徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】キイハンター #13 銀色の銃を持つ男

TBS 1968年6月29日

 

あらすじ

キイハンターの表情に隠れた笑いが浮かんでいる。10億円を狙うギャングの懐に潜入。現金輸送車の出発は朝6時。全員配置に就け。だが、敵もさるもの、罠に落とされて危険は迫る。不気味に光る銀色のサイレンサーを持つ、おしの男は敵か? 味方か?

2025.10.17 J:COM BS録画

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ナレーター<この部屋のグループは5人>

 

元 諜報部員・黒木鉄也:丹波哲郎

 

元 諜報部員・津川啓子:野際陽子

 

カー狂・島竜彦:谷隼人

 

記憶の天才・谷口ユミ:大川栄子

 

元 新聞記者・風間洋介:千葉真一

 

<彼らの愛するものは自由。求めるものは平和>

 

国際警察特別室

 UNIPOL JAPAN

 

国際警察・村岡特別室長:仲谷昇

 

<彼らの活躍がここに始まる。彼らの行くところ不可能の文字なく、彼らを遮る国境もない。彼らは、こう呼ばれる…>

 

KEY HUNTER

キイハンター 

 

制作:東映株式会社

   TBS

 

寺の境内で啓子と島が「はとぽっぽ」を歌いながら、鳩に餌をやっていた。ん? 今回は最初から風間がいない!?

 

車のクラクションが鳴り、鳩が一斉に飛んだ。

 

黒塗りの車が境内にまで乗り入れている。

島「乗り入れ禁止の札が見えねえのかな」

ユミ「許せないわ。平和を乱すやつ」

 

車から降りてきた男女。ユミは男の顔に覚えがあるという。「確か昔の新聞に写真が…」

 

お賽銭に10000円札を取り出す女性。

 

7年前の銀行ギャングだと思い出したユミ。

二俣(ふたまた)ミノル。懲役6年。

 

島「そうか、1年前に刑務所を出たって勘定だな」

啓子「心を入れ替えて、お宮参りか」

 

鈴を鳴らして手を合わせる男女。

 

島「首尾よく、お宝が盗めますように」

ユミ「警察にパクられませんように」

勝手にアテレコ。

 

今度は社務所でおみくじを買う。

権禰宜(ごんねぎ)「はい、どうぞ」

二俣「『願い事かなう。金運隆盛』か…うん」

 

男女が車に乗り込んだところを見て走り出す島。

黒木「おい、どこ行くんだ?」

島「ボス、調べてみる価値ありますよ」

 

女が運転し、島も車に乗り、追いかけた。

 

緑に囲まれたお屋敷に着いた男女。島もあとに続く。

 

二俣「半月後には取り壊しになるうちだ。まあ、アジトとしては格好だな」突然勢い良くドアが開き、銃を構えた。

田所「手を上げろ!」

二俣「バカ野郎、脅かすんじゃねえ。小宮はどうした?」

田所「なんだい、あいつも呼んだんだ?」←字幕はこうだけど、もっとくだけた”なんでえ、あいつも呼んだんでぇ?”くらいな感じ。

二俣「いやなら降りるんだな」

田所「ハハハハッ、ボス」笑顔でサングラスを取った。

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梅津栄さん!? 「チョッちゃん」では最初から最後まで人のいいマスターだったけど、それより昔は個性的な役が多かった。

 

二俣「おい、おみくじは大吉と出た」

田所「おみくじ?」

二俣「ああ、今、こいつと一緒に引いてきたとこだ」

田所「大吉! そうこなくちゃいけねえや。俺はねえ、この日を首長くして待っとったんだい。で、的は?」

二俣「現金輸送車だ。どう軽く見積もっても10億はある」

田所「10億!」

 

三億円事件が起こったのは、この年の12月。

 

木の陰から見張っていた島だが、同じく木の陰にいた男に銃を突きつけられた。

 

銃を持っていた小宮にぶん殴れられる島。こういう役回りなのね~、坊やは。

 

