然暴走し、進が助けを求める。銃を撃とうとするジョーを止め、風間が馬を走らせ、荷馬車の馬を止めた。前もあったね、こんなことが。進は荷台で気絶しており、ジョー、内山、早苗が駆けつけた。
進を抱き上げた風間にジョーが近づいて、進を受け取った。
風間「気を失ってるだけだ」
ジョー「すまねえ」
家に戻った内山と早苗が進の介抱をする。
ジョー「おめえたち、その坊主を連れて町のホテルへ行け。早くしろ。時間がねえんだ。聞こえないのか!」
内山たちが出ていった。
風間「ジョー、ボスがやってくるんだな?」
ジョー「俺の最後の仕事なんだ」
風間「子どもの夢を壊すのかい? ここに細菌兵器の工場ができれば牛が死に馬が死ぬ。子どもだって殺すことになるかもしれねえんだぜ」
ジョー「俺は、あいつを連れて旅に出る。どこか誰も知らねえところで親子二人っきりで暮らすんだ」
風間「ジョー」
ジョー「消えな。黙って、こっから消えるんだ」風間に銃を向ける。「デカ殺しのジョーが犬を生かして帰(けえ)すのは、これが初めて。俺の気持ちが変わらねえうちに早く消えるんだ」
風間「そうはいかねえ。ジョー、今までにその銃で何人もの犬をつるしてきた。お前はそれしか頼れねえのかい? どうなんだ? ジョー」
ジョー「てめえの減らず口には、もう飽き飽きしてるぜ」
ま~た殴り合い。
ジョー「おい、好きなようにしな」近づいた風間に蹴りを入れる。
ジョーが進を馬に乗せて走る。組織の車があとを追う。馬から降り、草むらへ。車から降りた男たちを銃で撃つが、弾がなくなった。
ジョー「どこも痛くねえか?」
進「うん」
ジョー「そうか」弾を新たに装填する。
進「おじさんが助けてくれたんだな。ありがとう」
ジョー「坊主、おめえを助けたのはな、おめえと仲よしの…なんといったっけな、ほら」
進「キッドか?」
ジョー「ああ、キッドだ」
進「おじさんもほんとは悪い人じゃなかったんだね」
ジョー「ありがとうよ」
進「なんだか変だな」
ジョー「どう変だ?」
進「こそばゆくってよ、てれちまうんだ。ほんとに俺、どうかしてらあ」
進も巻き込んで銃を撃つジョー。「おめえ、大きくなったらなんになる?」
進「決まってらあ、カウボーイだ」
ジョー「そうか。馬や牛がみんなおめえの友達ってわけだ。寂しいことなんかありゃしねえな」
進「あるもんか」
ジョーの背後から撃とうとした男を風間が撃った。「進、大丈夫か?」
進「大丈夫だ」
ジョー「坊主、キッドと一緒に逃げるんだ」
進「うん」
ジョー「向こうにいる悪いやつらに見つからねえように、できるだけ体を低くして、いいな?」
進「おじさんは行かないのか?」
ジョー「俺か? 俺はここでやつらを引きつける」さあ、早くと急かす。
風間「ジョー、渡してやるものがあるんじゃないのかい。ちぎれていたものがやっと1つになったんだ。ジョー、お前には、もう立派にその資格があるんだ」
銃撃戦のさなか、進にメダルをハンカチに包んで渡すジョー。「こいつを持ってくんだ。決して死なねえお守りさ。いいか。どんなことがあっても、あしたまで開けちゃいけねえぜ」
進「でも、おじさんはいらないのか?」
ジョー「ああ、おじさんには、もうお守りはいらねえんだよ」
進「ありがとう」
風間からライフルを受け取るジョー。「さあ、行きな」
進「おじさんも達者でな」
ジョー「バカ野郎」
風間「ジョー、死ぬんじゃねえぜ」
風間と進が逃げ、進は転んだ拍子にハンカチの中身がメダルと気付いた。「パパ」
ジョーが撃たれ、進が近づこうとし、風間も撃たれた…が、ハーモニカに当たって無事だった。
今度は吹雪が参戦。車で乗り込み、男たちを殴っていく。クラークも殴り倒す。
ジョーに駆け寄る進。
ジョー「進。パパは、きょうからお前と一緒だ。この牧場でお前を見てる。この牧場をテキサスの牛でいっぱいにするんだったっけな」
進「うん」
ジョー「約束したぜ」
進「パパ! パパ!」
涙をぬぐう風間。吹雪も見守る。
木で作った十字架のお墓
吹雪「ジョー、この広々とした牧場をお前の手が守った」
ユミ「あの少年のために」
島「後ろ姿だけじゃなく、今度は、すばらしい父親として」
啓子「あの子にとって日本一の父親になってやれたんだわ」
黒木「見守ってやれよ。息子が胸を張ってたくましく生きていく人生をな」
みんなテンガロンハットをかぶっている。
進「もう行っちまうんだろう? キッド」
風間「ああ、用事があるんだ」
何か言いかけた進。「やめとくよ。男には言いたくても言えないことがある。俺、男だからな。寂しくなんかないや。へっちゃらだもんな」
風間「進、立派なカウボーイになるんだぜ」
進「うん」風間にこれやるよとメダルを渡す。「俺にはパパのがあるからな」
風間「もらっとくぜ。必ず会えるようにな」
進「うん。達者で暮らせよ」
風間たちは全員それぞれ馬に乗り夕陽の中を帰っていった。
進が大きく手を振る。「キッド! 待ってるぜ!」
プロデューサー:近藤照男
小野耕人
*
脚本:池田雄一
*
擬斗:日尾孝司
*
音楽 :菊池俊輔
主題歌:キイハンター
非情のライセンス
作詩 :佐藤純弥
作曲 :菊池俊輔
唄 :野際陽子
テイチクレコード
*
黒木鉄也:丹波哲郎…字幕黄色
*
津川啓子:野際陽子…字幕緑
*
吹雪一郎:川口浩
*
島竜彦:谷隼人
谷口ユミ:大川栄子
*
風間洋介:千葉真一…字幕水色
*
ジョー:夏八木勲
*
飯塚:小池朝雄
進:下沢宏之
内山:河合絃司
*
早苗:安部れい子
石橋雅史
ナレーター:芥川隆行
*
監督:鷹森立一
<プロフェッショナル・キイハンター。次のカラーシグナルは…狂ったように軍事革命を狙う某国副大統領。雇われたギャング。3人組のペイント一家。目標は大使館に運ばれた20億円。まんまと盗み出したが、キイハンターとの間に大追撃戦。次から次へと車を変えて包囲陣を突破の大スピードレース。だが、狂気の副大統領はヘリコプターに乗って空から皆殺し作戦。マシンガンの雨が降る。裏切られたギャングたちもキイハンターに協力。ついに敵の武器、弾薬を体当たりで吹っ飛ばす。次のシグナルは…>
キイハンター
ギャング 対 Gメン
自動車レース
に御期待下さい
新年1発目と思えないシリアスな展開。そしてまた西部劇。あまり西部劇を見ないせいか、こういう子どもが出てくる話って定番なんだろうか? 風間がいつもキッドと呼ばれるのはビリー・ザ・キッドっていうカウボーイから?
109話の家族構成と一見、似てたけど、アキラの亡くなった母方の祖父、叔母と同居なので、一応血のつながりはあるんだよね。あと殺し屋とはいえずっと同居してたし。
正月っぽい感じにしないとこが「キイハンター」らしいのかもね。

