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【ネタバレ】チョッちゃん(152)―連続テレビ小説―

NHK 1987年9月29日(火)

 

あらすじ

東京へ出てきた蝶子(古村比呂)と泰輔(前田吟)。商売のことは後回しにして、住んでいた千駄木を見に来ると、連平(春風亭小朝)の書置きがあり、そのまま上野へ。すると連平は夢助(金原亭小駒)と闇市で石けんを売っていた。連平の小屋で近況を話し合い、蝶子の住んでいた洗足へ向かう。何もない野原で手がかりになるものはないか見ていると、はる(曽川留三子)に声をかけられる。小屋には音吉(片岡鶴太郎)もいて…。

2025.10.7 NHKBS録画

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脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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岩崎蝶子:古村比呂…字幕黄色

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岩崎要:世良公則

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国松連平:春風亭小朝

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中山音吉:片岡鶴太郎

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中山はる:曽川留三子

梅花亭夢助:金原亭小駒

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岩崎加津子:藤重麻奈美

岩崎雅紀:相原千興

岩崎俊継:服部賢悟

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鳳プロ

早川プロ

劇団ひまわり

トラックワン

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野々村泰輔:前田吟

 

要の名前があるけど、マーちゃんの名前がある時点で回想!?

 

焼け跡の街

 

♬~(「東京の花売娘」)

東京の花売娘

東京の花売娘

  • provided courtesy of iTunes

<東京に着いたチョッちゃんと泰輔さんは、やはり住んでいた場所が気になるのか商売は後回しにして、まず、千駄木へと向かいました>

 

終盤に大掛かりなセットを組むなあ。

 

蝶子「この石段!」

泰輔「ん? そうだな! ということは…」石段を駆けおりる。「ここだよ!」

蝶子「うん!」

泰輔「ここ、ここ! ハハハハッ!」振り向いて反対側を見る。「ここ、ほら、チョッちゃん。生け花の教えてた…」

蝶子「吉野さん家(ち)!」

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泰輔「そうそう、そうそう!」振り向いて自宅跡地へ。「おお~、あったな!」

蝶子「叔父さん、立て札、どこ?」

泰輔「あ、おかしいな? この辺に立てといたんだけどな。おかしいな? ああ、チョッちゃん! それだ、それ!」

蝶子「あっ、これ?」

泰輔「おお、あ、違ってんな。おかしいな~」

 

蝶子「叔父さん!」

泰輔「あ? 何だ?」

 

蝶子が泥で汚れた木の立て札を見つけた。

 

野々村泰輔様

下谷××御徒町三ノ二

 連絡乞う 

   國松 連平

 

下谷”と”御徒町”の間に漢字2文字あるけど、泥で汚れてるのもあり、読めない。

 

泰輔「連平君!」

蝶子「叔父さん、行こう!」

泰輔「うん!」

 

電車の走行音←東京だと”電車”なんだな~。

 

 

人がごった返す高架下の闇市へ行った蝶子と泰輔。ジャズが流れる。

 

男「もう自由なんだからさ、日本は自由になったんだからね。好きに触っておくれよ。匂い嗅いでごらん。いい匂いだろ?」

 

人だかりの中でしゃべっていたのは連平だった。「こんなせっけん今まで見たことないだろ?」

夢助「ひょっとして、これ、舶来物かい?」

連平「はい?」

夢助「いや、舶来物? これ」

連平「よく聞いてくれた。何を隠そう、このせっけんはね、フランスはパリーのピギャール街にお店(たな)を構える所のマリーアントワネット社が自信をもって製造した、せっけんだよ」

夢助「なるほど!」

連平「何でこれが、あたしの手元にあるのか? 何でこれがあるか…」

夢助「どした?」

 

泰輔と蝶子が見ていることに気付いた連平。「チョッちゃん!」

泰輔「連平君!」

連平「社長!」

泰輔「夢ちゃん!」

 

感動の再会をポカーンと見ている米兵らしき人が後ろにいる。連平さんの口上、もっと聞いていたかった。寅さんみたいな仕事してるってことでしょ?