小宮「おう、どこの犬だい? さあ、言え! なあ、その黒木ってのは、どこのやつだい?」しゃべらない島を殴る。「この野郎!」

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小宮役の宗方勝己さんは「ありがとう」第2シリーズの日下(ひのした)さんね。

 

小宮はライターの火を島の顔に近づける。島がいる部屋に来た弘子が「小宮さん、ボスが呼んでるわ」と言って止めた。

小宮「逃げようとしたらかまわない。ぶっ放せ」と弘子に銃を渡した。

 

小宮が部屋から出ていくと、弘子が「大丈夫? しっかりして」と島に駆け寄り、縛られている手の縄をほどいた。

 

田所「ボス、その輸送車だがね。どこの銀行だか名前ぐらい教えてくれたっていいでしょ」

二俣「まだ早い。すっかりメンバーがそろってからだ」

小宮「メンバー? 俺たちのほかに、まだ?」

 

二俣「サイレンサーリュウって男を知ってるか?」

 

小宮はウワサでは知っている。やつのサイレンサー拳銃は銀色をしてるらしいと言う。腕にかけても関西ではナンバーワンだと二俣が言う。会ったことはないが、ムショで知り合った男を通じて、近々、東京へ呼び寄せる手はずになっている。

 

しかし、人間は少ないほうがいいと小宮は反対する。「ハジキの腕なら、俺だって負けやしないよ」

 

特殊技能を持っているというサイレンサーリュウが今度の計画に必要とすると話す二俣。小宮には俺のやり方が不服なら今のうちに抜けたっていいんだぜ?と迫る。

田所「1人減りゃ、それだけ分け前が増えるってもんよ」

 

一触即発な小宮と田所。

 

弘子「もっときつく。そうしないと、あたしが疑われて」

島が弘子の手をしばる。「すいません」

弘子「さあ、早く!」

島「でも、どうして僕を? あなたは二俣の…」

弘子「あたし、逃げたいんです。あの人から」

 

島は電話番号を書き、「きっと力になりますよ、僕たち」とメモを弘子の胸元に入れた。

 

船の上

黒木「思い切って、よく電話してくれましたね」

弘子「黒木さん。あたしの人生を懸けるつもりで。ギャングの情婦なんて、いや。普通の女として、人生をやり直してみたいわ。ここへも危険を冒して…あなたがあたしを抱き留めて勇気づけてくれたら、二俣を裏切って、泥沼からはい上がろうと思って」

 

きょうの黒木さんはいつものスーツじゃなく、ちょっとカジュアル。白黒だから分かりにくいけど、白いキャスケット、白いセーターに見える。「質問したいんだ。君たちの組織のことを」

弘子「あたしの真実の証(あか)しのためだったら」

 

今のところ昔の仲間、小宮と田所という男たちを駆り集め、現金輸送車を襲撃しようとしている。銀行のものらしいが、いつどこで襲うのかは二俣しか知らない。どんなことでも命令すれば探り出してくるという弘子は「あたしを救ってくださるわね?」と、うなずく黒木にキスする。

 

ビーチベッドに寝転ぶ弘子はチャイナドレス…と思わせて、下はズボンだし、カンフー服みたいな服だね。↓こんな感じの。

黒木は弘子を危険な目に遭わすわけにはいかないと二俣の近辺に潜り込む方法を探る。

 

黒木ぃ~、しゃべりながら弘子の胸を触るな! 公開セクハラ。

 

弘子は関西から二俣自身も顔を知らない男を呼ぶのだと話した。拳銃の達人で銀色のサイレンサーを持っているサイレンサーリュウ。黒木はリュウに化けて潜り込むことにした。また、キスシーン!

 

アジト

田所を呼び出した二俣は、「あした午後1時、羽田に行ってこい」と命じた。「お客さんの出迎えだよ。クチナシの花を1輪、胸へ挿せ。そいつが目印だ」

 

相手の目印は田所にペンダントを見せる。

田所「ああ、あのペンダント?」

二俣「落ち合う場所は例のホテル。17番フィンガーで待ってる」

 

サングラスをかけ、クチナシの花を胸に挿した田所とサングラスをかけた弘子が空港で待っていたが、弘子が指さす。「ちょっと、この間の」

 

手すりにもたれかかっていた島が弘子たちと目が合い、舌を出す。弘子は田所に追ったほうがいいと言い、クチナシの花を手にした。

 

田所は島を追いかけていき、近くに立っていたいつものスーツ姿の黒木がクチナシの花を持って、弘子に掲げた。

 

クチナシの花を持った黒木の前にサイレンサーリュウが現れた。サングラス、白スーツの男は八名信夫さんでは?

