TBS 1968年11月30日
あらすじ
不気味なホルマリン漬けの死体を狙う女。大学病院から死体を盗むという。深夜、教会の聖壇に現れれば花嫁の装い。某国大使館員との結婚式を挙げる。殺人音波を発見した科学者の失踪に絡む謎は深い。鋭い短剣を振りかざす花嫁は狂った殺人鬼なのか。キイハンターは美しいベールの影の。その正体を追及する。
2025.11.18 J:COM BS録画
ナレーター<この部屋のグループは5人>
元 諜報部員・黒木鉄也:丹波哲郎
元 諜報部員・津川啓子:野際陽子
カー狂・島竜彦:谷隼人
記憶の天才・谷口ユミ:大川栄子
元 新聞記者・風間洋介:千葉真一
<彼らの愛するものは自由。求めるものは平和>
国際警察特別室
UNIPOL JAPAN
国際警察・村岡特別室長:仲谷昇
<彼らの活躍がここに始まる。彼らの行くところ不可能の文字なく、彼らを遮る国境もない。彼らは、こう呼ばれる…>
KEY HUNTER
制作:東映株式会社
TBS
空港から出てきた喪服の女性・万里子。車が止まり、無理やり乗せていった。万里子を見ていたサングラスの男がその車を追いかける。
城北大学附属
恩田神経科
男たちに無理やり鍵のかかった病室に入れられた万里子だったが、鍵の束を持っ他男性看護師が廊下を通りかかったとき、サングラスの男が殴りかかり、鍵の束を奪って万里子を救い出した。看護師は廊下の非常ベルを鳴らした。
看護師「先生、羽田から連れてきた女の患者が逃げました」
恩田「バカ! あの女は殺人を犯してるんだ。彼女は殺人鬼なんだ。早く追うんだ!」
看護師役の人、多分、何回か出てる人なんだろうな~と思いつつ、役者名と顔が一致しないので、なかなかね~。
白衣の島が病院の廊下を歩いていて、部屋に戻る。「ユミちゃん、異常ない?」
同じく白衣姿のユミ。「ううん、別に。ねえ、島ちゃん。ほんとに解剖用の死体にいたずらする者がいるの?」
島「うん。ボスからさ、その話を聞いて、見張れと言われたときは半信半疑だったんだよ。でも、どうやら本当らしいぜ」
ユミ「へえ。気味が悪いわ。あたし、もういやよ、こんな仕事」
島「そう言うなよ。俺、ちょっと死体置き場のほう見てくるよ。なっ?」
ユミ「あっ、気をつけてね」
部屋を出ていく島。
2人の会話中、壁?に伸びる手。
ユミ「ああ、いやだ。くわばら、くわばら」ユミの背後に万里子が近付き、ユミの口にハンカチを当て気絶させた。
死体置き場へ向かう島。鍵を開けて入ると、数人の男がパンツ一丁で水?に浮かんでいる。そこに入ってきた万里子。「死体をもらいに来たの」
島「えっ?」
万里子「死体が1つ欲しいの。ねえ、死体をちょうだい」
後ろから当て身をされ、倒れる島。
万里子と行動を共にする男が水に浮かんだ死体を棒で引き寄せる。「毎日、ここへ忍び込んで調べたが、思うような死体はなかった。これは、きのう、新しく入った死体だ」
万里子「手ごろだわ。さあ、早くして」
白衣を着た男と万里子が死体を運ぶ。
キリッとした美人の万里子役、夏圭子さんは前も「キイハンター」出てたっけ?と思ったら、映画「若者たち」でオリエの友人のマチ子でした。ガッツのある役だった。
マチ子と行動を共にする男・穂積隆信さんは、ホント、昭和のドラマにはよく見る人だけど、私は「積み木くずし」のその後の話をドラマ化したものを見て、イメージはよくない。役とは関係ないとはいえ…すごく上手な人なのは分かるけど。
島が目を覚まし、目の前の死体に悲鳴を上げ、慌てて部屋を飛び出し、控え室に戻るが、ユミは縛られていた。
島「死体が盗まれたんだ、追うんだ」
死体を盗んだ男女が車に乗って去ったので、島たちも追った。
