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ドラマの感想など

【ネタバレ】キイハンター #43 幽霊と五人の札つき女

TBS 1969年1月25日

 

あらすじ

ハントのお啓、仁義作法は、これでござる。シマの囚人服に身をやつし、ムショの内部に潜り込んだ。なじみの顔ぶれフーテン娘5人組と力を合わせて探る、その秘密は某国大統領暗殺事件の犯人捜し。敵もさる者で囚人仲間にスパイがいたのだ。あわれ5人組の1人が殺された。復讐を誓う彼女らと共に。冷たく閉ざされた領事館の門を突破してキイハンターは敵の牙城を攻撃する。

2025.11.28 J:COM BS録画

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ナレーター<この部屋のグループは5人>

 

元 諜報部員・黒木鉄也:丹波哲郎

 

元 諜報部員・津川啓子:野際陽子

 

カー狂・島竜彦:谷隼人

 

記憶の天才・谷口ユミ:大川栄子

 

元 新聞記者・風間洋介:千葉真一

 

<彼らの愛するものは自由。求めるものは平和>

 

国際警察特別室

 UNIPOL JAPAN

 

国際警察・村岡特別室長:仲谷昇

 

<彼らの活躍がここに始まる。彼らの行くところ不可能の文字なく、彼らを遮る国境もない。彼らは、こう呼ばれる…>

 

KEY HUNTER

キイハンター 

 

制作:東映株式会社

   TBS

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今回は29話の続編。

 

テレビ:アナウンサー「親善のため日本を訪問するケンドール・アルタニア大統領は午前10時、羽田着の飛行機で日本に着きました。大統領は空港で出迎えの外務省関係者とあいさつを交わしたあと、直ちに皇居に向かいました」

 

タクシーの後部座席でテレビを見ていたキーコという女性がスイッチを切った。「きょうは、ずいぶんお巡りさんが多いわねえ」

運転手「そうですね」

タクシーを降りたキーコは建物の中へ。

 

ノックし、「ポール」と呼びかける女性。銃声が聞こえ、部屋に入ると、ポールは腹から出血し倒れていた。外国人男性が逃げ、キーコが腹に刺さったナイフを手に取ると、部屋に入ってきた刑事たちがいきなりキーコに手錠をかけた。「あたしじゃない」と叫び続けるキーコ。

 

ポールがいた部屋からライフルが見つかり、窓から見える路上では男性たちが外国語で騒いでいて、車に乗っていた外国人男性が運ばれていた。

 

男「大統領は死んだよ。何もかも計画どおりうまくいった」

女「そう…これであなたにも運が向いてくるわ」

男「ただ、秘密が漏れるのを防ぐために万全の措置が必要だ。ちょっとした仕事を頼まれてほしいんだ」

女「どんなこと?」

男「大統領暗殺の現場で不覚にも1人の女に顔を見られてしまった。その女を徹底的にマークしてほしい」

女「お安い御用よ」

男「女の君でなければ、できない仕事だ。何しろその女は女だけの刑務所に送られるだろうからね」

女「するとあたしに…」

男「そうだ。君にもその女と一緒に刑務所へ入ってもらいたい。そして、場合によっては、その女を殺す」

女「ふ~ん」

男「やってくれるな?」

女「任しといて。ちゃんとやってみせるわよ」

 

電話で話している男女。男は大統領もポールも殺した外国人男性!? 

 

護送車

おみね「♪ 身から出ました サビゆえに~っと

いやなポリ公にパクられて」と「練監ブルース」を歌っていた。

 

キーコは泣きじゃくっている。

 

おみね「♪ 手錠かけられ 意見され」

女性「あ~あ、耳障りだな」

おみね「なんだよ、あたいの歌のことかい?」

女性「えっ? どうだか」

おみね「気に食わねえ小娘だな」

女性「なんでい、やる気かよ?」

おみね「ちきしょう、この野郎!」

 

護送車の中でつかみ合いのケンカをするおみね。前回、おふじ役だった根岸明美さんよね?