 

黒木「サイレンサーリュウだな?」

男は弾丸にチェーンをつけたペンダントを見せた。

黒木「いかにもあんたらしいな。1発のスペアで命を拾うこともある」リュウからペンダントを受け取る。

 

車の後部座席に乗せた途端、リュウをぶん殴る黒木。

啓子はリュウの懐から銃を抜き取った。「ホントに銀色。見事なもんだわ」

黒木「そのサイレンサーがないことには君に化けられないんでね。当分の間、警視庁のやっかいになってもらうぜ」

うめき声をあげるリュウ

黒木「ひょっとして、貴様、おしか? おしなのか?」

 

”おし”って放送禁止用語らしいけど、これを消したら今回の話の意味が分からなくなっちゃうもんね。放送が午後10時と遅めだから、そのまま放送できるのかな?

 

うめき声をあげ、目で訴えるリュウ。黒髪の八名信夫さんは、ちょっと江頭さんに似てる気がする。

 

黒木「そうか。サイレンサーというのは消音拳銃のことだけじゃなかったんだな。もの言わぬ男という意味にも通じるわけだ」

啓子「ボス、どうする気? あなた、おしに化けなきゃなんないのよ。一切、口が利けないのよ。そればっかりじゃないわ。他人の言葉も聞こえないふりしなきゃなんないのよ」

黒木「面と向かったときだけは唇の動きで言葉が分かるんだ」

啓子「もし、しくじったら消されるわ」

黒木「だからといって、手を引くわけにはいかんさ」

 

島が車を覗き込む。「ボス」

黒木「おう、後始末を頼むぞ」

島「はい」

 

田所が弘子のもとへ戻ってきた。 「逃げ足の速い野郎だ。お客さんは?」

弘子は、まだだと答えた。再び、クチナシの花を弘子から受け取り挿そうとしたした田所から花を奪う黒木。今度は白っぽいスーツになってる。

 

田所「サイレンサーリュウさんで?」

黒木が弾丸のペンダントを見せた。

 

梅津栄さん、役作りってわけじゃないだろうけど、前歯が2本ない!

 

啓子も妻だと名乗って現れた。「主人とは一心同体ですの。どうぞ、よろしく」

 

アジト

二俣が黒木に銃を渡した。そろったメンバーで乾杯。田所、小宮は準備へ向かう。

 

啓子「お話を伺いますわ」

二俣「仲間は女を除いて4人。分け前もきっちり4等分する。したがって、奥さんの分け前はない。承知ですな?」

啓子「ウフッ、主人の稼ぎで十分、やっていけますわ」

 

女の数は人数に入ってないってか…

 

二俣が計画を話し始めた。中央銀行が都下、緑町に支店を1つこしらえた。開店は3日後だが、肝心の金庫がまだ空(から)のまま。あすかあさって中に本店から10億は下らない現ナマが運び込まれる。その輸送車を襲撃する。

 

二俣「いかがですかな?」

啓子「あっ…大変結構なお話しだと思いますわ。ねえ、あなた、いいわね?」

うなずく黒木。

 

小宮が準備が出来たと部屋に入ってきた。早速、黒木に仕事をしてもらいたいという二俣は部屋を出ていった。

 

ドアが閉まると、弘子が黒木のそばに寄ってきた。「ごめんなさい、おしだなんて」

啓子「そんなことよりも、この仕事って何?」

何も聞いていない弘子。

 

二俣が急かし、隣の部屋に入った黒木たち。目の前はビル。

 