女をクラブの前に下ろし、男は行ってしまった。島とユミは女をつけることにした。
ナイトクラブに入った島とユミ。
BGMは「伊勢佐木町ブルース」。この歌は調べなくても知ってる。
島はブランデーを注文し、女を捜す。店内で万里子を見つけた島とユミは万里子の近くの席に移動。
万里子の視線の先はベンと加賀美という男たちがいた。
ベン「陽子さんとの結婚式はいつですか?」
加賀美「ああ、僕は、あすにでも結婚式を挙げたいんですけどね、何しろ、彼女、気まぐれだから」
陽子「あら。あたしは今夜にでも結婚してもいいのよ。夜の教会で二人っきりで式を挙げるなんてステキじゃない? ウフフッ」
加賀美「これですからね、ハハハッ」
島は店内の公衆電話へ。ユミは万里子の監視。
陽子が席を立つと、万里子もついていった。化粧室で化粧直しをする陽子の背後につき、ユミと同じようにハンカチを口に当てた。
風間「ボス、その女、死体なんか盗んで、いったい何をするつもりなんでしょうね?」
黒木「うん、見当がつかんな」
啓子「意外なことが起こるんじゃない?」
黒木「まあ、とにかく島とユミちゃんがナイトクラブにいる、その女を徹底的に尾行すれば、謎が解けるな」
万里子はボーイにメモを渡し、ボーイは加賀美にメモを渡した。
加賀美さん、これから直ぐ
結婚式をあげましょう。
西町の墓地下にある教会に
直ぐ来てね。 陽子
加賀美はすぐボーイに誰に渡されたのか聞くと、先ほど化粧室に入ったご婦人からだと答えた。加賀美は一緒にいた外人に先に帰ると言っといてと店を出ていった。
席に戻って加賀美とボーイの話を聞いていた島とユミだが、陽子が戻らないのを不審に思い、ユミが様子を見に行くと、陽子が化粧室で倒れていた。
ほんとにすぐ教会へ行ったのか、加賀美!
教会からオルガンが聞こえ、神父がいた。←万里子と一緒にいた男だけどね!
神父「花嫁さんは今、奥で支度をしていらっしゃいます」
ウェディングドレスで現れ、うつむきながら歩く女性に「陽子さん」と呼びかけた加賀美。顔がよく見えないのに女性と並んで立つ。
島とユミも教会に到着した。
神父「あなたたちは、ただいまより配偶者となり順境においても逆境においても豊かなるときも貧しきときも病気に際しても、健康に際しても、いついかなるときも」
女性が持ったブーケからナイフの刃が光っている。
神父「終生、変わることのない忠実を誓いますか?」
加賀美「誓います」←顔もよく見ないのにだまされすぎ!
神父「あなたは?」万里子が神父に突進し、神父がうめき声を上げた。
ベールを脱いだ万里子を見て、「き…君は誰だ?」と戸惑う加賀美。
万里子「来るのよ、さあ」
ナイフで脅され、教会を出ようとした万里子と加賀美だったが、島とユミが入ってきて、別の場所から逃げた。
島とユミは神父が死んでいることに気付いた。
しかし、万里子たちを追い、そのまま2人で車に乗った。
万里子は加賀美を脅したまま屋敷へ入った。「どう? 気に入って? ここがあたしたちの愛の巣よ」
加賀美「えっ?」
万里子「ねえ、あなた、寝室へ行きましょう」
加賀美「いやだ!」
万里子「あなたは一生、ここで暮らすの。どんなことがあっても、あたしは、あなたを逃さないわ。2階には暖かいベッドが待ってるわ。さあ、行きましょう」
ナイフで脅されながら2階へ上がる加賀美。島がタイミングを見て、ユミと屋敷へ。
2階の部屋に入った加賀美に肖像画を見せた万里子。「ご存じでしょ? あたくしの父よ」
加賀美「雨宮博士は知っている。しかし、お嬢さんは、とっくの昔に死んだんだ」
万里子「それは、あなたの錯覚よ。あたしは、このとおり、ちゃんと生きてるわ。そして、あなたと結婚したの」