 

東京女子刑務所

夜、見回りする看守たち。

 

おみね「さあ、みんな、行くぞ!」

同部屋の女性たちが起きるが、キーコだけは泣いている。

おみね「キーコ、いつまでメソメソしてやがんだ。こうしてあんたのためにあたしたち、ひと肌もふた肌も脱ごうとしてるんじゃないか」

ユキ「さあ、涙拭いて。ねっ?」

キーコ「すみません」

おみね「さあ、シキテン切りな」

キーコ「あの、シキテンってなんですか?」

マコ「ど素人やなあ、しっかりせえ。看守の検査、見張っとれっちゅうこっちゃ」

キーコ「はい」ドアの前に立ち、見張りをする。

 

ほかの女囚たちは布団に人がいるかのように装う。

 

おみね「さあ、心配しないで待ってんだよ。あんたの無実は、きっと晴らしてあげるからね」

キーコ「よろしくお願いします」

おみね「任しとき。さあ、行くよ!」

 

床に開けた穴を通って、敷地内の地面から出る。塀に縄梯子をかけ、外へ。縄梯子を回収し、ミッチーが駐車場の車をピッキング

 

マコは車内でいちゃつく男女を目撃した。「うわ~、ええぞ。代わったろか?」

ダンプ・ユキ「バカ!」

 

ミッチーが解錠し、おみねが運転席に座り、車は走り出した。

 

黒木の部屋をノックされ、黒木がドアを開けた。

おみね「ハントのお啓のお宅とお伺いいたしますが」

黒木「ハントのお啓? ははあ…アハハハッ。いかにも当方、ハントのお啓。まあ、そんなとこじゃなんだ。ずうっと奥へ。」

おみね「ああ…じゃあ、お言葉に甘えまして。おい、みんな、入んな!」ダンプ、マコ、ユキ、ミッチーが続けて入ってくる。

 

5人「お控(ひけ)えなすって!」

5人の迫力に黒木もユミも同じ姿勢になる。

おみね「早速、お控えなすってありがとうございます。軒下三寸、借りましての仁義、失礼さんにござんす。手前、生国と発しやするは常州(じょうしゅう)にござんす。筑波嶺(つくばね)の峰より落つる立田川。そのもみじ葉より、なお赤い胸の血潮が治まらず、ご法を破る無法のたつき、一天地六のサイの目とヤクザの手慰み、親にもらった名前を捨て、赤短(あかたん)おみねの二つ名で親分なし子分なしの一匹ガラス」

 

啓子が帰ってきた。

 

おみね「足の向くまま、気の向くまま、太く短く生きるうち耳に入った悲しい知らせ。立田の川の水よりも濃い血を分け合った櫛巻(くしまき)おふじの非業の最期。どういう定めか知らないが同じ日、同じ時、一緒に生まれたピーナッツ」

 

おみねの仁義を聞いて、納得したような表情をする啓子。

 

おみね「いずれがアヤメかカキツバタ。おしゃか様でも見分けがつかぬほどの2人でしたが、つらい浮世の波風に別れ別れの悪の道。積もり重ねた無頼の報いか、生まれたときは一緒なのに死に目にも会えぬ身のつらさ。それはそれとして、おふじの最期に姉御のかけられた情の数々。人づてながら耳にして、ぜひ、ひと言ごあいさつにとまかり出ました。赤短おみねでござんす!」

 

すごいな~、長台詞! 途中、鼻をすする演技が入ってるせいか、後ろのユキが笑っちゃって下向いてる。

 

啓子「お控えなすって」

ダンプたち「わあ、お啓!」

啓子「みんな、久しぶりね。元気だった? 心配してたのよ」

 

おみね「お啓の姉御でござんすか?」

啓子「あたし、あなたのお姉さんが生き返ったのかと思っちゃった」

おみね「いろいろ姉がお世話になりまして。実は、ご縁ついでにもうひとつお願いがあって来たんですが」

啓子「あら、何かしら? あたしにできることだったら、なんでも」

おみね「海より深い義理人情」

啓子「まあ、いいからいいから。その話ってのを聞こうじゃない」

 

前回見たときは、おふじ役の根岸明美さんとダンプ役の国景子さんがそっくりすぎて見分けがつかないと思ってたけど、今回は、そう思わないな。メイクのせい?