50メートルの道路を挟んで向かいのビルが中央銀行の本部。望遠鏡は前の部屋に焦点を合わせている。黒木がのぞくと、人の姿が見えた。総務部長室で、きょうの午後3時、現金輸送を依頼された輸送会社の警備員が、あの部屋を訪ね、警備の打ち合わせをする。そこまでは二俣が調べた。そこから先はサイレンサーリュウの役目だと黒木の肩をたたく二俣。

 

啓子「何をしろって、おっしゃるんですか?」

二俣「大阪でなんにも聞いてこなかったのか?」

首を横に振る啓子にピリつく空気。

 

二俣は黒木の肩を置き、望遠鏡で警備員の唇を読んでもらう。そのために仲間に加えたのだと言う。最高級のレンズで口元のシワまで読めるはず。うなずく黒木に盗聴装置のことも考えてみたが、銀行は人の出入りがうるさいのだと説明した。

 

双眼鏡で見ていた小宮が警備員が部屋に入ったと知らせた。

 

二俣「始めてもらおうか」

黒木が望遠鏡をのぞき、手元のメモに何か書き始めた。

啓子「速記ですわ」

 

二俣に何て書いてあるんだと聞かれ、啓子が速記を読む。「総務部長は背中を向けているので唇は読めない。警備員たちは聞き役に回っているので何もしゃべらない」

 

「まだ何も見えんのか!」と急かす二俣。

啓子「主人に背中からどなっても通じませんわ」

 

速記を書き始めた黒木。

啓子「都内は車が混みますので、輸送は早朝。明朝5時半に現金輸送車をこちらへ回します。30分で積み込み、6時出発ということで。荷台は鋼鉄の二重構造になっておりまして、タイムロックが付いております。無理に鍵を開けようとすると非常ベルが1キロ四方に鳴り渡ります」

二俣「ずいぶん念の入ったことをやりおる」

啓子「地図を見ながらしゃべってるんで唇は読めないそうです」

二俣「コースが分からんでは話にならん」

 

黒木のナレーション<ここにドライブインの看板がありまして、その二股を左へ行きます。二股を左へ…>

 

啓子「その二股を…右だそうです」

 

小宮が運転し、田所がストップウォッチを持って、タイムを計る。

後部座席の二俣。「大体、予想どおりだな」地図を確認。

 

別の車

後部座席の啓子。「ボスが唇が読めるなんて全然知らなかったな。一時はどうなることかと思ってドキドキしちゃった」

助手席の黒木。「読唇術、速記、あらゆる状況に対応できる技術を習得していなくちゃプロとはいえないな」

運転席の弘子。「黒木さん、なんとお礼を言っていいか」

黒木「礼はまだ早すぎますよ。あいつたちを刑務所に送り込むまではね」

啓子「あたしは今のうちに警視庁に通報すべきと思うけどな」

黒木「未遂じゃ罪は軽いんだ。弘子さんを救うことにはならなくなる」

啓子「技術的には言うことないけど女に甘いうちはね、フフッ」

 

ドライブインセブン

       入口

 

の看板を見つけて、右へ。

 

黒木「さっき、俺は二股を右と言った。その言葉を信じて、やつらは計画を練る。だが、本当の輸送車は左の道を行くはずだ」

ハッとする弘子。

 

車を止めた小宮。

二俣「おあつらえに道幅は半分だな」

小宮「ここで襲撃するんですか?」

田所「本店からは1時間15分だ」

小宮「いや、朝なら1時間で来る」

二俣「ここへは7時前後だな」

小宮「交通量もまばらでしょう」

二俣「2台の車で輸送車を前後から挟む」

小宮「お礼のサンドイッチか、フッ、こいつはいいや」

小宮と田所は笑っているが、二俣は辺りを見回し、タバコを吸う。

 

二俣は地図を指しながら説明する。「朝6時にここを出発する。ここに二股がある。ここで小宮は待機。現金輸送車をやり過ごしてから、そのあとを追う。この3人は、いずれ現場で俺と一緒に待ち伏せをする。いいな?」黒木、啓子がうなずく。

 

田所には、ひと足先に銀行を張り込むよう指示。輸送車が間違いなく出たことを確認する。

 