 

連平たちの部屋

蝶子と泰輔の前にコーヒーカップが置かれた。

連平「砂糖」

蝶子「いいの?」

泰輔「え~!」

連平「遠慮なしだよ」

夢助「どうぞ!」

 

蝶子「1つ?」

泰輔「1つ」

蝶子「はい」コーヒーカップに角砂糖を入れる。

泰輔が蝶子と自分のカップの中をかき混ぜる。

 

蝶子「いただきます!」

泰輔「遠慮なく」

連平「どうぞ」

泰輔「お~っ、甘い」

蝶子「おいしい!」

 

連平「そう? よかった、よかった。そうすると今もみんな青森に?」

蝶子「そうなの」

夢助「皆さん、お元気で?」

蝶子「うん!」

連平「よかったなあ」

夢助「へい」

 

泰輔「で、2人は、いつ復員してきたんだ?」

連平「あたしはね、1月」

夢助「あたしは去年の12月でした。九州の佐世保に着きまして、トコトコ、トコトコ。東京までの長いことといったら、ありゃしません、ええ」

 

泰輔「連平君の実家の方は?」

連平「戻ったんですけどね、跡形もなくて…。おやじもおふくろも兄貴もどこに行ったんだか、皆目」

泰輔「そうかい…」

 

連平の実家のある浜町は3月10日の東京大空襲の被害がすごかった地域みたい。

 

蝶子「洗足の方には?」

連平「行ったよ。あたしが帰ってきてからと夢が戻ってからの2度」

夢助「へい」

連平「だけど、うちなんかありゃしない。あ、中山さんちもなかったよ」

蝶子「そう…」

 

泰輔「だけどさ、帰ってきたら何ですぐ連絡くれなかったんだよ」

うなずく蝶子。

泰輔「ずっと待ってたんだぞ!」

連平「だって、どこに連絡していいか分かんないじゃないですか!」

泰輔「行き先、書いた木札、立てといたんだよ。千駄木と洗足に!」

 

連平「ありませんでしたよ、そんなの」

泰輔「いや!」

連平「なあ!」

夢助「へえ、ありませんでした」

連平「あれば連絡しますよ!」

 

泰輔「いや~、立てといたんだけど、なあ」

うなずく蝶子。

夢助「取られたんですよ。あれ、よっぽど気ぃ付けてねえと、小屋の板、ひっぺがして、たきつけにしようという手合いがいますから」

連平「いるいる」

夢助「ねえ!」

蝶子「はあ~」

泰輔「そうか」

 

連平「でさ、ほかに何か変わったことない?」

泰輔「う、うん…」

 

⚟︎電車の走行音

 

蝶子「頼介さんが…」

 

⚟︎電車の走行音

 

連平、夢助を見て、うなずく泰輔。

連平「戦死?」

うなずく蝶子。「青森にね、遺骨持った神谷先生と安乃ちゃん、寄ってくれて…」

連平「そう…」

 

蝶子「要さんもまだ…」

ニッコリ笑う連平。「まだだよ。まだってことは帰ってくるってことじゃない!」

夢助「そうそう! 今頃になってポコッと帰ってきてる間の抜けた手合いも多いんだから」

連平「な!」

夢助「ええ!」

蝶子も笑顔でうなずいた。

 

連平「チョッちゃん、東京、戻っておいでよ。東京で要さん、待てばいいじゃない」

夢助「うん」

蝶子「家がないもの」

連平「…そうか」

 

蝶子「叔父さん、私、これから洗足の方に行きたいんだけど」

泰輔「うん!」

蝶子「うん」

 

洗足へ行った蝶子と泰輔。家は跡形もなく草が生えていた。向かいの中山さんちは建物が建ってる!?

 

蝶子は落ちていたシャベルを拾い上げ、思い出す。

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要、蝶子、中山夫婦と池にフナを放つ。

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池を潰して、畑に。マーちゃんがいる!(涙)

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蝶子と要が夜、縁側から庭を見ているのは出征前夜の回かな?