 

おみね「話せば長いことだからかいつまんで言うと、実は、もう1人、仲間がおります。名前はキーコ。同じ釜のくさいメシものどに通らない様子だし、訳を聞いても、ただ泣きじゃくるばかり。見るもあわれに瘦せ細り、吹けば飛ぶよな、その風情」

ダンプ「手短に言うとね、その女の無実を証明してやってほしいのさ」

ユキ「どこだかの大統領暗殺に絡んだ複雑な事件らしいんだけど、キーコ、まるで身に覚えがないって言うの」

マコ「あの子はな、そんな人殺しするような子とちょうで、なあ?」

 

おみね「とは申せ、今は、しがない別荘暮らし。ここは一番、ハントのお啓のお力におすがりするしか手だてはないと一族郎党、がん首そろえて、このとおり。ほれ、みんな! お願いします」

ユキ「お啓、頼んます」

ダンプたち「お願いします!」

 

ユミ「ボス、3か月前の例の事件ね」

黒木「そのことについちゃ、われわれもちょっと興味があってね」

おみね「そうですか。ぜひ、キーコを助けてやってください。あの子の話を聞くと、ほんとにかわいそうで」

 

大統領が撃たれ、乗り込んだ刑事に逮捕されたキーコ。<<あたしじゃない! あたしは無実よ。あたしは、ただ、恋人のポールを訪ねて、あの部屋へ行っただけなのよ。するとポールが倒れていて1人の男があの部屋から飛び出していったの。あたしは、その男の顔をはっきり見たわ。ポールをやったのは、あの男なのよ!>>

 

黒木「ほう、キーコは逃げていく男の顔を見たって言うんだな?」

ユキ「ええ、そう言ってた」

黒木「よし。こいつを刑務所へ持って帰ってね、キーコに見せてくれないか? その中にその男の顔があるかどうか」ユミが用意した何枚かの写真をユキに手渡した。

ユキ「これなんかくさいんじゃない?」ヒゲのある外国人男性の写真。

おみね「へえ、どうしてそいつが?」

ユキ「第六感よ」

 

ユミ「ボスもポールの犯行じゃないとにらんでたわけね」

黒木「うん…まあ、当時は大統領に恋人を奪われたポールの個人的犯行ということでね、片づけられていたんだ。現在の恋人、キーコがそれを止めようとしてね、誤ってポールを刺しちまった、ということだな?」

啓子「おそらくポールは大統領暗殺の直前に殺されて犯人に仕立てられたんだと思うな。キーコが見たって、その男に」

ユキ「この写真をキーコに見せれば、はっきりすることだわ」

 

東京女子刑務所

部屋に戻ってきたおみねたち。

 

ユキ「キーコ、見張りもしないで何、寝てんのよ。キーコったら…」

ユキやマコが悲鳴を上げた。

 

ミッチー「死んでる」

マコ「殺されたんや」

ユキ「自殺かもよ」

おみね「自殺するわけないだろ。殺されたんだよ」

ダンプ「どうする?」

ミッチー「あたいたちが殺したと思われるよ」

ユキ「そうだ。脱獄した間に殺されたなんて言えないもんね」

 

おみね「ミッチー、もう一度、表へ出て、お啓の姉御に連絡するんだ」

ミッチー「うん」

おみね「あっ、電話だよ! きっといい知恵を貸してくれる」

ミッチー「オッケー」

おみね「ユキ、早く寝かせて」

ユキ「うん」

マコ「気をつけて行けよ」

 

ミッチーを送り出し、布団に入るおみねたち。マコはキーコの隣の布団なので怖がって、おみねのそばへ行く。

 

電話ボックスに入ったミッチーを車から身を乗り出し、ライフルで狙う外国人男性。

 

しかし、刑務所でサイレンが鳴ったため、ミッチーはしゃがんだ。

 

啓子「もしもし、ミッチー。どうしたの? ミッチー」

 

サイレンは鳴り続け、ミッチーは電話ボックスから出て、外国人男性も車を出した。無人の電話ボックスから啓子の「もしもし、何があったの? ミッチー」という声だけが聞こえる。

 

看守「誰がやったんです? 誰がキーコを殺したんです? ミッチーは? ミッチーはどこへ行ったんですか? ミッチーが殺したんですか? ミッチーが殺して逃げたんですか?」

 

ほかの看守がタンカを持って部屋に入ってきた。「みんな立ちなさい。壁へ向かって整列!」

 

壁に向かって立つおみねたち。

 

看守たちがキーコの死体をタンカに乗せて運ぶ。

看守長「畳を床を調べて」

看守「はい」

 

看守のひとりが床を足で踏み「変です!」と報告した。多分、この人、前回も看守役だった谷本小夜子さんかな。

 