加賀美「違う! 君は博士のお嬢さんじゃない」
万里子「どうしてそんなこと言うの? あたしたちは、あたしが西ドイツに行く前にあんなに愛し合ったじゃない。あのときのこと忘れたの?」
加賀美「何を言うんだ! 僕の愛したお嬢さんは君じゃない。君は気が狂っている。帰してくれ」
万里子「ここの屋敷には誰もいないわ。いくら騒いだってムダよ」
加賀美「君はいったい誰なんだ?」
万里子「あなたの妻よ。あなた、抱いて」
加賀美「どうして神父を殺したりなんかしたんだ?」
万里子「あなたが殺したのよ」
加賀美「そんなバカな!」
万里子「あなたが教会に行ったことは、みんなが知ってるわ。でも、あたしが教会にいたことは誰も知らないの。あなたはまんまと罠にはまったのよ」
加賀美「君って女は…」
万里子「抱いて」
加賀美「いやだ!」部屋から飛び出すと、廊下の奥に車いすに乗った男の姿が見える。
加賀美にナイフを振り上げる万里子。
加賀美「あっ! 助けてくれ!」
車いすの男が加賀美にナイフを投げ、太ももに刺さった。
島とユミは屋敷に入り、2階へ。廊下には血が流れていて、部屋に入ると、加賀美が助けを求めた。
ユミ「誰がこんなことを?」
加賀美「あの女はキチガイだ。僕は殺される」
島が止血した。「僕たちが守りますよ」
部屋のドアが勝手に閉じられ、開かなくなった。島とユミの耳には万里子の不気味な笑い声が響く。
夜が明け、加賀美は「死にそうだ」と苦しんでいた。島は鍵を開け、林の中に置いてある車を取ってくるという。ユミも行こうとすると、「僕を置いていかないでくれ」と島にすがりつく加賀美。島は「その傷で歩くのは無理ですよ」となだめ、ユミに残って加賀美を見るように言って、車に戻った。
しかし、タイヤが抜かれており、島には万里子の笑い声が聞こえた。
屋敷に戻った島。ドアが不気味に開いた部屋に入ると、車いすだけが置かれていた。島のあとをつける万里子。島は地下室に行き、万里子に閉じ込められた。
黒木の部屋
啓子「これが大学病院から盗まれた死体ね?」
黒木「この死体はね、引き取り手のない行き倒れだったそうだ」
風間「行き倒れねえ。この写真、どっかで見たことがあるな」
黒木「俺もさっきから気になってんだけどな」
啓子「ねえ、ボス。この死体を盗んだ女にナイトクラブから連れ出されたのは大使館員だって言ったわね」
黒木「ソルマス大使館の秘書官・加賀美って男だ」
啓子「その男と死体を盗んだ女。どういう関係があんのかな?」
黒木「死体を盗んだ女。盗まれた死体。それから行方不明になった大使館員。今のところは、まったくてんでんバラバラなんだけどもね。どっかでこれは1本につながってるな」
風間は盗まれた死体とそっくりな雨宮博士の新聞記事を見つけた。
”超音波の権威”
雨宮博士謎の失踪
超音波の研究で知られる雨宮英敏(ひでとし)博士が先月3日に蒸発して以来、ようとして行方が知れない。博士には家族がなく、知人や友人の話では蒸発の動機には、まったく心当たりがないという。
風間「ねえ、啓(けい)ちゃん。これ、1年前の新聞だよね?」
啓子「じゃあ、1年前に蒸発した博士はまだ見つからないってわけ?」
黒木「ああ…雨宮博士が研究していた超音波の別名はね、殺人音波っていうんだ」
強い音波を光線のように集めて発射すれば超音波そのものがすごい破壊力を生む。まったく新しい殺人兵器。それを秘密裏に研究していた雨宮博士が忽然と消えた。そして、博士に似た死体が盗まれた。
風間「ねえ、ボス、この背後には、なんかカラクリがありますよ」
啓子「やっぱりあの女を追えば博士の行方が分かるんじゃないかな。行こう!」