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軍服を着て、岩崎家の前に立つ要。

 

思い出に浸る蝶子。

女「ちょっと、あんたたち何してんの?」

 

振り向いた蝶子。「はるさん!」

はる「あぁ~っ!」

蝶子「帰ってきてたの!?」

 

はる「あんた! あんた!」戸を開けて叫ぶ。

 

⚟︎音吉「あ? 何だよ?」

 

音吉が家から出てきた。「ああ!」

泰輔「おお!」

蝶子「戻ってきてたの?」

泰輔「ハハハハッ!」

 

音吉「2人とも無事で!」

泰輔「あんたたちも」

うなずく音吉たち。

蝶子「いつ?」

音吉「4月に戻ってきたんだ」

蝶子「そう!」

 

はる「手紙出したんだよ、北海道に」

蝶子「うん」

はる「野々村さんのいる茨城にも」

泰輔「茨城、空襲でやられちゃってさ。1年前から青森に行ってんだよ」

蝶子「今もね、青森にいるの」

音吉「青森なの?」

蝶子「そう!」

はる「とにかく中へお入りよ」

音吉「うん! ま、中たって、外みたいな中だけど。アハハ!」

 

家の中へ入る音吉。「さささ!」

泰輔「じゃ、遠慮なく」

はる「入って。ズズッと奥へ」

音吉「バカヤロー、お前、この小屋に奥も手前もあるかい。アハハハ、どうぞ、どうぞ!」

蝶子「お邪魔します」

音吉「どうぞ、どうぞ!」

 

上座に座る蝶子と泰輔。

音吉「お互い無事で何よりでした」

泰輔「…いや、本当に」

4人は頭を下げ、何も言えず、はるは涙を流す。

 

音吉「旦那は?」

蝶子「…まだ」

音吉「あ、そう…」

はる「加津(かっ)ちゃんたちも青森?」

蝶子「はい!」

はる「元気?」

蝶子「子供たち、病気ひとつしないで」

音吉「ああ、そうかい」

 

泰輔「今日ね、連平君や夢助君にも会えてね」

音吉「そうですかい」

泰輔「うん」

 

はる「ねえ! またここに戻ってくるよね?」

音吉「うん!」

蝶子「そうしたいけど」

音吉「ちょっとした小屋だったら、すぐ建つよ」

 

蝶子「けど、地主さんが土地、貸してくれるかどうか…」

泰輔「なるほどな」

音吉「杉田のとっつぁん、疎開から戻ってきてるらしいから、これから頼みに行きゃいいよ」

はる「うん!」

蝶子「貸してくれるかな」

音吉「おいらも一緒に行ってやるからさ、ね!」

笑顔でうなずく蝶子。

音吉「うん!」

 

連平たちの部屋

連平「そう、あの土地、大丈夫」

うなずく蝶子。「いつでも使っていいって」

連平「ふ~ん。だったらさ、あそこの所にとりあえず小屋でも建てて、東京に戻ってくればいいじゃない」

夢助「そうそう!」せっけんを切ってる。パリ云々は、やっぱりウソね。

 

蝶子「小屋建てるにも材木が要るでしょ?」

連平「うん」せっけんを包む。

蝶子「材木集めるにも、お金も要るし。そう思ってね、行商始めたの」

連平「ふ~ん」

 

泰輔「こいつだよ、こいつ」リュックをたたく。

連平「それ、何、入ってんの?」

泰輔「うん。スルメと干物だ」

連平「へえ、ちょっと見せてよ」

泰輔「そうかい? おう!」リュックを連平たちの前へ。

蝶子「はい」

夢助「あ、いい匂いがする。フフッ」

 

連平「これ!? あ、すげえな、こりゃ。これ、売れるぜ!」

蝶子「明日からね、売り回るわよ」

連平「チョッちゃんが?」

蝶子「そうよ」

 

連平「ダメだよ」

蝶子「どうして?」

泰輔「チョッちゃんじゃ、何だ…無理か?」

連平「そういうこっちゃなくて、チョッちゃんに物売りのまねなんかさせらんないよ!」

蝶子「いや、けど…」

 