看守長「えっ? 開けて」床に開いた穴を見つけた。「あっ、いつの間にこんな」

 

ダンプ「ちくしょう」

 

黒木の部屋をノックし、ミッチーが入ってきた。

啓子「あっ、ミッチーどうしたのよ。心配してたのよ。さあ、お水、お水」

黒木「大丈夫かい? あとつけられてないね?」

ミッチー「大丈夫」

啓子「はい、飲んで」

 

銃声

 

ミッチー「んっ!」グラスを落とし、倒れた。

 

ユミが悲鳴を上げる。

黒木「伏せて!」

 

啓子「ミッチー、しっかりしな。ミッチー!」

 

窓に弾丸の痕を確認した黒木。「大丈夫だ、電気をつけろ」

 

ユミ「大丈夫?」

啓子「心臓は外れたわ。命は取り留めるんじゃないかな」

黒木「啓子ちゃん、例のとおり計画を運べ」

うなずく啓子。

 

ミッチー役の賀川雪絵さんは忙しかったのか死んでないけどここで退場。

 

東京女子刑務所に護送車が止まり、囚人服を着た女性たちの中に啓子がいた。

 

啓子が入った雑居房では、ダンプ、マコがさりげなくウインクする。

 

ボス「おう、新入り」

啓子「はっ?」

ボス「はっ? おめえだよ、あいさつしな」

啓子「ああ…こんにちは」

ボス「バカ。そんなあいさつじゃねえよ。仁義、切ろってんだい!」

啓子「あっ…ハハッ…お控えなすって! 早速、お控えなすって、ありがとさんにござんす。向かいます上様とは今日向(きょうこう)、初の御意得ます。したがいまして、あたくしこと関東にござんす。縁持ちまして、親分は東京に越します。黒木一家を名乗りまして、霞ヶ関に暮らします鉄太郎の身内、名前の義はハントのお啓を発しまして御視見(ごしけん)のとおり、しがなき者にござんす。行く末、お見知りおかれまして、お引き立てのほど、お願い申します」

 

前の仁義とも全然内容が違うのね。すごい。

 

ボス「はあ~、ご立派!」

啓子「アハハッ、う~ん」

ボス「いや~、ハントのお啓とやら。まあ、久しぶりにメリハリのきいた仁義、感心したね。今どきの若いやつらときたら…おう、てめえら、今のあいさつ聞いたろ? あれがほんとの仁義ってもんだい。はあ~、スカッとしたね」

啓子「恐れ入ります」

 

マコ「ええっ? ミッチーが撃たれた?」

啓子「シ~ッ! 声おっきい。でも、命は取り留めたわ」

ダンプ「あたしたちだって安全とはいえないよ。事件の秘密、知ってんだからね」

啓子「そう。敵は1人ずつ片づけるらしいよ」

マコ「怖いやんけ」

 

学校の水飲み場のような蛇口が並んだ場所で洗い物をしていた啓子たち。

 

啓子「さあ、これどこ干すの?」

マコ「ええっ? うちも済んださかい、一緒に行ったるわ。ダンプは?」

ダンプ「うん」

マコ「ほな、先行くで」

啓子「じゃあね」

 

1人残ったダンプが洗濯物を干していると、後ろから羽交い絞めされ、ダンプは女の足を踏み、腕を噛み、一本背負いしたが倒れた。

 

啓子、マコが気付いてダンプを起こした。

 

ダンプ「誰かがあたいの首…首絞めたよ」

啓子「えっ、首を? どんなやつだった?」

ダンプ「顔は分かんない。でも、囚人服着てた」

啓子「囚人服か…じゃあ、おみねとユキにも連絡して気をつけるように言うんだ。敵は仲間の女を囚人としてこの刑務所に送り込み、まず、キーコを殺し、今度は、あんたたちを皆殺しにしようとしてんだ」

ダンプ「怖いよ」

啓子「なんとか見つけ出す方法ないもんかな?」

ダンプ「犯人の腕に思いっきりかみついてやったからね。ここにアザができてるはずだよ」

マコ「ダンプはな、ネズミ年やさかい、こいつにかまれたら強烈やぞ」

ダンプ「ああ…苦しいよ」

啓子「それだ。仲間にケンカを吹っかけて騒動を起こし、その隙に腕の歯型を捜すんだ」

 