風間「ねえねえ、どこへ?」
恩田神経科
恩田「ミスター・ベン。私も十分調べたが手がかりは何もない」
ベン「殺人鬼のキチガイ女は、どうして加賀美を連れ去ったのかね? んっ?」
恩田「残念ながら私にも分からない」
ベン「ハァ…」
風間が助けを求めて恩田のところへ来た。啓子が包丁を振り上げ、「殺してやる!」と風間を追いかけていて、男性看護師が止めた。
風間「こいつ、幻覚剤飲みすぎておかしくなっちまったんですよ。私が女を作ったと思ってやがるんです」
恩田「よくあることだ。保護室へ入れておきなさい」
恩田の肩越しにウインクする風間と啓子はアカンベーをし、「ええい、女だ、女だ」と暴れ回る。
加賀美はうめき声をあげ、ユミは戻らない島を心配する。
加賀美「僕たちを捨てて逃げたんだ」
ユミ「そんなことするはずないわ。必ず戻ってくるわ」
窓の外を見たユミは庭を誰かが歩いてくるのを見つけた。帽子、コート、拳銃を持った男。
加賀美「来る! 来る、誰か来る!」
屋敷の廊下を歩く拳銃を持った男は島が閉じ込められている地下室に入り、加賀美と呼びかけ、銃を向けた。しかし、加賀美じゃないことに気付く。
島「怪しい者(もん)じゃない。俺は、あんたをクラブで見たんだ」
ベン「加賀美はどこだ?」
島「2階にいる」
2階のドアをノックする島。ベンは加賀美を助けに来たのね。
島「しかし、よく分かりましたね、ここが」
ベン「加賀美、殺人鬼の女はどこにいる?」
加賀美「この屋敷にいるはずだ」
ベン「よ~し、二度と殺人を犯さないように始末する」
何者なんだ、ベン!?
書斎のような部屋でナイフを握りしめて見つめる万里子。
島とユミは加賀美を抱えて歩き、ベンは各部屋のドアを開けていく。
万里子の潜む部屋の机に吸いかけのタバコがあり、ベンが中に入ると、ドアの隅に隠れていた万里子がナイフで襲ってきたがかわして、銃を撃った。「加賀美をどうするつもりだ?」
万里子「殺すのよ」
ベン「なぜだ?」
万里子「なぜでも」
ベン「お前は何者なんだ? 言え! 言わないと殺す」
しかし、ベンは叫び声をあげ、万里子がベンが乗った車椅子を思い切り押した。廊下の突き当たりで止まった車椅子。ベンの背中にはナイフが突き刺さっていた。
逃げる島たち。ドアが開かず、万里子が不気味に笑う。ナイフを持って襲ってくる万里子。
どうにか一室に逃げ込んだものの、万里子はドアを体当たりして開けようとする。その迫力に気絶してしまう加賀美。
加賀美「あっ…来る! やつらが来る! ああ、なんとかしてくれ。なんとかしてくれ、おい!」
島「加賀美さん、しっかりしてください」
錯乱状態の加賀美。
島「ユミちゃん、このままじゃ加賀美さん、気が狂っちまうよ」
ユミ「それだけじゃ済まないわ。相手はキチガイの殺人鬼よ。あたしたち3人とも殺されてしまうわ」
一度、ドアの前からいなくなった万里子がガソリンをドアの前からまいた。昔の洋館ってドアの下に隙間があんなに開いてるものなんだろうか?
島「俺たちを焼き殺すつもりらしい」
加賀美「ああっ! ああ、いやだ、く…来る!」
島はユミに窓から抜け出してボスに知らせるように言う。島が殺人鬼を引き付けるため、部屋の外に出て万里子と対峙する。廊下を走りまわる島。ユミは窓から出たものの、足をくじき、足を引きずりながら庭へ。島はユミが歩いているのを確認した。
庭を出ようとしたユミに万里子の笑い声が聞こえる。いつの間にか外に出てきて包丁を振り上げ、ユミを追いかける万里子。走る先にいた人間に助けを求めたが、男は死んでいて、ユミは気絶し、男はユミの腰の上に倒れた。あの神父さんだよね?
