1979年 アメリカ
あらすじ
イギリスの名優ピーター・セラーズが純真無垢(むく)な庭師を演じる傑作コメディー。ワシントン郊外の屋敷の中だけで暮らしてきた初老の庭師チャンスは主人の死をきっかけに生まれて初めて外の世界へ出ることに。ひょんなことから政財界の大物ベン・ランドとその妻イブに出会ったチャンスは素朴な言動で周囲を魅了し、一躍、時の人となる…。共演はシャーリー・マクレーン。名匠ハル・アシュビー監督の風刺の効いた演出も魅力的。
2025.10.9 BS NHK録画。微妙に録画がたまってきた。ひっさびさに感じる洋画。
テレビから「未完成交響曲」が流れる。チャンスという男がチャンネルを変えるとアニメ。次はニュース。ルイーズが部屋に入ってきて”親父様”が死んだという。
チャンスは親父様の死が理解できず、ルイーズに朝食を求めた。
屋敷の主人の部屋に行くと、ベッドで冷たくなっていた。チャンスは主人の部屋でもテレビをつけて見始める。その後、庭へ出て、いつも通り仕事をする。
屋敷を出ることになったルイーズは少年のままのチャンスにいい人を見つけなさい、年配の女じゃないとダメとアドバイスして出ていった。女に世話係をさせるな。
屋敷の調度品には布がかけられていたが、チャンスは、その中でテレビを見ていた。トーマス、サリーという法律事務所の男女がやってきたが、チャンスはルイーズが昼食を持ってくるのを待っていると答えた。
トーマスたちは屋敷の処分を任されていたが、庭師であるチャンスが記載になく知らなかった。1933年以来、ここで雇われたのはジョー・サラシーニだけ。1952年に2日半滞在し、壁を修理したレンガ職人。
チャンスはジョーを覚えており、ジョーが変な本に載ってた男女の写真を見せてくれたと笑う。チャンスは物心ついたときから屋敷に住んでいたが、証拠はない。屋敷の主人との血のつながりもなく、外へ出ることを禁じられていたため、車に乗ったこともない。
トーマスたちからこの屋敷は閉鎖するのでこれ以上住めないと言われ、荷物をまとめ、テレビを消し、初めて外へ出た。
屋敷の中はクラシックな感じだったけど、外はホームレスがいたり、割と荒れた町なのね。壁に落書きがあったり。広場でバスケットをしている子供たちを見たり、黒人女性に「腹ペコなんです。昼食をくれませんか?」と話しかけ、避けられたり。
街角に立つ黒人の少年たちに私が働ける庭はありませんか?と尋ねるが、ナイフで脅され、屋敷から持参したリモコンを向けた。
辺りは、すっかり暗くなり店頭の大型ビジョンにテレビのリモコンを向けていたが、当然反応がなく、どんどん後ろへ下がったため、道路に飛び出し、足を轢かれた。高級車だったせいもあり、運転手や車の後部座席に乗っていた夫人も病院へ連れていくと言って車に乗せてくれた。しかし、家に医者がいると言って自宅に直行することになった。
この時代、車の中にテレビがある! チャンスは初めて酒を飲み、むせた。チャンス、庭師と名乗ったのだが、夫人はチャンス・ガーディナーという名だと勘違いする。
チャンスは車いすに乗せられ、屋敷内へ。かなり大きなお屋敷で車いすのまま、エレベーターに乗せられた。ランド家の医師はチャンスを診察し、賠償金を請求する気がないことを知り、安心する。
ランド家では主人が寝ついているため、医師、看護師も常駐している。夫人はチャンシー・ガーディナーという分別のある人と紹介した。
医師は経過観察のため、数日滞在してもらうと夫人に告げた。
車いすでランド氏の診察室へ連れていかれたチャンス。ランド氏は自身が再生不良性貧血という若者の病気で死にかけていると説明した。ランド記念病院と言ってたけど、屋敷内に豪華個室があるような状態なのがすごい! 医師+看護師数人が常駐。
暖炉が3台、何十人も座れるようなテーブルのある大食堂に招かれたチャンス。ランド氏はチャンスの話をビジネスが閉鎖に追い込まれたと勘違いし、庭師として働きたいと言っても、夫人は自然に触れたいわよねと勘違いしたまま。
なぜか会話がかみ合った風のチャンスとランド氏。
歩いて外へ出たチャンスだが、医師は車椅子に乗るように言い、これから大統領がランド氏に会いに来ると伝えた。
ランド氏は大統領に会うのだから立っているとチャンスの肩を借り、歩き始めた。
大統領が自宅に来て、テレビではもっと小さく見えますと素直な感想を漏らすチャンス。
ランド氏は、よく日本のドラマや映画に出てくる”政界の黒幕”的な人なのか?