看守「食事だよ!」

廊下で配膳したものを部屋の小窓から1人分ずつ入れる。まず、子分がボスに配ると、ボスは子分の分のおかずの芋を欲しがる。

 

それにしても、この子分の女囚、この時代の女優さんにしては、珍しくふくよかな女優さんだな。今回キャストクレジットの名前を1人1人調べたけど、画像がない人もいて、何て芸名の人か不明。

 

ボスは別の女囚からも芋を分けてもらう。その芋をフォークに刺す啓子。「焼き芋から、ふかし芋、芋と名が付きゃ大好物でね」

ボス「女に生まれて芋の嫌いなやつはいねえよ!」

啓子「また、きょうのお芋はバカにこってりと甘くっておいしいねえ」

ボス「あたしに逆らう気だね!」

啓子「おや、あたしに親分面すんのかい?」

ボス「んん~っ、言ったね。ちょっと甘やかしゃ、いい気になりやがって、この野郎。おう、みんな、畳んじまいな!」

 

ふくよかな女囚を投げ飛ばす啓子。

マコ「よ~し、いっちょやったろか。このガキや」

ふくよかな女囚に突き飛ばされ、壁にぶつかる。

マコ「あいた~! バカ力、出しやがって。このダルマ、ほんま」馬乗りになって囚人服の腕の部分を剥ぎ取る。

 

ダンプももう1人の女囚の囚人服を脱がせる。おっ、お色気シーン。

 

ボス「野郎、見てろ。ほら、パッパッてしろ。そんでポンポンポンっていくだろ、そんでもって…」啓子につかみかかるが、反対に押さえられ、腕を見られた。

 

ハートに矢が刺さったイラストと”命”という文字の入れ墨。

 

啓子「ジュリー?」

ボス「見られた~」

 

看守たちが入ってきて、啓子とボスを止めた。

ボス「担当さんよ、この女、どっかほかの部屋へ移してくれよ。こんな凶暴な女と一緒にいんのまっぴらごめんだい!」

啓子「ヘッ! こっちだってよ、お前のジャガイモみたいな面、見んの飽き飽きしたよ!」

ボス「ちくしょう、よくも言いやがったな」

看守「あんた、やめなさい! 啓子さん、あんた、荷物をまとめてついてきなさい!」

啓子「ふんっ!」

 

マコ「おう、誰の腕にもアザはなかったで」

ダンプ「あたいを襲った犯人はきっと向こうの雑居房にいる女の中の1人だよ」

啓子「向こうもうまくやってるといいな」

ダンプ・マコ「ああ」

看守「何をコソコソ、話、してるの。早く来なさい!」

啓子「分かってるよ。うるせえな、ババア。ジャガイモ、ジュリーによろしくな」

ダンプ「フフッ」

ボス「ジュリー…」右腕を押さえる。「うっ、ちくしょう。もう…」

笑う啓子たち。

啓子「じゃあな、行ってくるよ」

 

ボスの曽我町子さんは、おっかなそうな顔してるけどコミカル。

 

今度啓子の入る雑居房でもユキたちがほかの女囚の腕を見ようとしていた。

看守「シャラップ! まったくあっちでもこっちでもやめなさい!」

 

おみねたちから抵抗するリリーという髪の長い女囚がいた。

 

看守「リリー! またお前が始めたね。今度また始めたら独房に入れるよ」

リリー「何言ってやんだい。ケンカ売ってきたのはね、あいつなんだよ。ふんっ!」

看守「やめなさい!」

リリー「てやんでい!」

 

啓子を部屋に入れ、看守は出ていった。

 

啓子「ねえ、どうだった?」

おみね「申し訳ない」

啓子「ダメだったの?」

ユキ「ケンカ吹っかけたとこまでよかったんだけど敵もさる者」

おみね「うん。誰彼かまわずかみつき合いになっちまってよ。ああ、痛(いて)え、いてて…」

啓子「アザの見分けがつかなくなっちゃったの?」

おみね「いちばんくさい子はね、あのリリーって子だよ」

啓子「よし。次の手を打って敵の反応を見てやる」

 

夜、寝ている啓子たち。

 

ユキの悲鳴が聞こえ、ユキが指さした方向に女囚服を着た首つりがあった。「キーコ、キーコ…」

おみねも悲鳴を上げた。

 