保護室に入った啓子は鍵を開けようとするが、看護師が近付いて来たので狂人のふりをし、鼻歌を歌い、看護師の顔を見て、愛想を振りまく。看護師が通り過ぎたのに気づき、鍵を開け、廊下に出た。
診察室に入った啓子は奥で物音がするので見に行くと、恩田がフィルムを見ていた。<あのフィルム、何が写ってんだろ? よ~し、頂いちゃえ>
啓子はテーブルの上の書類を手にし、器具をわざと投げた。物音に気付いた恩田は机の引き出しに鍵をかけ、人を呼んだ。
啓子は廊下に出て、診察室の隣の恩田教授室に入った。診察室では看護師を呼びつけた恩田が「ここにいるのは普通の病人じゃない。だから厳重に見張るようにと言っておいたはずだ!」と厳しく叱責していた。
その間に机の引き出しからフィルムを盗み出す啓子。
教授室に戻った恩田。啓子は机の下に隠れたまま。イライラしながら葉巻を吸う恩田。看護師からさっきの女の患者が見えないと報告を受け、「何? バカ!」と言いながら、部屋を出ていった。啓子は白衣、黒縁メガネを着用した。
黒木の部屋
啓子の盗み出したフィルムを見る。
建物の写真
SORMAS-REPUBLIC
LABORATORY
黒木「ソルマス…おい、ソルマス共和国研究所と書いてあるぞ」
3人の研究者っぽい白衣の男が立っている写真。1人は雨宮博士。
黒木「読めた! 蒸発した雨宮博士は今、ソルマス共和国の秘密研究所で殺人音波の研究をさせられてるんだな。国際警察で調べたところによるとね、各国の音波関係の科学者が数名、雨宮博士と同じように行方を絶ってる」
風間「ボス、今までの問題を整理すると、まず、誘拐された雨宮博士、盗まれた死体、加賀美という大使館員、そして謎の男女」
啓子「秘密の糸が5人につながってるのね」
恩田神経科から出てきた恩田は車を自ら運転してどこかへ出かけた。黒木も後を追う。
ユミの帰りを待つ島。ユミの助けを求める声がし、島がドアを開けようとすると、今までうめき声を上げていた加賀美が「開けるな! やつらが来る、殺される! 殺される、開けるな!」と島にすがりついた。
島「あなたはここにいてください」
ライフルを持って部屋を飛び出した島。
加賀美「待ってくれ。1人にしないでくれ! 待ってくれ!」と叫び、足を引きずりながら階段を上った。
2階の廊下を歩く島。一室に入ると、ユミがベッドの上で縛られていた。島の背後から男が襲い、もみあいに。男は教会にいた神父だった。「驚くことはない。俺は幽霊じゃない」
島「ちきしょう…一杯食わせたな」
島と男の殴り合い。島についてきた加賀美は廊下に車いすに乗った男がいるのに気づいた。雨宮教授らしい男は手にナイフを持っていて、万里子が車椅子を押して近づく。
助けてくれ!と何度も叫ぶ加賀美。
万里子「雨宮博士を知ってるわね」
加賀美「違う! 博士がここにいるはずがない」
万里子「よく見るのよ。この方は雨宮博士よ」
加賀美「違う!」
万里子「何を言うの? あたしの父よ。雨宮博士よ」
加賀美「博士じゃない、博士じゃないや。博士は、われわれがソルマス共和国に売り渡した。その博士がここにいるはずがない」
万里子「とうとう自白したわね。あたしはそれが聞きたかったの。そのことを知りたかったのよ。そのことを知るためにあらゆる手段を使って、あなたたちを追い詰めたの」
加賀美「貴様たちは、いったい何者なんだ!」
岩佐「NATO情報部の者だ。この人は私たちの味方だ。雨宮博士のお嬢さんが西ドイツで亡くなった。その遺品の中に誰かに狙われてると書かれた博士の手紙があったんだ」
万里子「そこであたしは博士のお嬢さんになりすまして日本に来たの。そしたら、案の定、西ドイツにいる仲間があんたたちに連絡し、あたしは精神病院に連れ込まれたってわけ」
岩佐「これは大学病院から盗んだ死体に細工を施したものだ。もう用はなくなった。お前にやろう」
万里子が車椅子を押し、銃で脅し、加賀美は死体と共に階段を転がり落ちた。
万里子「あなたたち3人はグルだったのね。ソルマス共和国のスパイだったのね」
加賀美「そうだ。許してくれ」
万里子「博士をどんな方法で日本から連れ出したの? さあ、言って!」
加賀美「ああ…助けてくれ!」
岩佐「言うんだ!」
加賀美「撃つな、撃たないでくれ。お願いだ」
加賀美に銃を向けた岩佐が何者かに撃たれて倒れた。銃を撃ったのは恩田。銃を向けたまま屋敷に入ってくると、加賀美が恩田の背後に隠れた。
サングラスの男→万里子と行動を共にする男→神父→庭でユミと鉢合わせた死体の男…みーんな穂積隆信さんが演じた岩佐でした。
恩田「われわれの組織を知った以上、死んでいただく」
万里子をかばうように立つ島。恩田は島の数発足元に発砲し、ジリジリ島に近づいた。
そこに現れた黒木が岩佐をぶん殴り、庭へ出た。
ここって、よく?ドラマやアニメで見かける旧古河庭園かな?