田所「うん…7年前、縁起を担いでヒゲそらなかった。ところがどっこい不精ヒゲから足がついてパクられちまった。おかしいね」と電気シェーバーでヒゲを剃る。

二俣「フンッ。6時まで眠りたい者は眠れ。小宮と田所は交代で表を監視。いいな?」

 

小宮は銃を持って外へ。

 

黒木の時計は00:05。

 

啓子は部屋を見回し、黒木と目で合図。黒木が立ちあがり、歩き出そうとすると、二俣に「どこへ行く?」と聞かれた。立ち止まった黒木に「貴様、背中から声をかけたのが聞こえたのか?」と突っ込む。黒木は無言で鏡を指した。

 

手を洗う仕草をした黒木に懐中電灯を持たせる啓子。廊下を歩いた黒木は窓を開けた。細長い棒を持って「ハロー」と呼びかける。

 

しかし、黒木の部屋にいた島はボクシング中継に夢中で通知音、ランプに気付かない。何度も「ハロー」と呼びかける黒木。ようやく気付いた島だったが…「ハロー」と呼びかけた黒木を誰かが懐中電灯で照らした。

 

目を細めた黒木の先にいたのは拳銃を向けた小宮だった。

 

無線マイクから島の声が漏れる。「ハロー、島です、ボス!」

 

小宮「あんた、おしのはずでしたね」

 

殴り合いでは黒木の勝ち! しかし、黒木の背中に銃が押しあてられた。銃を押し当てていたのは弘子。「その手をお離し」

 

小宮を解放し、今度は逆に小宮が両手を上げた黒木の両手を後ろに回した。

弘子「まんまと引っかかったわね、あたしの罠に」黒木の口の中に銃を入れ、注射を打った。「声帯の局部麻酔、朝まで本当のおしになってもらうわ。ウフフッ」

小宮「あんた方はボスに目をつけて探り始めた。俺は弘子を使って逆にスパイさせた。フッ、10億円の金(かね)は俺と弘子で頂く。ボスと田所は国際警察のおとり捜査官とは相打ちで死ぬことになっている。あっ、それまでは今までどおり、サイレンサーリュウとして襲撃にも参加してもらう」

 

弘子は黒木の懐から銀色の銃を抜き、弾を取り、銃を返した。

 

まだ無線マイクから島の声が聞こえる。「ハロー、島です。ハロー! ボス、聞こえませんか、ボス!」弘子は無線マイクを拾い上げて閉じた。

 

無線マイクというか、ラジカセなどについてたFMアンテナみたい。黒木は、このアンテナを縮めたり、伸ばしたりして呼びかけていた。

黒木の背中に手を添えて戻ってきた弘子。小宮も戻ってきて、田所と交替した。

 

弘子「座ったら?」と黒木に優しく呼びかけるが、背中には銃を突きつけている。

 

小宮「ねえ、ボス、輸送車のコースですがね。必ず右に行くとは限りませんぜ」

二俣「何?」

 

啓子は黒木の表情をうかがう。

 

小宮「運転手のその日の気分でどっちへ行くか分からないってことですよ。まあ、いやでも右へ行かなきゃならないように細工することですな」

 

黒木は腕時計を見る。2:00。

 

ふざけて啓子に銃を向ける小宮。黒木は落ちていた釘?で背面の壁に何か書き始めた。タバコを吸う弘子。

 

田所が交代だと戻ってきた。

小宮「チッ、骨惜しみやがって」外へ。

 

黒木が弘子を見ると、弘子はハンドバックの間から銃口を向けた。

 

黒木もライターをカチカチして暇つぶし。2:58。

 

うたた寝し始めた田所。啓子も目を閉じ、ライターをカチカチして啓子に気付いてもらおうとしていた黒木だったが、弘子が黒木のタバコに火をつけた。黒木が床を転がしたコインにも弘子が気付き、黒木に返した。

 

黒木の腕時計は4:03。

 

目を開けた啓子に黒木は自分の背面を指す。黒木が体をずらすと速記が見えた。弘子が目を覚ましたので、弘子を見てウィンクする黒木。

 

啓子は速記を読み取っていた。<女は敵。小宮とグル>

黒木がうなずく。

 