女の声「私は殺された」

おみね「キーコ…キーコの幽霊だよ!」

女の声「私は殺された。首を絞められて、苦しい、苦しい。殺したやつは、この中にいる」人形かと思ったら、顔が布で覆われて、手を動かしている。

 

パニックになるおみねやリリー。

 

女の声「私を殺したのは、私を殺したのは、お前だ!」

リリー「ハッ!」指さされて、気絶し、仰向けに倒れた。

 

啓子が足で人形を操ってた?? 人形に着せていた囚人服を隠し、リリーを介抱する。「リリー、リリー、しっかりして。幽霊は消えたわよ」

おみね「いよいよこいつに間違いないよ」

啓子「うん」

おみね「泥吐かしてやっからな。えいっ!」リリーを容赦なくビンタする。「ほら、起きんだよ!」

目覚めたリリーは指さして、また倒れた。

 

リリーが指さしたほうにいたのはユキの首つり!?

 

啓子「みんな動かないで!」

おみねがユキをロープから降ろしたが、死んでいた。「ちきしょう。誰が…誰がユキを殺したんだ! 千代、お前だろ!」

千代「あ…あたいじゃないよ。あたいはね、万引きのお千代といって、今までに人をあやめたことは一度だってないんだよ」

おみね「のぶ! お前、確か、殺人未遂で2年の刑だったね」

のぶ「あたいがやるわけないじゃないか」

おみね「じゃあ、いったい誰がやったっていうんだよ」

啓子「ユキ、この敵(かたき)は取ってやるからね」

 

面会室

ユミ「じゃあ、犯人はリリーじゃないのね?」

啓子「リリーは幽霊騒ぎの間中、ずっと気絶してたんだもん。人を殺せるわけないわ。放っとくとね、次々と犠牲者が出るわ。なんとかして今夜中に捕まえたいのよ。ちょっと…」耳打ち。「例の作戦で…」

ユミ「オッケー」

 

啓子は作業終わりの千代やのぶに刑務所の中で2人も殺され、こんなところにいたらいつかあたしたちの身の上にも殺人鬼の手が伸びてくると脅した。逃げ出す方法があると言って、おみねに話題を振る。おみねは隣の部屋に床下からまっすぐ塀のそばまでトンネルが掘ってあると説明。もう埋められてしまったと諦めている千代たち。

 

啓子「あたしもそう思って諦めてたんだ。そしたらね、さっき、看守の話聞いたらね、警察の調べが終わる、あさってまでは埋めないんだって」

リリー「じゃあさ、今夜とあしたの晩なら、そのトンネル使って表へ出られるじゃないか」

おみね「そうだ。隣の部屋なら壁破れば、すぐじゃんか、だろ?」

リリー「うん、やろう、今夜! あたしさ、彼氏に会いたくて…」

おみね「バカ!」のぶの口を塞ぐ。「みんな、どうするんだよ?」

啓子「あたしは、もちろん賛成だよ。あんたは?」

 

おみね「のぶ、あんた、どうすんだよ?」

のぶ「あたしね…」

啓子「よう、あんた、裏切んのかよ」

のぶ「行くわよ。あたしもあんたたちから離れない」

千代「あたしも行く」

啓子「よし、じゃあ、今夜」

 

夜、看守が見回りをし、看守が遠ざかると、おみねたちが隣の部屋の壁に穴を開ける。

 

啓子と目が合った向かいの雑居房のマコは「おい、うまいこといってるらしいで」とダンプに報告し、慌てて布団に入った。

 

穴を開けるおみね。「おい、代われよ」

リリー「よっしゃ。 ♪ 彼氏のためならエンヤコラと…」

 

啓子が看守が来たことを知らせ、開いた穴に板を立てて布団に入る千代たち。倒れた板を直し、布団に入った。

 

啓子とマコが合図を送り合い、再び穴を開ける。

 

ユミが車で待っている。

 

壁を削り、人が入れる穴が開いた。

 

啓子「行くよ」

マコ「うまいことやってこいよ」

 

マコとダンプが布団に入りながら数を数える。100まで数えたマコたちは「担当さ~ん!」と看守を呼び、「向こうの部屋でけったいな音したぞ」と穴を掘ってると知らせた。看守が向かいの部屋を覗くと、大きな穴が開いていて、脱走だと叫んだ。

 