恩田の姿を見つけた黒木が恩田を追い詰める。黒木の前に現れた恩田が銃を向ける。「元・秘密情報部員の黒木さんも最後ですね」
黒木「自分の撃った弾の数ぐらい覚えておけ」
恩田「何?」しかし、銃を撃っても空撃ちの音しかしない。
逃げようとした恩田をぶん殴る黒木。「恩田! 日本の科学者を国外に売り渡して、貴様はそれでも日本人か?」
恩田「それがどうした」
黒木「雨宮博士は加賀美が大使館の特権を利用して国外に売り込んだんだな? そうだろう!」
恩田「う…うるさい!」
黒木「貴様!」
島とユミの前に恩田を捕らえた黒木が現れた。「終わったよ」
加賀美の隣に放り出され、悔しがる恩田。「クソ! 負けん、負けん!」
黒木は島に救急車を呼ぶように命じた。「体が回復したら、こいつにたっぷり聞くことがあるんだ」
万里子は岩佐のネクタイを整え、胸の前で手を合わせ、十字を切った。
黒木「万里子さん、無事、使命達成されてよかったですね」
島「あっ、ボス。ソルマス共和国に連れ去られた雨宮博士はどうなるんですか?」
万里子「黒木さんに頂いたフィルムのおかげで博士の居所が分かりました。あとは多少時間がかかっても情報部の連中が博士を安全なところへ連れ出すでしょう。お二人ともご迷惑かけてごめんなさい。これも仕事のうちですから。ウフフフッ」
島「よかったね」」
ユミ「うん」ユミが風間に笑いかけ、風間が啓子に笑いかけ。
島「あっ、ボス。1つお願いがあるんですよ」
啓子「ねえ、今夜あたり万里子さんをナイトクラブにご招待しない? 日本の休日をゆっくり楽しんでもらうため」
風間「とかなんとか言っちゃって、自分が楽しみたいと違う?」
啓子「まあね。ねえ、いいじゃない、行きましょうよ」
黒木「よし、じゃあ、行こう!」
風間「行こう、行こう」
啓子と風間が前列、ユミ、万里子、島、最後尾を黒木が歩く。笑顔の万里子のアップ。
プロデューサー:近藤照男
坪井久智
*
脚本:高久進
*
擬斗:日尾孝司
*
音楽 :菊池俊輔
主題歌:キイハンター
作詩 :佐藤純弥
作曲 :菊池俊輔
唄 :野際陽子
テイチクレコード
*
黒木鉄也:丹波哲郎…字幕黄色
*
津川啓子:野際陽子…字幕緑
*
島竜彦:谷隼人
谷口ユミ:大川栄子
*
風間洋介:千葉真一…字幕水色
*
万里子:夏圭子
*
恩田:近藤宏
加賀美:上野山功一
岩佐:穂積隆信
*
久保一
山田甲一
陽子:華かおる
木川哲也
林宏
木村修
*
監督:小西通雄
<プロフェッショナル・キイハンター。次の赤いシグナルは…キイハンターのスタッフとうり二つのフーテン娘、誘拐さる。身代金は1億円。金(かね)はどうする? 麻薬組織の金庫を破れという指令。キイハンターに挑戦する誘拐犯は男女2人組。不良バーテンと美しい喫茶店のマダム。しかし、割り切れぬものがある。何かが陰で操るにおいがする。キイハンターとフーテン娘の知恵比べ。次のシグナルは…>
金庫に消えた女
に御期待下さい
5人のメンバーにゲストも交じってワイワイしてるラストは珍しい。
ま、でもわざわざ雨宮博士に似た死体なんて捜さなくても…って気もした。