連平「いや、あたしがね、話を聞く前ならともかくも、そばにいてさ、チョッちゃんにこんなことさせたって要さんに分かったら、何て言われるか!」

蝶子「いや、けど、売らないことには…」

連平「大丈夫だよ。売るのはね、あたしと夢でやるから」

夢助「へい」

 

泰輔「何だ、売ってんの、せっけんだけじゃねえのかい?」

連平「何だって売りますよ、社長」

泰輔「ん?」

夢助「ほら、木綿でしょ? それから、水あめ。砂糖に紅茶に、ほら、缶詰も。ね!」

泰輔「闇か?」

連平「さあね」

夢助「このスルメなんざ売れますよ!」

連平「何たって食い物だからな」

夢助「ええ」

 

連平「チョッちゃん。これ、あたしたちに任せてね。チョッちゃんが売るより高く売るよ!」

蝶子「いいの?」

連平「う~ん。チョッちゃんには早くお金こしらえてもらって東京に来てもらいたいじゃない」

うなずく蝶子。

 

連平「だからね、チョッちゃんは、たまにこれを東京に運んで、あとは、あたしたちがさばくから」

蝶子「…甘えていいの?」

連平「任せてよ。な!」

夢助「お約束」

蝶子「ありがとう!」

連平「いえいえ、どういたしまして」

 

泰輔「チョッちゃん

蝶子「ん?」

泰輔「叔父さんさ、このまま東京に残ろうかと思うんだよ」

連平「社長がいてくれりゃ、百人力!」

泰輔「うん、俺さ、連平君たちの商売手伝いながらだ、みんなを迎える支度しようと思うんだよ」

連平「いいねえ!」

 

泰輔「いいか。まず千駄木に俺の小屋建ててさ、お金がたまったら、チョッちゃん一家が住めるぐらいの家を建てる材料をそろえたりさ、その準備したり。な! いろいろとあるからさ」

蝶子「そうね! あ、そうやって少しずつ準備してった方がいいわね」

泰輔「うん!」

蝶子「分かった。青森にはね、1人で戻るわ」

 

泰輔「ああ! なにも叔父さん楽しようと思って、そんなこと言ってるんじゃねえんだぞ」

蝶子「分かってる」

泰輔「だからさ、姉ちゃんと富子には、よ~く説明しておいてくれよ」

蝶子「はい!」

泰輔「うん!」

 

蝶子「そしたら、叔父さん。叔母さんには帰ってもらった方がいいわね?」

泰輔「うん、だけど、青森、大丈夫か?」

蝶子「大丈夫よ。叔父さんたちが来るまで4人でちゃんとやってたんだもの。うん」

泰輔「…うん!」

 

連平「よ~し! そうと決まったら、夢、例のもん、な!」

夢助「あ、ハハッ!」

泰輔「何だ、何だよ?」

夢助「お楽しみ!」

連平「これが一番喜ぶもの」

泰輔「何が出てくる?」

 

一升瓶を取り出す夢助。

泰輔「お~、オホホホ!」

連平「さあ、チョッちゃん」湯飲みを渡す。

蝶子「私も?」

連平「いいじゃない、形だけ。再会のおめでたい夜でしょ」

蝶子「あ、そうね」

連平「さあ、社長もね」

泰輔「ああ」

 

連平「よし、さあ、チョッちゃん、いこう」酒を注ぐ。

蝶子「少し」

連平「はい、社長、いきましょう」

夢助「社長、大酒飲みだから」

泰輔「おっとっとっと!」

連平「夢もいくか? それじゃ、乾杯」

一同「乾杯」蝶子の酒を飲む。

 

連平「大丈夫?」

蝶子「分かんない」

泰輔「え?」

笑い声

 

<もう一息だよ、チョッちゃん>(つづく)

 

一気に東京へいた頃の空気に戻った~! でも、こうなるともう最後まで滝川は出てこない感じ? 石沢さんも出ないの? 北海道の空気が何とも言えず好きだったんだけどね。