田所が大きな伸びをして起きた。

 

啓子<襲撃後、残りの人間は殺される>

黒木がうなずく。

 

田所が椅子から転げ落ち、椅子が壊れた。その音で目覚める二俣。啓子たちも驚き、田所が笑う。驚いた小宮まで戻ってきた。

 

二俣「じきに夜明けだな」と、田所に銀行へ行くように命じた。あと1時間。

 

啓子はまた速記を読み取る。<無線マイクは女のバッグに>

 

黒木とうなずき合った啓子はトイレだと言って立ち上がった。ついてくる弘子。

 

トイレに入った途端、「あなたは敵よ」と弘子に言う啓子。「あたし、愛してるんです。あたしから黒木さんを横取りしないで」

笑い出す弘子。「敵だなんて」

啓子「あたしにとってはボスの二股以上にあなたが怖い」

 

ボスである二俣ではなく、黒木ボスの二股ってこと?? いや、二俣のことよね?

 

啓子はさりげなく弘子のバッグから無線マイクを抜き取り、トイレに入り、島と通信を試みる。

 

中央銀行

アタッシュケースを台車に積み歩いている警備員。通用口から現金輸送車に積み込む。「よろしいでしょうか?」

銀行員「あっ、これで全部です。よろしくお願いいたします」

警備員「はっ」腕時計を見ながら「では、タイムロックをかけます。ただいま5時50分。2時間後の7時50分に開きます」

銀行員「はっ、結構です」

 

タイムロックをかけ、金庫を閉め、現金輸送車が走り出した。見ていた田所。

 

アジト

二俣「みんな、支度はいいな?」

 

黒木や啓子、弘子も立ち上がり、出ようとするが、小宮が壁の速記を発見した。「(啓子に)あんた、俺と一緒に来てもらう」

 

二俣「小宮、いまさらどういうことだ?」

小宮「用心のためですよ。サイレンサーリュウが裏切らないって保証はないでしょう?」

二俣「それもそうだな」

 

東都警備保障の現金輸送車が走る。運転席・弘子、助手席・黒木、後部座席・二俣が乗った車が待機している。

二俣「あと約10分で二股道だ。そこからまたさらに5分」

 

現金輸送車がたまたま事故現場に遭遇した。事故を起こしたのは田所? ドラム缶を積んだトラックと接触した!?

 

オープンカーで待機している小宮と啓子。

小宮「何をしてやがんだい」と、あきれる。

 

警察官から向こうに回ってくださいと誘導されるも、時間に余裕のある警備員は「待たしてもらいますよ。決めたコースを行かなきゃならない規則なんで」と、とどまった。

 

目で合図する田所と小宮。

 

田所「融通の利かねえ野郎だな」

 

警備員たちは車に乗ったままタバコを吸い始める。

 

7時過ぎ。待機している二俣は、もう現れてもいいころなんだが、と時間を気にする。

 

小宮の腕時計も7:05を指している。

 

二俣「予定を15分も過ぎてる。くうっ!」

そこに小宮の車が来た。「二股のとこで、じっと止まってやがんですよ。あの様子じゃ、とってもこっちへ来ませんぜ。ねえ、予定を変えて左の道で襲ったら?」

二俣「向こうは、なんの下見もしてない。いまさらヤバい」

小宮「クソ~ッ。みすみす10億円の現ナマを。ちっきしょう」

微笑み合う黒木と啓子。

 

弘子が現金輸送車に気付き、車を出した。現金輸送車の前で止まった弘子運転の車。黒木が車を降り、警備員に手を振る。

 

警備員「これ以上、時間食うと銀行へ着く前にタイムロックが開いてしまう」

 

助手席に乗っていた警備員が車を降り、「押しましょうか」と近づく。黒木と一緒になって車を押す警備員。二俣が警備員を殴ってトランクに入れ、運転席にいた警備員は小宮が殴った。二俣が現金輸送車の運転席に座り、弘子、二俣、小宮の車が続く。

 