穴の出口に出た啓子たち。看守が追いつき、千代やリリーは捕まった。縄梯子をかけたおみねは途中で啓子を蹴り落とした。「お啓、あたしを罠にかけるつもりだったらしいが、そうはいかないよ。あ~ばよっと」と塀の向こうへ。

 

止まっていた車に乗って行った。

 

のぶや啓子は看守に捕まったが、啓子は看守に当て身をし、掛けっぱなしの縄梯子に上って塀の外へ。ユミの車に乗った。「お迎えかたじけない。あいつは?」

ユミ「外人の男が運転する車で逃げちゃったわ」

啓子「ちくしょう!」

ユミ「ご安心のほどを行く先は読めてる」

啓子「どうして?」

ユミ「特殊なナンバープレートを付けた車だったから」

啓子「そうか。じゃあ、あとを追って」

 

外-・・58

 

特殊なナンバープレートを付けた車に乗っている外国人男性。「片づけなければならない人間は、まだ残ってるんだな?」

おみね「ええ。でも、あたしがこれ以上、刑務所にいては、こっちの身が危なくなるところだったのよ」

男「まずい。反対派が大統領を暗殺したのは今の大統領のリンドンだと嗅ぎつけだしたんだ。少しでも事情を知ってるやつを生かしておいては危ない」

おみね「フンッ、安心なさい。お啓って女さえ片づければ、あとは雑魚同然」

男「…」

おみね「後ろをご覧なさい。その大きな魚が針に掛かってきたわよ」

 

ユミ「でも、おみねさんがキーコやユキを殺した犯人だったなんて、とても信じられないわ」

啓子「でもね、あたしが幽霊の人形劇をやってるとき、死んだユキのいちばんそばにいたのがあの女なのよ。だから、おみねの目に触れないで、ほかの女が殺人を犯すってことは不可能だったのよ」

ユミ「ふ~ん」

啓子「ねえ、新調?」着ていた服を指す。

ユミ「えっ?」

啓子「かっこいいじゃん」

ユミ「ウフフッ」

 

アルタニア大使館

 

啓子「ユミちゃん、あたし、アタックしてみるわ。ボスに連絡して」

ユミ「ええっ? でも、こんな格好じゃ…」囚人服に着替えてる。

啓子「大丈夫よ。捕まっても必ず請け出してあげるから。じゃあね」

ユミ「あっ、ちょっと…んんっ」

 

ユミの着ていた服に着替えた啓子が大使館の中へ。ある部屋を覗くとドレスを着たおみねの写真が飾られていた。

 

電気がつき、軍服の外国人男性とおみねが立っていた。「お啓。よく来てくれたわねえ」

啓子「近くについでがあったものですから、どうぞお構いなく」

おみね「外交辞令は大使館に付き物だけど、ここは警察も手の出せない治外法権の館」

男「ここなら焼いて食おうと煮て食おうと誰に遠慮もいらない」

啓子「刑務所より怖いところってわけね」

おみね「フッ」

啓子「でもね、おみね。キーコやユキを殺した犯人があなただったなんて、いまだに信じられない気持ちよ。あなたがくさいなってにらんでからも、どうか犯人じゃありませんようにって、そればっかり祈ってたわ。あなたが裏切った仲間たちはね、あなたの本当のお姉さん、おふじさんの親友だった人たち…」

おみね「よしな! あたしはね、義理だの人情だの、そんな古くさいものは、きれいさっぱりかなぐり捨てたんだ。そうでなくちゃ今の世の中、生きていけないんだよ。だから、ご覧。姉は男にだまされたあげくに非業の最期。それにひきかえ、あんたをだましたあたしは好きな男と手に手を取って…フフフフッ。これがハードボイルドってんだよ」

 

啓子「こいつね? 大統領を殺した張本人は?」

おみね「この人はね、今度の仕事で新しい大統領の参謀長として金(かね)と権力と輝ける地位を手に入れたの。そしてあたしも」

男「では、私たちの前途を祝福してから死んでもらおう。入れ! 酒をつげ!」

 

同じ軍服姿の男たちが入ってきて、酒を注いだ。男、啓子、おみねがグラスを手にする。

 

啓子「絞め殺せなくなったら、今度は毒殺ってわけ?」

男「ハハハハッ、そんなケチな手は使わないよ」

 

啓子は男とグラスを入れ替えて飲んだ。その直後、おみねが撃たれた。

 