大統領とランド氏の議論。意見を求められたチャンスは「根が断ち切られない限りうまくいきます。未来も心配ない。庭は安泰です」と答えた。チャンスの言葉をうまく解釈するランド氏に大統領もとても勉強になったと帰って行った。
ランド氏が呼ぶように大統領をボビーと呼び、大統領を戸惑わせた。
大統領は、側近たちにチャンシー・ガーディナーについて今日中に調べろと指令を出していた。
ランド夫人のイブに庭を案内されるチャンス。秋で庭は殺風景だったが、春にはチューリップが2万本(!)植えられる。イブは大統領がチャンスを褒めていたと語る。
新聞社の金融担当シドニー・コートニーから電話があり、金融について聞きたいと言われたチャンスはランド氏に聞くべきですと答え、あとはテレビの体操?に夢中になった。
大統領からの指令を受け、チャンシー・ガーディナーを調べた側近たちだが、過去を知ることはできなかった。
テレビ出演することになるが、プロデューサーはチャンスに会い、言葉少なげで手の内を明かさない者だと周囲に話す。テレビ局の人間もチャンシー・ガーディナーの過去を調べたが分からなかった。
テレビ番組に出演したチャンスをランド氏が夫婦でテレビで見ていた。チャンスは庭の手入れについて話しているだけなのだが、周囲が勝手に経済の話として感心していた。
テレビを見ていたルイーズは「やっぱりアメリカは白人社会ね」とあきれる。チャンスはルイーズが育て、読み書きもできない、脳みそがないのだと周囲の者に話していた。老人ホームかな?
テレビを見ていたトーマスはサリーと会う約束をして出かけた。
亡くなったローリ上院議員の奥さんがソ連大使を招き、祝賀会を開く。ランド氏は出席できる状態ではないので、イブをエスコートするよう頼まれた。
政治家を目指していたトーマスはサリーにチャンスにコケにされたと愚痴る。逆恨みもいいとこ!
プロデューサーも大統領もチャンスの過去を必死に探す。チャンスの背広は1928年に仕立てられたもので、財布も免許証も何もない。
新聞では大統領のスピーチはチャンスの思想の反映だと書かれていたとネグリジェ姿でイブが訪れたが、チャンスはベッドにもたれて食事とテレビに夢中。イブはチャンスにキスしたりして迫るが、チャンスは、ただ無表情に受け入れた。あなたに自制心があってよかったと勝手に感謝するイブ。
イブをエスコートしたチャンス。どんな新聞を読みますか?と聞かれ、正直に新聞は読みません。テレビを見ますと答え、記者への切り返しが最高だとイブに褒められた。
クルイロフの寓話について尋ねられたチャンス。知らないと正直にいうものの勝手にいいように解釈される。
トーマスとランド家に常駐する医師がチャンスの過去を話し合っていた。
本を書いてみないかと言われ、読み書きはできないと答えるチャンス。
極秘事項に関わっているかもしれないから誰にもしゃべらないようにとトーマスに釘を刺す医師。
チャンスはパーティーの中で勝手に8か国語をしゃべれる設定になっていた。
大統領へチャンスがCIAかFBIから情報を消されているという連絡が入った。スパイではないが16か国で調査をしているとさらに追加の情報が入る。
ランド氏は自身が持っている株を売却したり、イブがランド氏の死後、困らないようにいろいろ処理していた。
テレビでキスシーンを見ていたチャンスは部屋に入ってきたイブに同じようにキスをした。テレビのキスシーンを見てまねをしただけで、テレビでそのシーンが終わると、途端にやめてしまう。イブに何が好きなの?と問われ、見るのが好きと答えたチャンス。私がするのを見るのが好きなの?と解釈したイブはくねくねと床を転がる。
チャンネルを変えたチャンスは体操に夢中。
いよいよランド氏が危ないとなったとき、ランド氏は、ずっとここにいてイブの世話をしてほしいとチャンスと握手しながら頼み、そのまま亡くなった。
チャンスは目に涙を浮かべ、医師に問われるまま、イブを愛していること、本当に庭師であることを肯定し、イブのもとへランド氏の死を伝えに行った。
ランド氏の葬式。棺を運ぶ男たちはコソコソ何やら話している。
その間にチャンスは傘を持って、森の中を歩きだした。雪が積もってて寒そう。チャンスは凍ってない湖?の上を歩き始めた。傘を水面に刺せば、そのまま水に沈む。それでもチャンスは歩いていた。(終)
え!!!
エンディングはNG集?
ピーター・セラーズってこの人だったのか! ちょっと扮装が変わると全然分からなくなるんだよな。コメディアンらしいけど、風刺っぽい笑いって感じ?
ラストの水上を歩くチャンスはイエス・キリストの奇跡をなぞらえたものらしいけど…あんまりよく分かんない。最初の親父様の死には全く関心がないような態度だったチャンスがランド氏の死には涙を浮かべていたのは”死”を理解したってことなのかと思ったけど、どうなんだか。不思議な後味の映画でした。
ハートウォームな方向の映画かと思ったら全然違ったよ。しかし、ある意味、よくこんな映画、昼下がりのNHKでやったもんだとも思った。
1982年の「日曜洋画劇場」ではチャンスの声を佐野浅夫さんが吹き替えたそうで、こういう俳優さんが吹き替えた古い洋画が見てみたい。