啓子「あの女とは、いつから?」

小宮「ボスの二俣は懲役6年、俺は5年9か月だったよ」

啓子「その三月(みつき)の間に物にしたってわけ」

小宮「たった三月が俺の一生を変えた」

啓子「フッ、人生に勝ったつもり?」

小宮「フフフッ。10億円の財産が目の前を走ってるよ」

 

ウィンクし合う黒木と弘子。

 

アジトに到着。先に田所が待っていた。「どうなることかと思ってハラハラしましたぜ」

二俣「タイムロックの切れる時間だ」

 

田所と二俣が現金輸送車の後ろの戸を開け、金庫を開けようとしている。

 

車を降りた啓子に銃口を向ける小宮。弘子もまた黒木の背中に銃をあてる。

 

田所「とうとうやりやがった、10億円!」

弘子「喜ぶのは、まだ早いわ」

 

二俣、田所は黒木に銃を向ける弘子、啓子に銃を向ける小宮を見た。

 

弘子「動くと撃つわよ。さようなら、あなた。新しい人を見つけましたのよ。あんたと田所は、あたしが撃つわ」

小宮「こっちのご両人は俺だ」

弘子「死人の手に拳銃を握らせて、あたしたちはバイバイ」

 

先に行くと言って啓子の頭に銃を向ける小宮。陰で見ていた島! 一瞬のスキをついて、黒木が小宮の手元に銃を撃ち、島が弘子から銃を奪う。銃を持った啓子が逃げようとする二俣、田所の動きを止めた。

 

黒木「ほ~ら、ペンダントのスペアのおかげだよ。麻酔もタイムロックと同じように解けたようだ」

啓子「(小宮に)さあ、そろそろ金庫の中へお入り願おうかしら。本望でしょ?」

島「(弘子に)さあ、どうぞ。ボス、タイムロックは?」

黒木「警視庁まで1時間ありゃオーケーだ」

島「オーケー!」

啓子「さあ、それまでせいぜい10億円の感触を楽しんでいただくわ」

 

寺の境内

手を合わせながら、それぞれ願い事をする。

ユミ<あたしも早く一人前のプロになれますように>

島<僕を助けてくれた女神が悪いやつだったなんて、いまだに信じられません。ボスと同じで修業が足りないんでしょうか? 神様、お願い!>

啓子<悪い女に引っかかるボスの癖、一日も早く治りますように…フフッ>

黒木<ハァ、今度こそいい女にぶつかりますように、神様>

 

ふと黒木が顔を上げると金髪美女が歩いていた。啓子、島、ユミが黒木に注目するが、黒木は金髪美女にウィンク。

 

プロデューサー:近藤照男

        坪井久智

*

脚本:池田雄一

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擬斗:日尾孝司

*

音楽 :菊池俊輔

主題歌:キイハンター

    非情のライセンス

作詩 :佐藤純弥

作曲 :菊池俊輔

 唄 :野際陽子

    テイチクレコード

非情のライセンス

非情のライセンス

  • provided courtesy of iTunes

*

黒木鉄也:丹波哲郎…字幕黄色

*

津川啓子:野際陽子…字幕緑

*

島竜彦:谷隼人

谷口ユミ:大川栄子

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小宮:宗方勝巳

弘子:宮園純子

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二俣ミノル:南道郎

田所:梅津栄

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サイレンサーリュウ八名信夫

警備員:篠恵輔

桐島好夫

植田灯孝

*

監督:鷹森立一

 

<プロフェッショナル・キイハンター。次の赤いシグナルは…偽札使いのアジトをつけ、肉体の限界、ギリギリの拷問。この女がカギ>

 

ゲスト

稲垣美穂子

 

<だが、秘密指令には耐え抜かねばならぬ>

 

渥美国泰

 

<すでに日本に派遣されたFBIの捜査員は消されていた。バトンを受け継いだキイハンターの作戦は? 自分自身をおとりにして敵の組織を破壊するのだ。『キイハンター』次のシグナルは…>

 

キイハンター

贋札つかいの墓標

に御期待下さい

 

また長くなっちゃった…やっぱり風間がいないとちょっとつまんないな。島はドジな役回りであんまり出番もないし。