おみね「あっ、ああ…あんた」

男「私は失敗と言い訳は大嫌いだ。これが本当のハードボイルドっていうんだ」とどめの一発を撃ち、今度は啓子に銃を向ける。

 

黒木「おい、ハードボイルド」男の銃を蹴り上げ、啓子が銃を持った。

 

手を上げる男たち。

 

黒木「レディーにはワインを」

啓子「男には武器を」

 

黒木が持っていたグラスと啓子が持っていた銃を取り換える。

 

手を上げた男たちの1人が少し動き、黒木が手を撃つ。「姉御、こいつをいったいどうしましょうね?」

啓子「国際警察に任せましょ」

 

殴りかかってきた男を黒木が倒し、窓から男は落下。後から来た男たちも出ていった。窓から落ちた黒木が男を抱えて車を走らせた。大使館の門は閉まっていたが強行突破した。

 

後部座席でまだ気絶している男。

 

啓子「ボス、この男を国際警察へ届けて」

黒木「姉御は、いかがいたします?」

啓子「あたしは脱獄囚だもん。警察行くわけいかないじゃない。その辺で降ろしてもらうわ」

 

啓子は途中の道で降ろされた。「じゃあ、どっかで遊んでくるわ」

黒木「うん」

トランクが開き、囚人服のユミが出てきた。「ボスの運転、乱暴ね。おかげでコブだらけだわ」

黒木「おいおい。いつの間に潜り込んできたんだ。危ないじゃないか」

ユミ「ボスのことが心配でつけてきたのよ。あっ、早く行かないと、そいつが目、覚ましちゃうわよ」

黒木「オーケー、オーケー、あまり遅くなるなよ」車を発進させた。

 

啓子「ねえ、ゴーゴー踊りに行かない? 刑務所暮らしでくさくさしてんのよ」

ユミ「でも、こんな格好じゃ…」

啓子「あら、大丈夫よ。イカすわよ、この格好」ユミの首にスカーフを巻き、耳打ち。

ユミは囚人服のズボンを脱いで足を上げた。

啓子・ユミ「ゴーゴー!」

 

プロデューサー:近藤照男

        坪井久智

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脚本:佐藤純弥

   池田雄一

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擬斗:日尾孝司

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音楽 :菊池俊輔

主題歌:キイハンター

    非情のライセンス

作詩 :佐藤純弥

作曲 :菊池俊輔

 唄 :野際陽子

    テイチクレコード

非情のライセンス

非情のライセンス

  • provided courtesy of iTunes

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黒木鉄也:丹波哲郎…字幕黄色

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津川啓子:野際陽子…字幕緑

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谷口ユミ:大川栄子

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おみね:根岸明美

リリー:炎加世子

マコ:西岡慶子

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ダンプ:国景子

ユキ:裕圭子

ミッチー:賀川雪絵

ボス:曽我町子

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夏海千佳子

キーコ:華かおる

川村真樹

原令子

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山本緑

看守:谷本小夜子

黒崎二三恵

西智子

和田みどり

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フランツ・グルーバー

ジャック・モリス

レイモンド・ホルトハウス

木川哲也

ナレーター芥川隆行

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監督:山内柏

 

<プロフェッショナル・キイハンター。次の赤いシグナルは…南フランスで殺されたはずの男が日本の妻のもとへ帰ってきた。チューブ入り油絵の具10万ダースと共に。国際秘密組織の手によって送られた荷物の正体は何か? キイハンターは殺された男の家に乗り込んだが、すでに組織の手は、そこまで伸びていた。東京から神戸。そこでキイハンターの前に現れたボス>

 

ゲスト

今井健二

 

<それは意外にも殺されたはずの男だった>

 

弓恵子

 

<次回『キイハンター』は恐ろしいプラスチック爆弾の謎を巡る…>

 

キイハンター

殺人急行007号

に御期待下さい

 

今日は島ちゃん、風間さんがお休み。

 

今回、キーコ、リリー、千代、のぶ、看守とたくさん女優さんが出てたけど、誰が誰やら?? 曽我町子さんがボスなのは分かったけど、あとの人は…多分、キーコが華かおるさん、おみねが護送車で練監ブルースを歌ってたときに茶々入れた人とリリーって同じ人なら紅加世子さんて人かなあ? 川村真樹さんは上半身裸にされた人?? 

 

続編だけど、前回メインの5人が結構欠けちゃってショック…